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{{Otheruseslist|スペインサッカーの下部組織|照明器具のカンテラ|ランプ (照明器具)#カンテラ|任天堂鉄道マリオシリーズ合図灯|合図灯|鉄道で分岐器の凍結防止登場す使用されキャ融雪装置|分岐器|日本のクタージオ大阪で放送されているラジオ番組|カンテラ (ゲームキャラクター)ら!}}
{{出典の明記|date=2019年8月}}
 
'''カンテラ''' (({{Es|cantera) }})とは、[[スペイン]]における[[サッカー]]の下部育成組織(ユースなど)のこと。直訳すると「[[採石場|石切り場]]」となる。原語音に近い表記は'''カンテーラ'''である。
 
== 概要 ==
スペインではヨーロッパの他のサッカー強豪国と同様に各クラブチームが下部育成組織を所有しており、そこで若年より選手を育成し、トップチームからデビューさせることで多くの名選手が輩出されている。スペイン地域性から、チームのカンテラ出身の選手地元カンテラーノと呼ばれ、州の独立性の高いスペインの特性からチームの誇りであり、彼らが活躍すると地元のサポーターは非常大い盛り上が声援を受ける。
 
特に[[FCバルセロナ]]のカンテラは世界的に有名であり、数々の名選手が輩出しているほか、[[バスク地方]]のクラブである[[アスレティック・ビルバオ]]や[[レアル・ソシエダ]]などもバスク純血主義の影響から特色ある運営をしている。
スペイン国内でもレサマ、クエルポ、ラ・マシア等独自の名称が有名なクラブもある。カンテラ出身者のことをカンテラーノと呼ぶ。
 
また、カンテラ所属選手は般的には年少者あり、「18歳未満の選手とはプロ契約を結ぶ事が出来ない」というスペインの法律を逆手に取り、主に[[イングランド]][[FAプレミアリーグ]]のクラブが選手の両親に職を与えるなどして選手を引き抜いてしまう事件も度々発生している。
== バルセロナのカンテラ ==
[[バルセロナ]]にあるカンテラとしては[[FCバルセロナ]]のそれが最も有名であり、ラ・マシアという寮名もまた有名。FCバルセロナの場合はカンテラと呼ばずに'''マシア'''と呼ばれる事も稀にある。
 
== FCバルセロナのカンテラ ==
9~10歳の所属するベンジャミンA・B、11-12歳のアレビンA・B、13-14歳のインファンティルA・B、15-16歳のカデッテA・B、17-20歳のフベニルA・B、それ以上のバルサC(現在は消滅)、[[FCバルセロナ・アトレティック|バルサB]]の11段階のカテゴリー(A,B,Cの順に上位)に分かれており、バルサBから昇格することでようやくトップチームの選手としてプレーすることが出来る。
{{main|ラ・マシア}}
FCバルセロナのカンテラは、その若手寮の名「ラ・マシア」から、'''ラ・マシア'''又は'''マシア'''と呼ばれる。年齢と能力によって分類された10のカテゴリーと、年齢を問わないリザーブチームである[[FCバルセロナB]]の11のカテゴリーに分かれており、このFCバルセロナBから昇格することでようやくトップチームの選手としてプレーすることが出来る。
 
