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'''ガンビーノ一家'''（ガンビーノいっか、Gambino crime family）はニューヨーク・マフィアの[[五大ファミリー]]の一つ。19311910年に[[ラッキー・ルチアーノ]]によってニューヨーク・マフィアが五大ファミリーに再編されたときに旧代初め、[[サルヴァトーレ・ダキーラ]]のが統括したパレルモ系マファミリーィア勢力を母体源流として誕生したする。

[[1900年代]]後半、シチリアのパレルモ出身のサルヴァトーレ・ダキーラがマンハッタンのハーレムでギャング団を率いた。1910年、コルレオーネ系の[[モレロ一家]]のパートナーとして頭角を現し、1910年にモレロ一家ボスの[[ジュゼッペ・モレロ]]が監獄送りになった時、「[[カポ・デイ・カピ|ボスの中のボス]]」を宣言し、1910年代前半モレロ一家残党と抗争した<ref name="c">[httphttps://wwwmob-who.lacndbblogspot.com/php2011/Info.php?name=Salvatore%20D04/daquila-salvatore-toto-1873-1928.html D'Aquila, Salvatore D"Toto" (1873-Aquila]1928) La] CosaThe NostraAmerican DatabaseMafia</ref>。モレロと共に監獄送りになった[[イニャツィオ・ルポ]]（パレルモ派閥）の後継者を自任し、その縄張りを継いだとの説がある。

当時パレルモルーツの派閥マフィアにダキーラ派とアル・ミネオ派があり、アル・ミネオ派はモレロ派残党やカステランマレーゼ派（以下カステラマレ派と表記）と同盟してダキーラに対抗した<ref>[http://www.gangrule.com/events/struggle-for-control-1914-1918 The Struggle for Control - The Gangs of New York]</ref>。1910年代中頃にかけモレロ一家から離脱する有力メンバーの暗殺とその報復が続き、ハーレムが流血バトルの舞台になった。1910年代後半、モレロ派一家がブルックリンのカモッラ勢力の挑戦を受け抗争で疲弊している間、ダキーラ派は勢力を伸張し、禁酒法時代ブルックリンに拠点を移し広げた。ダキーラはライバル勢力にスパイを送り込み、危険分子を粛清するなど水面下の策謀に長けたと言われる<ref>David Critchley, The Origin of Organized Crime in America: The New York City Mafia, 1891–1931, P. 157</ref>。ダキーラはまた、クリーヴランド、シカゴ、ボストン、フィラデルフィア、ニューオリンズなど全米各都市のシチリアマフィア勢力とネットワークを築き、互いに信頼関係を築ていた。

[[1920年]]にモレロやルポが出所し、往時の権力を取り戻そうと活動を始めると、ダキーラはマフィア会議を開き、モレロ派残党にまとめて死の宣告を出した。その後2年間、ダキーラ派とモレロ派は再び抗争状態となり、酒の密輸の縄張り争いを伴って激化した末、十数人の死者を出した。[[1922年]]、酒の密輸で力を付けた[[ジョー・マッセリア]]がモレロの支持を得てダキーラ派刺客[[ウンベルト・ヴァレンティ]]を返り討ちにしたため<ref name="c"/>、ダキーラの野望モレロ派せん滅作戦はとん挫した。

[[1928年]]7月に暗殺された[[フランキー・イェール]]の南ブルックリンの縄張りをめぐってダキーラが乗っ取りを仕掛け、これにマッセリアが待ったをかけた。同年10月、ダキーラは暗殺され、実行犯は捕まらなかったがマッセリア、モレロ、アル・ミネオの共謀と信じられた。マッセリアは縄張りをアル・ミネオに任せて間接支配した<ref name="c"/><ref>[http://www.lacndb.com/php/Info.php?name=Al%20Mineo Al Mineo] La Cosa Nostra Database</ref>。イェールやダキーラの相次ぐ暗殺はブルックリン情勢に混沌をもたらし、権力の空白を埋めるべく各ギャングが暗闘を始めた。マッセリアはダキーラ派残党の一部は北ブ後釜にアルックリンのカ・ミネオをボステランマレーゼ派との提携に走っ担ぎ上げて間接支配した<ref name="c"/><ref name="JC">[https://books.google.co.jp/books?id=o64XJkmUPr0C&pg=PA56&lpg=PA56　The Complete Idiot's Guide to the Mafia] Jerry Capeci</ref>。

