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|color = black
|bgcolor = silver
|stylistic_origins = [[エレクトロニカ]]、[[エレクトロニック・ミュージック]]、[[レイブ (音楽)|レイ]]、[[ビッグ・ビート]]、[[ドラムンベース]]、[[2ステップ]]、[[ハウス (音楽)|ハウス]]、[[テクノ]]、[[インディー・ロック]]、[[パンク・ロック]]、[[ポスト・パンク]]、[[実験音楽]]、[[電子音楽]]
|cultural_origins = [[2000年代]]後半<br />{{UK}}
|instruments = [[ドラムス]]、[[ベース (弦楽器)|ベース]]、[[ギター]]、[[シーケンサー (音楽)|シーケンサー]]、[[サンプラー]]、[[ドラムマシン]]、[[シンセサイザー]]、[[キーボード (楽器)|キーボード]]、[[ラップトップパソコン|パソコン]]、[[ボーカル]]
|derivatives =
|subgenrelist =
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[[2000年代]]前半、ロックシーンは[[ポスト・パンク・リバイバル]]/[[ニュー・ウェイヴ・リバイバル]]が起こり[[1980年代]]の音楽に対する再評価を進めたが、とりわけ[[シンセポップ]]系ニューウェーヴバンドへのリスペクトが高まり、[[ブロック・パーティー]]や[[ザ・キラーズ]]を代表格に[[インディーロック]]にダンス・ミュージックを導入するバンドが台頭した。これは[[エレクトロクラッシュ]]という地下ブームとも連動し、クラブ・シーンとロック・シーンのクロスオーバーが盛んになった。ネオ・リベラリズムのマーガレットサッチャーが制定した、クリミナル・ジャスティス法への反対デモ(1994)には、「10万人」もの参加者があった。
 
こうした流れの中で登場したのが[[クラクソンズ]]である。彼らは自らの音楽を、「[[ニュー・ウェイヴ (音楽)|ニュー・ウェイヴ]]」と「[[レイブ (音楽)|レイ]]」をもじった造語として「ニューレイ」<ref>http://noisey.vice.com/.../the-definitive-history-of-new-rave-i...</ref>と名付けた。この言葉は当初、単なるクラクソンズによる「内輪のダジャレ」として使われていたが、やがてクラクソンズが(ニューレイという言葉とは無関係に、純粋にその実力で)ロック・シーンにおいて頭角を現すようになると、「ニューレイ」はメディアを通じて大々的に喧伝され、「ニューウェーヴの進化系」「次なる潮流」として持て囃された。時を同じくして多くの近似バンドがデビューを飾ったこともあり、ニューレイは[[2007年]]から[[2008年]]にかけてブームになった。
 
== 詳細 ==
ニューレイは内実を伴わないでっち上げのブームとする見方もある。しかしながら、音楽シーン全体で見ると、[[1980年代]]後半の[[マッドチェスター]]〜[[1990年代]]後半の[[ビッグ・ビート]]に象徴されるように、実は10年周期で「ダンスとロックの融合」ムーヴメントは定期発生を繰り返しており、この側面でみた場合、[[2000年代]]後半のダンスとロックのクロスオーバー・ブームを言い表す呼称がニューレイのそれ自体であるという意見もある。そのようにニューレイとして大きく括られてしまったものには、[[ダンス・パンク]]やディスコ・パンク、単純にダンス・ロックと呼ばれるもの、[[エレクトロクラッシュ]]、[[ニュー・ウェイヴ・リバイバル]]、[[シンセポップ]]、[[エレクトロ・ポップ]]、[[エモ]]、[[スクリーモ]]など、多種多様なジャンル、シーン、ムーブメントがあった。
 
== 批判 ==
オリジナルのレイの実際の音と「ニューレイ」と呼ばれた大多数のバンドの音は、いくつかの典型的なアナログ・シンセラインを有する点においてかろうじて識別可能であるものの、両者の関連性は薄かった。加えて安易なメディアによっては、単に同時期に台頭したというそれだけで「[[電子音楽]]系は皆ニューレイヴ」として扱っていた感は否めない。すなわち、[[ブラジル]]の[[カンセイ・ジ・セール・セクシー|CSS]]、あるいは[[オーストラリア]]の[[ペンデュラム (バンド)|ペンデュラム]]などの海外勢に対してや、あるいは[[ジャスティス (バンド)|ジャスティス]]や[[ボーイズ・ノイズ]]といった、DJスタイルのミュージシャンに対しても一様にニューレイ・バンドとして扱う傾向があった。
 
