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{{otheruseslist|国際単位系 (SI) における接頭語|[[日本の鉄道]]における[[気動車]]の形式称号|国鉄気動車の車両形式|ロシア海軍潜水艦のNATOコードネーム|キロ級潜水艦}}
 
'''キロ'''(kilo, 記号:[[k]])は[[国際単位系]] (SI) における[[SI接頭語]]の一つで、以下のように、基礎となる単位の10<sup>3</sup>(= (=[[1000]]) 倍の量であることを示す。記号は'''[[小文字]]・[[立体活字|立体]]の「k」'''である。
* 1[[キログラム]] (kg) = 1000[[グラム]] (g)
* 1[[キロメートル]] (km) = 1000[[メートル]] (m)
* 1キロリットル (kL) = 1000[[リットル]] (L)
* 1キロワット (kW) = 1000[[ワット]] (W)
* 1キロジュール (kJ) = 1000[[ジュール]] (J)
 
== 概要 ==
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== 小文字を使う理由 ==
倍量の[[SI接頭語]]の記号のうち[[メガ]](記号: M、10<sup>6</sup>)以上の記号は[[大文字]]であるが、[[デカ]] (da)・[[ヘクト]] (h)・キロ (k) は小文字である。これは、倍量には大文字を使うという決まりができる前にすでにデカ・ヘクト・キロが定められ、また、小文字で定着していたためである。
 
しばしば"Kg" "KG"(キログラム)、"Km" "KM"(キロメートル)などと表記されることがあるが、これらは誤りで、正しくは"kg" "km"である<ref>[https://unit.aist.go.jp/nmij/public/report/pamphlet/si/SIdata202004.pdf 国際単位系 (SI) は世界共通のルールです(PDF)] 2ページ右下の「誤りやすい単位記号の例」として"10 Kg"(正しくは 10 kg)が示されている。</ref>。大文字の「[[K]]」は、[[熱力学温度]]の単位である[[ケルビン]]の記号であるため、"Kg", "Km"と記述した場合は、「ケルビン グラム」「ケルビン メートル」と誤読される可能性がある。なお、大文字「K」を用いることに[[計量法]]上の罰則が伴うものではない。SI単位等普及推進委員会と通商産業省(現:経済産業省)計量行政室は次の問答を作成している<ref>[http://www.meti.go.jp/topic/data/e90930aj.html] 計量単位のSI化に係るQ &amp; A(SI単位等普及推進委員会 通商産業省 計量行政室)、 Q5とA5</ref><ref> [https://www.ne.jp/asahi/office/okada/s_keiriou/s_keiriou.htm 新計量法とSI化の進め方] Q and A、6.単位記号について、Q29:A29</ref>。
{{Quotation|'''質問''':接頭語のキロに大文字のKを使用することは可能か。 <br />'''回答''':SIのルールでは、大文字のKは温度の計量単位であるケルビン (K) を表す記号ですので、誤解を生む要因となります。したがって、正しく小文字のkを使用すべきです。特に、欧州やISOなどでは、記号も含めて整合性を求められますので、正しい記号を使用することをお薦めします。 なお、計量法は、計量単位記号については、標準となるべきものを定めていますので、大文字のKを用いることに罰則が伴うものではありません。}}
 
