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'''電脳化'''(でんのうか)は、[[漫画]]、[[アニメ (日本のアニメーション作品)|アニメ]]作品[[攻殻機動隊]]シリーズに登場する架空の[[バイオテクノロジー|バイオ]][[コンピュータネットワーク|ネットワーク]]技術で、一種の[[ブレイン・マシン・インタフェース]](後述)というべき存在。
 
== 概要 ==
脳に直接、膨大な数の[[マイクロマシン]]を注入し、神経細胞とマイクロマシンを結合させ、電気信号をやりとりすることで、マイクロマシン経由で脳と外部世界を直接接続する技術。これによって、[[ロボット]]などのメカニックを直接操作したり、電脳ネット(作中における[[インターネット]]のようなもの)などの[[コンピュータネットワーク|ネットワーク]]と直接接続したりできる。その結果、あらゆる情報がリアルタイムで検索・共有可能になり、完璧な[[ユビキタスネットワーク]]を構築した。可視化されたネットワーク上にあたかも自分が入り込んだかのように様々なネットワークを自由に行き来できるようになる。
 
現在の[[インターネット]]のように、ダウンロードにより情報を手元に引き寄せるのではなく、電脳空間と呼ばれる仮想空間や他者の電脳などの情報源に、自らの意識が入り込むことによって情報を得ることから、ネットワーク等にアクセスすることを作中では「ダイブ(dive)」と表現する。また、共通の設定を多く持つ[[RD 潜脳調査室]]のメタリアル・ネットワークのインターフェイスは、より海に近いデザインとなっており、関連する用語やその他の小道具等も[[潜水|ダイビング]]をイメージしたものとなっている。
 
電脳化した者同士であれば、有線・無線を問わず他者との通信が行える他、自分の視覚情報や触覚、さらには感情まで相手に伝えることができる。そのため、相手との極めて正確な意思疎通が可能になる。また、記憶装置を外部に設け必要な情報や自己の記憶を保存して再利用することも可能である(作中では外部硬電脳と表記されている)。一方、[[攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society|S.A.C. Solid State Society]]において、バトーがアフリカから帰還したばかりのサイトーと交わした会話の中で、明らかに誤った単語を用いている点に着目すると、人らしさの象徴とも言える「[[ヒューマンエラー]]」を防止するプロセッサは組み込まれていないと考えられる。ここから電脳倫理下における電脳は、主体的存在である「[[ゴースト (攻殻機動隊)|ゴースト]]」の意志に対して、たとえそれが誤りであっても不介入であるということが定義できる
 
この技術の負の側面として、電脳化により脳そのものが現代の[[コンピュータ]]と同様に[[ハッキング]]の脅威に晒されることとなった。ハッキングにより、他者の電脳にウィルス注入する・記憶を改竄する・行動を操作する・人格そのものを乗っ取るということが可能になる。そのため、作中においてこれらようなハッキング行為は「[[ゴーストハック]]」と呼ばれ、重犯罪とされている。
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[[攻性防壁]]や[[防壁迷路]]は、「[[ゴーストハック]]」対策ではなく、電脳に入されること自体を防ぐものです。-->
このような行為を防ぐため、多くの人は電脳に「[[攻性防壁]]」や「[[防壁迷路]]」と呼ばれる[[ファイアウォール]]の一種を導入することで自身の身を守っている。また、罹患率は高くないが、徐々に脳の機能が失われ最終的に脳死に至る「電脳硬化症」を発症することもある。根本的な治療方法は発見されていないが、マイクロマシンや「村井ワクチン」を用いることで病状の進行を抑えることができるとしている。
 
