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[[File:Geomagnetic polarity late Cenozoic.svg|right|thumb|285px|[[新生代]]後期([[鮮新世]]以降)の地磁気極性。黒い箇所は現在と同じ極性、白い部分は現在と逆の極性。AgeのMaは百万年<ref>{{en icon}}{{Cite web|url=https://pubs.usgs.gov/of/2003/of03-187/of03-187.pdf|title=PRELIMINARY PALEOMAGNETIC RESULTS FROM THE COYOTE CREEK OUTDOOR CLASSROOM DRILL HOLE, SANTA CLARA VALLEY, CALIFORNIA|format=PDF|page=4|author=Edward A. Mankinen and Carl M. Wentworth|publisher=[[アメリカ地質調査所]]|date=2003-01|accessdate=2017-11-28}}</ref>]]
'''地磁気逆転'''(ちじきぎゃくてん)とは、[[地球]]の[[地磁気]]の向きが、かつては現在と南北逆であったとすること。
'''地磁気逆転'''(ちじきぎゃくてん、{{lang-en|geomagnetic reversal}})とは、[[地磁気]]の向きが南北逆になることである<ref name=daijisen>{{Cite web|和書|author= |date= |url=https://kotobank.jp/word/地磁気の逆転-565788|title=ちじき‐の‐ぎゃくてん【地磁気の逆転】 |format=||work=[[大辞泉]] |publisher= |accessdate=2017-11-23}}</ref>。'''地磁気の反転'''(ちじきのはんてん)<ref name=daijisen/>、'''地球磁場の逆転'''(ちきゅうじばのぎゃくてん、{{lang-en|reversal of geomagnetic field}})<ref name=britainica>{{Cite web|和書|author= |date= |url=https://kotobank.jp/word/地球磁場の逆転-95938|title=地球磁場の逆転 ちきゅうじばのぎゃくてん reversal of geomagnetic field |format=||work=[[ブリタニカ国際大百科事典]]小項目事典 |publisher= |accessdate=2017-11-23}}</ref>ともよばれる。
 
== 研究の前提・端緒 ==
[[1600年]]に、[[ウィリアム・ギルバート]]が地球は一つの大きな[[磁石]]であると主張した。[[1828年]]には、[[ガウス]]が地磁気の研究を開始した。さらに[[1906年]]には、現在の地磁気の向きとは逆向きに[[磁化]]された[[岩石]]が発見された。
 
== 研究の歴史 ==
[[1600年]]に、[[ウィリアム・ギルバート_(物理学者)|ウィリアム・ギルバート]]が地球は一つの大きな[[磁石]]であると主張した。[[1828年]]には、[[カール・フリードリヒ・ガウス]]が地磁気の研究を開始した。さらに[[1906年]]には、[[ベルナール・ブリュンヌ]]によって現在の地磁気の向きとは逆向きに[[磁化]]された[[岩石]]が発見された<ref name=kodama1999>{{Cite book|url=http://www.utp.or.jp/book/b301876.html|title=古地磁気学|page=22|author=小玉一人|publisher=[[東京大学出版会]]|date=1999-04-21|accessdate=}}</ref>
[[1926年]]、京都帝国大学(現在の[[京都大学]])教授の[[松山基範]]が、[[兵庫県]]の[[玄武洞]]の岩石が、逆向きに磁化されていることを発見した。松山はその後、国内外36か所で[[火成岩]]の時期の調査を行い、他にも逆向きに磁化された岩石を発見した。松山は[[1929年]]、地磁気逆転の可能性を示す[[論文]]を発表した。当時の常識に反する考え方だったため、当時の評判はよくなかった。
 
[[1926年]]、京都帝国大学(現在の[[京都大学]])教授の[[松山基範]]が、[[兵庫県]]の[[玄武洞]]の岩石が、逆向きに磁化されていることを発見した<ref name=":0">{{Citation|title=松山基範 ―磁気層序学の開拓的研究―(地学者列伝)|url=https://doi.org/10.15080/agcjchikyukagaku.58.3_191|publisher=地学団体研究会|date=2004|accessdate=2021-12-13|doi=10.15080/agcjchikyukagaku.58.3_191|language=ja|first=信行|last=会田}}</ref>。松山はその後、国内外36か所で[[火成岩]]の時期磁気の調査を行い、他にも逆向きに磁化された岩石を発見した<ref name=":0" />。松山は[[1929年]]、地磁気逆転の可能性を示す[[論文]]を発表した<ref name=":0" />。当時の常識に反する考え方だったため、当の評判はよくなかった。その後、[[古地磁気学]]が盛んになり、[[年代測定]]の技術も進歩した。その結果地磁気が逆転を繰り返していることがはっきりしてきた。
その後、[[古地磁気学]]が盛んになり、[[年代測定]]の技術も進歩した。その結果地磁気が逆転を繰り返していることがはっきりしてきた。
 
[[1964年]]には、[[アメリカ]]の研究グループが地磁気極性の年代表を発表した。このとき、[[{{仮リンク|アラン・コックス]](地球物理学者)|label=アラン・コックス|en|Allan V. Cox}}は2つの「[[逆磁極期]]」(反対は「[[正磁極期]]」)のうちの1つに、松山の名前を選んだ<ref name=":0" />
 