日本の一般道路の[[日本の道路標識|道路標識]]では、「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」<ref>{{Cite web |和書|url=https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335M50004002003 |title=道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(昭和三十五年総理府・建設省令第三号)|website=e-Gov法令検索 |publisher=総務省行政管理局 |date=2017-4-21 |quote=2017年7月1日施行分|accessdate=2020-1-9}}</ref>により、"Km"(頭文字を大文字)と標示するよう定めていたが、 [[2008年]]([[平成]]20年)[[8月1日]]以降、"km"(頭文字を小文字)と標示するように[[省令]]が改正された<ref>[https://www.mlit.go.jp/report/press/road04_hh_000006.html 道路標識、区画線及び道路標示に関する命令の一部改正について] [[国土交通省]]、距離を標示する「Km」標記の「km」への変更。2008年(平成20年)[[6月30日]]、[[内閣府]]国土交通省令第2号による改正内容の報道発表資料。</ref><ref>[https://www.mlit.go.jp/road/sign/sign/annai/90directions.htm] 国土交通省道路局、道路標識、"案内標識一覧"</ref>。なお、[[日本の高速道路|高速道路]]での案内標識は、新設当初から"km"(頭文字を小文字)と標示している<ref>[[1963年]]([[昭和]]38年)[[7月13日]]、総理府建設省令第2号。同年[[7月14日]][[施行]]。</ref>。
 
== 曖昧な使われ方 ==
日本において、単に「キロ」と言った場合には、[[キロメートル]] (km) または[[キログラム]] (kg) 、ないしは[[キロメートル毎時]] (km/h) を指すことが多い。技術者は金額や人口などの1,000についても「キロ」を用いることがある(例えば20,000円を「20キロ円」と呼び、¥20kと略記する。「単位:千円」として100,000円を100(=100千円)と表記されるのと似ている)。[[2000年問題]]は「Y2K問題」('''ワイツーケイもんだい'''、Y"は年=year、"K"はキロ=kilo)とも呼称された。
 
=== 軍における klick ===
[[アメリカ軍]]およびアメリカ軍と共同作戦を行う国の軍では、{{en|klick}}(または、klik、click)を[[キロメートル]]の俗語として用いる。1960年代のベトナム戦争時代から使われ始めた<ref>The Random House Dictionary of the English Language, 2nd Edition, Unabridged, 1987, p.386</ref><ref>Oxford Dictionary of English([[オックスフォード英英辞典]])</ref>。
 
== SI接頭語 ==
{{SI接頭語}}
 
== 情報工学の分野における使用法 ==
情報工学の分野において、SI接頭語「キロ」は、国際単位系 (SI) の定めに従い'''1000''' (= 10<sup>3</sup>) '''倍'''を示す場合と、[[国際規格]]などで定められていない俗習<ref>情報工学の分野において、接頭語「キロ」を、国際単位系 (SI) の定めに従わず、俗習として1024 (2<sup>10</sup>) 倍を示す場合があるのは、[[コンピュータ]]が内部ですべての数値を[[二進法|2進数]]に置き換えて処理していることと、1024 (2<sup>10</sup>) が概ね1000であること、及び、代表的な[[オペレーティングシステム|OS]]([[Microsoft Windows]]や過去の[[macOS]]など)にて[[電子媒体|記憶媒体]]の容量や[[ファイルサイズ]]の換算に用いていることが主な理由である。</ref>として'''1024''' (= 2<sup>10</sup>) '''倍'''を示す場合<ref name="Windows">[[Microsoft Windows]]や過去の[[macOS]]では、コンピュータの記憶容量やファイルサイズについて、俗習に従い1024[[バイト (情報)|バイト]]を1[[キロバイト]](記号もSI接頭語従わず、"KB"(頭文字が大文字))))と表している([[国際規格]] ([[IEC 80000-13]]) に従う場合、1,024バイトを1[[キビバイト]]と表すことができる</ref><ref name="ITEngineersExamination">[[国家試験]]である[[情報処理技術者試験]]にて、「1kバイト=1000バイト」として計算させる問題([[基本情報技術者]] 平成28年春期 午前 問12など)と、「1kバイト=1024バイト」として計算させる問題(基本情報技術者 平成25年秋期 午前 問11など)が出題されている。</ref><ref name="TextBook">[https://seiai.ed.jp/sys/text/csd/cf13/c13b060.html 各教科書のキロバイト] - [[高等学校]]の[[教育課程]]「[[情報 (教科)|情報の科学]]」の教科書では、「[[キビバイト]]」など[[2進接頭辞]]を用いた単位の説明をせず、「キロ」を1024倍と説明するものが多い。 </ref>がある。
 
