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{{バイトの単位表}}
 
'''キロバイト''' (kilobyte,記号:'''kB'''<ref>国際単位系 (SI) にてSI接頭の「[[キロ]]」は10<sup>3</sup> (= [[1000]])倍の量であることを示し、小文字で "k" と表記することが定められている。また、'''kb'''は[[キロビット]]の意味で用いられることが多い。</ref>) は、情報の大きさを表す単位。
 
[[電子媒体|記憶媒体]]の容量や[[ファイルサイズ]]を表すのに用いられる。
 
== 概要 ==
キロバイトは、[[国際単位系|国際単位系 (SI)]] の定めに従い[[バイト (情報)|バイト]]の'''1000''' (= 10<sup>3</sup>)'''倍'''を示す場合と、[[国際規格]]などで定められていない俗習<ref>情報工学の分野において、接頭「キロ」を、国際単位系 (SI) の定めに従わず、俗習として1024 (2<sup>10</sup>)倍を示す場合があるのは、コンピュータが内部ですべての数値を[[二進法|2進数]]に置き換えて処理していることと、1024 (2<sup>10</sup>)が概ね1000であること、及び、代表的な[[オペレーティングシステム|OS]] ([[Microsoft Windows]], 過去の[[macOS]] ([[Apple]])など)にて[[電子媒体|記憶媒体]]の容量や[[ファイルサイズ]]の換算に用いていることが主な理由である。</ref>としてバイトの'''1024'''(= 2<sup>10</sup>)'''倍'''を示す場合<ref name="Windows">[[Microsoft Windows]]や[[macOS]]では、コンピュータの記憶容量やファイルサイズについて、俗習に従い1024[[バイト (情報)|バイト]]を1キロバイト(記号もSI接頭に従わず、"KB"(頭文字が大文字))と表している。([[国際規格]] ([[IEC 80000-13]])に従う場合、1,024バイトを1[[キビバイト]]と表すことができる。)</ref><ref name="ITEngineersExamination">[[国家試験]]である[[情報処理技術者試験]]にて、「1kバイト=1000バイト」として計算させる問題([[基本情報技術者]] 平成28年春期 午前 問12など)と、「1kバイト = 1024バイト」として計算させる問題(基本情報技術者 平成25年秋期 午前 問11など)が出題されている。</ref><ref name="TextBook">[https://seiai.ed.jp/sys/text/csd/cf13/c13b060.html 各教科書のキロバイト] - [[高等学校]]の[[教育課程]]「[[情報 (教科)|情報の科学]]」の教科書では、「[[キビバイト]]」など[[2進接頭辞]]を用いた単位の説明をせず、「キロ」を1024倍と説明するものが多い。 </ref>がある。
 
この曖昧さを回避するため、'''1024'''(= 2<sup>10</sup>)'''倍'''を表す接頭として、国際規格([[IEC 80000-13]])にてSI接頭と区別できる[[2進接頭辞]]「'''キビ'''」(kibi, 記号: Ki)が定められているが、「[[キビバイト]]」(kibibyte, 記号: KiB)はあまり用いられていない<ref name="Windows" /><ref name="ITEngineersExamination" /><ref name="TextBook" />。
 
また、国際単位系 (SI) (SI)89(2006年)(2019)にて、キロやその他のSI接頭を'''決して2の[[冪乗|べき乗]]を表すために用いてはならない'''と定めている<ref name="banned">[https://unit.aist.go.jp/nmij/librarypublic/unitsreport/siSI_9th/R8pdf/SI8JSI_9th_%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E7%89%88_r.pdf 国際単位系 (SI) (SI)89(2006)(2019)日本語版(原書:国際度量衡局 日本語訳:産業技術総合研究所 計量標準総合センター)] 3.SI 単位の10進の倍量及び分量 3.1 SI接頭語 p.33サイドノート<br />「これらのSI接頭語は10の整数乗を表す。それらを決して2のべき乗を表すために用いてはならない(例えば,1キロビットは1000ビットであり,1024ビットではない)。IEC 規格 60027-2:2005,第3版,電気用文字記号―第2部:電気通信及びエレクトロニクス(IEC 60027-2: 2005, third edition, Letter symbols to be used in electrical technology –Part 2: Telecommunications and electronics)では2<sup>10</sup>,2<sup>20</sup>,2<sup>30</sup>,2<sup>40</sup>,2<sup>50</sup>,及び2<sup>60</sup>に対する接頭語がそれぞれ以下のように定義されている。
:名称 / 記号
*キビ (kibi) / Ki
*メビ (mebi) / Mi
*ギビ (gibi) / Gi
*テビ (tebi) / Ti
*ペビ (pebi) / Pi
*エクスビ (exbi) / Ei
 
