「名物学」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
1.36.90.12 (会話) 編集の要約なし |
m →参考文献 |
||
(5人の利用者による、間の9版が非表示) | |||
1行目:
{{混同|名物|x1=特産品や茶道具の}}
'''名物学'''(めいぶつがく)とは、前近代の[[中国]]や[[日本]]([[東アジア]])で発達した学問の一つ。単に'''名物'''ともいう。「名前と物の対応関係」を扱う分野<ref name=":0">{{Cite journal|和書|author=湯城吉信|year=2008|title=中井履軒の名物学 その『左九羅帖』『画觿』を読む|url=https://researchmap.jp/kk8083/published_papers/2287354|journal=杏雨|volume=11|publisher=武田科学振興財団杏雨書屋}}</ref>。[[訓詁学]]
== 概要 ==
{{See also|詩経#名物学との関係}}
名物学の「名物」という語句の用例は古くからあり、初出は『[[周礼]]』にさかのぼる{{Sfn|青木|1988|p=|loc=名物学序説}}。名物学は伝統的な学問である一方、体系性の薄い漠然とした学問でもあったが、[[1950年代]]日本の[[中国学者]]・[[青木正児]]の「名物学序説」(『中華名物考』所収)により体系化された{{Sfn|辜|2018}}。
名物学は、元々は[[訓詁学]](とりわけ『[[詩経]]』訓詁学と[[礼学]])の下位分野として生まれた
名物学の背景思想として、『[[論語]]』子路篇の「[[正名 (思想)|正名]]」(名を正す)や、陽貨篇の「多識」(『詩経』を学ぶ意義の一つは動植物について博学多識になること)といった[[孔子]]の教えがあった。また、[[朱子学]]の「[[格物]]」と紐付けられることもある<ref>{{Cite journal|和書|author=謝蘇杭|year=2019|title=近世前期本草学における実学思想の考察 : 稲生若水と貝原益軒を例に|url=https://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/106000/|journal=千葉大学人文公共学研究論集|volume=38|page=47}}</ref>。
== 歴史 ==
名物学の書物の筆頭として、[[前漢]]頃の『[[爾雅]]』、および[[後漢]]末の『[[釈名]]』がある{{Sfn|青木|1988|p=|loc=名物学序説}}。また、詩経名物学の筆頭として、[[呉 (三国)|三国呉]]の[[陸璣]]
[[日本]]では、
== 関連項目 ==
18 ⟶ 19行目:
*[[博物学#日本と博物学]]
*[[正名 (思想)]]
*[[毛詩草木鳥獣虫魚疏]]
*[[随園食単]]
== 脚注 ==
26行目:
== 参考文献 ==
* {{Citation|和書|title=中華名物考|year=1988|last=青木|first=正児|publisher=平凡社〈東洋文庫〉|isbn=4582804799|author-link=青木正児|origyear=1959年春秋社|url=https://dl.ndl.go.jp/pid/2933760}}{{NDLJP|2933760}}
* {{Citation|和書|title=日本博物学史|year=1989|last=上野|first=益三|publisher=講談社〈講談社学術文庫〉|isbn=978-4061588592|origyear=1948年星野書店 ; 1973年平凡社|author-link=上野益三}}
* [[加納喜光]] 『詩経 1 恋愛詩と動植物のシンボリズム』 汲古書院、2006年。ISBN 978-4762927621。
* {{Citation|和書|title=怪異をつくる 日本近世怪異文化史|year=2020|last=木場|first=貴俊|publisher=文学通信|isbn=978-4909658227}}
* 久保輝幸 「[https://search.jamas.or.jp/link/ui/2012175039 牡丹・芍薬の名物学的研究(1) 牡丹とヤブコウジ属植物の比較]」 『薬史学雑誌 46(2)』 日本薬史学会、83-90頁、2011年。
* {{Citation|和書|year=2018|title=青木正児の名物学研究とその評価について|url=https://hdl.handle.net/10112/16150|journal=関西大学東西学術研究所紀要|volume=51|page=|last=辜|first=承堯|publisher=|isbn=}}
* {{Citation|和書|title=好古家たちの19世紀 幕末明治における《物》のアルケオロジー|year=2003|last=鈴木|first=廣之|publisher=吉川弘文館〈シリーズ 近代美術のゆくえ 〉|isbn=978-4642037563|authorlink=鈴木廣之}}
40行目:
* {{Citation|和書|title=文明のなかの博物学 西欧と日本 上|year=1999a|last=西村|first=三郎|publisher=[[紀伊國屋書店]]|isbn=978-4314008501|author-link=西村三郎}}
* {{Citation|和書|title=文明のなかの博物学 西欧と日本 下|year=1999b|last=西村|first=三郎|publisher=紀伊國屋書店|isbn=978-4314008518}}
{{DEFAULTSORT:めいふつかく}}
[[Category:本草学]]
|