ダキーラの後釜継ボスに収まったミネオがマッセリアとの合流前に元々率いていた派閥は、抜けた穴を埋める形でサルヴァトーレ・ディベッラ、次いで[[ジョゼフ・プロファチ]]がボスを継いだとの説がある（その場合ミネオはプロファチ一家（現[[コロンボ一家]]）の創設者となる）<ref>
{{refnest|group=注釈|ミネオに近い仲間がプロファチ一家に残っていることなどを根拠としている。<ref>[httphttps://mafiamembershipcharts.blogspot.jpcom/2016/02/bios-of-early-gambino-members-1930-50s.html Mafia Membership Chart, Mineo-Manfredi, 2016.3]</ref>。}}。

1928年12月、クリーヴランドで開かれたマフィア会議に、[[ヴィンセント・マンガーノ]]やプロファチ、ダキーラの側近だったジョゼフ・トライナ（ダキーラ元側近）などが参加した（警察の手入れにあい会議の存在が露見した）<ref>[http://www.lacndb.com/php/Info.php?name=Vincent%20Mangano Vincent Mangano] La Cosa Nostra Database</ref>。会議の目的はイェールやダキーラ亡き後の密輸の縄張り処理だったと見伝えられる（マッセリアやアル・ミネオは不参加）た<ref>[http://www.writersofwrongs.com/2016/12/caught-in-cleveland.html Caught in Cleveland] Writers of Wrongs Series, Thomas Hunt</ref>。

===ミネオ暗殺と五大ファミリーの再編体制===

1920年代後半、ダキーラ暗殺に続いてカステランマレーゼ派を攻略したマッセリアは、同派の[[サルヴァトーレ・マランツァーノ]]の頑強な抵抗にあった（[[カステランマレーゼ戦争]]）。旧ダキーラ派は、カステラマレ派に接近するグループもあったが、ほとんどは、表向きマッセリアに味方しつつ様子見する中立姿勢をとった。

1930年11月、ミネオはマランツァーノと[[トミー・ガリアーノ]]の合同暗殺チームに暗殺され、旧ダキーラ系で反マッセリアの[[フランク・スカリーチェ]]がマランツァーノの支援を得てミネオの支配バックアップに抵抗していより後釜ボスになった。旧ダキーラ派残党勢の主流派（[[フラヴィンクセント・スカリマンガーチェノ]]やサルヴァトーレ・マソットら）は、ミネオの死以降マッセリアが組織を奪い返形勢不利になってから離反した。1931年4月、マッセリアは自身の部下にの裏切られてりで謀殺され、スカリーチェはマランツァーノによりあらためて旧ダキーラ組織ファミリーのボスに任命さと認められた<ref name="JC"/>。

1931年9月、マランツァーノがルチアーノに暗殺されると、マランツァーノに近かったスカリーチェは後ろ盾を失ってボスの座を降ろされ、代わって[[ヴィンセント・マンガーノ]]がボスに担ぎ上げられた<ref name="b">[http://www.onewal.com/maf-b-ny.html THE AMERICAN MAFIA - Crime Bosses of New York]</ref>。ダキーラから、ミネオ、スカリーチェ、マンガーノ、一代はさんで[[カルロ・ガンビーノ]]までの全員がパレルモ市出身のパレルモ派閥である。モレロ一家、レイナ一家などのコルレオーネ派閥や、カステランマレーゼ派閥と対置される。

===ナポリ系・カラブ非シチリア系勢力の流入===

1916年のマフィア（モレロ一家）-の対ブルックリンカモッラ戦抗争でカモッラの主要リーダーが投獄された時、ダキーラ派がカモッラの残党を吸収したのが発端とされる。1920年代、マンガーノらをはじめとするブルックリン臨界区のシチリア勢力（パレルモ一派閥）は、カラブリア系の[[フランキー・イェール]]と共同で臨海区を支配した。1928年にイェールが[[アル・カポネ]]一味に殺された時、ナポリ系・カラブリア系勢力グループはプロファチら南ブルックリンのシチリア勢と激しい縄張り争いを展開した。カラブリア系の[[アルバート・アナスタシア]]一派はマンガーノと結託して、臨海区の同郷（カラブリア系）ギャングを暴力で排除した上、プロファチら南ブルックリンのシチリア勢と和解した<ref name="a">[httphttps://wwwmob-who.onewalblogspot.com/a0092011/f_albertanastasiap0304/anastasia-albert-1902-1957.html King of the Brooklyn Docks -　Anastasia, Albert Anastasia (1902-1957)], -The BuildingAmerican The Syndicate]Mafia</ref>。最終的にこれら南ブルックリンの非シチリア勢力はマンガーノ一派とプロファチ一派のどちらかに吸収された。

