「カナダ=アメリカ合衆国国境」の版間の差分

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| notes = わずかに[[#残っている国境論争|国境論争]]がある
}}
'''[[カナダ]]=[[アメリカ合衆国]]国境'''(カナダ=アメリカがっしゅうこくこっきょう)は、同じ2ヶ国間の[[国境]]としては[[世界]]最長の国境である。全長8,891[[キロメートル]](5,525[[マイル]])あり、この中には[[アラスカ州]]と[[ユーコン準州]]・[[ブリティッシュコロンビア州]]の国境2,475キロメートル(1,538マイル)も含まれている。カナダにとっては唯一の陸上国境である(カナダは複数国と国境を有さない面積最大の国家である)
 
長らくカナダにとっては唯一の陸上国境であったが、カナダとデンマークが[[ハンス島]]の分割領有で合意し<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB169VJ0W2A610C2000000/ |title=カナダとデンマーク、北極圏の島の分割領有に合意 |publisher=日本経済新聞 |date=2022-06-16 |accessdate=2022-07-23}}</ref>、[[ウイスキー戦争]]が終結したことで、デンマークとの陸上国境も有することになった。
 
== 歴史 ==
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[[ファイル:US-Canada border counties.png|thumb|215px|カナダとの陸上または水域の国境に接するアメリカ合衆国の郡{{legend|#22b14c|陸上国境}}{{legend|#00b7ef|水域国境}}]]
[[ファイル:Welcome to the United States sign at the Peace Arch.jpg|thumb|left|225px|アメリカ合衆国に入る車を迎える看板]]
現在のカナダ=アメリカ合衆国国境は、[[イギリス]]とイギリスから分離して[[アメリカ合衆国]]を形成することになった[[13植民地]]との間の戦争を終わらせた[[1783年]]の[[パリ条約 (1783年)|パリ条約]]で創られた。1794年の[[ジェイ条約]]が国境委員会を創設し、国境地域の測量と地図化を行った。イギリス領北アメリカとアメリカ合衆国は共に西方への領土拡大を行い、1818年の二国間協議により[[ウッズ湖]]の[[ノースウエスト・アングル]]から[[ロッキー山脈]]まで[[北緯49度線]]に沿って国境は西に延伸された。この協議では[[ルパート・ランド]]の一部だった北緯49度線から[[レッド川流域]]までのイギリスの領有権主張が消滅した。また[[ルイジアナ買収]]地の一部だった[[ミシシッピ川]]流域でやはり北緯49度線から北の土地についてアメリカ合衆国の領有権主張も消滅した。このことは[[アルバータ州]]南部に入るミルク川と呼ばれる[[ミズーリ川]]の最北西端にも及んだ。
 
国境策定の解釈に関する論争が[[アルーストック戦争]]に繋がり、その結果として1842年の[[ウェブスター=アッシュバートン条約]]により、[[メイン州]]と[[ニューブランズウィック]]州およびカナダ植民地の国境、さらには[[スペリオル湖]]を挟む現在の[[オンタリオ州]]と[[ミネソタ州]]における境界水域とノースウエスト・アングルの国境について詳細な定義が行われた
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| doi =
| isbn = 0-8735-1153-0 }}</ref>。
[[アメリカ合衆国大統領]][[ジェームズ・ポーク]]政権の1844年、[[オレゴン境界紛争]]では、アメリカ合衆国がロッキー山脈より西では[[北緯54度40分線|北緯54度40分]]([[ロシア]]のアラスカ領土南境界に相当)を国境とするよう要求したが、イギリスは[[コロンビア川]]に沿って太平洋にいたる国境を望んだ。この論争は1846年の[[オレゴン条約]]で解決され、ロッキー山脈を過ぎても北緯49度線を国境とすることになった。1857年から1861年の北西国境測量調査によって陸の国境は確定されたが、水域国境はなお暫くは設定されないままになった。1859年の[[ブタ戦争 (サンフアン諸島)|ブタ戦争]]の後、1872年に[[ドイツ]]皇帝[[ヴィルヘルム1世 (ドイツ皇帝)|ヴィルヘルム1世]]の仲介により、ガルフ島とサンフアン諸島の間で国境が定められた。1903年、イギリス、カナダ、アメリカ合衆国三者の合同裁決機関によってアラスカとカナダの国境が確定し、その大半は[[西経141度線]]に従うことになった。
 
