「新型インフルエンザ」の版間の差分

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{{Seealso|インフルエンザの流行}}
 
日本の法律による定義は、「新たに人から人に伝染する能力を有することとなったウイルスを病原体とするインフルエンザであって、一般に国民が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、当該感染症の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるもの」<ref>{{Cite web |和書|url=https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detaildocument?lawIdlawid=410AC0000000114 |title=感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号) |accessdate=2009-05-03 |work=e-Gov法令検索 |publisher=総務省行政管理局}} {{colon}} 2009年4月1日から最終改正一部施行.</ref>([[感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律|感染症予防法]]第6条第7項第1号)である。
 
== 出現 ==
[[20世紀]]などをはじめとした過去の新型インフルエンザウイルスは、すべて[[鳥インフルエンザ]]ウイルスに由来しているものの大きく報道されてこなかったが、[[1918年]]の[[スペイン風邪かぜ]]と呼ばれたインフルエンザの流行(数千万人が死亡)は鳥インフルエンザの変異だとされるようになった<ref name="naid120005999687">{{Cite journal |和書|author=田中繁宏 |date=2010-03-31 |title=2009年新型インフルエンザウイルスA(H1N1)の流行とその対策についての一考察 |journal=武庫川女子大学紀要. 自然科学編 |volume=57 |issue= |pages=1-8 |naid=120005999687 |doi=10.14993/00000494 |url=https://doi.org/10.14993/00000494}}</ref>。[[21世紀]]に入ると[[2008年]]までには、鳥インフルエンザウイルスは人間には感染しにくいが変異しやすいため、種を超えて感染し再びスペインかぜのような[[パンデミック]]を引き起こしかねない、国家レベルで[[抗ウイルス薬]]を備蓄すべき、そのよ世論が煽られるようになった<ref name="ウイルス12">{{Cite book|和書|author=岡田晴恵、田代真人・監修|title=史上最強のウイルス12の警告―新型インフルエンザの脅威|series=文春文庫|publisher=文藝春秋|date=2008|isbn=978-4-16-775310-8|page=13-15, 40-41, 61-63, 99}}</ref>。
 
[[2009年]]にはそれまで危険性が煽られていた鳥インフルエンザではなく、[[豚インフルエンザ]]に由来する新型インフルエンザのパンデミック宣言が[[世界保健機関]] (WHO) よりなされた([[#2009年に新型インフルエンザとして流行したH1N1亜型ウイルス]]も参照)。ただしこの時の新型インフルエンザについて[[アメリカ疾病予防管理センター]] (CDC) は、健康な人、大人でも子供でも大部分は抗ウイルス薬がなくても休養すれば治るもので、抗ウイルス薬による治療は必要なく、薬の備蓄には限りがあり、過剰に投与すれば[[薬剤耐性|耐性]]ウイルスの危険性があるとしている<ref name="naid120005999687"/>。
 
== 法律上の整備 ==
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2009年にA型の[[H1N1亜型]]に属するウイルスが原因で、ヒトからヒトに感染し流行した。
 
このウイルスは、[[豚]]経由と見られたことから当初、「豚インフルエンザ」<!--家畜伝染病と区別するため内部リンクを除去。-->(英語: swine influenza ''又は'' swine flu)と呼ばれた。2009年7月時点で、毒性は季節性インフルエンザより強く[[アジア風邪かぜ]]並みと考えられており、基礎疾患が発現されていない10代の死亡例が多くあり警戒されている。ただし、現在の日本では季節性インフルエンザとほぼ同等の扱いとしている。
 
最大[[世界保健機関|WHO]]の発表によると、2009年8月29日までの死者数2,185人で最も多かった国は[[ブラジル]]の577人、次に[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の522人だった<ref>[http://www.cnn.co.jp/world/CNN200908290009.html CNN.co.jp:新型インフルエンザ死者数、ブラジルが米国抜き世界最多に]</ref>。特にブラジルでは死者数が8月13日から22日までの間に倍以上に増えた結果とな、警戒が広がった<ref>[http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090814AT2M1301513082009.html NIKKEI NET 新型インフル、ブラジルで死者270人突破か(日経ネット):国際ニュース-アメリカ、EU、アジアなど海外ニュースを速報]</ref>。
[[WHO]]の発表によると、2009年8月29日までの死者2,185人。
最大死者数国は、[[ブラジル]]の577人、次にアメリカの522人だった<ref>[http://www.cnn.co.jp/world/CNN200908290009.html CNN.co.jp:新型インフルエンザ死者数、ブラジルが米国抜き世界最多に]</ref>。特にブラジルでは死者数が8月13日から22日までの間に倍以上に増えた結果となった<ref>[http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090814AT2M1301513082009.html NIKKEI NET 新型インフル、ブラジルで死者270人突破か(日経ネット):国際ニュース-アメリカ、EU、アジアなど海外ニュースを速報]</ref>。
 
== 抗インフルエンザウイルス薬の備蓄 ==
* 2005(平成17)年度、抗インフルエンザウイルス薬([[オセルタミビル]](タミフル)のみ)の備蓄を開始(国民の23%に相当する量)<ref name="subcommittee2015">{{Cite web |和書|date=2015-09-11 |url=https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000097325.pdf |title=資料1 新型インフルエンザ対策における抗インフルエンザウイルス薬の備蓄について |format=PDF |publisher=厚生労働省健康局結核感染症課新型インフルエンザ対策推進室 |accessdate=2017-03-10}}</ref>
* 2008(平成20)年度、タミフル耐性ウイルス出現の懸念から[[ザナミビル]](リレンザ)を追加し、備蓄目標を国民の45%に相当する量へ引き上げ。5,861万人分とし、うち流通備蓄分400万人分を除き、国と都道府県で備蓄することを規定<ref name="subcommittee2015" />
* 2012(平成24)年度、備蓄薬のリレンザの割合を2割に引き上げ、備蓄目標を国民の45%に相当する5,700万人分とし、うち流通備蓄分400万人分を除き、国と都道府県で均等に備蓄することを規定<ref name="subcommittee2015" />
* 2015(平成27)年度、備蓄薬の期限切れが近いことから再検討を開始し、備蓄目標を国民の45%に相当する5,650万人分とし、うち流通備蓄分1,000万人分を除き、国と都道府県で均等に備蓄することを規定し、備蓄薬にタミフル・ドライシロップを迅速に加えること、[[ラピアクタ]]は優先的に備蓄すること、[[イナビル]]は既存の備蓄薬の期限切れ時に備蓄することとした<ref>{{Cite web |和書|date=2016-12-16 |url=https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000146758.pdf |title=資料1 新型インフルエンザ対策における抗インフルエンザウイルス薬の備蓄について |format=PDF |publisher=厚生労働省健康局結核感染症課新型インフルエンザ対策推進室 |accessdate=2017-03-10}}</ref>
* 2017年3月9日、厚生労働省は、新型インフルエンザの流行に備え[[ファビピラビル]]錠(アビガン)を備蓄することを決め、本年度3万人分を発注する随意契約を同月30日に結ぶ方針であることを発表した<ref>{{Cite web |和書|date=2017-03-09 |url=https://www.cbnews.jp/news/entry/20170309194349 |title=新型インフル備えアビガン錠3万人分備蓄へ 厚労省、今月中にも富山化学工業と契約 |publisher=CBNews |accessdate=2017-03-10}}</ref>
 
== 脚注 ==
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[[Category:インフルエンザの流行]]
[[Category:検疫感染症]]
[[Category:全数把握疾患]]