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{{出典の明記|date=2020-08-12}}
{{銃器
|画像 = [[ファイル:Sa 58-JH01.jpg|300px]]
|説明 = Vz 58 P(固定式銃床仕様)
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|種類 = 軍用小銃
|製造国 = {{CSK}}
|設計・製造 = [[チェスカー・ズブロヨフカ・ウヘルスキブロッド|チェスカー・ズブロヨフカ]][[国有会社 (チェコ、スロバキア)#国営会社|国営会社]]
|年代 =
|設計年 = 1956年–1958年
|製造期間 = 1959年–
|配備期間 =
|配備先 = 旧[[チェコスロバキア軍]]<
|戦争 =
|種別 = [[アサルトライフル]]
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|銃身長 = 390mm
|ライフリング = 4条右転
|使用弾薬 = [[7.
|装弾数 = 30発(バナナ型弾倉,[[AK-47]]との互換性なし)
|作動方式 = [[ガス圧作動方式]]<
|発射速度 = 800発/分
|銃口初速 = 705m/秒
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|製造数 =
}}
'''Vz 58'''または'''Sa vz.58'''([[:cz:Samopal|Samopal]] vzor 58・1958年型[[短機関銃]])は、[[チェコスロバキア]]の[[チェスカー・ズブロヨフカ・ウヘルスキブロッド|チェスカー・ズブロヨフカ]][[国有会社 (チェコ、スロバキア)#国営会社|国営会社]](チェコ兵器廠国営会社、チェコ語:Česká zbrojovka, n.p.:ČZ、[[1992年]]民営化)で開発された[[アサルトライフル]]である。
テーパーのかかった[[薬莢]]に対応する大きく湾曲した[[弾倉]]、上下二分割されたハンドガード、レシーバーデッキに銃床の根元が接しないなど、外見は[[AK-47]]に類似しているが、[[7.62x39mm弾]]を使用する以外に共通点はなく、ほとんど独自設計となっている。
[[日本赤軍]]による[[テルアビブ空港乱射事件]]で用いられた[[自動小銃]]としても知られている。
== 概要 ==
チェコスロバキアは[[自動小銃]]の開発先進国で、1920年代末に[[ZH-29半自動小銃|ZH-29]]を完成、1930年代末からZK38、ZK381等を試作したが[[1938年]]から[[ナチス・ドイツによるチェコスロバキア解体|ナチスドイツによる併合]]を受けた為に量産化には至らなかった。
1942年から試作されていたZK420は[[戦後]]7.92~6.5mmと様々な口径の制式弾仕様が作られ、1946年には[[イギリス]]、[[デンマーク]]、[[エチオピア]]、[[エジプト]]、[[スウェーデン]]、[[イスラエル]]、[[スイス]]等で次期主力小銃候補としてテストされた。しかし、[[1948年のチェコスロバキア政変|1948年の共産党無血クーデター]]により、チェコスロバキア共和国に[[人民民主主義]]体制を掲げる[[チェコスロバキア共産党|共産党]]一党独裁政権が成立し[[東側諸国|東側]]入りした為、どの国もこのライフルを採用しなかった。
1952年には、ZK420とは異なるコンセプトの[[
さらに他の加盟国と同様、ソ連のAK-47採用を迫られたチェコスロバキアだが、独自のアサルトライフル開発は続けられ、1958年には外見こそAK-47によく似ているが、より軽量で命中精度も高いVz 58を独自設計で完成させ、軍
その後の東欧自由化、チェコスロバキアの[[チェコ]]と[[スロバキア]]への分離を経た後も、Vz.58は両軍で使われている。[[NATO]]加盟などに合わせてチェスカー・ズブロヨフカ社が、旧ソ連のAK-74に強く影響を受けた[[:en:ČZ 2000|CZ2000]]を開発したが両軍は採用しなかった
== 特徴 ==
[[File:SA 58 FIELD STRIPPED.jpg|thumb|300px|通常分解されたvz. 58]]
AKがボルトキャリアと一体化したロングストロークガスピストンを備えたロータリーボルトロッキング機構を採用しているのに対し、Vz 58はボルトキャリアから独立したショートストロークガスピストンと、上下方向の回転式独立型ロッキングブロック機構を採用している。
ボルトキャリアの後退に伴いボルトキャリアから後ろ斜め下方向に突き出た突起が、ボルトに取り付けられたロッキングブロックの上部を、ブロック後端を支点として上方向に回転させながら持ち上げることにより、ロッキングブロックがレシーバー内部の窪みから外れボルトの結合が解除され、ボルトが後退し薬室が開放される<ref>https://modernfirearms.net/en/assault-rifles/czech-republic-assault-rifles/sa-vz-58-eng/</ref><ref>''World of Guns: Gun Disassemly'', Noble Empire</ref>。
