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==チラコイドの単離と分画==
チラコイドは、[[重力遠心法]]と[[分画遠心法]]を組み合わせることによって<ref name="Peltier2002">{{cite journal |title=Central functions of the lumenal and peripheral thylakoid proteome of Arabidopsis determined by and a sex tool experimentation and genome-wide prediction |journal=Plant Cell |volume=14 |issue=1 |pages=211–36 |year=2002 |pmid=11826309 |doi=10.1105/tpc.010304 |author=Peltier JJB, Emanuelsson O, Kalume DDE, Ytterberg J, Friso G, Rudella A, Liberles DDA,derberg Söderberg L, Roepstorff P, van Wijk K |author=von Heijne G, van Wijk KJ.}}</ref>、[[植物細胞]]から単離される。機械[[せん断力]]が働くと、ルーメン分画が流出してしまい、チラコイドの単離は上手くいかない。表在性膜や内在性膜は、膜画分の残渣から抽出される。[[炭酸ナトリウム]]による処理により表在性膜タンパク質を分離し、[[界面活性剤]]や[[有機溶媒]]による処理により内在性膜タンパク質を可溶化することができる。
 
==チラコイドタンパク質==
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光化学系IIタンパク質複合体は、主にグラナのチラコイドに、光化学系Iタンパク質複合体は主にストロマのチラコイドやグラナの外層に存在する。シトクロムb6f複合体はチラコイド膜に平均的に広がっている。チラコイド膜上で2つの[[光化学系]]の存在する位置が離れているため、[[電子]]の運搬が必要である。このためには、[[プラストキノン]]や[[プラストシアニン]]が稼働型電子運搬体となって電子を運ぶ。プラストキノンは光化学系IIタンパク質複合体からシトクロムb6f複合体まで、プラストシアニンはシトクロムb6f複合体から光化学系Iタンパク質複合体まで電子を運搬する。
 
またこれらのタンパク質は、光エネルギーによって電子伝達系を動かしてチラコイド膜を挟んで[[電気化学的勾配]]を作り出し、[[酸化還元反応]]の最終産物である[[ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸]](NADPH)を作り出す。ATP合成酵素は電気化学的勾配を用いて、光リン酸化により[[アデノシン三リン酸]](ATP)を作り出す。
 
====光化学系====
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電子伝達タンパク質のプラストシアニンはルーメン内に存在し、シトクロムb6f複合体から光化学系Iに電子を輸送する。プラストキノンは[[脂溶性]]でチラコイド膜内を移動するのに対し、プラストシアニンはチラコイドルーメン内を移動する。
 
ルーメンには、光化学系IIのルーメン側とともに[[水]]を酸化する[[酸素発生複合体]]も存在する。
 
内腔性タンパク質は、ターゲットシグナルに基づき、コンピュータで予測することができる。シロイヌナズナでは、Tatシグナルを処理する最も大きいグループでは、19%がタンパク質プロセシング(タンパク質分解やフォールディング)に、18%が光合成に、11%が[[代謝]]に、7%が酸化還元の運搬や防御に関与するものだった<ref name="Peltier2002"/>。
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==シアノバクテリアのチラコイド膜==
[[ファイル:Synechocystis.svg|thumb|250px|シアノバクテリア(''Synechocystis'')に含まれるチラコイド(緑)]]
シアノバクテリアは、高度に分化した膜系を持つ光合成[[原核生物]]である。シアノバクテリアは内部にチラコイド膜を持ち、そこでは光合成と呼吸の電子伝達が行われる。別の膜系の存在もあり、シアノバクテリアは[[細菌]]の中でも独特の細胞となっている。シアノバクテリアは、膜の再構成、新しい膜脂質の合成、正しい膜へのタンパク質のターゲッティングが可能なはずである。細菌外膜、[[原形質膜]]、チラコイド膜は、シアノバクテリア細胞の中でそれぞれが特殊な役割を果たす。膜系の組織、機能、タンパク質構成等を調べることは、シアノバクテリア[[細胞生物学]]の大きな課題として残っている<ref name=Herrero>{{cite book | author = Herrero A and Flores E (editor). | title = The Cyanobacteria: Molecular Biology, Genomics and Evolution | edition = 1st | publisher = Caister Academic Press | year = 2008 | url=http://www.horizonpress.com/cyan | id = [http://www.horizonpress.com/cyan ISBN 978-1-904455-15-8 ] | isbn = 1904455158}}</ref>。
 
==関連項目==