「現金自動預け払い機」の版間の差分

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[[ファイル:Yucho-DSC00481.JPG|thumb|250px|大町東郵便局に設置されている[[ゆうちょ銀行]]のATM[[ブース]](大町東郵便局、[[佐賀県]][[杵島郡]])]]
'''現金自動預払機'''(げんきんじどうあずけばらいき、{{Lang-en-short|automatic teller machine}}、[[イギリス英語]]では普通cash machineと呼ぶ)は、銀行などの金融機関(など)で、[[現金]]の入金(預け入れ)や支払い(引き出し)、[[預金通帳|通帳]]の記帳、残高照会などの窓口業務を、顧客の操作によって自動的に処理する機械装置<ref>『日本大百科全書』【現金自動預払機】</ref>。略称は'''ATM'''('''エーティーエム'''{{Efn2|<u>現金自動預払機の略語のATMの読み方は「エーティーエム」しかない</u>。なお、まったく別概念の「[[圧力]]の単位」のatmは「アトム」と読むが、これはあくまで別概念の略語の読み方であり、全く無関係である。</u>。[https://www.weblio.jp/content/ATM]}})
[[ファイル:ATMShinGinkoTokyoNakaiSta.jpg|thumb|220px|right|[[都営地下鉄大江戸線|都営大江戸線]][[中井駅]]に設置されていたATM([[新銀行東京]])]]
'''現金自動預け払い機'''(げんきんじどうあずけばらいき)、'''ATM'''(エーティーエム)、({{lang-en-short|cash machine}}、{{lang|en|automated/automatic teller machine}})は、通常、[[紙幣]](及び[[硬貨]])、[[通帳]]、[[磁気カード]]・[[ICカード]]の受入口、支払口を備え、[[金融機関]]や貸金業者、現金出納を行う業者の提供するサービスが、顧客自身の操作によって取引できる機械を指す。
 
== 概説 ==
元々は[[都市銀行]]の店舗に設置され、[[預金|普通預貯金]]の預け払いに用いられ出したが、今日、[[金融機関]]は元より、[[小売店]]や[[公共施設]]などに幅広く設置されている。また、[[預金|普通預金]]以外の取引や[[現金]]を介さない取引も広く取り扱うよう進化しており、'''自動取引装置'''、'''自動窓口機'''などとも呼ばれる。
[[File:Automated_teller_machines_(ATMs),_OWID.svg|thumb|300px|人口10万人あたりのATMの台数。(このマップではアメリカ合衆国については「データが無い」とされてしまっているが)はっきりしているところでは特に[[イギリス]]、[[オーストラリア]]、[[カナダ]]、[[日本]]、[[韓国]]、[[ロシア]]などが人口比台数が多く、[[西ヨーロッパ]]諸国はおおむねそれに次ぐ水準の台数で、南米では[[ブラジル]]が西ヨーロッパと同水準の人口比台数である、と判る。それに対して[[北アフリカ]]や[[中部アフリカ]]にはほとんど無い、ということも分かる。]]
元々は[[都市銀行]]の店舗に設置され、[[預金|普通預金]]の預払に用いられていたが、その後[[金融機関]]に加えて[[小売店]]や[[公共施設]]などに幅広く設置されるようになっている。[[預金|普通預金]]以外の取引や[[現金]]を介さない取引も広く取り扱うよう進化しており、'''自動取引装置'''、ACM('''自動窓口機''')などとも呼ばれる。
 
[[金融機関]]では一般に、店舗に設置している場合は「'''自動機'''店舗内ATM」、その他の小売店や公共施設などに設置している場合は「'''店舗外ATM'''」と呼称するび、(現金自動支払機、げんきんじどうしはらいき、キャッシュディスペンサー<ref group="注">{{lang-en-short|cash dispenser}}、'''CD'''</ref>)と呼ばれ区別されている(ただし、一般にはCD機も含め全て "ATM"と呼称されることが多い)が、[[光ファイバー]]通信による処理能力の飛躍的な向上や[[コンビニATM]]などの簡易型ATMの普及などにより、CD機の台数は[[2000年代]]以降減少している。[[台湾]]では、CD機にも看板には「ATM」と掲示されている。
 
