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{{Otheruses|植物の部分の'''茎'''|刀剣の部分|茎 (刀)|数学の用語| (数学)|[[椎名林檎]]の楽曲|茎 (STEM)}}
{{出典の明記|date=2013年10月31日 (木) 18:14 (UTC)}}
'''茎'''('''くき''')とは、[[高等植物]]において[[葉]]や[[花]]を支える部分である。内部には[[根]]から吸収した水分や栄養素([[ミネラル]]など)を植物体の各所へ運び、葉で合成されたものを光合成できない部分へ運ぶためのしくみが備わっている。
[[ファイル:Betula platyphylla var. japonica,7013906 Akiyoshi Matsuoka.JPG|thumb|250px|right|白樺の茎(幹)]]
'''茎'''(くき)とは、[[高等植物]]において[[葉]]や[[花]]を支える部分である。内部には[[根]]から吸収した[[水分]]や[[栄養素]]([[ミネラル]]など)を植物体の各所へ運び、葉で合成されたものを[[光合成]]できない部分へ運ぶためのしくみが備わっている。
 
== 概 ==
茎は、高等植物においてはやや細長い棒状の構造で、内部に物質輸送を行う[[維管束]]を備える。方向性があって、両方向の先端に分裂組織があるが、上方向へは茎と葉を作り、下方向へは根を作る。茎の地下部は次第に根に移行する。
 
'''茎'''という呼び名は主に[[草本]]に対して使われ、[[木|木本]]の、[[木質]]した茎はたいてい'''幹'''(みき)と呼ばれる。通常、腹背性はない。
 
茎は、葉や花を支える[[器官]]というふうにも見られるが、それ自身が植物の本体であるとも見ることができる。乾燥や水の不足などが生じた場合、花や葉を切り捨てる([[落葉]])ことによって茎の生存を確保しようとする。茎の周囲に葉や花が配置したものが植物の構造の上で[[単位]]になっていると考えられ、たとえば[[標本]]([[押し葉標本]])を作成する場合、この単位で採集することが要請される。
 
また、[[無性生殖]]において、新しい[[個体]]の形成を担うのは、匍匐茎であったり、根茎であったりと、茎の変形であることが多い。さらに言えば、葉や花(花の構成要素は葉起源)は、すべて茎の変形によって形成されたものと考えることもできる。
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これらの配置は、分類群によって大きく異なる。大ざっぱには、裸子植物と双子葉植物がほぼ共通で、単子葉植物が独特。シダ植物では、いくつかの特殊な構成のものが知られる。
 
茎の構成としては、2つの考え方がある。一つは表面を表皮が覆い、内部に維管束が配置し、そのまわりを基本組織が埋めるとするもの、もう一つは、表面部分を皮層、その内部の維管束の配置した部分を[[中心柱]]と見なす。単独に維管束などの配置形式の意味で中心柱を使う場合もある。
茎の構成としては、2つの考え方がある。
 
一つは表面を表皮が覆い、内部に維管束が配置し、そのまわりを基本組織が埋めるとするもの、もう一つは、表面部分を皮層、その内部の維管束の配置した部分を[[中心柱]]と見なす。単独に維管束などの配置形式の意味で中心柱を使う場合もある。
 
== 茎の成長 ==
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== さまざまな茎 ==
若い緑色の茎は[[表皮組織|表皮]]で[[呼吸]]や[[光合成]]を行う。植物の[[種 (分類学)|種]]によっては茎に光合成産物を貯蔵することもある。
 
