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{{出典の明記|date=2022年11月24日 (木) 03:21 (UTC)}}
'''過リン酸石灰'''(かリンさんせっかい)とは、[[リン酸]][[肥料]]の一種。'''過石'''と略称される。灰褐色に見える粉末状の物質である。
 
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[[1840年]]、[[化学肥料]]の父とも言われる[[ユストゥス・フォン・リービッヒ|リービッヒ]]が従来[[肥料]]として使われていた[[骨粉]]に[[硫酸]]を作用させると肥料としての能力が増すことに気づく。なお、[[骨]]の主成分は[[リン酸カルシウム]] Ca<sub>3</sub>(PO<sub>4</sub>)<sub>2</sub>である。[[1841年]]には植物の成長に[[リン]]が必須であることを証明している。
 
ほぼ同時期、イギリスのギルバート (J.H.Gilbert) とローズ (J.B.Lawes) も植物の栽培実験により、土壌中の無機物が植物の生育に欠かせないことを示した。ローズは肥料の工業化を試み、早くも[[1843年]]にはリン鉱石に硫酸加える肥料工場をロンドン近郊に建設した。
 
日本国内では[[1886年]]に[[高峰譲吉]]がローズの設備を再現しようと試み、[[1888年]]から量産が始まっている。
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粉末状に粉砕したリン鉱石に硫酸を作用することで製造する。
 
: <chem>Ca3(PO4)2\ + 2H2SO4\ + 4H2O -> Ca(H2PO4)2\ + 2CaSO4 \cdot 2H2O</chem>
Ca<sub>3</sub>(PO<sub>4</sub>)<sub>2</sub> + 2H<sub>2</sub>SO<sub>4</sub> + 2H<sub>2</sub>O → Ca(H<sub>2</sub>PO<sub>4</sub>)<sub>2</sub> + 2CaSO<sub>4</sub>・2H<sub>2</sub>O
 
== 生産量・消費量 ==
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主成分が水溶性であるため速効性がある。
 
その反面、[[日本列島]]の[[土壌]](特に酸性土壌、[[火山灰土壌]])内に多い成分、特に[[火山灰]]起源の土壌に多く含まれる[[アロフェン]]と呼ばれる球状[[結晶]]の形態を持つ[[粘土鉱物]]とリン酸が強固に結合し易い。アロフェンと結合したリン酸は、植物の[[根毛]]の[[有機酸]]分泌によっても、[[イオン交換]]での解離が不能になるために、[[植物]]が吸収できない形態に変化しやすい。アロフェンとリン酸の結合を防ぐには、[[堆肥]]などの有機質肥料や土壌改良剤と一緒に施肥し、土壌微生物の菌体に速やかに吸収させたり、有機物との化合物を形成させ、土壌の粘土鉱物と接触しないようにするとよい。こうした形状のリン酸は、植物の[[根]]と共生し、[[菌根]]形成する[[菌類]]によって分解吸収され、植物の根に移送されると考えられている。アロフェン以外の板状結晶の粘土鉱物の場合、結合して保持されたリン酸は、植物の根毛から分泌される有機酸によるイオン交換反応で容易に解離して植物に吸収される。ただし、土壌中に供与されたリン酸の多くは速やかに土壌微生物の体内に取り込まれたり土壌有機物と反応して結合するため、植物と菌根を形成する菌類の機能は火山灰起源の土壌以外でも重要である。
 
また、副成分の石膏は、[[硫黄]]、石灰分としての肥効が期待できる。
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==関連項目==
*[[肥料]]
*[[グアノ]]
*[[リン鉱石]]
 
{{DEFAULTSORT:かりんさんせつかい}}
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[[Category:カルシウムの化合物]]
 
[[en:Monocalcium_phosphate#Fertilizer]]
[[cs:Superfosfát]]
[[da:Superfosfat]]
[[de:Superphosphat]]
[[en:Superphosphate]]
[[fr:Superphosphate]]
[[it:Superfosfato]]
[[nl:Superfosfaat]]
[[pl:Superfosfat]]
[[ru:Суперфосфат]]
[[sk:Superfosfát]]
[[sv:Superfosfat]]
[[zh:过磷酸钙]]