「クラリスロマイシン」の版間の差分
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誤記。抗生物質の定義から外れる。……こんな編集がされた以上は、こんな当然の事を、冒頭文にまで長々と書かねばならないのでしょうね。本文に書いておけば充分だと考えていたのですけれど。いずれにしても、このIPの編集は、専門書を参照しているとも考え難い上に、本文すら読んでいない可能性が高く、このような編集を繰り返すなら、荒らしとしての対処が必要でしょう。しかも「口で服用することができる」などと表現するようでは、基礎的な薬学に関する用語を調べていないのでは? |
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| Drugs.com =
| MedlinePlus =
| pregnancy_category = C ([[
| routes_of_administration = 経口投与、静脈注射
<!--Pharmacokinetic data-->
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| protein_bound = 明確でない、<br />
低いとされる
| metabolism = [[肝臓]]、[[
| elimination_half-life = 3
<!--Identifiers-->
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}}
'''クラリスロマイシン''' (
なお、クラリスロマイシンは天然物'''ではなく'''、天然物を化学修飾した半合成品であるため、[[抗生物質#定義|抗生物質の定義]]<!--この部分は「[[抗生物質]]の定義」という内部リンクの作り方では、不充分。あくまで「[[抗生物質の定義]]」を参照したい人のための内部リンクなので。杓子定規に、つまらぬ変更はせぬこと。-->からは外れる。したがって、これを「抗生物質である」とする説明は誤りである。
== 歴史 ==
1970年代に[[大正製薬]]が創製し、1991年にアメリカ合衆国の[[アボット・ラボラトリーズ|アボット社]]によって市販された。一般にマクロライド系抗菌薬の
== 作用機序 ==
クラリスロマイシンは
クラリスロマイシンは原型薬である[[エリスロマイシン]]と類似の抗菌活性を有しており、基本的にエリスロマイシンと同様に、充分な濃度が持続している'''時間依存性'''に効力を発揮する抗菌薬だと考えられている。参考までに、[[レジオネラ]]や[[インフルエンザ菌]]など一部の菌には、エリスロマイシンよりも強い抗菌活性を持つなど、ほぼ全ての点でエリスロマイシンよりも優れている。なお、高濃度では[[肺炎球菌]]、インフルエンザ菌、[[淋菌]]などの一部の菌に対しては、殺菌的にも作用する。
== 薬物動態学 ==▼
エリスロマイシンとは異なり、クラリスロマイシンは酸に対して安定で、コーティングなどで胃酸から保護しなくても経口投与できる。ほとんどが腸から吸収され、かなり初回通過効果(肝臓での代謝)の影響を受けるので、生物学的利用度は50〜55%である。これをわかりやすく言うと、口から投与した量の半分ぐらいが、クラリスロマイシンの作用点にあたる部位に到達して作用する、と考えればよい。最高血中濃度は、投与を開始してから2時間程度で得られる。▼
=== 吸収・分布 ===
▲エリスロマイシンとは異なり、クラリスロマイシンは酸に対して安定であるため、コーティングなどで胃酸から保護しなくても経口投与できる。ほとんどが腸から吸収されるものの、かなり[[初回通過効果
また、徐放製剤を使用した場合には、消化管内でクラリスロマイシンを放出し続け、それが腸管内から順次吸収されて、門脈を通して肝臓に入るまでの間に一部が初回通過効果で失われながらも、持続的に肝静脈まで到達して、全身循環へと入り続ける。これを利用して、アメリカ合衆国には、1日1回の経口投与で良いクラリスロマイシン製剤も存在する<ref group="注釈">商品名ながら、'''Biaxin XL'''がそれで、1日1回の経口投与で良いとされる。</ref>。
なお、静脈注射・経口投与を問わず、投与されたクラリスロマイシンが最も高濃度に分布する組織は、肝臓と肺である。
=== 薬物相互作用 ===▼