また、以下にさまざまな茎の種類、用語を説明する。
; 花軸
 
;花軸: 花のつく茎。
; [[花茎]]
: 花軸のうち、塊茎や鱗茎から直接伸びて、花のみをつけるもの。
; [[つる植物|蔓]](つる)
;[[つる植物|蔓]](つる):細長く強靭で、木質化した場合でも柔軟であるが、自立することはできず、他者に巻きつく([[アサガオ]]など)ことや、へばりつく([[ツタ]]など)ことで体を支える。蔓が巻き付く場合、[[右巻き、左巻き|右巻き/左巻き]]のどちらになるかは大抵は決まっているが、[[ツルニンジン]]などのようにどちらでも巻き付くものもある。
: 細長く強靭で、木質化した場合でも柔軟であるが、自立することはできず、他者に巻きつく([[アサガオ]]など)ことや、へばりつく([[ツタ]]など)ことで体を支える。蔓が巻き付く場合、[[右巻き、左巻き|右巻き/左巻き]]のどちらになるかは大抵は決まっているが、[[ツルニンジン]]などのようにどちらでも巻き付くものもある。
;[[匍匐茎|匍匐枝]](ほふくし):蔓状の茎が地面を這い、節から根・葉を伸ばし生長するもの。[[ランナー]]、ストロンともいう。([[イチゴ]]など)
; [[匍匐枝]](ほふくし)
;茎針(けいしん):茎の一部が針状に変化したもの。([[ウメ]]、[[カラタチ]]など)
: 蔓状の茎が地面を這い、節から根・葉を伸ばし生長するもの。[[匍匐茎|ランナー]]、ストロンともいう([[イチゴ]]など)。
;地上茎(ちじょうけい):茎のうち地上にあるもの。
; [[茎針]](けいしん)
;[[地下茎]]:地中にある茎で、根茎(こんけい)、球茎(きゅうけい)、塊茎(かいけい)、鱗茎(りんけい)の4種に分類される。
: 茎の一部が針状に変化したもの([[ウメ]]、[[カラタチ]]など)。[[棘 (植物)|棘]]。
:;[[根茎]]:地下茎の一種。地中に長く伸び、根のように見えるが、地上茎と同じく節があり、そこから葉・根を出したり、葉の変形した鱗片をつけたりする。([[タケ]]、[[レンコン]]など)
; 地上茎(ちじょうけい)
:;[[球茎]]:地下茎の一種。主軸をなす茎の基部が[[デンプン]]などの養分を蓄え、球形に肥大したもの。葉の変化した外皮に包まれている。([[フリージア]]、[[サトイモ]]など)
: 茎のうち地上にあるもの。
:;[[塊茎]]:地下茎の一種。地中に伸びた茎の一部がデンプンなど養分を蓄えて塊状に肥大したもの。外皮がない。[[塊根]]ともいう。([[シクラメン]]、[[ジャガイモ]]など)
; [[地下茎]]
:;[[鱗茎]]:短い茎の周囲に、養分を蓄えて多肉となった緑色でない葉が密に集まり、球形・卵形をなしているもの。底盤部と呼ばれる部分は茎であるが、その他の大部分は[[葉]]である。([[ユリ]]、[[タマネギ]]など)
: 地中にある茎で、根茎(こんけい)、球茎(きゅうけい)、塊茎(かいけい)、鱗茎(りんけい)の4種に分類される。
;稈(かん):はっきりとした節があり中空の茎([[イネ]]、[[タケ]]などのイネ科など)。
:; [[根茎]]
;葉状茎(葉状枝):葉のような茎([[カニサボテン]]など)。
: 地下茎の一種。地中に長く伸び、根のように見えるが、地上茎と同じく節があり、そこから葉・根を出したり、葉の変形した鱗片をつけたりする([[タケ]]、[[レンコン]]、[[タケニグサ]]など)。
;[[分枝 (生物学)|枝]]:大本の茎から分かれた茎。
:; [[球茎]]
;節(ふし、せつ):[[竹]]・[[葦]]などの茎にあるほぼ一定間隔でふくらんで区切りとなっている部分。また、幹・茎から枝が生え出るところ。枝の付け根。枝を切り落とした跡。
: 地下茎の一種。主軸をなす茎の基部が[[デンプン]]などの養分を蓄え、球形に肥大したもの。葉の変化した外皮に包まれている([[フリージア]]、[[サトイモ]]など)。
;節(よ):竹・葦などの茎の節(ふし、せつ)と節との間(あいだ)。または、節(ふし、せつ)のこと。
:; [[塊茎]]
: 地下茎の一種。地中に伸びた茎の一部がデンプンなど養分を蓄えて塊状に肥大したもの。外皮がない。[[塊根]]ともいう([[シクラメン]]、[[ジャガイモ]]など)。
:; [[鱗茎]]
: 短い茎の周囲に、養分を蓄えて多肉となった緑色でない葉が密に集まり、球形・卵形をなしているもの。底盤部と呼ばれる部分は茎であるが、その他の大部分は[[葉]]である([[ユリ]]、[[タマネギ]]など)。
; 稈(かん)
: はっきりとした節があり中空の茎([[イネ]]、[[タケ]]などのイネ科など)。([[:en:Culm (botany)]]も参照)
; {{ill2|葉状枝|en|Phylloclade|redirect=1}}(仮葉枝、茎節、扁茎)
: 葉のような茎。多くは本来の葉が退化し、それに代わって光合成を行う。[[カニサボテン]]、[[ナギイカダ]]などのように扁平なものと、[[アスパラガス]]のように線状のものがある。
; [[枝]]
: 大本の茎から分かれた茎。
; 節(ふし、せつ)
: [[竹]]・[[葦]]などの茎にあるほぼ一定間隔でふくらんで区切りとなっている部分。また、幹・茎から枝が生え出るところ。枝の付け根。枝を切り落とした跡。その位置で折れるようになっている節のことは[[関節]]ともいう。
; 節(よ)
: 竹・葦などの茎の節(ふし、せつ)と節との間(あいだ)。また、節(ふし、せつ)のこと。
 
== 茎ではないもの ==
; [[花柄]]
: 花梗ともいう。花軸から出て花の基部につながっている部分。
; [[葉|葉柄]]
: 茎と葉の基部をつないでいる部分。
; [[葉|偽茎]]
: 茎のように見えるが葉鞘の重なったもの。
<!-- == 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}} -->
<!-- == 参考文献 == -->
 
== 関連項目 ==
{{Wiktionary}}
*[[植物]]
{{Commonscat|Plant stems}}
*[[維管束]]
* [[球根植物]]
* [[維管束]]
* [[球根]]
* {{ill2|圧流説|en|Pressure flow hypothesis}} ‐ 道管内の液体を輸送する仕組みの説明として提案された仮説。
* {{ill2|根圧|en|Root pressure}} ‐ 浸透圧などを利用して根が吸い上げた水によって、内部の道管内の液体を輸送する。
* [[蒸散]] ‐ 葉で植物内の水分を放出することで道管内の液体を輸送する。
* {{ill2|通気組織|en|Aerenchyma}} ‐ 水草などにある根や茎などにある空気を通す組織。
 
== 外部リンク ==
* {{Kotobank}}
 
{{Plant-stub}}
{{植物学}}
{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:くき}}
[[Category:植物解剖学]]
[[Category:植物形態学]]
 
[[ar:ساق نبات]]
[[ay:Ali lawa]]
[[bg:Стъбло]]
[[ca:Tija]]
[[cs:Stonek]]
[[da:Stængel (plantedel)]]
[[de:Sprossachse]]
[[en:Plant stem]]
[[eo:Tigo]]
[[es:Tallo]]
[[et:Vars]]
[[eu:Zurtoin]]
[[fa:ساقه]]
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[[fr:Tige]]
[[gl:Talo]]
[[he:גבעול]]
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