3.SI 単位の十進の倍量および分量 PDF p.29 SI接頭語は、厳格に10の整数乗を意味しているもので、2のべき乗を示すために用いてはならない(例えば、1キロビットは 1000 ビットであって、1024 ビットではない)。2のべき乗と共に用いる接頭語の名称と記号は、次のように推奨されている。
例えば,1[[キビバイト]]は1 KiB = 2<sup>10</sup> B = 1024 Bと書き表される。ここで,Bはバイトを表す。これらの接頭語はSIに属さないが,SI接頭語の誤用を避けるために,情報工学の分野では既に用いられている。」</ref>が、大手IT企業である[[マイクロソフト]]や[[アップル (企業)|アップル]]などが、未だ国際単位系 (SI) の定めに完全には従っておらず<ref name="Windows" /><ref name="ITEngineersExamination" /><ref name="TextBook" />、'''2のべき乗を表す用法も混在する状況は解決されていない'''。
 
* キビ Ki 2<sup>10</sup>
そのため、[[パーソナルコンピュータ|パソコン]]で記憶媒体の詳細な空き容量を調べてみると、カタログスペックとして記載されている容量より、表示される容量のほうが少なくなることが多い。これは記憶媒体の容量を、メーカーが国際単位系 (SI) に従い10の整数乗で計算することが多いのに対し、主なパソコンの[[オペレーティングシステム]] ([[Microsoft Windows]], [[macOS]])が俗習に従い2のべき乗で計算<ref name="Windows" />することに起因する。
* メビ Mi 2<sup>20</sup>
* ギビ Gi 2<sup>30</sup>
* テビ Ti 2<sup>40</sup>
* ペビ Pi 2<sup>50</sup>
* エクスビ (exbi)Ei 2<sup>60</ Eisup>
* ゼビ Zi 2<sup>70</sup>
* ヨビ Yi 2<sup>80</sup>
例えば,1[[キビバイト]]は1 KiB = 2<sup>10</sup> B = 1024 Bと書き表される。ここで,Bはバイトを表す。これらの接頭語はSIに属さないが,SI接頭語の誤用を避けるために,情報工学の分野では既に用いられている。」</ref>が、大手IT企業である[[マイクロソフト]]や[[アップル (企業)|アップル]]などが、未だ国際単位系 (SI) の定めに完全には従っておらず<ref name="Windows" /><ref name="ITEngineersExamination" /><ref name="TextBook" />、'''2のべき乗を表す用法も混在する状況は解決されていない'''。
 
そのため、[[パーソナルコンピュータ|パソコン]]で記憶媒体の詳細な空き容量を調べてみると、カタログスペックとして記載されている容量より、表示される容量のほうが少なくなることが多い。これは記憶媒体の容量を、メーカーが国際単位系 (SI) に従い10の整数乗で計算することが多いのに対し、主なパソコンの[[オペレーティングシステム]] ([[Microsoft Windows]], 、過去の[[macOS]])が俗習に従い2のべき乗で計算<ref name="Windows" />することに起因する。
 
なお、[[macOS]]では、[[Mac OS X Leopard]]以前は1024倍が用いられていたが、2009年公開の[[Mac OS X Snow Leopard]]以降は1000倍を用いたストレージ容量やファイルサイズ表示に変更された。<ref>{{Cite web|和書|url=https://support.apple.com/ja-jp/HT201402 |title=iOS および macOS でのストレージ容量の表示方法 |publisher=Apple Inc |date=2018-03-14 |access-date=2022-10-03 }}</ref>
 
== kBとKB ==
国際単位系 (SI) にてSI接頭の「[[キロ]]」は小文字で "k" と表記することが定められている。これに対し、国際単位系 (SI) にて強く禁止<ref name="banned" />され、かつ、他の国際規格などでも定められていない俗習に従い、キロバイトをバイトの'''1024'''(= 2<sup>10</sup>)'''倍'''としている[[Microsoft Windows]]や[[macOS]]などは'''KB'''(頭文字が大文字)と表記している。
 
それ故、キロバイトを国際単位系 (SI) に従いバイトの'''1000'''(= 10<sup>3</sup>)'''倍'''を示す場合は'''kB'''(頭文字が小文字)、俗習に従いバイトの'''1024'''(= 2<sup>10</sup>)'''倍'''を示す場合は'''KB'''(頭文字が大文字)と区別する場合がある(口語では、さらに明確に区別するために「ケーバイト」と読む場合もある)<ref>“俗語として、「k (キロ)」を「K (ケー)」と呼び、「KB (ケーバイト)」と表した場合は「1024バイト」を意味していると言われていますが、規格に定められているわけではなく、あくまでも習慣的にこのように使われているだけです。”(一見大輔『入門 立体形状のラピッドプロトタイピング』P48、[[オーム社]])</ref>が、これも国際規格などで定められていない俗習である。