[[2020年]][[3月18日]]、[[ドナルド・トランプ]]大統領は、[[2019新型コロナウイルス]]の感染拡大に伴いカナダとの国境を封鎖すると表明した。これは両国の合意を踏まえた措置であり、貿易は対象外となる<ref>{{Cite web |和書|date=2020-03-18 |url=https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-canada-usa-idJPKBN2152D2 |title=トランプ氏、米・カナダ国境の封鎖表明 貿易活動は継続 |publisher=ロイター |accessdate=2020-03-18}}</ref>。国境の閉鎖解除時期は数度にわたり延期された。商品を配送するドライバーや不可欠な仕事がある人の国境通過は認められたが、カナダ側はウイルス感染の深刻さは低いこともあり、アメリカからの国境通過者に対する住民感情は厳しいものとなった<ref>{{Cite web|和書|date=2020-08-20 |url=https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-53803084 |title=アメリカ人ゴーホーム コロナ禍でカナダ国境が緊張 |publisher= ロイター|accessdate=2020-10-17}}</ref>。
 
== 国境委員会 ==
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両国の国境近くに資産を所有する住民は、その所有する土地の上で国境を越えるどのような物理的なものの構築でも、それぞれの政府に対して報告することが求められており、これが国際国境委員会によって強制されている。必要なときは塀あるいは車止めが用いられる。国境を越える全ての人はそれぞれの税関と移民局に出頭することが求められている。人員を配置できないような僻地の国境では、道路に隠し[[センサ]]があり、国境に近い森林や多くの歩道それに鉄道にもセンサがあるものの、組織的な侵入を点検したり止めたりするために十分な要員はいない。
 
[[2018年]]には、カナダ・[[ブリティッシュコロンビア州]]の海岸線を[[ジョギング]]していた女性が、知らぬ間に越境してしまいアメリカ国境警備隊に拘束される事件も起きた<ref>{{Cite web |和書|date= 2018.06.24|url= https://www.cnn.co.jp/world/35121336.html|title= ジョギング中に誤って越境、女性を「不法入国」で2週間拘束|publisher= CNN|accessdate=2018-06-28}}</ref>。
 
== 密貿易 ==
過去、カナダ側の役人は、薬物、タバコおよび武器がアメリカ合衆国側から密輸されることに不平を言い、一方アメリカ側の役人はカナダからの[[麻薬|薬物]]密輸に不平を言っていた。両国への人の密入国も国境の安全保障と法執行担当官にとって以前から続いている問題だが、アメリカ=メキシコ国境に比べれば大した問題にはなっていない。
 
2005年7月、法の執行官が[[ブリティッシュコロンビア州]]と[[ワシントン州]]の間の国境下に360フィート (110&nbsp;m) のトンネルを掘った3人の人物を逮捕した。彼らは[[大麻|マリファナ]]の密輸のためにこのトンネルを使おうと意図したものであり、この国境では初めてのケースだった<ref>{{cite news|first=Terry|last=Frieden|url=httphttps://wwwedition.cnn.com/2005/US/07/21/border.tunnel/|title=Drug tunnel found under Canada border: Five arrests made after agents monitored construction|publisher=CNN|work=CNN.com|date=July 22, 2006}}</ref>。
 