マンガーノはルチアーノと親しいアナスタシアを副ボスに据えて、再スタートを切った。両者ともユダヤ系ギャブルックリングとの臨海区の港湾組合同を支配し組織[[マーダー・インク]]合員からの幹部となり上納金、暗黒街貨物の反逆者横流しや裏切り者の処刑業務転売を収入源に関与した<ref name="a"/>。1933年の禁酒法終了後は、組合ゆすりや高利貸し、宝くじやナンバーズ賭博に収益源を求めた。ブルックリンの臨海区の港湾組合を支配しキックバックやピンハネ、船の入出港を仕切って貨物の横流しや転売で儲け広げた<ref name="KBD">[httphttps://www.onewalmafiahistory.comus/a009/f_albertanastasiap04f_albertanastasia.html King of the Brooklyn Docks] -The AlbertAmerican Anastasia (1902-1957) - Steps Toward Legitimacy]Mafia</ref>。両者ともユダヤ系ギャングとの合同組織[[マーダー・インク]]の幹部となり、暗黒街の反逆者や裏切り者の処刑業務に関与した<ref name="a"/>。1940年代初頭、[[エイブ・レルズ]]の密告によりマーダーインクの処刑業務に深く関わったアナスタシアに捜査が及ぶが、盟友[[フランク・コステロ]]が裏で手を回し、救われた<ref name="a"/>。

マンガーノは、アナスタシアと臨海区支配や政敵排除を通じ20年以上タッグを組んでいたが、次第にボスの自分を無視して勝手に他のファミリー幹部に便宜を図るアナスタシアと喧嘩が絶えなくなり、関係が悪化した。

[[1951年]]4月、マンガーノは行方不明になり、同時にマンガーノの弟で一家の相談役フィリップは沼地で銃殺死体で発見された。両方ともアナスタシアが殺したと広く信じられている<ref name="b"/><ref name="sif">[https://books.google.co.jp/books?id=jgCpxTpPCPcC&pg=PA181&lpg=PA181 Gambino Crime Family] The Mafia Encyclopedia (2005), Carl Sifakis, P. 181 - P. 182</ref>。コステロ一家（現[[ジェノヴェーゼ一家]]）のボス、[[フランク・コステロ]]がアナスタシアの掟破りのボス殺しを事前に了解していたとされる<ref name="JC"/>。コステロはボスの座を狙う[[ヴィト・ジェノヴェーゼ]]を牽制するためアナスタシアを一家のボスに後押ししたと言われた。

アナスタシアは副ボスに古参フランク・スカリーチェを据えた。スカリーチェの副ボス抜擢は傘下に抱えるファミリー内のシチリア勢力を懐柔する意味があためだったとされる。この時代、ファミリー上層部が小遣い稼ぎにメンバーシップを乱発し、組織が膨張した。メンバーシップの乱発はオメルタに触れ、スカリーチェが責任を取らされて1957年6月に粛清された<ref>[httphttps://wwwgangstersinc.oocitiesning.orgcom/organizedcrimesyndicatesprofiles/FrankScalise.htmlblogs/the-sun-was-shining-the-hit-on-new-york-mafia-underboss-frank-sca FrankThe "Donsun Cheech"was Scaliseshining: The hit on New York Mafia underboss Frank Scalice] 旧Geocities記事GangstersInc</ref>。アナスタシアは、新たな副ボスに[[カルロ・ガンビーノ]]を抜擢した。

アナスタシアはギャンブルに溺れるようになり、金欠状態に陥って他のファミリーの縄張りを狙うなど悪評が高まった。特にキューバの賭博利権に割り込もうと、キューバに大きな利権を持っていたフロリダの[[サント・トラフィカンテ]]に触手を伸ばした<ref name="KBD"/>。

