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{{出典の明記|date=2021年10月}}
{{otheruses|室内装飾品|映画作品|インテリア (映画)}}
'''インテリア'''(''interior'')とは、日本語で室内装飾品という意味であり、室内の[[装飾]]やそれに付随する照明、装飾[[家具]]を表す。広義のインテリアは室内を装飾する品物全般を指すが、狭義ではその中で装飾性に特化されたものだけを指す。また、インテリアは装飾品、什器そのものより、それによって飾られた室内空間という概念が強い語である。
[[File:Mahkota Parade - Interior.JPG|thumb|インテリア]]
 
'''インテリア'''({{Lang-en-short|interior}})とは、英語で[[内面]]を意味する[[単語]]であり、転じて、[[日本語]]で室内装飾品という意味であり、[[部屋]]や[[乗り物]]の室内の[[装飾]]やそれに付随する[[照明]]、装飾[[家具]]("Decorative arts")を表す。[[エクステリア]]の[[対義語]]。
 
広義のインテリアは室内を構成する部材全般を指すが、狭義ではその中で装飾性に特化されたものだけを指す。
 
また、インテリアは装飾品、什器そのものより、それによって飾られた室内空間という概念が強い語である。
 
== インテリアに含まれるもの ==
前述した通り、インテリアとは室内装飾品のことで、室内を装飾するものが代表的である。具体例では内装材([[カーテン]]、[[絨毯|カーペット]]、[[壁紙]]、床材など)があり、そのほか[[窓]]、[[ブラインド]]、ロールカーテン、カーテンレール、[[家具]]や[[照明器具]]、[[ドア]]、間仕切りなどが含まれる。[[和室]]では和室の[[襖]]や[[畳]]表、[[障子]]、[[欄間]]などが当てはまる。
 もっとも、基準が曖昧で、[[家電]]や[[OA機器]]といった電化製品なども広義ではインテリアに含まれることになるが、一般的にこれらはインテリア業界ではインテリアとして含まないことが多い。なぜなら、これらは装飾性より機能性、実用性を重視するアイテム群だからである。その一方で、機能性と相俟って装飾性も重要視される[[システムキッチン]]などはインテリアに含めることが多い。ひとつの基準ともなっているのは[[購買層]]であり、システムキッチンは前述のインテリア商品群と性質が似ているからである。
 
具体例では内装材(カーテン、カーペット、壁紙、床材など)があり、そのほか窓、ブラインド、ロールカーテン、カーテンレール、家具や照明器具、ドア、間仕切り、システムキッチンやトイレや風呂など設備関連などが含まれる。和室では和室の襖や畳表、障子、欄間などが当てはまる。
反対に、屋外の装飾は[[エクステリア]]というが、インテリアほど装飾性が重要視されず、機能性、また娯楽性を訴求した商品が多く見られるのが特徴である。
 
もっとも、基準が曖昧で、一般的に家電やOA機器といった電化製品などはインテリア業界ではインテリアとして含まないことが多いが、広義ではこれらをインテリアに含むこともある。
 
ひとつの基準ともなっているのは隠せないものかどうか(電化製品は収納などの中に隠すことも可能なことが多く、電化製品でなく一般的にインテリアと呼ばれるものであっても隠してしまっては室内装飾の役目を果たせない)であり、電化製品をあえて見せて収納しようと考えると、装飾性が重視され、インテリアに含めて考えられるケースが増え始めている。
 
一方、屋外の装飾は[[エクステリア]]と呼ばれる。
 
== インテリアの歴史 ==
===古代===
インテリアにおける歴史は非常に古く、古代[[古代エジプト]]の時代にまで遡ることができるが、その頃のインテリアは一部の特権階級のみが用いた権力誇示の手段であった。[[古代ローマ]]の時代になると一部の上流階級では、[[大理石]]張りの[[モザイク]]や[[漆喰]]塗りの[[フレスコ]]の[[壁画]]などが飾られ、家具もまた[[象嵌]]や[[彫刻]]など装飾性の高いものが使われている。一方、一般家庭は生活に最低限必要な道具(家具、調理設備)などは備わっていたが、装飾性を伴うようになるのは随分と後の時代である。
 