<gallery>
金融機関の窓口の代用として設置されたことが始まりであることから、ATMの脇には、金融機関窓口と同じように、紙幣袋(現金を持ち帰るための封筒)が設置されていることが多い。
File:Hancock-Whitney ATM, New Orleans July 2021.jpg|アメリカのHancock-WhitneyのATM([[ニューオーリンズ]])
File:Automated teller machine downtown Harrisonburg VA July 2012.jpg|アメリカ・[[ハリソンバーグ (バージニア州)|バージニア州・ハリソンバーグ]]に設置されているATM
File:OTP ATM, Coop shop, Budapest, Haller utca.jpg|[[ブダペスト]]のOTP銀行のATM
File:PRESTIA Automated Teller Machine at the 1st floor of ABC-MART Umeda Building.JPG|日本の[[プレスティア]]のATM(大阪梅田ビル)
File:ATM MB, Huỳnh Thúc Kháng, Hà Nội 001.JPG|[[ハノイ]]のMBのATM
</gallery>
 
== 歴史 ==
{{節スタブ}}
 
;前史
[[1960年]]に、アルメニア系アメリカ人の発明家・起業家の[[ルーサー・シムジャン]]([[:en:Luther George Simjian]])が自動預入機つまり硬貨や紙幣や小切手を受け入れる機械を[[発明]]したが、これは現金を支払う機能のほうは備えていなかった<ref>1961年4月12日づけの''The New York Times''には、この機械について、"Machine Accepts Bank Deposits"と書かれている。 </ref>。この機械は「Bankograph バンコグラフ」と呼ばれ{{Efn2|「銀行記帳機」や「銀行記入機」といった意味の表現である。}}たが、この機械が実際に配備されるのには数年ほどかかった。その理由のひとつは発明者Simjianの会社のReflectone Electronics Inc.が Universal Match Corporationに[[企業買収|買収]]されて<ref>''The New York Times''の1961年3月22日号には Universal社による買収が "Universal Match Maps Acquisition"というタイトルで掲載されている。 </ref>、それにともなう混乱があったからである。[[1961年]]にこのBankographの実験機が[[ニューヨーク市]]の[[シティバンク、エヌ・エイ|City Bank]]に設置されたのだが、お客たちには受け入れてもらえず、半年後には撤去されてしまった<ref>{{cite web|url=http://www.atmmarketplace.com/article/217157/From-punchcard-to-prestaging-50-years-of-ATM-innovation |title=From punchcard to prestaging: 50 years of ATM innovation |publisher=ATM Marketplace |date=31 July 2013 |access-date=27 September 2013 |url-status=dead |archive-url=https://web.archive.org/web/20130815222832/http://www.atmmarketplace.com/article/217157/From-punchcard-to-prestaging-50-years-of-ATM-innovation |archive-date=15 August 2013 }}</ref>。
 
;ATMの歴史
'''世界初の現金自動預け払い機'''(つまり預入れも支払いもできる機械)は、[[1967年]]6月27日に[[イギリス]]の[[バークレイズ]](Barclays Bank)の[[ロンドン]]北部の[[インフィールド区|インフィールドタウン]]支店で使われ始めた。
 
日本では[[1969年]] (昭和44年)12月1日に[[住友銀行]] (現・[[三井住友銀行]])が日本初のATMを東京・新宿支店と大阪・梅田支店に設置。
 
== 機能 ==
{{銀行業}}
=== 主な取扱業務 ===
ATMでは、以下のような業務を扱う。基本となるのは下記の4種類である。
* 入れ:[[預貯金]]口座への[[現金]]の預け入れ
* 出し:預貯金や貸付金、預り金、積立配当金、据置祝金・保険金、保険ファンド、各種キャッシュバックなどの引出し
* 残高照会:預貯金([[貸付金]])残高や取引明細、相場情報、借入(返済)可能額などの照会
* 通帳記入・通帳繰越:[[預金通帳|預貯金通帳]]に記入されていない取引の記入・預貯金通帳の繰越
また以下の業務は[[金融機関]]によって取り扱いの有無がある。
* 貸付金の現金による返済
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上記の業務に必要な媒体を取り扱うため、[[紙幣]]、[[硬貨]]、[[預金通帳]]、帳票類、[[磁気ストライプカード]]などの挿入・支払口と、案内や操作のための表示画面、操作鍵(キー)などを備える。近年のものは操作部に画面表示と一体化した[[液晶]][[タッチパネル]]を採用したものが多い。硬貨については、運搬が困難なことや紙幣に比べて故障が発生しやすいため、一部のATMのみが対応しており、無人店舗やコンビニATMでは硬貨を取り扱わない場合が多い。ごく一部の金融機関のATMでは住所変更・届出の電話番号の変更もキャッシュカードで変更手続する事や、資料請求の依頼をキャッシュカード1枚でできる所もある。
 