また、電脳化技術の発達により、脳神経と機械の接続技術が確立したことで、脳・中枢神経系以外の肉体を機械で代行する「[[義体化]]」と呼ばれる技術が登場・発達している。生身の体と[[義体化]]を施した部位の割合を「義体化率」として表し、作中では[[義体化]]を施した人間は、その義体化率を問わず「[[サイボーグ]]」と呼ばれる。</br>
このような行為を防ぐため、多くの人は電脳に「[[攻性防壁]]」や「[[防壁迷路]]」と呼ばれる[[ファイアーウォール]]の一種を導入することで自身の身を守っている。
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頭部を[[義体化]]した際には、その脳は金属のシェルに収められ「脳殻(のうかく)」と呼ばれる。仮に脳殻を他の義体に入れ替えてしまえば、他人になりすますことも可能となる。事実、アニメ[[攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX]]第1話において、日本の外務大臣がその脳殻を入れ替えられたことにより、義体を他者に操られ、脳殻はケースに入れられて誘拐されかけるという事件が起きている。</br>
また、電脳化技術の発達により、脳神経と機械の接続技術が確立したことで、脳・中枢神経系以外の肉体を機械で代行する「[[義体化]]」と呼ばれる技術が登場・発達している。生身の体と[[義体化]]を施した部位の割合を「義体化率」として表し、作中では[[義体化]]を施した人間は、その義体化率を問わず「[[サイボーグ]]」と呼ばれる。</br>
 
頭部を[[義体化]]した際には、その脳は金属のシェルに収められ「脳殻(のうかく)」と呼ばれる。仮に脳殻を他の義体に入れ替えてしまえば、他人になりすますことも可能となる。事実、アニメ[[攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX]]第1話において、日本の外務大臣がその脳殻を入れ替えられたことにより、義体を他者に操られ、脳殻はケースに入れられて誘拐されかけるという事件が起きている。</br>
義体には多数のモデルが存在し、それぞれは量産され一般に販売されていることから、同じ外見のサイボーグが多数暮らしている社会となっており、個人を特定するためには「[[ゴースト (攻殻機動隊)|ゴースト]]」の存在が不可欠となる。
 
また欠点として、対象物を無意識に見るという行為ができない。これは、[[山田正紀]]による小説『イノセンス After The Long GoodBye』で語られている。
 
年長者や一部の者は、自分達から見れば子供の世代に当たる電脳医師に脳をいじられるのを嫌ったり電脳硬化症への不安の為、電脳化を行わず、手等身体の一部を義体化することで補おうとする者や、逆にトグサのように肉体は生身のまま電脳化のみを行う者もいる。
 
==現実世界での技術進歩==
{{main|ブレイン・マシン・インターフェース}}
[[ニューヨーク州立大学]]の[[ジョン・シェーピン]]教授により電脳とも取れるラットに電極をつけた実験が既に行われている{{要出典|date=2022年7月}}。ほか、ラットの[[脳]]の海馬を解析して[[人工海馬]]を作る実験も行われている。現在こうした研究は、[[工学]]分野では'''ブレイン・マシン・インタフェース'''という名で知られており、障害を持つ人々の生活をサポートすることを目標に、脳とコンピューターを接続するための基盤技術の開発が進められている<ref>[http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tachibana/media/050720_cyborg/ 脳内チップが未来を変える! 米国サイボーグ研究最前線 - 立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」 - nikkeibp.jp]</ref>
 
オカルトニュースサイト「TOCANA」は、[[攻殻機動隊]]などで、脳の情報処理をセンシング・制御する役割を担っていた[[マイクロマシン]](特に環境に散布される[[スマートダスト]])も実用化が近いとしている<ref>{{Cite web|和書|title=【衝撃】思考を盗聴する新型「スマートダスト」がもうすぐ世界中にバラ撒かれる!? 知らぬ間にインプラントが埋め込まれる可能性!|url=https://tocana.jp/2017/08/post_14160_entry.html|website=TOCANA|accessdate=2019-06-18}}</ref>。
 
== 注釈 ==
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==関連項目==
*[[クローム襲撃]] - 攻殻機動隊よりも前に電脳化が描かれた作品。
*[[ブレイン・マシン・インタフェース]]
*[[ポストヒューマン (人類進化)|ポストヒューマン]]
*[[トランスヒューマニズム]]
*[[エースコンバット3 エレクトロスフィア]] - [[バンダイナムコアミューズメント|ナムコ]](現[[バンダイナムコエンターテインメント]])の[[シューティングゲーム#フライトシューティング|フライトシューティングゲーム]]。作中に電脳化技術が登場しており、「サブリメーション」とも呼称されている。ただし攻殻機動隊における電脳化と異なり、こちらはヒトの人格をコンピュータ上のデータとして複製する技術となっている。
*[[電子頭脳]]
 
{{攻殻機動隊}}
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[[Category:架空の技術]]
 
[[en:World of Ghost in the Shell#Cyberbrains]]
[[en:Cyberbrain]]