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|published = 1902年
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『'''砂の妖精'''』(すなのようせい、[[英語]]:''Five Children and It'')は、[[イーディス・ネズビット]]による1902年の児童小説である。これは、『[[ストランド・マガジン]]』で1900年に発表された「サミアド」または「贈り物」という題の連載を本にまとめたものである。この本の続きには、『[[不死火の鳥と魔法のじゅうたん]](1904(The Phoenix and the Carpet、1904年)、『[[お守り魔よけ物語]](1906(The Story of the Amulet、1906年)がある。
 
== あらすじ ==
同じネズビットの『[[鉄道の子どもたち』(The Railway Children、邦題では『[[若草の祈り]]』として知られる)と同様、この物語も、子ども達が[[ロンドン]]から[[ケント (イングランド)|ケント]]地方へ引っ越すところから始まる。5人の子ども達 - ロバート、アンシア、シリル、ジェインと彼らの坊や - が砂利掘り場で、少し無愛想で、不格好で、時々機嫌を悪くするサミアドという名の妖精を発見する。この妖精は、願いをかなえる能力を持っていた。サミアドは、願いが、日が暮れると石に変わるという忠告し、1日に願いは4人で1つでいいように説得させた。この規則は、子どもがみんな食べ物を願っていたという[[石器時代]]に決められ、これらは[[化石]]に変わっている。しかし、いつしか子どもが空想的な願いを望むようになったので、日没で石に変えることができず、この場合は単に消えるのみとなった。
 
しかし、願いはいつも違ったかたちで聞き入れられ、結果的に良くないことが起こる。子ども達が美しくなりたいと望むと、使用人は彼らのことが分からず、家に入れてくれなくなる。お金持ちになりたいと望むと、砂利掘り場いっぱいに[[スペード・ギニー金貨]]が出現する。しかし、この金貨は流通していない金貨であり、受け取ってくれる店もなく、よって誰も何も買うことができなくなった。翼が欲しいと望むと、上手くいったように思えたが、日が暮れて教会の[[鐘楼]]に閉じ込められてしまい、番人に助けてもらう羽目になる(この番人と子ども達の家の女中は、この事件が縁で、後に結婚することになる)。別の日には、ロバートがパン屋の小僧にいじめられ、もっと大きかったらいいのに、と言ってしまい、身長11フィートの大男になる。彼は、見世物小屋で見世物になっている。さらに、彼らは、自分たちの家が城であればいいと望み、敵に包囲されたり、[[アメリカ・インディアン]]に遭遇したりといった冒険も冒す。
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登場する5人の兄弟姉妹:
 
* シリル (Cyril) - リスとして知られる。
* アンシア (Anthea) - ヒョウとして知られる。
* ロバート (Robert) - ボブスとして知られる。
* ジェイン (Jane) - 子猫として知られる。
* ヒラリー (Hilary) - 彼らの弟、いつもは坊やと呼ばれる。
* "It"こと'''サミアド''' (Psammead)。
 
=== サミアド ===
[[Image:Five Children and It.jpg|200px|サミアド|leftright|thumb]]
 
砂の妖精では、サミアドについて、「目は、かたつむりのように、長い角の先についていて、望遠鏡のように、のびたりちぢんだりできる」「耳はこうもりの耳のよう」「ずんぐりした胴には、まるでクモのおなかのように、厚い、やわらかい毛がはえている」「手と足はさるの手足に似ている」などと書かれ<ref name="福音館">福音館古典童話シリーズ 29 
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</blockquote>
<blockquote>
''"4人の子どもは、それから、またサミアドに会いました。それも、砂利掘り場ではなく、とても、とてもちがったところで、会ったのでした。それは-<br>ああ、でも、それはまたべつのお話です。いまは、お話をしてはいけないのでした。"''
</blockquote>
 
子どもたちは、『[[不死火の鳥と魔法のじゅうたん]]』(1904年)と『[[お守り魔よけ物語]]』(1906年)で再び登場している。子ども達がペットショップで「それ」(不死鳥が物語に登場し、状況が困難になると子ども達は願いをかなえてもらうため、サミアドのところを3回訪れている)を救う場面では、サミアドは舞台裏であるが、重要な役割を果たす。
 
50年後、アメリカの児童書作家、[[{{仮リンク|エドワード・イーガー]]|en|Edward Eagar}}による『[[{{仮リンク|魔法半分]]|en|Half Magic}}』(1954年)で5人の子ども達とサミアドは登場している。
 
[[{{仮リンク|ヘレン・クロスウェル]]|en|Helen Cresswell}}による『リターン・オブ・ザ・サミアド』(1992年)でも、エドワード家の子ども達がホワイトハウスを訪れ、サミアドを発見している<ref>[http://www.fantasticfiction.co.uk/c/helen-cresswell/return-of-psammead.htm ''The Return of the Psammead'' at Fantastic Fiction]</ref>。
 
[[ジャクリーン・ウィルソン]]による『[[{{仮リンク|Four Children and It]]|en|Four Children and It}}<!--未邦訳-->(2012年)は、砂の妖精(Five Children and It)」の現代版であり、別々の家族の4人が、サミアドを発見する<ref>[http://www.fantasticfiction.co.uk/w/jacqueline-wilson/four-children-and-it.htm ''Four Children and It'' at Fantastic Fiction]</ref>。
 