その後、ファミリーはジェノヴェーゼの権力闘争に巻き込まれた。1957年5月、コステロはジェノヴェーゼの手下[[ヴィンセント・ジガンテ]]に狙撃され、暗殺は免れたコステロが、組織からボスの引退座を決意しジェノヴェーゼに譲った。アナスタシアはコステロ襲撃に怒り狂い、ジェノヴェーゼと戦争する場合は中立を保つよう他のボスに働きかけた。ジェノヴェーゼはアナスタシアの報復を恐れ、スカリーチェを継いで密かに副ボスになっていた[[カルロ・のガンビーノ]]を抱き込んでと通じ、アナスタシアの暗殺を共謀した。1957年10月25日、アナスタシアはマンハッタンのパーク・シェラトンホテルの理容室で2人組に銃撃暗殺され即死した。当局は密告者の情報を元に、一家の古参幹部の[[ジョゼフ・ビオンド|ジョー・ビオンド]]がガンビーノから仕事に協力しヒットマンを請け負い、自前のクルーから暗殺チームを作っ手配したと推論した信じられている<ref name="KBD"/>{{refnest|group=注釈|1963年1月3日付FBIレポートによる<ref>[httphttps://www.onewalbeatsboxingmayhem.com/a0092016/f_albertanastasiap06.html King 10/29/how-a-journeyman-boxer-got-mixed-up-in-the-murder-of-mob-boss-albert-anastasia/ theHow Brooklyna DocksJourneyman -Boxer AlbertGot AnastasiaMixed (1902-1957)Up -in Whodunnit?]</ref><ref>[http://www.lacndb.com/php/Info.php?name=Joseph%20Biondothe JosephMurder Biondo]of LaMob CosaBoss NostraAlbert DatabaseAnastasia]</ref>（ビオ。}}。ジェノヴェーゼとガンドは直後副ボスに昇格したが暗殺ビーノの見返り人事共謀とされる）。数年後いうのギャロ対プロファチ戦争で脚光が定説だが、アナスタシアがキューバ利権を浴び侵犯した[[ことを理由にコロミッションボ一家|プロファから粛清指令があったとする説や、マンガーノ兄弟、スカリーチ一家]]のギャロェ兄弟が後になって実行犯として脚光相次いでシチリア人を浴び殺したが（と信じられた）アナスタシアに対する、別ファミリーの末端にい垣根を越えたギャロへシチリア人総出の繋がりが想定しづらいこ復讐とやファミリー執行部と対立するギャロに重要な暗殺の仕事を委ね説もある現実味<ref>[https://mafiamembershipcharts.blogspot.com/2016/02/bios-of-early-gambino-members-1930-50s.html SCALICI-GIUSEPPE] Mafia Membership Charts</ref>{{refnest|group=注釈|警察が乏しいこ暗殺に関わったとから、伝説の域を出みていない。捜査したのは、ボディーガードのアンソニー・コッポラ、理髪店でアナスタシアと一緒だっ屋にいた一家のジェロウーム・スキランテや、アナスタシアと暗殺の前日時ニューヨークに会っていた[[サント・トラフィカンテに及んだが]]（ジュニア）、犯人[[マイヤー・ランスキー]]、[[マイク・ミランダ]]など。5年後、[[コロンボ一家|プロファチ一家]]の検挙ギャロ兄弟が対プロファチ抗争で世間を騒がせた時に至らなかっ暗殺実行犯と取り沙汰された。}}。

ボスの座に就いたガンビーノは、ビオンドを副ボスに、ジェノヴェーョゼフ・リコボノを相談役に据え、弟の傀儡ポールをカポにお昇進さまらずせるなど一家の上層部をシチリア（パレルモ）派閥で固めた上で、ファミリー外交を始めに着手した。[[ジョゼフ・ボナンノ]]ープロファチの同盟関係に対抗して、1962年[[トーマス・ルッケーゼ]]との政略結婚を通じて味方陣営を固めた。1961年、ギャロ戦争を口実にプロファチに圧力をかけ、引退に追い込もうとした。1962年6月プロファチが病死すると、副ボスで側近だった[[ジョゼフ・マリオッコ]]のボス就任を認めず、1964年1月、傀儡の[[ジョゼフ・コロンボ]]をボスに据えることに成功した。旧プロファチ一家を自陣に加えたガンビーノは、ジェノヴェーゼが投獄され不在の中、コミッションの主導権を握った。プロファチに続いて[[ボナンノ一家]]の切り崩しを図り、自身やルッケーゼへ暗殺を企てたとの理由でボナンノを執拗に糾弾した。ボナンノは息子に全権を譲って引退するなどと譲歩案を出したがガンビーノを中心とするコミッションに拒否されたため、ボナンノは引退を撤回して状況は泥沼化した。その後、ボナンノ一家の古参幹部の不満を利用して内部分裂を起こさせ、最終的にボナンノを引退に追い込んだ<ref name="JC"/><ref name="TH">[httphttps://wwwmob-who.lacndbblogspot.com/php2011/Info04/gambino-carlo-1902-1976.php?name=Carlo%20Gambinohtml　Gambino, Carlo Gambino(1902-1976)] La CosaThe NostraAmerian DatabaseMafia</ref>。