オンタリオ州コーンウォールはカナダの最も悪名高い密貿易の中心である。そこは違法なタバコ、不法入国民、薬物および武器の密輸について中心点となる位置と交通の要衝にある。ここに隣接し、オンタリオ州、ケベック州およびニューヨーク州に跨るモホーク族インディアンの領土アクウェサスネは、領土内での密貿易拠点にオンタリオ州警察や[[王立カナダ騎馬警察]]が近付くことを防止できる「[[ファースト・ネーション]]」の主権がある。王立カナダ騎馬警察北西および中央地域から派遣された間接税税務局員は禁制品の状況を調べるためにコーンウォールにも行っている<ref>Royal Canadian Mounted Police, [http://www.rcmp-grc.gc.ca/on/news-nouvelles/2009/09-02-25-cornwall-eng.htm "Fifteen People Arrested for Possession of Contraband Tobacco during High Intensity Enforcement Project"], press release, February 25, 2009</ref>。地方自由契約者と国際的犯罪組織の間の共謀で密貿易が業として拡がっている。警官が密貿易業者を追跡した結果として幾つかの命が失われてきた。政府が徴集できなかった数億ドルの関税に加えて、法の執行のために数百万ドルが遣われているが、密貿易に対してはほとんど効果を表してはいない<ref>{{cite news|url=http://www2.canada.com/ottawacitizen/news/story.html?id=ecc66684-6dde-4924-bea7-9e54ff7b6063|title=Smuggling's price|publisher=Ottawa Citizen|date=November 21, 2008|first=Neco|last=Cockburn}}</ref>。
 
== 西半球渡航イニシアチブ(WHTI) ==
[[アメリカ国土安全保障省]]は、アメリカ人および外国人がアメリカ合衆国に入国する際の身分証明規則を管轄している。現在の規則では、空路アメリカに入国する際に必要な身分証明書として、有効な[[パスポート]]、外国人登録カード、NEXUS航空カード、[[アメリカ軍]]命令書<ref>{{Cite web
|url=http://www.acte.org/resources/view_article.php?id=105
|date= 5 December 2006
|title=DHS Announces Final Western Hemisphere Air Travel Rule
|accessdate=2007-12-02
|postscript=<!--None-->}}</ref><ref>{{Cite document
|url=http://www.dhs.gov/xtrvlsec/crossingborders/whtibasics.shtm
|title=Western Hemisphere Travel Initiative: The Basics
|publisher=U.S. Department of Homeland Security
|accessdate=2007-12-02
|postscript=<!--None-->}}</ref>のいずれかを必要としている。但し2009年6月時点で陸路と海港から入国する人の大半は有効なパスポートの提示を求められるが、アメリカ合衆国とカナダの国民であれば、改良自動車免許証(enhanced driver's license)、[[パスポートカード]]あるいは国土安全保障省が認めた旅行プログラムで十分としている。
 
[[西半球渡航イニシアチブ]](WHTI)はアメリカ合衆国に入国する際などの身分証明規則に関する法律で、特にアメリカ入国の規制強化のため導入された。このイニシアチブは特に西半球内での渡航を前提として導入されているもので、パスポート偽造防止など、情報改革・テロ防止法導入による新政策の一環でもある。この政策の元で発行される新しいアメリカ合衆国[[パスポートカード]]には[[RFID]]チップが内蔵されているが、個人情報は記録されていない。このパスポートカードは現在、空路での渡航には使用出来ない。
 