この曖昧さを回避するため、'''1024''' (= 2<sup>10</sup>) '''倍'''を表す接頭語として、国際規格 ([[IEC 80000-13]]) にてSI接頭語と区別できる[[2進接頭辞]]「'''キビ'''」(kibi(kibi, 記号:Ki) Ki)が定められているが、[[キビバイト]]」(kibibyte(kibibyte, 記号:KiB) KiB)[[キビビット]]」(kibibit(kibibit, 記号: Kibit,Kib) Kib)などの単位は、あまり用いられていない<ref name="Windows" /><ref name="ITEngineersExamination" /><ref name="TextBook" />。
 
また、国際単位系 (SI) 第8版(2006年)にて、キロやその他のSI接頭語を'''決して2の[[冪乗|べき乗]]を表すために用いてはならない'''と定めている<ref>[https://web.archive.org/web/20191008102417/https://unit.aist.go.jp/nmij/library/units/si/R8/SI8J.pdf 国際単位系 (SI) 第8版(2006)日本語版(原書:国際度量衡局 日本語訳:産業技術総合研究所 計量標準総合センター)] 3.SI 単位の10進の倍量及び分量 3.1 SI接頭語 p.33サイドノート<br />「これらのSI接頭語は10の整数乗を表す。それらを決して2のべき乗を表すために用いてはならない(例えば,1キロビットは1000ビットであり,1024ビットではない)。IEC 規格 60027-2:2005,第3版,電気用文字記号―第2部:電気通信及びエレクトロニクス(IEC 60027-2: 2005, third edition, Letter symbols to be used in electrical technology –Part 2: Telecommunications and electronics)では2<sup>10</sup>,2<sup>20</sup>,2<sup>30</sup>,2<sup>40</sup>,2<sup>50</sup>,及び2<sup>60</sup>に対する接頭語がそれぞれ以下のように定義されている。
:名称 / 記号
*キビ (kibi) / Ki
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*エクスビ (exbi) / Ei
 
例えば,1[[キビバイト]]は1KiB = 2<sup>10</sup>B = 1024Bと書き表される。ここで,Bはバイトを表す。これらの接頭語はSIに属さないが,SI接頭語の誤用を避けるために,情報工学の分野では既に用いられている。」</ref>が、大手IT企業である[[マイクロソフト]]や[[Apple]]などが、未だ国際単位系 (SI) の定めに完全には従っておらず<ref name="Windows" /><ref name="ITEngineersExamination" /><ref name="TextBook" />、'''2のべき乗を表す用法も混在する状況は解決されていない'''<ref>[[パーソナルコンピュータ|パソコン]]で記憶媒体の詳細な空き容量を調べてみると、カタログスペックとして記載されている容量より、表示される容量のほうが少なくなることが多い。これは記憶媒体の容量を、メーカーが国際単位系 (SI) に従い10の整数乗で計算することが多いのに対し、主なパソコンの[[オペレーティングシステム]]([[Microsoft Windows]]・過去の[[macOS]])が俗習に従い2のべき乗で計算することに起因する。</ref>。なお、[[macOS]]では、[[Mac OS X Leopard]]以前は2のべき乗(1024倍)が用いられていたが、2009年公開の[[Mac OS X Snow Leopard]]以降は10の整数乗(1000倍)を用いたストレージ容量やファイルサイズ表示に変更された。<ref>{{Cite web|和書|url=https://support.apple.com/ja-jp/HT201402 |title=iOS および macOS でのストレージ容量の表示方法 |publisher=Apple Inc |date=2018-03-14 |access-date=2022-10-03 }}</ref>
 
==脚注==
<references />
 
== SI接頭語 ==
{{SI接頭語}}
 
{{DEFAULTSORT:きろ}}