世界一の下部組織とも評されるこのカンテラは「スター製造工場」とも比喩され、古く1990年代以降に[[ジョゼップ・グァルディオラ|ペップ・グァルディオラ]]、現役選手としては[[カルレス・プジョル|プジョル]]、[[シャビ・エルナンデス|]]や[[リオネル・メッャビ]]、[[アンドレス・イニエスタ|イニエスタ]]、[[ビクトル・バルデス|バルデス]]、[[ボーカルレス・プャン・クキック|ボージャン]]、[[ジェラール・ピケ|ピケ]]、[[セルジ・ブスケ・ブルゴス|ブスケ]]、[[メッシ]]など多くの選手を輩出している。また現にトップチームに昇格・定着活躍する選手はごの多限られはカンテラ出身である。ほか、[[アーセナルFC]]の[[フランセスク・ファブレガス|セスク]]、[[アト・ファブティコ・マドリーガス]]の[[ルイス(2011年に古巣ハビエ・ガルシア・サンス|ルイス・ガルシア]]セロナに移籍)、[[SSCナポバプールFC]]の[[ホセ・マヌエル・レイナ|レイナ]]や[[マラガCF]]など[[アルベルト・ルケ|ルケ]]ように他チームで開花する選手も多い。また[[RCDエスパニョ2011-2012シズンまでのバ]]の[[デ・ラ・ペーニャ]]、[[トッテセロム・ホットスパーFC|トッテナム]]監督の[[ジョバニゼップドス・サントスグアルディオラ]]など、他チームもカンテラ出身活躍す選手も多い
 
== レアル・マドリードのカンテラ ==
一方で、「18歳未満の選手とはプロ契約を結ぶ事が出来ない」というスペインの法律を逆手に取り、主に[[イングランド]][[FAプレミアリーグ]]のクラブが選手の両親に職を与えるなどして選手を引き抜いてしまう事件も度々発生している。
詳細は[[{{main|レアル・マドリード・カスティージャ]]を参照。}}
レアル・マドリードのカンテラも有名であり、1980年代後半の[[キンタ・デル・ブイトレ]]と呼ばれたトップチームの中心選手であった[[エミリオ・ブトラゲーニョ]]、[[ミチェル]]、[[マルティン・バスケス]]、[[マヌエル・サンチス・オンティジュエロ]]、[[ホセ・アントニオ・カマーチョ]]といった選手を輩出している。
 
2000年以後の一時期、[[ジネディーヌ・ジダン]]のようなスター選手と、[[フランシスコ・パボン]]のようなカンテラーノを組みわせる「ジダネス&パボネス」を理想として掲げていたが、[[2008年]]12月には「優秀なカンテラ選手を起用せず、他から選手を買うことしか考えていない」として、カンテラの総責任者であり、かつての[[キンタ・デル・ブイトレ]]の一人であるミチェルが辞任している。
詳細は[[FCバルセロナ#下部組織]]、[[FCバルセロナ・アトレティック]]を参照。
 
2017年8月現在では、[[ダニエル・カルバハル]]、[[ホセ・イグナシオ・フェルナンデス・イグレシアス|ナチョ]]、[[ルーカス・バスケス]]らがトップチームに所属している。また、他チームに移籍後、代表レベルまで成長した選手は多く、[[フアン・マタ]]、[[アルバロ・ネグレド]]、[[ロベルト・ソルダード]]、[[ホセ・マリア・カジェホン・ブエーノ|ホセ・カジェホン]]、[[エステバン・カンビアッソ]]などがいる。
== マドリードのカンテラ ==
[[レアル・マドリード]]のカンテラが有名。[[キンタ・デル・ブイトレ]]という育成の成功例を持ち、また[[リーガ・エスパニョーラ]]、[[プリメーラ・ディビシオン]]所属選手の中で、最も数が多いのはレアル・マドリードのカンテラ出身選手である。現在では、[[ラウル・ゴンサレス]]、[[グティ]]、[[イケル・カシージャス]]、[[エステバン・グラネロ・モリナ]]がトップチームに所属している。反面、現在では他クラブで活躍する選手、スペイン代表(及び年代別代表)に選出される選手は多い([[ファン・マヌエル・マタ]]、[[ホセ・マヌエル・フラド]]、[[フアン・フランシスコ・トーレス|ファンフラン]]、[[ハビ・ガルシア]]、[[ミゲル・トーレス]]など)が、マドリーでは出場機会を得られないことが多い。[[2008年]]には、カンテラの責任者を務めていた[[ミチェル]]が、カンテラ軽視を批判し、辞任した。
 
