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{{Infobox 哲学者
| region = [[西洋哲学]]
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'''エトムント・グスタフ・アルブレヒト・フッサール'''('''Edmund Gustav Albrecht Husserl'''、[[国際音声記号| {{IPA]]:[ˈhʊsɛrl]-de|ˈʔɛtmʊnt ˈhʊsɐl|lang}}、[[1859年]][[4月8日]] - [[1938年]][[4月27日]]<ref>{{Cite web |url = https://kotobank.jp/word/フッサール-125146 |title = ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 フッサールとは |publisher = コトバンク |accessdate = 2018-01-06 }}</ref>)は、[[オーストリア]]の[[哲学者]]、[[数学者]]である。ファーストネームの「エトムント」は「'''エドムント'''」との表記もあり、またラストネームの「フッサール」は古く「'''フッセル'''」または「'''フッセルル'''」との表記も用いられた<ref>粟田賢三・古在由重編『岩波哲学小事典』(岩波書店、1979)</ref>。
 
== 概要 ==
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数学の研究者から出発したフッサールの関心も、当初は心理学から数学を基礎付けようとするものであった。『算術の哲学―論理学的かつ心理学的研究―』は、そのような立場から書かれた著書である。しかし、そこでは心理学という「一つの理論」が前提とされており、そのような方法では、現象そのものを直接把握することができないとフッサールは考えた。
 
そこで、フッサールは、[[フランツ・ブレンターノ]]の「[[志向性]]」([[:de:Intentionalitat|de:Intentionalität]]) の概念を継承し、現象によって与えられる心的体験を直感的明証的に把握し、あらゆる前提を取り払った諸学の学問的な基礎付けを求めた。
 