オリジナル・レイの[[プロディジー]]は、このニューレイに対して、「プレスが意図的に仕掛けたブームであり、レイ・カルチャーとの関連はまるでない。くしゃみをしたら吹き飛んでしまうような軽いシーンだよ。」
とコメントし、[[1980年代]]末〜[[1990年代]]を架け橋するサブ・カルチャーとしての背景を持つオリジナル・レイに比べ、ニューレイはムーブメントに属するミュージシャンを支える土壌がない、言わば「砂上の楼閣」であると断じた。<br>しかしながら、「このシーン中でもクラクソンズは本物。本当にいいレコードを作ったのに、それをプレスにさんざんネタに使われた」とも述べている。
 
実際、当のクラクソンズ自身も、ニューレイはジャンルとは関係がないと公に発言し、「手に負えなくなった冗談」と総括して自ら決別宣言を出した。
 
結局のところ、実態としてのニューレイは、メディアによって1人歩きを始めた[[バブル経済]]なものであり、[[1990年代]]に[[日本]]の音楽誌上で流行った「[[デジタルロック]]」と同種の流行語とみることもできる。
 
ニューレイは広義の意味で "[[2000年代]]に世界各地で偶発的に起こった複数の「エレクトロニック・ミュージックとロックのクロスオーバー」ムーブメントを[[2007年]]頃に大雑把にまとめたものの名称、ムーブメント名" と言うことができ、また狭義の意味では "[[クラクソンズ]]と、その周辺の音楽的に極めて類似性の高いバンドを指すジャンル名" と説明することができる。
 
[[ジャスティス (バンド)|ジャスティス]]や[[デジタリズム]]といった新世代エレクトロ勢の世界的台頭とニューレイ勢の交流は盛んであり、[[2000年代]]後半の[[ブリットポップ]]再評価と同様に、即座に軽薄なムーヴメントだと認定するには早計であるとも言える。後年、[[2000年代]]を隆盛したダンスとロックのクロスオーバー・ムーヴメントとしてこのニューレイヴが回顧されるであろうことだけは確かである。
 
[[日本]]においては、[[BOOM BOOM SATELLITES]]などが、ニューレイからの影響を公言していた(本国[[イギリス]]とはブームの流布に時間差があり、その間に解釈が若干異なったという点はある)。
 
== 音楽スタイルとファッション ==
ニューレイの音楽性は、オリジナルの[[レイブ (音楽)|レイブ]]で流行した音楽([[マッドチェスター|マンチェスター・サウンド]]や[[アシッド・ハウス]])に似ているものの、後年の[[ビッグ・ビート]]や[[ダフト・パンク]]からの影響の方が色濃く、[[レイブ (音楽)|レイブ]]のリバイバルというよりは、単純に「[[エレクトロニック・ミュージック]]を全面に取り入れた[[インディー・ロック]]」と考えるべきである。<br>しかし敢えて、「ニューレイ」として特徴付けるとすれば、[[DJ]]スタイルではなくバンド・スタイルである点、[[サイケデリック]]な視覚効果を重視している点、多幸感のあるトリップ感覚をダンサブルなバンド・サウンドによって実践しようとする点、などが挙げられるであろう。
 
{{right|[[Image:Knicklichter.jpg|thumb|ケミカルライトスティック]][[Image:Partyknick.jpg|thumb|曲げたケミカルライト]]}}
 
ニューレイヴで語られるバンドは、[[トランス (音楽)|トランス]]系のパーティーからの影響も強く、非常に明るい蛍光色を好んだファッションを特徴としている。ナイロン生地のマウンテン・パーカや[[ナイキ]]や[[アディダス]]等のハイカット・スニーカーなど、カラフルなカジュアル系スポーツウェアを着こなす者が多い。ワンポイントのアイテムとして、[[ケミカルライト]]([[グロースティック]]、[[サイリウム]]、[[ルミカ]]とも呼ぶ)を手首に装着したり、点滅するコンパクト・ネオンをかざすことも多い。実際のところニューレイのカテゴライズは、シーンの多少曖昧な音の基準よりも、このカラフルなファッション・イメージによる方が多いともされる。
 
== 主なミュージシャン ==
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=== 日本のミュージシャン ===
* [[BOOM BOOM SATELLITES]] - ニューレイからの影響を公言
* [[DOPING PANDA]] - ニューレイからの影響を公言
* [[大沢伸一]]
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}
 
== 関連項目 ==
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* [[テクノ]]
* [[ディスコ]]
 
{{ディスコ}}
{{ニュー・ウェイヴとポストパンク}}
{{エレクトロニック・ロック}}
{{オルタナティヴ・ロック}}
 
{{DEFAULTSORT:にゆうれいふ}}