== 現在判明している逆転期 ==
過去360万年の間に11回は逆転し、現在では、2つの逆磁極期があったことが判明している。589.4万年前から358万年前の逆転期は、「ギルバート」と名づけられ、258.1万年前から78万年前の逆転期は「松山」と名づけられている<ref name=jiten427>{{Cite book|url=|title=地球の物理学事典|page=427|author=|publisher=[[朝倉書店]]|date=2013-07-10|accessdate=}}数字は挿入図版の年代表示と必ずしも一致していない</ref>。なお、[[国立極地研究所]]らの研究によれば、より精密な年代決定を行った結果、最後の磁気逆転の時期は約77万年前と報告されている<ref>{{Cite web|url=http://geology.gsapubs.org/content/early/2015/04/24/G36625.1.abstract |title=Age of Matuyama-Brunhes boundary constrained by U-Pb zircon dating of a wide-spread tephra|publisher=Geological Society of America|date=2015-06-01|accessdate=2017-11-23}}</ref><ref name=kyoku1>{{Cite web|和書|url=http://www.nipr.ac.jp/info/notice/20150520.html |title=地球最後の磁場逆転は従来説より1万年以上遅かった 千葉県市原市の火山灰層の超微量・高精度分析により判明|publisher=国立極地研究所|date=2015-05-20|accessdate=2017-11-23}}</ref>。
現在では、2つの逆磁極期があったことが判明している。約500万年前から約400万年前の逆転期は、「ギルバート」と名づけられ、258万年前から78万年前の逆転期は「松山」と名づけられている。
 
* ブリュンヌ期(ブリュンヌ正磁極期) : 77.4万年前 - 現在
== 仕組み ==
* [[松山‐ブリュンヌ逆転]] : 77.4万年前
どうして地磁気逆転が起きるかは、いまだに分かっていない(地球が磁石になる仕組みは、解明されつつある)。
* 松山期(松山逆磁極期): 258.1万年前 - 77万年前
* {{仮リンク|ガウス‐松山逆転|en|Gauss-Matuyama reversal}} : 258.1万年前<ref name=jiten427/>。
* ガウス期(ガウス正磁極期) : 358万年前 - 258.1万年前<ref name=jiten427/>
* ギルバート‐ガウス逆転(Gilbert-Gauss reversal) : 358万年前<ref name=jiten427/>
* ギルバート期(ギルバート逆磁極期) : 589.4万年前 - 358万年前<ref name=jiten427/>
 
<!-- == 脚注 地層==
77万年前に磁場逆転した証拠となる[[地層]]は、[[千葉県]][[市原市]][[田淵_(市原市)|田淵]]の[[養老川]]沿いの崖面<ref>{{Cite web|和書|title= 市原市田淵の地磁気逆転期地層のGSSPへの認定について|url= https://www.city.ichihara.chiba.jp/bunka/bunkabunkazaitop/chiba_sectoin.html|author= 市原市|date= 2017-11-17|accessdate=2017-11-19}}</ref>([[千葉セクション]])とイタリアの[[モンタルバーノ・イオーニコ|モンテルバーノ・イオニコ]]と[[サン・マウロ・マルケザート|ビィラ・デ・マルシェ]]に存在する<ref name=kyoku1 />。
 
== 原理 ==
地球が地磁気を持つ仕組みは解明されつつあるが、地磁気逆転がどうして起きるかは、いまだに分かっていない。
 
== 影響 ==
それまでは地磁気による[[ローレンツ力]]で弾かれていた[[宇宙線]]について、[[大気圏]]への入射量が増えると思われる。
 
特に、地磁気反転期など[[双極子]]成分が弱くなり、相対的に[[四極子]](4重極)成分が卓越する地磁気イベントや、{{仮リンク|地磁気エクスカージョン|en|Geomagnetic excursion}}においては、中低緯度域で顕著となる可能性が高い。
 
そうなると[[大気]]が[[電離]]し、[[氷晶核|氷結核]]が増加すると予想される。[[氷晶核|氷結核]]が増加すると、[[過冷却]]状態の水蒸気が[[凝結]]して[[雲]]の発生が増える。
 
よって、[[日射量]]が減少して[[気候]]が[[寒冷化]]すると思われる。
 
また、これが[[氷期]]の到来等の[[気候変動|気象変動]]の要因になるという説がある<ref>{{PDFlink|[http://www.jspf.or.jp/Journal/PDF_JSPF/jspf2014_02/jspf2014_02-122.pdf 太陽活動に伴う宇宙線変動と気候変動]|}}</ref>。
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
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== 参考文献 ==
* 2011年2月1日の朝日新聞朝刊32面 (どの部分が?)
 
== 関連項目 ==
28 ⟶ 49行目:
* [[古地磁気学]]
* [[ダイナモ理論]]
* [[ポールシフト]]
 
== 外部リンク ==
* {{Cite web|和書
|author = 大阪科学医療グループ・瀬川茂子
|date = 2011-02-01
39 ⟶ 61行目:
|accessdate = 2011-02-11
}}
* 会田信行(2004)、[https://ci.nii.ac.jp/naid/110004860757/ 松山基範 : 磁気層序学の開拓的研究(地学者列伝)] 地球科學 58(3), 191-194, 2004-05-25
* [http://www.kakioka-jma.go.jp/knowledge/qanda.html 地球電磁気の Q&A] 気象庁
 
{{地球電磁気}}
 
{{デフォルトソート:ちしききやくてん}}
[[Category:地球物理学磁気逆転]]
[[Category:磁気]]
 
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