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'''不飽和脂肪酸'''(ふほうわしぼうさん、{{lang-en|unsaturated fatty
栄養素としては[[飽和脂肪酸]]と異なり、不飽和脂肪酸のグループには人体に必要な[[必須脂肪酸]]が含まれる。不飽和脂肪酸は大きく[[一価不飽和脂肪酸]]と[[多価不飽和脂肪酸]]に分かれる。このうち後者が必須脂肪酸となり、さらに[[ω-6脂肪酸]]、[[ω-3脂肪酸]]に分かれる。
== 性質 ==
不飽和脂肪酸は同じ炭素数の飽和脂肪酸に比べて、低い融点を示し不飽和結合の数が多いほど顕著である。とくに魚類など寒冷地に生息する変温動物にとって、不飽和脂肪酸の低い融点は生体構成脂質として有用と考えられる
また、不飽和脂肪酸に二重結合が複数あるとき[[自動酸化]]されやすく油脂の酸敗や自然発火などの原因となっている。[[リノール酸]]で言えば11番の炭素原子は2つの二重結合に挟まれていて活性を持つ。さらに、リノレン酸は11番のみならず14番も同様に活性を持つ。逆に[[オレイン酸]]は二重結合が1つなので酸化されにくい。酸化によって脂肪酸分子の重合が進むと、高分子化して固化するが、[[オリーブ・オイル|オリーブ油]]は70 - 80%がオレイン酸であるため、他の植物油に比べると固化しにくい。
[[脂質過酸化反応]]とは、[[脂質]]の[[酸化]]的[[化学分解|分解]]反応のことを言う{{要出典|date=2012年10月}}<ref>[http://www.agri.tohoku.ac.jp/kinoubun/outline-PCOOH-j.html 東北大学大学院農学研究科 機能分子解析学分野 研究概要 : 過酸化脂質の化学構造と分析法]</ref>{{信頼性要検証|date=2012年10月}}。[[フリーラジカル]]が[[細胞膜]]中の脂質から[[電子]]を奪い、結果として細胞に損傷を与える過程のことを言う。この過程は、フリーラジカルの[[連鎖反応 (化学反応)|連鎖反応]]のメカニズムによって進行する。生体機構は、フリーラジカルを捕獲することによって速やかにラジカル反応を停止させ、それゆえ脂質である[[細胞膜]]を保護し得る様々な[[抗酸化物質]]を生み出してきている。[[スーパーオキシドディスムターゼ]](SOD)、[[カタラーゼ]]、[[ペルオキシダーゼ]]を含んだその他の抗酸化物質が生体内で作られている。
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またω3系統も同様にロイコトリエンなどに変換される。しかしながら、ω6系統を材料にしたものに比較して[[生理活性]]が低い、あるいはないという特徴がある。[[生理活性]]が低いということで、過去、食用油脂から不要として除去されたこともある。しかし、生理活性の強いω6系統と競合することで、[[免疫]]や[[凝血反応]]、[[炎症]]などにおいて過剰な反応を抑えるということが明らかになった。いわばω6系統のブレーキ役であるといえる。実際にω3系統の脂肪酸の1つである[[エイコサペンタエン酸|EPA]] (eicosapentaenoic acid, 20:5) で血小板凝集抑制作用があることが知られている。その裏返しとして、EPAの過剰な摂取により出血傾向が現れることが指摘されている。ω3系統もω6系統に遅れて[[必須栄養素]]となった。代表的なものに[[α-リノレン酸]] (18:3)、EPA、「頭が良くなる」ともてはやされた [[ドコサヘキサエン酸|DHA]] (docosahexaenoic acid, 22:6) がある。日本の食生活ではω3系統の脂肪酸摂取量は減りつつあり不足していると懸念される。
[[ファイル:Essential fatty acid in oil.JPG|400px|thumb|[[食用油]]の[[必須脂肪酸]]<ref name=ndb>[
ω3系統とω6系統は前述の生理活性物質に変換される際、全く同一の[[酵素]]の作用により変換されていく。これら2系統の脂肪酸の競合は合成の段階から行われている。しかし、変換酵素の[[親和性]]は ω3 < ω6 であるとされ、適切な脂肪酸バランス(ω6系統由来の適切な生理活性と、ω3系統のブレーキ的役割)のためには、ω3系統をω6系統より多く摂取する必要があるとされる。また、脂質の過剰摂取によるカロリー過多などの弊害はω系統に関わらず発生するため、全体の脂質摂取量を減らしながら、ω6系統の摂取を減らし、ω3系統の割合を増やすのが良いとされる。ω6系統は、高リノール[[サフラワー油|紅花油]]、高リノール[[ひまわり油]]、[[大豆油]]、[[菜種油]]、[[月見草油]]などに高い割合で、ω3系統は[[紫蘇油]]、[[亜麻仁油]]、[[魚油]]などに高い割合で含まれる(注意すべきなのはω3系統とω6系統の含まれる比である。例えばある油1キログラムにω3系統が300グラム入っていたとしても、ω6系統が500グラム入っていたならそれはω6系統の豊富な油となる)。
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==== バクセン酸 ====
[[バクセン酸]](バクセンさん、vaccenic acid)は、[[ヘット|牛脂]]、[[羊脂]]、[[バター]]に含まれる炭素数18の''
==== ガドレイン酸 ====
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==== エイコセン酸 ====
エイコセン酸(エイコセンさん、eicosenoic acid)は、多種の植物中に含まれる炭素数20の''cis''-11-モノ不飽和脂肪酸である。C{{sub|19}}H{{sub|37}}CO{{sub|2}}H、IUPAC組織名 (''Z'')-icos-11-enoic acid、数値表現 20:1 (11), n-
[[ファイル:Eicosenoic_acid.svg|483px|エイコセン酸の構造]]
==== エルカ酸 ====
エルカ酸(エルカさん、erucic acid)は、[[菜種油|ナタネ油]]、[[カラシ油]]に含まれる炭素数22の''cis''-13-モノ不飽和脂肪酸である。C{{sub|21}}H{{sub|41}}CO{{sub|2}}H、IUPAC組織名 (''Z'')-docos-13-enoic acid、数値表現 22:1 (13), n-9、分子量338.57、融点33-35℃。CAS登録番号 112-86-7。
[[ファイル:Erucic_acid.svg|530px|エルカ酸の構造]]
==== ネルボン酸 ====
ネルボン酸(ネルボンさん、nervonic acid)は、[[脳糖脂質]] (Nervon)、[[スフィンゴミエリン]]、[[血球糖脂質]]に含まれる炭素数24の''cis''-15-モノ不飽和脂肪酸である。C{{sub|23}}H{{sub|45}}CO{{sub|2}}H、IUPAC組織名 (''Z'')-tetracos-15-enoic acid、数値表現 24:1 (15), n-9、分子量366.62、融点42-43℃。CAS登録番号 506-37-6。
[[ファイル:Nervonic_acid.svg|585px|ネルボン酸の構造]]
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==== エレオステアリン酸 ====
α-エレオステアリン酸(アルファ-エレオステアリンさん、alpha-eleostearic acid)は、[[
[[ファイル:Alpha-eleostearic_acid1.svg|547px|α-エレオステアリン酸の構造]]
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== 出典 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist|2}}
==関連項目==
* [[魚油]]
* [[脂肪酸]]
** [[必須脂肪酸]]
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* [[リポタンパク質|高密度リポタンパク質]]
* [[脂肪酸の合成]]
{{脂肪酸}}
{{デフォルトソート:ふほうわしほうさん}}
[[Category:脂肪酸|*+ふほうわしほうさん]]
[[Category:栄養素]]
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