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{{otheruses|花の種類|[[桂銀淑]]シングル|葉桜 (曖昧さ回避)}}
[[画像:Cherry tree with early leaves.JPG|250px|thumb|葉桜]]
'''葉桜'''(はざくら)とは、[[サクラ|桜]]の[[花]]が散り[[新緑|若葉]]が出始めた頃から新緑で覆われた時期までの桜の木、またはその様を言う。
 
『葉ざくらや奈良に二日の泊り客([[与謝蕪村]])』、『葉ざくらや人に知られぬ昼あそび([[永井荷風]])』のように[[夏]]の[[季語]]として用いられる。
 
== 葉ざくら概要 ==
一般に観桜・[[花見]]において、葉桜と呼ぶ時期は、満開の頃淡い薄紅色一色であった桜が、'''花びらが散り始め、同時に若葉が芽吹き始めて新緑の葉の色が混ざり、遠目にくすんで見える頃'''から、'''桜の花びらが全て落花し、めしべ・おしべが残って樹木全体に赤みが残っている頃'''まで、あるいは、'''樹木全体が新緑の葉で瑞々しく艶を帯びた状態で覆われる頃'''までである。それ以降の時期で単に葉が茂っている状態の桜を葉桜と呼ぶことはない。
 
桜の開花状態を示す指標の一分咲き・二分咲きと同様に葉桜では葉と花の割合を示す言葉として満開以降は舞い始め、六分葉桜、七分葉桜、八分葉桜、九分葉桜のように呼ぶ。以下の表は樹木における花と葉の割合による主な呼び名の一覧である。
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==さくらの塩漬け==
木の樽に平たく重ねて入れた桜の葉は塩漬けされ、'''[[桜葉漬け]]、さくら葉'''(さくらば)と呼ばれ食用として利用される。
さくら葉はほのかな香りを活かし、[[桜餅]]や[[アイスクリーム]]、[[クッキー]]などに混ぜ、香り付けの材料として用いられる。
 
[[和菓子]]の桜餅を包む食用の'''さくら葉'''は[[オオシマザクラ|大島桜]]の葉を用い、[[静岡県]][[賀茂郡 (静岡県)|賀茂郡]][[松崎町]]が日本一の生産量で全国需要の7割を占める。
 
さくら葉の香りの成分は[[芳香化合物]]の[[クマリン]]と呼ばれる精油成分に由来するもので生の葉ではあまり匂わないが、塩漬けされることで香りが現れる。食用に大島桜が用いられる理由は他の桜に比べてクマリンが多いことによる。クマリンは他に[[トンカ豆または]](トンカ・ビーンから抽出され、[[1876年]]に人工的に合成された。
===匂い(香り)===
さくら葉の香りの成分は[[芳香属化合物]]の[[クマリン]]と呼ばれる精油成分に由来するもので生の葉ではあまり匂わないが、塩漬けされることで香りが現れる。食用に大島桜が用いられる理由は他の桜に比べてクマリンが多いことによる。クマリンは他にトンカ豆またはトンカ・ビーンから抽出され、[[1876年]]に人工的に合成された。
 
[[Category{{DEFAULTSORT:桜|はさくら]]}}
==歌人==
[[Category:葉]]
[[小野葉桜]]([[1879年]] - [[1942年]])。[[明治時代]]に[[若山牧水]]に多大な影響を与えたとされる[[宮崎県]]出身の歌人。故郷の宮崎県[[東臼杵郡]]の[[西郷村 (宮崎県)|西郷村]]では毎年[[11月3日]]の文化の日に歌碑の前で葉桜顕彰会により葉桜まつりが開催される。
[[Category:桜]]
 
[[Category:日本の文化|はさくら]]
==書籍==
[[Category:夏の季語|はさくら]]
* [[安嶋弥]]『葉桜』(角川書店、1989年)ISBN 9784048832298
* [[鷺沢萠]]『葉桜の日』(新潮社、1990年) のち文庫
* [[高樹のぶ子]]『葉桜の季節』(講談社、1996年) のち文庫
など
 
==関連項目==
* [[花見]]
* [[新緑]]
 
[[Category:桜|はさくら]]
[[Category:日本の文化|はさくら]]
[[Category:夏の季語|はさくら]]