===中世===
[[11世紀]]頃になると[[ギルド]]制によって手工業が発達したこともあって、家具が大量に出回るようになり、ようやく[[庶民]]の手にも届くものとなってくる。家具類は[[机]]や食器棚などであるが、庶民の用いていたものはまだ装飾性は見られない。一方、上流階級の用いたものは装飾性も備わり、[[イスラム]]文化]]から伝わった[[唐草模様|唐草]]、[[渦巻]]紋様や[[ステンドグラス]]の窓などが見られるようになった。
 
===近世===
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===近代===
その後劇的な変化を遂げたのが近代の[[産業革命]]である。それまで装飾の主役であった木、[[大理石]]といった素材に代わり、[[鉄]]と[[ガラス]]が加わることになったからである。これらの大量生産はインテリアの方向性も大きく変え、インテリアをより工業的なものに変えていった。その結果、装飾性より機能性が重視されるようになり、特に[[アメリカ合衆国|アメリカ]]ではその傾向が顕著となった。デザインも斬新、かつ奇抜なものも増えていく。一方、[[フランス]]では従来の装飾美術を重視した、[[アールデコ]]と呼ばれる風潮が席捲し、[[ドイツ]]でも[[バウハウス]]などが登場し、時代の趨勢を受け止めつつ、従来の装飾文化の在り方を見直す動きも盛んになった。その間に、時代時代毎に刻まれた文化における装飾の統一性は徐々に失われていった。
 
===現代===
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== 日本におけるインテリア ==
===日本住宅のインテリアの概念===
日本におけるインテリアの概念は西洋のそれとは大きく異なっていた。その原因は気候の違いである。西洋諸国は年中を通して降雨が少ないため乾燥している代わりに、[[緯度]]が高いため日射しが弱い。そのため気温は低く、冬の寒さが厳しい。そのため、堅牢な壁を施し、室内に[[暖炉]]を配し、熱を外に逃がさない家造りが行われた。インテリアはそのような家を装飾するための手段であり、室内環境の向上を目指したものである。そして、室内と室外は隔離されており、[[ガーデニング]]やエクステリアといった概念が登場し、それぞれ独自の発展を遂げた。
 
対して、日本の気候は年中を通して温暖湿潤で、夏の暑さを避けるための工夫が施されている。畳張りで、間仕切りには開閉可能な襖や障子が配され、家の中に[[風]]がふんだんに通るように工夫されている。また、インテリア、エクステリアといった概念はなく、室内と室外が一体化して一つの家となっていた。[[日本庭園]]などでも建築は庭園を構成するひとつのパーツとして取り込まれている。
 
また、日本は[[武家]]社会に見られた[[侘び寂び]]の精神など、質朴なものが好まれる傾向にあった。また、貧しい者らは自宅を装飾する金銭的な余裕もなかったことから、インテリアのような装飾文化は庶民の間では浸透せず、一部の豪農や商人、[[寺社]]などで欄間、彫刻など、襖絵などが用いられたに過ぎなかった。
 
=== 日本の住宅事情とインテリア産業 ===
[[日本]]でインテリアが発達した背景には[[太平洋争]][[戦後|後]]の住宅政策による欧米式不足を補う住宅の増加による政策ころが大きい。また、従来の[[日本建築史|日本建築]]の[[防災]]上の観点などもありから[[防火]][[耐震]]に優れた機能的な欧米建築([[機能主義 (建築)|機能性建築]])の増加よるところが大きく地位を追われた
 
しかし、インテリア産業が発達した直接的な背景は、[[高度経済成長]]期を迎えて、[[中産階級]]層に生活上のゆとりが発生し、ニーズが高まった結果である。当初は、一般に言われた[[三種の神器]]や[[三種の神器 (電化製品)|3C]]などといった機能目的の[[家庭用電気機械器具|電化製品]]、[[自動車]]などが[[ステータスシンボル]]となったが、これらが充足してくると、次は[[オーディオ]]などといった娯楽品と共にインテリアが重要性を増していく。目的は[[生活環境]]の向上のため、また[[個性]]の主張、[[社会階級|階級]][[差別化]]などさまざまであるが、生活を豊かにするためのアイテムとして需要が高まっていったものである。そしてインテリア産業は個別のアイテムを売るのではなく、提案型(たとえば家を[[リフォーム]]するのなら、その中に家具一式を盛り込み、それを提案しつつ、商品を販売する)の販売方法で、大きく成長を遂げた。
 