なお、'''[[振り込め特殊詐欺]]'''などに見られる、還付、払戻、返金などはATMを操作して相手が振り込む金を自分の口座で受け取るようなことは業務として含まれておらず、またそのような機能はATMに備わっていない。
 
=== 利用者認証日本のATM ===
[[ファイル:ATMShinGinkoTokyoNakaiSta.jpg|thumb|[[新銀行東京]]のATM([[都営大江戸線]][[中井駅]]に設置されていたもの)]]
[[日本]]では、機器利用者の本人認証のために、[[磁気]]情報が記録された専用の[[キャッシュカード]]または通帳と、通常4桁<ref group="注">[[中国銀聯|銀聯カード]]は6桁</ref>の[[暗証番号]]を用いる<!--(提携取引では4桁)-->。かつては、暗証番号そのものを平文<ref group="注">[[暗号]]化がまったくされていない状態</ref>のまま、[[磁気ストライプカード]]に記録していた('''生暗証''')が、[[スキミング|カードリーダー]]を使って容易に読み取る事が出来るため、旧[[富士銀行]]の盗難キャッシュカード事件([[1993年]]([[平成]]5年)[[7月19日]][[最高裁判所 (日本)|最高裁]][[判決]]。「判例時報」第1489号111頁以下を参照)を契機に、[[現在]]{{いつ|date= 2020年10月15日 (木) 13:56 (UTC)}}は暗証番号はカードに記録せず、入力した暗証番号は、[[ホストコンピュータ]]上の口座登録情報と照合されるようになっている<ref group="注">カードに暗証番号を記録しない方式への変更を'''ゼロ暗証'''化と称した。</ref>。
[[File:Seven Bank ATM in 7-ELEVEn.JPG|thumb|[[日本]]の[[コンビニ]]・[[セブン-イレブン]]店内に設置された[[セブン銀行]]'''ATM'''([[コンビニATM]])]]
 
=== 設置主体 ===
しかし、暗証番号の詐用に加え、近時はカードの磁気ストライプ自体の複製により預金が不正に引き出される被害が相次いで問題となっており、以下の取扱が一部の銀行、信用金庫等で始まっている。
* カードの情報を磁気ストライプに代え、複製の困難な[[集積回路|ICチップ]]に記録した[[ICカード]]
* 預金者の手指や手掌の[[静脈]]叢紋様を予め登録し、利用者の当該部位を取引の都度照合して[[生体認証]]するATM
** 生体認証の対象となる部位については、現状では銀行等の個別規格と、[[全国銀行協会]]の統一規格とが並存しており、提携先のATMが異なる形式で生体認証を行う場合には、ICチップ・生体認証を用いた取引を行えない。この場合は、併せて搭載された磁気ストライプ記載の情報を用いた取引となり、取引金額や取引項目に制限が生じることもある。なお、将来的には他の生体認証情報も記録して、いずれの生体認証型ATMでも利用できるように準備が進められている([[2006年]](平成18年)8月現在)。
 
=== 数字入力・表示時の配慮 ===
[[ファイル:Japanese ATM Palm Scanner.jpg|thumb|250px|[[タッチパネル]]式のATM([[三菱UFJ銀行]]の店舗外ATM)<br/>キャッシュカード挿入口の横に背後を確認できるミラーを備える。タッチパネル右側の装置は[[生体認証|掌静脈認証]]用のスキャナー。]]
[[視覚障害者]]への対応として、[[タッチパネル]]以外に、物理ボタンでも数字を入力できるようにしている機種もあり、また、[[点字]]による表示および音声案内機能を持たせたものもある。
 
[[ゆうちょ銀行]]のATMは、視覚障害者の操作性確保のために、全ての稼動機に[[テンキー]]・点字・音声案内機能を備えるほか、[[富士通]]の民間事業者向け汎用ATM「ファクト・ブイ」(FACT-V)には、案内音声を聴取できる受話器が標準装備<!--貸金業向けなど搭載されていない機体もあるが、レスオプションに位置付けられる-->となっており、この受話器に暗証番号、金額等を入力できるテンキーを備えているが、稼働中の機種については、タッチパネルのみでテンキーを省略した機種が多く、[[バリアフリー]]の障害となることが多い。
 