撃発機構は特異なリニアハンマー方式と呼ばれるもので、ボルトキャリアに組み込まれたリニアハンマーと呼ばれる細長い円筒形の撃鉄がシアによって後退位置で保持され、引き金が操作されるとリニアハンマーが解放されて結合するスプリングの力で前進し、ボルト内部の極めて短い撃針を押し出すというストライカー方式とハンマー方式の中間のようなタイプを採用している。このリニアハンマーは銃身と同軸で移動する為、AKの回転式ハンマーに比べて銃身の上下動を起こしにくい。これにより銃身内弾道が安定し、また作動方式に動揺の少ないショートストロークガスピストンを採用している事もありAKより優れた命中精度を発揮する。
AKには無い機能として、残弾が無くなると自動でボルトキャリアが後退位置で停止するボルトストップ機構も搭載している。マガジン側にもこの機構の一部が搭載されているためAKのマガジンと互換性は無いが、必要な強度を保ちつつもアルミニウムを採用し軽量化されている。
Vz 58は近代的な直銃床のフルオート小銃でありながらボルトキャリアがレシーバーデッキに覆われず露出している。このためボルトキャリアの後退時は極めて大きい排莢口となり排莢時のジャムが発生しづらくなっている。また、排莢はほぼ真上に向かって行われる。
この構造のため曲銃床の[[SKSカービン]]と同様に[[ボルト (銃)|ボルト]]を後退させた状態で、銃弾を束ねた[[挿弾子|ストリッパー・クリップ]]を用いて装填する事もでき、ボルトキャリアの先端にはクリップを保持するガイドとなる溝が彫られている。([http://www.pkymasehist.fi/vz58.html サイト中盤にクリップで装填する画像あり])
セレクター・レバーは安全装置を兼ね、AKと同様にレシーバーの右側面に位置するが、AKのようにダストカバーを兼ねていないため小型であり、グリップから手を離さず操作可能。バヨネットラグはAKのものと異なるため、専用の銃剣を使用し、バヨネットラグの後方から着脱する。
金属部分の仕上げによって外見が異なり、大きく分けて黒塗りされた物、グレーで塗装された物、グレーで焼付け塗装された物の三種類が確認されている。チェコスロバキア軍(現在の[[チェコ|チェコ共和国]]軍及び[[スロバキア|スロバキア共和国]]軍)では、グレーで焼付け塗装した物が採用されている。ハンドガード、グリップ、ストックは、初期型では樫材使用の木製だったが、後期型ではエボナイト系樹脂に木材チップを混ぜたものになっている。
== バリエーション ==
;Vz 58 P
:固定式ショルダーストック仕様
;Vz 58 V
:サイドスイングフォールディングストック仕様。ストック取り付け部を含む銃自体はVz 58 Pと共通
;VZ-58 タクティカル
:Vz 58 Vにアフターマーケット製の部品を組み込んだもの
;CZ 2003H
:木製部品を[[プラスチック]]にしたもの
;CZ 858 タクティカル
:VZ-58 タクティカル民間用
;D-TECHNIK Vz 58E
:D-TECHNIK a.s.社製のプラスチックパーツを装備したVz58。[[5.56x45mm NATO弾|5.56mm NATO弾]]仕様もある。
;VZ 58 TACTICAL SPORTER
:ストック、ピストルグリップ一体型、セミオートの民間用もの
;Vz 58 PN
:Vz 58のレシーバー左側面にアクティブ方式の[[赤外線]]スコープを装備できるもの
;AP 67
:[[7.62x51mm NATO弾|7.62mm NATO弾]]仕様
;ÚP 70
:5.56mm NATO弾仕様
;EZ-B
:[[ブルパップ方式]]
;VZ 58/98 9mm ブルドッグ
:[[9x19mmパラベラム弾|9mmパラベラム弾]]を使用する[[短機関銃]]
;VZ 58 Pi
:二脚を装備した[[選抜射手|マークスマン・ライフル]]仕様
;VZ 58/97
:スナイパー・ライフル
:Vz 58をベースに開発された[[狙撃銃]]
;Klec LMG
:銃身を延長し二脚を装備した[[分隊支援火器]]仕様
;Rung Paisarm RPS-001
:[[タイ王国|タイ]]製の5.56mm NATO弾仕様のVz 58 P
; RPS-001S
: [[カービン]]モデル
== 採用国 ==
<!-- [[Category:各国の国旗と国名テンプレート]] を使ったほうがいいかも。 -->
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*[[画像:Flag of Afghanistan.svg|25px]] [[アフガニスタン]]
*[[画像:Flag of Angola.svg|25px]] [[アンゴラ]]
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*[[画像:Flag of Vietnam.svg|25px]] [[ベトナム]]
*[[画像:Flag of Mozambique.svg|25px]] [[モザンビーク]]
*{{LBY}}
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== 登場作品 ==
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=== 映画 ===
: 作中の終盤、カマルの邸宅に突入したボンドが敵兵からVz.58Vを奪って使用。
: 冒頭、ミスター・ホワイトの家族を襲うサフィンがVz.58コンパクトを使用。