今日では[[材|木]]のぬくもりや[[和の思想|和の心]]などといった概念もあって、[[日本住宅|日本住宅]][[和風]]のインテリアが見直され、[[和洋折衷]]ともいえるものも多い(木製[[ブラインド]]や障子紙のロールスクリーン、[[藺草]]の絨毯など)。[[文化住宅#洋風住宅としての文化住宅|洋風住宅]]の中に[[和室]]が設けられることも多い。
 
== インテリアの問題 ==
===健康面の問題===
インテリアは、生活に直接結びつくため、まずとり上げられるのは健康面での問題である。特に取り沙汰されるのが壁紙とカーペットであり、前者は[[シックハウス症候群]]や[[化学物質過敏症]]の原因物質を含むとして、後者は[[アレルゲン]]となるダニの温床であるとして問題が指摘されている。
 
====壁紙のケース====
[[壁紙]]が槍玉に挙がったのは[[1990年代]]以降で、特に壁紙を付着させる時に用いられた有機接着剤が[[アセトアルデヒド]]や[[ホルムアルデヒド]]を含んでいたことが問題となり、[[シックハウス症候群]]の誘発因子であると叫ばれた。そのため、近年は各メーカーとも対策を進めることで、安全な素材が使われるようになったが、壁紙が国内に広まった[[1970年代]]後半から考えると、検査もされないままの住宅が多数を占めている。もっとも、これらの溶剤は揮発性が高いため、築何年も経つ住宅では濃度も健康上問題ないレベルには落ち着いていることが多い。
 
[[中国]]では、粗悪な[[有機溶剤]]を用いた壁紙が貼り付けられている都市部マンションの子供らの、[[白血病]]罹患率が異常に高くなっているデータが発表されており、より深刻な対応を迫られている。
 
====カーペットのケース====
[[カーペット]]がダニの温床になり、アレルゲンの原因となっていることは、1990年代後半、情報バラエティ番組によって世間に広まった。これにより、カーペット業界は大打撃を受け、売上を大きく落とすことになる。メーカーは手入れの問題で解決できると反発したが、実際、ダニはカーペットの細かい[[繊維]]に足を引っかけ、[[掃除機]]でも吸い取り切れないという研究結果が報告されている。もっとも、掃除機の熱によってダニは死んでしまうのだが、ダニの死骸自体もアレルゲンとなっていることが分かっている。
 
そのため、小さな子供がいるマンションなどでカーペットの買い控えを行う傾向が高まった。しかし、今度はそれによって、子供らの足音などによる[[騒音]]被害とそれによる住民トラブル、または子供やお年寄りが転倒して大怪我を負うケースが増えている。
 
実際は、カーペット自体は問題なく、手入れを怠ったカーペットには食べかすや[[埃]]が溜まり、それを[[ダニ]]が食糧とするのである。カーペットには埃を吸収するダストポケット効果があり、埃の飛散を防ぐ特長があるのだが、それが仇になった結果といえる。根本的な問題は利用者の手入れに関わるものであり、こまめに掃除機をかけるのが望ましい(ただし、掃除機の排気もアレルゲンの問題が指摘がされているので、特にアレルギーの子供がいる場合は、それをクリアしたものを選ぶべきである)。また、[[箒]]などによる掃き[[掃除]]では熱を与えられないため、ダニ駆除としてあまり効果がない。
 
== 関連項目 ==
* [[:Category:インテリア・趣味小物の画像|インテリア・趣味小物の画像一覧]]
* [[インテリアデザイン]]
* [[スペースデザイン]]
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* [[カーペット]]
 
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{{建築}}
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{{日本の主な家具・インテリア企業}}
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[[Category:インテリア|*]]
[[Category:建築]]
[[Category:英語の語句]]
 
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