== 国境の長さ ==
{| border="0" cellpadding="2" cellspacing="0" align="center"
|-
| colspan="3" align="center" | {{flagicon|USA}} [[アメリカ合衆国]] [[ファイル:US-Canada-Border-States.svg|300px]]
| rowspan="15" width="50px" |
| colspan="3" align="center" | {{flagicon|CanadaCAN}} [[カナダ]] [[ファイル:US-Canada-Border-Provinces.svg|300px]]
|-
! style="background:#efefef;" | 順位
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! style="background:#efefef;" | カナダとの国境長さ
! style="background:#efefef;" | 順位
! style="background:#efefef;" | 州準州
! style="background:#efefef;" | アメリカとの国境長さ
|-
| align="right" | 1
| {{flag|Alaska}}
| [[アラスカ州]]
| align="right" | 2,475&nbsp;km (1,538 mi)
| align="right" | 1
| {{flag|Ontario}}
| [[オンタリオ州]]
| align="right" | 2,760&nbsp;km (1,715 mi)
|-
| align="right" | 2
| {{flag|Michigan}}
| [[ミシガン州]]
| align="right" | 1,160&nbsp;km (721 mi)
| align="right" | 2
| {{flag|British Columbia}}
| [[ブリティッシュコロンビア州]]
| align="right" | 2,168&nbsp;km (1,347 mi)
|-
| align="right" | 3
| {{flag|Maine}}
| [[メイン州]]
| align="right" | 983&nbsp;km (611 mi)
| align="right" | 3
| {{flag|Yukon}}
| [[ユーコン準州]]
| align="right" | 1,210&nbsp;km (752 mi)
|-
| align="right" | 4
| {{flag|Minnesota}}
| [[ミネソタ州]]
| align="right" | 880&nbsp;km (547 mi)
| align="right" | 4
| {{flag|Quebec}}
| [[ケベック州]]
| align="right" | 813&nbsp;km (505 mi)
|-
| align="right" | 5
| {{flag|Montana}}
| [[モンタナ州]]
| align="right" | 877&nbsp;km (545 mi)
| align="right" | 5
| {{flag|Saskatchewan}}
| [[サスカチュワン州]]
| align="right" | 632&nbsp;km (393 mi)
|-
| align="right" | 6
| {{flag|New York}}
| [[ニューヨーク州]]
| align="right" | 716&nbsp;km (445 mi)
| align="right" | 6
| {{flag|New Brunswick}}
| [[ニューブランズウィック州]]
| align="right" | 513&nbsp;km (318 mi)
|-
| align="right" | 7
| {{flag|Washington}}
| [[ワシントン州]]
| align="right" | 687&nbsp;km (427 mi)
| align="right" | 7
| {{flag|Manitoba}}
| [[マニトバ州]]
| align="right" | 497&nbsp;km (309 mi)
|-
| align="right" | 8
| {{flag|North Dakota}}
| [[ノースダコタ州]]
| align="right" | 499&nbsp;km (310 mi)
| align="right" | 8
| {{flag|Alberta}}
| [[アルバータ州]]
| align="right" | 298&nbsp;km (185 mi)
|-
| align="right" | 9
| {{flag|Ohio}}
| [[オハイオ州]]
| align="right" | 235&nbsp;km (146 mi)
| &nbsp;
178 ⟶ 165行目:
|-
| align="right" | 10
| {{flag|Vermont}}
| [[バーモント州]]
| align="right" | 145&nbsp;km (90 mi)
| &nbsp;
185 ⟶ 172行目:
|-
| align="right" | 11
| {{flag|New Hampshire}}
| [[ニューハンプシャー州]]
| align="right" | 93&nbsp;km (58 mi)
| &nbsp;
192 ⟶ 179行目:
|-
| align="right" | 12
| {{flag|Idaho}}
| [[アイダホ州]]
| align="right" | 72&nbsp;km (45 mi)
| &nbsp;
199 ⟶ 186行目:
|-
| align="right" | 13
| {{flag|Pennsylvania}}
| [[ペンシルベニア州]]
| align="right" | 68&nbsp;km (42 mi)
| &nbsp;
210 ⟶ 197行目:
[[ファイル:Niagara falls aerial.id.jpg|thumb|right|300px|[[ナイアガラの滝]]: 左の[[アメリカ滝]]は[[ニューヨーク州]]に、右の[[カナダ滝]]は大半が[[オンタリオ州]]にある]]
 