: メイキングの射撃訓練において使用された際に[[チェコ]]製の[[AK-47|AK]]と言っているが、実際はVz.58である。
: [[セルビア人]][[武装]]勢力が使用。物語中盤、主人公が[[地雷原]]から走って逃げるシーンで、焦りから思わず[[地雷]]を作動させたセルビア側[[兵士]]が吹き飛び、Vz.58の残骸が降ってくるシーンがある。
; 『[[デルタ・フォース (映画)|デルタ・フォース]]』
: [[アラブ世界|アラブ]]の[[テロリズム|テロリスト]]の一部が使用。
; 『[[フルメタル・ジャケット]]』
: 後半の[[テト攻勢|フエ攻防戦]]で、[[南ベトナム解放民族戦線|ベトコン]][[狙撃手|狙撃兵]]が使用。これはAK-47や[[56式自動歩槍]]の代役というわけではなく、ベトナム戦争時に実際にベトコンで使用されていたという実話に基づいた演出である。
=== 小説 ===
:
=== ゲーム ===
; 『[[ARMA 2]]』
: Sa-58が独立拡張パック"Operation Arrowhead"に登場。
; 『[[Operation Flashpoint: Cold War Crisis]]』
: [[レジスタンス運動|レジスタンス]]陣営で使用可能な[[アサルトライフル]]として、「AK47CZ」の名称で登場する。
; 『VIETCONG 2』
; 『[[サドンアタック]]』
: 「Vz58」としてVz.58Vが登場。現在は補給ポイントでしか入手できないため、見かけることは非常に希。
; 『[[Vigor]]』
: Vz58pという名称にて登場。
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== ギャラリー ==
<gallery>
ファイル:Kosa2.jpg|ボルトキャリアが開かれた、着剣状態のVz.58P
ファイル:Bodak.jpg|Vz.58用バヨネット
ファイル:Sa 58-JH03.jpg|サムホールストックを装着したスポーターモデル
ファイル:PFLP-group-1969.jpg|[[パレスチナ解放人民戦線]]の戦士たち。左から一人目と三人目がVz.58を所持。([[1969年]])
ファイル:Soldiers from Czechoslovakia, Sa vz. 58.jpg|Vz.58Vを構えるチェコスロバキア軍兵士([[1977年]])
ファイル:Military and Police Advisory Training II at the Joint Multinational Readiness Center 121208-A-TF309-001.jpg|Vz.58Vを装備したチェコ軍兵士([[2012年]])
ファイル:DM-SD-02-00646.JPEG|[[ノースカロライナ州]]での軍事演習に参加するスロバキア軍兵士([[1996年]])
ファイル:Soldiers from 12th Mechanized Battalion of 1st Mechanized Brigade2.jpg|Vz.58Vを持つスロバキア軍第12機械化大隊の兵士。<br/>レール付きハンドガードが装着されている。銃口に付けられた装置は交戦訓練用のレーザー発振器。
ファイル:An Iraqi policeman aims his AK47 rifle while preparing to throw a simulation flash grenade during a demonstration of tactics at the Ministry of Interior's National Police Special Training Academy, in Baghdad 110716-A-LZ835-085.jpg|Vz.58Pを構える[[イラク治安部隊|イラク警察]]の[[警官]]([[2011年]])
ファイル:2015 03 25 SNA PASSOUT-4 (16900616276).jpg|Vz.58Pを構える[[ソマリア#軍事|ソマリア軍]]兵士([[2015年]])
ファイル:Afghan National Police Academy (ANPA) cadet stands guard (4285180920).jpg|Vz.58Vを持つ[[アフガニスタンの警察|アフガニスタン国家警察]]アカデミーの士官候補生
</gallery>
== 出典 ==
{{reflist|1}}
== 関連項目 ==
* [[小銃・自動小銃等一覧]]
* [[81式自動歩槍]]
== 外部リンク ==
{{commons|Sa vz. 58}}
*[http://www.czub.cz/en/catalog/86-armed-forces-law-enforcement/OS-AUT/SA_58.aspx チェスカー・ズブロヨフカ株式会社の紹介ページ]
*[http://www.cz-usa.com/products_riflesbb.php CZ-USA社製造ライフル一覧]
148 ⟶ 191行目:
*[http://www.pkymasehist.fi/vz58.html Vz.58]
{{Weapon-stub}}
{{DEFAULTSORT:Vz 58}}
[[Category:自動小銃]]
[[Category:アサルトライフル]]
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