なおこれとは別に[[コンビニATM]]は、筐体を小型化するためタッチパネルが垂直配置であり、狭隘な店内において入力が盗み見られる事を防ぐため、[[テンキー]]が周囲を囲われた形状で、右下方に独立した機種への置き換えが進んでいる。また設置者によっては、画面の上に左右からの視野角を意図的に狭くする偏光フィルター膜や衝立を設置したり、バックミラーを設けて、背後に不審者がいないか確かめられるようにしたりするなど、上記のような入力を盗み見られる事件を防いでいるところもある。
 
=== 音声案内 ===
前述の音声案内は、視覚障害者だけでなく[[健常者]]にとっても操作をサポートする役割を果たしているが、[[日本語]]の他に[[英語]]での案内も可能となっている機種を設置している金融機関もある。[[三菱UFJ銀行]]<ref group="注">[[日立オムロンターミナルソリューションズ|Leadus]]・[[日立製作所]]製の機械のみ</ref>と[[知多信用金庫]]([[愛知県]])、[[三井住友銀行]]のATMでは[[英語]]のみならず、[[ポルトガル語]]・[[中国語]]・[[朝鮮語]]の表示も可能となっている<ref group="注">三菱UFJ銀行[旧・[[東京三菱銀行]]の支店設置分]のATMJ製のATMは英語のみ</ref>。
 
=== 営業時間 ===
一般に金融機関では、平日8時45分から19時までと土曜9時から17時まで稼動し、金融機関の店舗によっては、日・祝と[[大型連休]]、[[年末年始]]は現在も非稼動のところもあるが、近年はATMと勘定系システムの交信が[[アナログ回線]]から[[光通信|光ファイバー回線]]に切り替わり、通信コストが大幅に削減されたこともあって営業時間帯を曜日に関係なく深夜帯まで拡張した箇所も多く出現している。特にコンビニエンスストアのATMは、店舗の営業に合わせて通例24時間稼動し、利用者の取引銀行等の定める時間内で、利便性の幅を拡げている。
 
ただし、平日18時以降と一部の金融機関では土曜14時以降については時間外[[手数料]]が徴収される場合も多い。そのため[[手数料]]を無料化する銀行や、一定の取引条件(給与振込や各種料金自動支払等)で手数料を無料化するなどの特典を設け、他行との差別化、顧客の囲い込みを行う銀行が増えてきている。近年では[[土曜日]]の時間外手数料を休日扱にしている金融機関が多い。なお、[[ゆうちょ銀行]](郵便局)は郵政省・[[日本郵政公社]]時代から時間外及び休日の手数料が無料である。
 
== 歴史 ==
{{節スタブ}}
 
== 設置主体 ==
基本的には各金融機関により、営業店に併設される。現在{{いつ|date= 2020年10月15日 (木) 13:56 (UTC)}}では相互接続により、提携金融機関の取引もできるようになっている。一つの管理行のもと、数個の金融機関が共同で運営し、各預金者が無料で利用できる共同出張所の形態もある。なお、提携金融機関の取引には原則、手数料が徴収される。
 
過去には、銀行界が運営会社([[全国カードサービス|日本キャッシュサービス]] / ''NCS'')を作り、共同ATMを駅などに設置していたが、金融機関の業態間におけるオンラインの相互接続が進んだことにより、事業を終了し解散した経緯がある<!-- もう少し詳しい情報を求む!-->。しかし近年、[[銀行]]・[[コンビニエンスストア]]・警備会社などが出資する共同運営の[[コンビニATM]]設置のため株式会社[[イーネット]]などを立ち上げ、設置台数を急激に増やすなど、共同ATMの設置が進んでいる。近年では、[[パチンコ]]店への設置が推し進められている<ref name="sai20100210">{{Cite news
|url= https://www.excite.co.jp/news/article/Diamond_20100204001/
|title= 新たな警察利権の温床か パチンコ店に銀行ATM!
|autorauthor= 小出康成
|work= [[週刊ダイヤモンド]]
|publisher= [[excite. ニュース]]
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}}</ref><ref name="akahata20091117">
{{Cite news
|url=httphttps://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-11-17/2009111715_01_1.html
|title= パチンコ店内 ATM設置 警察認識 届け出許可、規制せず
|work= [[日本共産党]]
100 ⟶ 95行目:
|accessdate= 2020-10-15
}} {{リンク切れ|date= 2020年10月}}</ref>。
<!--;ギャラリー-->
=== 営業時間 ===
一般に金融機関では、平日8時45分から19時までと土曜9時から17時まで稼働し、金融機関の店舗によっては、日・祝と[[大型連休]]、[[年末年始]]は現在も非稼働のところもあるが、近年はATMと勘定系システムの交信が[[アナログ回線]]から[[光通信|光ファイバー回線]]に切り替わり、通信コストが大幅に削減されたこともあって営業時間帯を曜日に関係なく深夜帯まで拡張した箇所も多く出現している。特にコンビニエンスストアのATMは、店舗の営業に合わせて通例24時間稼働し、利用者の取引銀行等の定める時間内で、利便性の幅を拡げている。
 