== アニメ・映画化 ==
砂の妖精は、何度かアニメ・映画化されている。
 
* 1984 - 85年、[[日本放送協会|NHK]]は、日本語[[アニメ]]版を「[[おねがい!サミアどん]]」という題で78話にわたり、放送している。英語吹き替え版は作成されなかったが、他の言語登場し作成された。
* 1991年、[[英国放送協会|BBC]]は、物語を6部から構成されるシリーズとして放送した。これは、物語のもともとの題と同じタイトル(Five Children and It - 5人の子ども達とそれ)で放送されたが、アメリカ版では「The Sand Fairy(砂の妖精)」というタイトルとなった。
* 2004年、[[ケネス・ブラナー]]、[[フレディ・ハイモア]]、[[ゾーイ・ワナメーカー]]、[[ジョナサン・バイレー]]、[[{{仮リンク|ノーマン・ウィズダム]]|en|Norman Wisdom}}などが演じ、[[エディー・イザード]]がサミアドの声を担当した[[ジム・ヘンソンの不思議の国の物語]]がリリースされた。
 
さらに、[[{{仮リンク|ヘンリー・シーブライト]]|en|Henry Seabright}}によって、漫画([[コミカライズ]])も描かれている。
 
== 日本語版 ==
=== Five Children and It ===
# [[福音館書店]]『砂の妖精』 [[石井桃子]]訳、[[ハロルド・ロバート・ミラー]]画
#* [[角川書店]]『砂の妖精』 [[石井桃子]]訳、ハロルド・ロバート・ミラー[[深沢紅子]]、[[あかね書房]] 世界児童文学全集、1959年
* 『砂の妖精』 石井桃子訳、[[角川書店]] 角川文庫、1963年(改版、1990年)
# [[講談社]]『砂の妖精』 [[八木田宜子]]訳、ハロルド・ロバート・ミラー画
* 『おねがい!サミアどん 「砂の妖精」改題』 石井桃子訳、角川書店 角川文庫
# [[ポプラ社]]『砂の妖精と5人の子どもたち』 [[矢崎節夫]]訳、[[佐竹美保]]画
** アニメ『[[おねがい!サミアどん]]』の放送にあわせて、一時的に改題して発売。
#* [[学研]]『砂の妖精』 [[岸田衿子]]・[[前田豊司]]訳、[[村上勉]]画、[[学習研究社]] 少年少女学研文庫、1968年
* 『砂の妖精』 岸田衿子・前田豊司訳、村上勉画、学習研究社 学研ベストブックス、1976年
#* [[講談社]]『砂の妖精』 [[八木田宜子]]訳、[[ハロルド・ロバート・ミラー]]、[[講談社]] 講談社青い鳥文庫、1984年(新訂版、1996年)
#* [[ポプラ社]]『砂の妖精と5人の子どもたち』 [[矢崎節夫]]訳、[[佐竹美保]]画、[[ポプラ社]] ポプラ文庫、1985年
* 『砂の妖精』 石井桃子訳、ハロルド・ロバート・ミラー画、[[福音館書店]] 福音館古典童話シリーズ、1991年
#* [[福音館書店]]『砂の妖精』 [[石井桃子]]訳、[[ハロルド・ロバート・ミラー]]、福音館書店 福音館文庫、2002年
* 『砂の妖精サミアド』 [[毛利孝夫]]訳、ハロルド・ロバート・ミラー画、[[望林堂]] 望林堂完訳文庫、2015年(Kindle版のみ販売)
 
=== The Phoenix and the Carpet ===
* 『火の鳥と魔法のじゅうたん』 [[猪熊葉子]]訳、ハロルド・ロバート・ミラー画、岩波書店 岩波少年文庫、1983年
=== The Story of the Amulet ===
* 『魔よけ物語 - 続・砂の妖精』(上下巻) 八木田宜子訳、ハロルド・ロバート・ミラー画、講談社 講談社青い鳥文庫、1995年
 
== 出典 ==
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* [http://www.indiana.edu/~letrs/vwwp/nesbit/fivechil.html ''砂の妖精''の原文]
* [http://librivox.org/five-children-and-it-by-e-nesbit/ ''砂の妖精 (オーディオブック)''] - [http://librivox.org LibriVox]
* [httphttps://www.imdb.com/title/tt0245622/ 1991年 TV版]
* [httphttps://www.imdb.com/title/tt0366450/ 2004年 映画版]
* [http://hdl.loc.gov/loc.gdc/scd0001.20021028003fc.2 ニューヨーク, 1905 edition (2ページ目の写真はコングレス図書館から)]
* [httphttps://web.archive.org/web/20091026235530/http://geocities.com/duendesamed/ 1985 - 86年、アニメ・お願い!サミアどん]
* [httphttps://www.imdb.com/title/tt0128892/ リターン・オブ・ザ・サミアド] 1993年 [httphttps://www.imdb.com/title/tt0245622/ Five Children and It]続編
 
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[[Category:1902年の小説]]
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