詳細は[[レアル・マドリード・カスティージャ]]を参照。
 
== バスク地方のカンテラ ==
[[バスク国 (歴史的な領域)|バスク地方]]では、その歴史的経緯からスペイン中央政府に対する反発が強い。この為、サッカーにおいても「外国人は入団させてもスペイン人は入団させない」と言われるほどであり、この地域のチームである[[アスレティック・ビルバオ]]と[[レアル・ソシエダ]]はかつてともにバスク[[純血主義]]をとっていた(現在ではレアル・ソシエダはバスク純血主義を廃している)。この為、バスク人の若手有望選手を育てることが必要となり、カンテラが発達している。
スペインの中でも特に[[バスク地方]]のクラブ([[アスレティック・ビルバオ]]や[[レアル・ソシエダ]])はカンテラでの育成に非常に力を入れている。2005-2006シーズン躍進を果たしたCAオサスナもパチ・イスコ会長がカンテラの整備を計ったことで[[ラウール・ガルシア]]を筆頭に若手の優秀な選手を輩出して躍進を果たす一因となった。
 
また、この2チームを中心に、バスク人の若手有望選手を取り合うこともある。1980年代にレアル・ソシエダがバスク純血主義を廃するようになったのは、アスレティック・ビルバオがソシエダの若手有望選手を引き抜いたためとも言われている。また、未だにバスク純血主義を堅持しているアスレティック・ビルバオは同じくバスク地方を本拠地とする[[CAオサスナ]]や[[デポルティーボ・アラベス]]からバスク人選手を獲得することも多い。
彼らは地域性から[[バスク人]]以外の[[スペイン|スペイン人]]をチームに入れるのを嫌っており、バスク人もしくはバスクにゆかりのある選手のみでチームを構成する傾向にある。
「外国人は入団させてもスペイン人は入団させない」といった話も出るほどである。また、この2チームの間では数少ないバスクの優秀な若手選手の取り合いになることもある。
1980年代後半にソシエダが外国人の獲得に動き出したのは、ビルバオがソシエダのカンテラの優秀な選手たちを多数引き抜いてしまったことが背景にあるらしい。近年でもバスク純血主義を貫くビルバオは優秀な若手選手の獲得に必死になっており、[[オサスナ]]や[[デポルティーボ・アラベス]]からの選手強奪も珍しくない。そのためクラブ同士の関係は悪いとされる。しかし、バスクダービーになると両チームのサポーターが肩を組んで応援するなど、バスク人としての繋がりは強いものとされる。
 
こうして育った選手としては[[アイトール・ベギリスタイン]]、[[アンドニ・スビサレッタ]]、[[ホセバ・エチェベリア]]、[[シャビ・アロンソ]]などがいる。ベリギスタイン、スビサレータはかつてFCバルセロナに所属し、シャビ・アロンソはレアル・マドリードに所属するなど、クラブがそれほど裕福でもないため、他クラブに移籍している例も多い。
カンテラが充実しているためか、バスク出身の選手には優秀な選手が多いが、クラブはそれほど裕福ではないため、多くのクラブにその才能が流れている。
 
== 外部リンク ==
 
*{{in lang|es}} [http://canales.elcorreodigital.com/especiales/eleccionesathletic/noticias/not270501a.html Voluntad de tradición], an article on the Athletic Bilbao ''cantera policy''
*[https://web.archive.org/web/20110608055037/http://www.ezilon.com/information/article_11653.shtml The lost boys of Barcelona], by Ronald Atkin
{{Authority Control}}
{{DEFAULTSORT:かんてら}}
[[Category:スペインのサッカー]]
[[Category:育成年代のサッカー]]
 
[[en:Cantera]]
[[es:Cantera (fútbol)]]
[[it:Cantera]]
[[nl:Cantera]]
[[ru:Кантера]]