肝代謝酵素[[シトクロムP450]]([[CYP3A4]])阻害作用を有する<ref name=info.pmda />。従って、CYP3A4で代謝される薬剤と併用したとき、併用薬剤の代謝が阻害され血中濃度が上昇する[[薬物相互作用]]が生じる可能性がある<ref>吉成浩一、[https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/134/5/134_5_285/_article/-char/ja/ チトクロムP-450の阻害に基づく薬物相互作用] 日本薬理学雑誌 Vol.134 (2009) No.5 P.285-288, {{DOI|10.1254/fpj.134.285}}</ref>。▼
===
クラリスロマイシンは[[CYP3A4]]で代謝されると同時に、CYP3A4の阻害薬でもある<ref>佐藤 哲男・仮家 公夫・北田 光一(編集)『医薬品トキシコロジー(改訂第3版)』 p.17、p.18 南江堂 2006年4月15日発行 ISBN 4-524-40212-8</ref>。なお、クラリスロマイシンは、主に肝臓で代謝される。代謝産物の中で14-ハイドロキシクラリスロマイシンは、クラリスロマイシンのほぼ2倍の抗菌活性を持っている。クラリスロマイシンの半減期は5時間で、14-ハイドロキシクラリスロマイシンの半減期は7時間である。これは、エリスロマイシンの血中半減期の数倍に相当する。よって、エリスロマイシンと異なり、クラリスロマイシンは徐放製剤でなくても1日3回程度の内服で良い<ref group="注釈">エリスロマイシンは代謝による失活が速いため、何も工夫されていない経口投与製剤の場合だと、1日に4回から6回の内服が必要である。</ref>。
===
クラリスロマイシンとその代謝産物は、尿と胆汁へと排泄される。なお、クレアチニンクリアランスが30 (mL/分)未満の重度の腎機能低下でない限り、投与量を調節する必要はない。
:基本的には[[ペニシリン系]]が用いられない場合に限るべき。静菌的な薬剤でもあり、臨床的な「切れ味(効果)」の面で明らかに劣る。▼
* 非定型[[肺炎]]▼
:基本的には、[[マイコプラズマ]]と[[クラミジア]]による肺炎の総称。第一選択。ウィルス性肺炎と鑑別しがたい場合も、重症度によってはやむを得ず用いられる<ref>抗生物質の投与が広く行われるようになっているので、症状がマイルドになり鑑別が難しくなっている面もある</ref>。▼
* トラコーマ、性器クラミジア感染症などの[[クラミジア]]感染症▼
:後者には服薬コンプライアンス面でアジスロマイシンが優れるとの考えが主流。▼
* [[発疹チフス]]などのリケッチア感染症、[[ツツガムシ病]]▼
:基本的には[[テトラサイクリン系]]を優先するが、小児や妊婦では第一選択になりうる。▼
* [[百日咳]](第一選択)▼
* [[カンピロバクター]]腸炎(第一選択)▼
* [[レジオネラ]]感染症(第一選択)▼
* 非結核性[[抗酸菌]]の予防・治療(第一選択)▼
* [[ヘリコバクター・ピロリ]]の除菌療法(第一選択)▼
:前述の様に呼吸器感染症の治療に用いられることから、小児のクラリスロマイシン耐性菌保有も見られる<ref>種池郁恵、山本達男、[http://ci.nii.ac.jp/naid/110004717189/ ヘリコバクター・ピロリの小児への感染とクラリスロマイシン耐性化] 新潟医学会雑誌 118(11) pp.643-644, {{naid|110004717189}}</ref>。▼
▲
==
クラリスロマイシンに限らず、マクロライド系抗菌薬の基本的な用途は、[[ベータラクタム|ベータラクタム系抗菌薬]]や[[キノロン|キノロン系抗菌薬]]がアレルギーなどの理由により使用できない患者に対する、[[連鎖球菌]]などの[[グラム陽性菌]]の感染症の際に、代替薬として用いる。
ただし、マクロライド系抗菌薬が第1選択とされる主な細菌としては、ベータラクタム系抗菌薬のような細胞壁の関連した抗菌薬が無効な、[[マイコプラズマ]]・[[リケッチア]]・[[クラミジア]]による感染症が挙げられる。よって、特に[[マイコプラズマ肺炎]]と[[クラミジア肺炎]]の治療には、第1選択として使用され得る。
また、クラリスロマイシンは多剤併用で、[[ヘリコバクター・ピロリ]]の除菌療法に用いられる場合もある<ref group="注釈">胃に持続感染する[[ヘリコバクター・ピロリ]]の除菌のためには、幾通りかの薬物の組み合わせが決まっている。例えば、[[プロトンポンプ阻害薬]]+[[アモキシシリン]]+クラリスロマイシンの併用、[[ボノプラザン]]+アモキシシリン+クラリスロマイシンの併用、プロトンポンプ阻害薬+アモキシシリン+[[メトロニダゾール]]の併用、ボノプラザン+アモキシシリン+メトロニダゾールの併用である。</ref>。
=== 主な適応 ===
*起因菌としてグラム陽性球菌が想定される、咽頭炎・細菌性肺炎・急性中耳炎・副鼻腔炎などの感染症
▲: 基本的には
▲: 基本的には、
▲:
