「ダミーサークル」の版間の差分

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{{混同|偽装サークル|x1=などで活動する}}
'''ダミーサークル'''とは、[[同人誌即売会]]用語で、実質的な活動実体が無いのにサークル参加(出展)を行う[[同人サークル|サークル]]のことを指す[[同人誌即売会]]用語<ref name="C27">『コミケット20's[コミックマーケット20周年記念資料集]』 コミックマーケット準備会、1996年3月、私家版(赤表紙)、P189、P220、PP296-299。</ref>。かつては'''ダミー''''''ダミー申し込み'''とも呼ばれた<ref name="hand">[[米澤嘉博|阿島俊]]『同人誌ハンドブック』、久保書店、1994年1月、P133,167,173,178,179,180,186,187。</ref>。
{{同人}}
'''ダミーサークル'''とは、[[同人誌即売会]]用語で、実質的な活動実体が無いのにサークル参加(出展)を行う[[同人サークル|サークル]]のこと<ref name="C27">『コミケット20's[コミックマーケット20周年記念資料集]』 コミックマーケット準備会、1996年3月、私家版(赤表紙)、P189、P220、PP296-299。</ref>。かつては'''ダミー'''・'''ダミー申し込み'''とも呼ばれた<ref name="hand">[[米澤嘉博|阿島俊]]『同人誌ハンドブック』、久保書店、1994年1月、P133,167,173,178,179,180,186,187。</ref>。
 
== 概要 ==
正規サークルのように偽装するためを含め、簡単な[[同人誌#発行形態|コピー誌]]・[[イヤー|ペーパー]]・[[便箋]]などを作成・陳列するサークルもあるが、これらは偽装のためでないものも含めて[[1980年代]]前半には同一視されていた<ref name="C27" />。ただし当日新刊が間に合わないなどさまざまな事情によりこうした頒布・配布形態をとることもあることから、頒布・配布形態のみではダミーとそうでないものとの判別はできない<ref name="ron">永山薫・昼間たかし『マンガ論争勃発 2007-2008』、マイクロマガジン社、2007年12月、PP68-69</ref><ref name="hand" />。またスペースが無人だった場合は単なる遅刻・欠席の可能性もある。持ちみ部数が0部であり、なおかつ事情をコミックマーケット準備会に申し出なかったサークルをダミーサークルと判断した場合、コミックマーケット45([[1993年]]12月)におけるダミーサークルの総数は約1,200サークルであり、参加サークル数16,000に対して約7.5%を占めた<ref name="C27" />。
 
ダミーサークルが当選した結果、ダミーでないサークルが割を食うという問題がある<ref name="C27" />。つまり、ダミーサークルの分だけ当選枠が減ってしまうことになるうえ、ダミーサークルは当選するのに普通に活動しているサークルが落選してしまうという不公平感の元となってしまうということである
 
== 動機 ==
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=== 販売スペースの確保 ===
同会場に2つ以上のスペースを確保する目的でダミーサークルを結成するケースが存在する<ref name="C27" /><ref name="hand" />。このケースでは、1つのジャンルの同人誌はそのジャンルが集中する場所で多く売れるため、複数ジャンルの同人誌を発行するサークルが売り上げを伸ばすためにそうと各ジャンルでそれぞれ申し込みする行動がみられる<ref name="hand" />。また、複数日の日程のイベントにおいて、各日にそれぞれ申し込みを行うケースも存在する<ref name="hand" />。ただし、複数のサークルが互いの同人誌の頒布委託を行ったり、う場合や時間帯や開催日が異なる場合には作業者の相互支援を行っている場合が日常的にみられ、単に同じ同人誌が複数スペースで頒布されているだけではダミーサークルと断定することはできない<ref name="hand" />。また、

抽選倍率の高い即売会でのスペース確保をより確実にする目的ためおいても結成されることある<ref name="hand" />。コミックマーケットをはじめとする複数の即売会では1サークル・1代表者にき1スペースしか応募できないルールなっており、複数スペースの申し込みはルール違反とされる<ref name="hand" /> 。しかし、1スペースでは販売しきれない場合や混雑による混乱が予想されたり、サークル側が希望し2スペース分の費用をあらかじめ負担している場合、企画用にサークルが別途申請する場合などには主催者が1サークルによる複数スペース確保を容認するケースもあり、こうしたケースではダミーサークルとして扱われない<ref name="hand" />。[[コミックマーケット]]では事務処理の都合で同一サークルでの複数スペース登録はできない<ref name="hand" />、友人・サークルメンバーなどの名義でもう1つのサークルを登録し、「合体申込」の手続きを取ることによって同時に申し込んだ2つのサークルを隣接させることダミーサークルを使って申し込んだ場合と同じ実質的な1サークルで2サークルのスペースが確保できるようになる<ref name="hand" />。
 
