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{{参照方法|date=2015年8月29日 (土) 14:55 (UTC)}}
{{Otheruses|将棋の駒|16世紀の朝鮮に存在したとされる飛行機|韓国起源説の一覧#その他の地域の事物}}
 
'''飛車'''(ひしゃ)は、[[将棋]]の[[駒 (将棋)|駒]]の種類の1つである。
 
[[本将棋]]・[[小将棋]]・[[中将棋]]・[[大将棋]]・[[天竺大将棋]]・[[大大将棋]]・[[摩訶大大将棋]]・[[泰将棋]]・[[大局将棋]]で使う。[[チェス]]の[[ルーク]]・[[シャンチー]]の[[車 (シャンチー)|車]]・[[マークルック]]のルアと同様の動きをする。[[英語]]でもrookと[[翻訳|訳]]され、略号は[[R]]<ref group="注釈">ただし本将棋の飛車は成って竜になることで斜めに1マス移動できるようなることがチェスのルークと異なる点である。また起源の上ではルークや車に対応するのは[[香車]]である。</ref>
 
== 概要 ==
鎌倉期に[[大将棋]]において考案された駒である。語源は[[今昔物語集]]に登場する[[空飛ぶ車]]ではないかという説がある<ref>三宅弘[http://shiga-bunkazai.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/08/5e49ab3475d4aae4ccb5e0e4fc056d51.pdf 将棋史研究ノート9](公益財団法人滋賀県文化財保護協会)</ref><ref>[https://hon-yak.net/1-29/ 巻一第二十九話 戦争と王になった富豪の話 | 今昔物語集 現代語訳]</ref>。
鎌倉期に[[大将棋]]において考案された駒である。
 
飛車が成ると、(一部の古将棋を除き)'''[[竜王 (将棋の駒)|竜王]]'''になる。
 
[[本将棋]]では[[角行]]とならぶ広い利きを持つ大駒であり、竜王に成るとさらに利きが広がるため攻撃の要となる傾向が強い。そのため、本将棋において、最も攻めの要となる駒である。五筋を基準に左側に飛車を動かすことを「[[振り飛車]]」、それより右側に飛車を動かす、あるいは飛車を元の筋のままにして戦う戦術を「[[居飛車]]」と呼ぶように、[[銀将]]、[[角行]]とともに古くから戦術を左右する駒として知られてきた。
 
特に横の利きは他の駒にないもので、攻めの軸となる。その一方で、利きの強さから、玉を除く駒の中では基本的に価値(重要度)が最も高い駒とされ、相手に攻められやすい駒であり、一度相手に渡ると非常に脅威となる。特に棋力の低い人は、飛車を取られると戦意を喪失する人もいるほどで、最近では玉を詰ます[[詰将棋]]に似たものとして、飛車を詰ます「詰飛車問題」が出ているほどである<ref>石田直裕・タカ大丸『史上初の詰飛車問題集』</ref>。
 
特に横の利きは他の駒にないもので、攻めの軸となる。その一方で、相手に攻められやすい駒であり、一度相手に渡ると非常に脅威となる。それだけ守りにも重視しがちな駒であるが、俗諺で'''「ヘボ将棋、王より飛車をかわいがり」'''と謳われるように、飛車の守りだけに腐心すると、肝心の王の守りを崩され、敗局を迎えることになる。よって、時と場合によっては思いきって飛車を切って、攻めを打開することも求められ、寄せや詰めの手筋では飛車や龍捨てに好手を生むことも多い。それを特徴的に示した格言としては「'''一段金に飛車捨てあり'''」というのがある。
 
後ろの利きも強い駒であり、特に自陣に攻め駒を打たれるのを防ぐ役割も持つ。守り駒として自陣に打つこともしばしばあり、これを「自陣飛車」というが、その場合は王と離して横の利きを生かす場合が多い。
 
本将棋では成ることにより新たに斜め後ろへの利きが発生する唯一の駒でもある(ちなみに本将棋での他の成れる駒5種に関しては、新たに真横や真後ろへの利きが発生するという点が共通している)。
 
成駒である[[竜王 (将棋の駒)|竜王]]の動きは飛車の完全上位互換なので、成れる場合は通常成りが選択される。しかし、極めて稀に[[打ち歩詰め]]回避等のために不成が戦略上有効になるケースもあり、[[詰将棋]]ではしばしば出現するほか、プロの公式戦の実戦において飛不成が発生したケースも少数存在する。詳細は[[成駒]]及び[[打ち歩詰め]]を参照。
 
実戦で将棋の駒が割れることは滅多にないが、飛車は実物の将棋の駒の中で物理的に最も割れやすいといわれている。「飛」と「車」の縦画が深く彫ってあるのがその原因の一つとされている。
特に横の利きは他の駒にないもので、攻めの軸となる。その一方で、相手に攻められやすい駒であり、一度相手に渡ると非常に脅威となる。それだけ守りにも重視しがちな駒であるが、俗諺で'''「ヘボ将棋、王より飛車をかわいがり」'''と謳われるように、飛車の守りだけに腐心すると、肝心の王の守りを崩され、敗局を迎えることになる。よって、時と場合によっては思いきって飛車を切って、攻めを打開することも求められ、寄せや詰めの手筋では飛車や龍捨てに好手を生むことも多い。それを特徴的に示した格言としては
*一段金に飛車捨てあり
というのがある。
 
本将棋では初期配置に存在する駒として最強の駒となっているのに対し、中将棋や大将棋に於いては、生駒の竜王や、[[奔王]]、[[獅子 (将棋)|獅子]]などといった飛車よりも強力な駒が初期配置から存在し、生駒の竜王も[[飛鷲]]に成ることができるため、中将棋や大将棋では飛車は雑魚駒と言われている。また、金将の成駒としても飛車は存在しており、ありふれた駒の一つとなっている。大将棋に登場する駒より更に強力な駒がある天竺大将棋や大局将棋、大大将棋では尚更のことである。
後ろの利きも強い駒であり、特に自陣に攻め駒を打たれるのを防ぐ役割も持つ。守り駒として自陣に打つこともしばしばあるが、その場合は王と離して横の利きを生かす場合が多い。
 
== 本将棋・小将棋 ==
[[画像:Shogi rook.jpg|90px|thumb|駒の表面]][[画像:Shogi rook p.jpg|90px|thumb|駒の裏面(龍王)]]
'''飛'''と略す。[[成駒]]は[[竜王 (将棋の駒)|竜王]]で'''竜'''と略す。年配の人は略称として「車(しゃ)」と呼ぶこともある
 
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|縦横と斜め前に1マス動ける。
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== 脚注 ==
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===注釈===
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===出典===
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== 参考文献 ==