== 処方例 ==
成人では400 (mg/日)を2回か3回に分けて投与する用法用量を標準とするものの、例えば、AIDS患者の[[非結核性抗酸菌症]]に対しては800 (mg/日)などと増量する場合も有る。逆に小児の場合は、10〜15 (mg/kg/日)を2回か3回に分けて投与するなど、必要に応じて減量される場合も有る。いずれにしても、どの程度の用量で、それを何日間続けて投与するかは、患者の病状などに応じて医師が判断する。ただし、期間も重要であるが耐性菌出現の問題も有るので、患者の服薬コンプライアンスに注意を払う必要が有る。殊に解熱後の症状がとれてきた時期は、患者が勝手に服薬を中止したり、デタラメな間隔で服用したりし易いので、要注意である。
== 剤形 ==
[[image:Clarithromycin200mg.jpg|200px|thumb|right
[[image:Clarith-200.jpg|200px|thumb|right|
[[錠剤]]・[[ドライシロップ]]などの剤形が存在する。また、錠剤などでは、50 mgや200 mgなどの複数の規格が見られる。
== 副作用 ==
* 多いのは[[下痢]]・悪心(吐き気)・[[嘔吐]]などの消化器症状である。ただ消化器症状の頻度はエリスロマイシンよりも少ないとされる。稀に頭痛・倦怠感などを呈する。ごく稀に[[アレルギー]]を誘発して[[薬疹]]などが現れ、その一部は重篤な転帰を辿る場合も有る。
* クラリスロマイシンにより、心臓疾患による死亡が増加するとの報告が存在する<ref>Svanström H et al. Use of clarithromycin and roxithromycin and risk of cardiac death: cohort study. BMJ. 2014;349:g4930.</ref>。安定冠動脈疾患患者におけるクラリスロマイシンの投与は、心血管疾患死を有意に上昇させたと報告された<ref>Jespersen CM et al for the CLARICOR trial group: Randomised placebo controlled multicentre trial to assess short term clarithromycin for patients with stable coronary heart disease; CLARICOR trial. BMJ. 2006; 332: 22-7.</ref>。
== 禁忌 ==
クラリスロマイシンの禁忌は、「本剤にアレルギー反応を持つ者」、「[[ピモジド]]、[[エルゴタミン]]含有製剤、[[スボレキサント]]、[[ロミタピ
*
== ドラマでの引用 ==
▲*米国FDAの[[胎児危険度分類]]はクラス「C」である。禁忌'''ではない'''。動物実験レベルでクラリスロマイシンの催奇形性を示唆する報告が出ているが、大量投与を用いた実験であり臨床上の意義が明らかでない(一般的には、マクロライドは比較的安全である)。しかし、FDA基準では[[アジスロマイシン]]や[[エリスロマイシン]]がクラス「B」としてより安全なクラスに入れてあるので、妊婦に対してアジスロマイシンやもっとも使用年数の長いエリスロマイシンの投与を優先することは十分考えうる選択肢である。
ドラマ「アンサング・シンデレラ」第2回では、苦みに敏感な小児に飲ませるためにオレンジジュースと一緒に飲ませようとした母親に対しての服薬指導のシーンとして、酸性の強い飲み物と一緒に飲むとコーティングが剥がれて苦みが出てしまう実例として引用された<ref>{{Cite web|title=アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋|url=https://www.fujitv.co.jp/unsung/medical/index.html#medi_2_2|website=フジテレビ|accessdate=2021-02-16|language=ja|publisher=}}</ref>。
▲*FDAの授乳危険度分類は「2」。「注意深く用いること」である。禁忌'''ではない'''。
== 脚注 ==
{{
=== 注釈 ===
<references group="注釈"/>
=== 出典 ===
<references/>
== 外部リンク ==
* [
{{DEFAULTSORT:くらりすろまいしん}}
[[Category:マクロライド系抗菌薬]]<!--用語を理解していれば判るように、クラリスロマイシンは抗生物質
[[Category:配糖体]]
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