=== サークル通行証の確保・販売 ===
[[File:Comiket81-circleticket.jpg|thumb|right|320px|コミックマーケットのサークル通行証。売買・交換(金品を対価とする譲渡)の禁止が明記されている。]]
サークル通行証を確保し、開場前に入場する目的でダミーサークルが利用されるケースもある<ref name="C27" />。サークル参加者は、頒布準備を行うために即売会の開場前に入場する必要がある<ref name="watacomi2">大丸任「さあ、本を作ってコミケに行こう!」『別冊宝島358 私をコミケにつれてって!』pp.100-115、1998年。ISBN {{ISBN2|4-7966-9358-0}}</ref>。このため即売会主催者はサークル参加者にそうであることを証明するサークル通行証を交付している<ref name="watacomi2" />。通行証があれば開場前に入場できるためことから、一般参加者よりも有利に同人誌を購入するためにダミーサークルが結成される<ref name="watacomi">寺西社主「たのしひ暗躍inコミケット その弐、黎明編」・「たのしひ暗躍inコミケット その参、現代編」『別冊宝島358 私をコミケにつれてって!』pp.135-136、1998年。ISBN {{ISBN2|4-7966-9358-0}}</ref>。なお、サークル通行証は1サークルにつき複数枚交付されることもあり、使用の予定がなく余剰となった通行証が転売されることもある<ref name="hand" />。これはダミーサークルに限らず、活動実態のある通常のサークルにおいても行う者がいる<ref name="hand" />。また、前述の通り、サークル通行証を所持すると同人誌の購入に有利であるため、通行証が購入できるならば買いたい、という者は多い<ref name="hand" />。特に[[同人誌即売会]]の代名詞といえる[[コミックマーケット]]のサークル通行証は高値で取引されることもある<ref name="hand" />。またほか、[[ダフ屋]]に渡るケースもあった<ref name="hand" />。このサークル通行証の対価として金銭を得る目的でダミーサークルが申し込まれる場合があり、サークル通行証が[[インターネットオークション]]に数多く出品される人気商品となることで顕在化している<ref name="C71">[http://www.comiket.co.jp/info-c/C71/C71aboutAuctions2.html 出展サークル専用通行証のヤフーオークションへの出品数上位者の公開-コミックマーケット準備会・有限会社コミケット],2012年4月8日閲覧。</ref>。なお、

コミックマーケット準備会ではダミーサークルによるものであるなしにかかわらず、いかなる理由・目的であれ通行証の販売行為を一切禁止してはいる<ref>[http://www.comiket.co.jp/info-a/QandA.html コミックマーケットのWebページ関するQ&A-コミックマーケット準備会],2012年4月8日閲覧</ref>{{要出典範囲|date=2011年10月|単純な所持や本来の目的に則した使用は法的に問題ないもの準備会あるため、どのオークション開催業者出品を禁止ず黙認されたままでるのが現状となってる。}}準備会でも精々インターネットオークションで入場証を出品しているアカウントの一部を公表したり<ref name="C71" />、入札の取り消しを呼びけたりしているものの、オークション開催業者からの協力が得られていない状態である<ref>[http://www.comiket.co.jp/info-c/C81/C81aboutAuctions.html コミックマーケット81出展サークル専用通行証・サークル駐車券のネットオークションへの出品について-コミックマーケット準備会・有限会社コミケット],2012年4月8日閲覧。</ref>。
 
=== 荷物置き場の確保 ===
大量購入者共同購入者コスプレイヤーが荷物置き場を確保する目的でダミーサークルが使われることある<ref name="C27" />。{{要出典範囲|date=2011年10月|ただし荷物置き場としてだけが目的であるまれであり、前述の事前入場が主たる目的である場合が多い。}}また、即売会で[[コスプレ]]を行うコスプレイヤーは着替えのために荷物が多くなるが、ほとんどの即売会では荷物置き場まで提供できず、更衣室に放置された荷物が盗難に遭うケースも多い<ref name="cosh">牛島えっさい・阿島俊『コスプレハンドブック』、久保書店、1995年9月、PP210-211。</ref>ため、ダミーサークルが利用されることもある<ref name="C27" />。
 
== 「ダミーサークル」という名称で活動したサークル ==
1980年代後半、「ダミーサークル」という名称で活動している同人サークルが実在した<ref name="watacomi"/>。えて「ダミーサークル」というサークル名を用いるうえまた机の上に本を並べておらず「本なん出るわけないじゃん」と張り紙が貼ってあるだけなど一見しただけではダミーサークルのように見えるが、その「お遊び」が分かっている人は暗号(「『本なん出るわけないじゃん』を下さい」)を伝えると奥から本(タイトルが『本なん出るわけないじゃん』)が出てきて買えた<ref name="watacomi"/>。これは一例に過ぎず、その他様々ほかにもさまざまな「お遊び」があった。ダミーサークルのイメージを逆手に取ってネタにしたものである<ref name="watacomi"/>。このサークルには主宰の[[あさりよしとお]]をはじめ著名な執筆者が多数参加しており、その同人誌は非常に質が高かったと言われている<ref name="watacomi"/>。
 
== 脚注 ==
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== 関連項目 ==
* [[CLAMP]] - もともとは、[[高河ゆん]]のために、主催側が用意したダミーサークルであった。
 
{{コミックマーケット}}