* フォートフランシス=インタナショナルフォールズ国際橋&nbsp;- [[オンタリオ州]][[フォートフランシス]]と[[ミネソタ州]][[インターナショナルフォールズ]]とを結ぶ
* ボーデット=レイニーリバー国際橋&nbsp;- オンタリオ州レイニーリバーとミネソタ州ボーデットとを結ぶ
* スーセントマリー国際橋&nbsp;- オンタリオ州[[スーセントマリー (オンタリオ州)|スーセントマリー]]と[[ミシガン州]][[スーセントマリー (ミシガン州)|スーセントマリー ]]とを結ぶ
218 ⟶ 205行目:
* ミシガン中央鉄道トンネル&nbsp;- オンタリオ州ウィンザーとミシガン州デトロイトとを結ぶ
* [[アンバサダー橋]]&nbsp;- オンタリオ州ウィンザーとミシガン州デトロイトとを結ぶ
* [[ピース・ブリッジ]]&nbsp;- オンタリオ州[[フォートエリー (オンタリオ州)|フォートエリー]]と[[ニューヨーク州]][[バッファロー (ニューヨーク州)|バッファロー]]とを結ぶ
* ワールプールラピッズ橋&nbsp;- オンタリオ州[[ナイアガラフォールズ (オンタリオ州)|ナイアガラフォールズ]]とニューヨーク州[[ナイアガラフォールズ (ニューヨーク州)|ナイアガラフォールズ]]とを結ぶ
* レインボー橋&nbsp;- オンタリオ州ナイアガラフォールズとニューヨーク州ナイアガラフォールズとを結ぶ
* クィーンストン=ルイストン橋&nbsp;- オンタリオ州[[クィーンストン]]とニューヨーク州ルイストンとを結ぶ
* サウザンドアイランズ橋&nbsp;- オンタリオ州ヒルアイランドとニューヨーク州ウェルズリーアイランドとを結ぶ
* オグデンスバーグ=プレスコット国際橋&nbsp;- オンタリオ州ジョンズタウンとニューヨーク州[[オグデンズバーグ (ニューヨーク州)|オグデンズバーグ]]とを結ぶ
* スリーネーションズ・クロッシング&nbsp;- オンタリオ州コーンウォールとニューヨーク州マッセナとを結ぶ
* ブラックプール・ボーダークロッシング - ケベック州サンベルナール・ド・ラコールとニューヨーク州シャンプレーンとを結ぶ
 
== その他の越境ルート(空港、海港/湖港、鉄道駅) ==
[[ファイル:U.S.-Canada border, Rainbow Bridge.jpg|left|thumb|[[ナイアガラの滝]]のレインボー橋にある国境線表示]]
アメリカ合衆国はアメリカ行き航空便のあるカナダ側空港、すなわち[[カルガリー国際空港]]、[[エドモントン国際空港]]、[[ハリファックス国際空港]]、[[モントリオール・ピエール・エリオット・トルドー国際空港]]、[[オタワ・マクドナルド・カルティエ国際空港]]、[[トロント・ピアソン国際空港]]、[[バンクーバー国際空港]]および[[ウィニペグ国際空港]]に「通関前設備」と呼ぶ移民事務所を維持している。このことでカナダ発の航空便がアメリカ合衆国の空港に到着したときに、国際線到着処理を行わずに済むので効率を高めている。類似した手配が、アメリカ合衆国へ直接輸入される封印貨物を取り扱うカナダの主要海港に備えられている。カナダはこれに相当する人員をアメリカ合衆国の空港に配備していない。これはカナダの航空会社の行き先地が多く、主要カナダ空港から出発するアメリカ行き便の数に比較して便の数が限られているからである。また[[バンクーバー (ブリティッシュコロンビア州)|バンクーバー]]のセントラル・パシフィック駅では、乗客がアメリカの通関前設備を通り、その手荷物は[[シアトル]]行き[[アムトラック・カスケーズ]]号に載せる前にX線検査機を通すことが求められている。このことで国境を越える前に停車する必要がなくなっている。通関前設備は利用者の多いニューヨーク市から[[モントリオール]]行き(アディロンダック列車)あるいは[[トロント]]行き(メイプルリーフ列車)には備えられていない。これらの列車はモントリオールやトロントに向う途中の国境で停車するためである。乗客は実際の国境にある停車駅で通関する必要がある。
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メイン州エストクール・ステーションとケベック州ポエネガンルークの国境には個人宅が建っている。
 
ケベック州ダンディとニューヨーク州フォートコビントンの国境に跨ってテイロン国際ホテルというホテル兼酒場が建っている<ref>[http://wikimapia.org/5729715/Taillon-s-International-Hotel-straddling-the-US-Canada-border Wikimapia]</ref>。1820年の建設であり、国境が詳細に測量される以前のことだった<ref>Taillon's International Hotel, [httphttps://web.archive.org/web/20100117160743/members.tripod.com/~Carol_Tyo_LaDue/hotel.htm Taillon's International Hotel - straddling the US-Canada border!]</ref>。
 
== 残っている国境論争 ==
* [[マキアスシール島]]と{{仮リンク|[[ノースロック|en|North Rock}}]]:メイン州とニューブランズウィック州
* [[ディクソン海峡]]:アラスカ州とブリティッシュコロンビア州
* [[ボーフォート海]] :アラスカ州と[[ユーコン準州]]