ファミリー内では旧アナスタシア派一家の粛構成員はカポ20人とソルジャー300人規模と言われ、食肉市場、土建業、港湾貨物、運送屋、清を行なったが掃業、1960年代半ばアナパン屋・レスタシア派で人望の厚かった[[アニエロ・デトラクローチェ]]ンなどを副ボス隠れ蓑に抜擢ヤミ賭博、高利貸し、アナスタシア派の懐柔と監視の両方の役目を与えて組織の分裂を防いだ。1967年売春、ポルッケーゼの死亡後ノ、そのガーメント地区の組合利権を乗ったかり、インサイダー取っ引、麻薬、窃盗団・詐欺団など多岐にわた。一家は拡大る非合法活動を続け、構成員は展開した<ref name="JC"/>。正式メンバー以外の関係準構成員・協力者を含めると数千人に達し、テリトリーはニュージャージー、カリフォルニア、バルティモア、フロリダ、コネチカットまで及んだ。[[1976年]]のガンビーノの死までに、ファミリーは[[ジェノヴェーゼ一家]]に代わってニューヨーク最強のファミリーとなった<ref name="b"/><ref name="sif"/>。

ガンビーノが自分の後継者に副ボスのデラクローチェではなく、いとこの[[ポール・カステラーノ]]を指名したことから、ファミリーの運命には翳がさすようになる<ref name="TH"/>。カステラーノはファミリーの合法ビジネスの進出に力を注ぐとともに、組合や企業強請りなどの「ホワイトカラー」犯罪に基盤を持った。デラクローチェを頂点とするグループは、ヤミ賭博や麻薬、強盗、売春など従来のストリート系「ブルーカラー犯罪」に基盤を持ち、明確に異なる派閥を形成した。

[[1985年]][[12月2日]]のデラクローチェの死を契機に、カステラーノの粛清を恐れたデラクローチェ配下の筆頭[[ジョン・ゴッティ]]は同年[[12月16日]]、カステラーノを暗殺し、一家のボスの座に就いた<ref name="b"/><ref name="sif"/>。掟破りのボス殺しとしてマフィア総出の復讐に晒され、側近らを殺害されたゴッティはジガンテらマフィアの実力者への釈明に奔走した。

その後ゴッティはもっとも有名なマフィアのボスとしてメディアを賑わせたが、[[1990年]]に逮捕・収監されて[[2002年]]に獄死した。1970年代半ばからFBIの摘発は厳しさを増し、副ボスの[[サルヴァトーレ・グラヴァーノ|サルヴァトーレ・"サミー・ザ・ブル"・グラヴァーノ]]などの司法当局への内通者が続出するに至ってファミリーの統制は地に堕ちた。現在では再び[[ジェノヴェーゼ一家]]に最強のファミリーとしての地位を譲っていると思われるが、現在でもブルックリンと[[スタテンアイランド]]の労働組合を支配している<ref>{{cite news|last=Marzulli|first=John|title=Feds dig up bags o' cash intended as Christmas payoff to Genovese family from longshoreman|url=httphttps://articleswww.nydailynews.com/2010-12-10/news/27083926_1_crimecrime/feds-familyintercept-bags-o-cash-meant-genovese-fedsfamily-article-1.470346|accessdate=20172019-01-0301|newspaper=New York Daily News|date=2010-12-10}}</ref>。

近年ではシチリアマフィアとの連携を再び強めているとされている。[[1981年]]に[[サルヴァトーレ・リイナ]]らに殺害された{{仮リンク|サルヴァトーレ・インツェリッロ|en|Salvatore Inzerillo}}の家族と部下らを迎え入れた。さらに[[2011年]]にシチリア出身の[[ドメニコ・チェファルー]]（[[:en:Domenico Cefalù|Domenico "Italian Dom" Cefalù]]）をボスとした。そして[[2015年]]にインツェリッロと親族関係にある[[フランク・カリ]]（[[:w:Frank Cali|Frank "Franky Boy" Cali]]）がアンダーボスからボスに昇格し、現在に至る。現在の副ボス（ストリート・ボス）とアンダーボスは不明、コンシリエーレはジョゼフ・コロッツォ（[[:w:Joseph Corozzo|Joseph "Jo Jo" Corozzo]]）。[[2019年]]3月13日、フランク・カリは自宅前で6発の銃弾を受け、その後ピックアップトラックに轢かれ死亡。<ref>{{Cite web|和書|title=NYマフィアのボス射殺 「五大ファミリー」の一角|url=https://mainichi.jp/articles/20190315/k00/00m/030/014000c|website=毎日新聞|accessdate=2019-03-15|language=ja}}</ref>

== 脚注 ==

[[Category:アメリカ合衆国のマフィア|かんびーのいっか]]