ブレンターノは、物理的原因から心理現象が発生することを理論的に説明する「発達的心理学」を批判して、心理現象が対象への「志向性」を持つ点で、物理現象と区別されるとして「記述心理学」の立場を明らかにした。そして、その上で「意識」が必ず対象を指し示すことを「志向的内在」を呼んだ。言い換えると、「意識」とは、例外なく「何かについての」意識であることを意味する。そこでは、デカルト的な心身二元論のように、「意識」がまず存在し、その後で対象が確認されるのではなく、「意識」と「対象」が常に相関関係にあるとされる。
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== 著作 ==
*『算術の哲学―論理学的かつ心理学的研究―』
*『論理学研究』 ''Logische Untersuchungen''、1900年
*『厳密な学としての哲学』''Philosophie als strenge Wissenschaft''、1911年
*『現象学の理念』 ''Die Idee der Phänomenologie''
*『純粋現象学、及び現象学的哲学のための考案(イデーン)』
: ''Ideen zu einer reinen Phänomenologie und phänomenologischen Philosophie''、1913年
*『内的時間意識の現象学』''Vorlesungen zur Phänomenologie des inneren Zeitbewusstseins''、1928年
*『デカルト的省察』 ''Cartesianische Meditationen''
*『形式論理学と超越論的論理学』''Formale und transzendentale Logik''、1929年
*『デカルト的省察』 ''Cartesianische Meditationen''、1931年
*『{{仮リンク|間主観性|de|Intersubjektivität}}の現象学』 ''Zur Phänomenologie des Intersubjektivität''
*『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』
: ''Die Krisis der europäischen Wissenschaften und die transzendentale Phänomenologie''、1936年
*『経験と判断』 ''Erfahrung und Urteil''
=== 主な日本語訳 ===
*『現象学の理念』 [[長谷川宏]]訳、[[作品社]]、1997年
*『デカルト的省察』 浜渦辰二訳、[[岩波文庫]]、2001年
*『デカルト的省察』 船橋弘訳、谷徹解説、[[中央公論新社]]〈[[中公クラシックス]]〉、2015年11月
*『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』 [[細谷恒夫]]・[[木田元]]訳、[[中公文庫]]、1995年
*『ブリタニカ草稿』 谷徹訳、[[ちくま学芸文庫]]、2004年
*『間主観性の現象学I その方法』 ちくま学芸文庫、2012年。各・浜渦辰二・山口一郎監訳
**『間主観性の現象学II  その展開』 ちくま学芸文庫、2013年
**『間主観性の現象学III その行方』 ちくま学芸文庫、2015年
*『内的時間意識の現象学』 谷徹訳、ちくま学芸文庫、2016年12月
*『フッサール・セレクション』 立松弘孝編訳、[[平凡社ライブラリー]]、2009年
*『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』 [[細谷恒夫]]・[[木田元]]訳、[[中公文庫]]、1995年
*『フッサール・セレクション現象学の理念』 立松弘孝訳、[[平凡社ライブラリーみすず書房]]、2009新装版2000 
*『内的時間意識の現象学』 立松弘孝訳、みすず書房、新装版2000年
*『イデーン I・II・III』 [[渡邊二郎]]・立松弘孝ほか訳、[[みすず書房]]。I・IIは各2冊組・計5冊<br> 1979年「イデーン I-1」を刊行開始、2009年に「イデーン II-2」、2010年に「イデーン III」を刊行し完結。
*『形式論理学と超越論的論理学』 立松弘孝訳、みすず書房、新装版2017年
*『論理学研究』 立松弘孝・松井良和ほか訳、みすず書房(全4)、新装版2015年
*『イデーン I・II・III』 [[渡邊二郎]]・立松弘孝ほか訳、みすず書房(全5冊)。I・IIは各2分冊
**「みすず書房」での訳書は、他に『内的時間意識の現象学』、『現象学の理念』がある。 
*『イデーン I・II・III』 [[渡邊二郎]]・立松弘孝ほか訳、[[みすず書房]]。I・IIは各2冊組・計5冊<br> :1979年「イデーン  I-1」を刊行開始、2009年に「イデーン  II-2」、2010年に「イデーン  III」を刊行完結。
*『フッサール書簡集 1915‐1938』 桑野耕三・佐藤真理人訳、[[せりか書房]]、1982年<br> 弟子でポーランドの芸術哲学者[[ローマン・インガルデン]](1893-1970)あての書簡集。
*『能動的綜合 講義・超越論的論理学 1920-21年』 山口一郎・中山純一訳、[[知泉書館]]、2020年
*『フッサール書簡集 1915‐1938』 桑野耕三・佐藤真理人訳、[[せりか書房]]、1982年
*『フッサール書簡集 1915‐1938』 桑野耕三・佐藤真理人訳、[[せりか書房]]、1982年<br> :弟子でポーランドの芸術哲学者[[ローマン・インガルデン]](1893-1970)あての書簡集
 
== 脚注 ==
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== 外部リンク ==
* [[立松弘孝]][{{Wayback|url=http://100.yahoo.co.jp/detail/%E3%83%95%E3%83%83%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%AB/ |title=「フッサール」(Yahoo!百科事典)] |date=*}}
* [httphttps://husserl.exblog.jp/1274458/ 「雑誌フッサール研究」]
* [{{Wayback|url=http://www.let.osaka-u.ac.jp/~cpshama/hamauzu.html |title=浜渦辰二の公式HP] |date=20091112103140}}
**[{{Wayback|url=http://www.let.osaka-u.ac.jp/~cpshama/HUA/j/HUA-home.html |title=「フッサール・データベース」] |date=20091026050901}}
**[{{Wayback|url=http://www.let.osaka-u.ac.jp/~cpshama/HUA/j/whois.html |title=「フッサールって誰?」] |date=20091026085604}}
{{IEP|husserl|Edmund Husserl}}
{{SEP|husserl|Edmund Husserl}}
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[[Category:形而上学者]]
[[Category:アメリカ芸術科学アカデミー会員]]
[[Category:ハイデルベルク科学アカデミー会員]]
[[Category:アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルクの教員]]
[[Category:ゲオルク・アウグスト大学ゲッティンゲンの教員]]