ただし、平日18時以降と一部の金融機関では土曜14時以降については時間外[[手数料]]が徴収される場合も多い。そのため[[手数料]]を無料化する銀行や、一定の取引条件(給与振込や各種料金自動支払等)で手数料を無料化するなどの特典を設け、他行との差別化、顧客の囲い込みを行う銀行が増えてきている。近年では[[土曜日]]の時間外手数料を休日扱にしている金融機関が多い。なお、[[ゆうちょ銀行]](郵便局)は郵政省・[[日本郵政公社]]時代から時間外及び休日の手数料が無料であったが、[[2022年]][[1月17日]]から店外ATMとコンビニATMの時間外及び土曜・休日のATM手数料が有料化された。
== 主要メーカー ==
* [[富士通フロンテック]](FUJITSU):[[富士通]]が金融端末部門を切り離し、その製造部門と旧富士通機電が統合した会社。販売は富士通が継続して行っている。
* [[沖電気工業]](OKI)
* [[日本ATM]](ATMJ):[[日本NCR]]、[[沖電気工業]]、[[日立オムロンターミナルソリューションズ]]、[[日本電気]](NEC)の共同出資会社。
** なお、同社のATMであるAJ31、AJ32、AJ33およびAJ34は、それぞれ富士通のFACT-V model10、FACT-V model20、FACT-V X200およびFACT-V X200eの[[OEM]]であるが、同社と富士通に資本関係はない<!-- この経緯について情報を求む!(←出資4社の製品をOEMにした際に4社間でのイニシアティブが発生しないためには均等にOEM契約する必要があるが、それは各社製品リリースのタイミングが必ずしもばらついてくれるものではない点で難しい、それに何よりもメンテナンス管理が煩雑になる、そこで出資4社以外のメジャーファームとOEM契約をしたのではないかと。素人推察ですが) -->。[[三菱UFJ銀行]]、[[エムアイカード]]、三井住友銀行などに納入されている。
* [[日立オムロンターミナルソリューションズ]](Leadus):[[日立製作所]]と[[オムロン]]が[[2004年]](平成16年)10月に合弁で設立し、両社の金融・現金処理業務向け端末部門を統合。
* [[日本電気]](NEC):現在{{いつ|date= 2020年10月15日 (木) 13:56 (UTC)}}は、[[セブン銀行]]ATMの納入が中心。
 
=== 日本のATMで入出金可能な金種 ===
かつては、[[東芝]]や[[ジェトロニクス]]日本法人等もATMを提供していた。
;入金
日本のATMで入金可能な金種は、一般に現在{{いつ|date= 2020年10月15日 (木) 13:56 (UTC)}}発行中の紙幣4金種<ref group="注">流通の少ない[[二千円紙幣]]も含む</ref>と硬貨6金種全てに対応していることが多い。ただし、一部のATMは紙幣のみで硬貨には対応していないものもある<ref group="注">コンビニや店舗外の出張所などに多い。</ref>。
 
;出金
日本のATMで出金可能な金種は、[[紙幣]]では一般的には[[千円紙幣]]と[[一万円紙幣]]の2種類のみである。コストを抑えるためと、故障のリスクを下げるという理由で、[[五千円紙幣]]の出金に対応しているATMの機種は現在{{いつ|date= 2020年10月15日 (木) 13:56 (UTC)}}のところ稀である<ref group="注">金融機関の店舗内にある両替機を使って、五千円紙幣を出金することは可能。</ref>。例外として、[[ゆうちょ銀行]]には五千円紙幣に対するものが設置されていることがあるが、その場合でも五千円紙幣で出金するには工夫が必要である<ref group="注">ただし最新の機種ではその機能も外されている。</ref>。また二千円紙幣の出金はごく一部の機種<ref group="注">主に[[沖縄県]]のもの</ref>に限られる。[[日本の硬貨|硬貨]]に関しては、一般に全ての金種が出金可能であるが、最小枚数になるように出金される。ただし前述の硬貨の入金に対応していないATMは硬貨の出金もできない。
 
=== 日本のATMの防犯 ===
各社のATMとも、[[日本自動販売機工業会]]のレベル2相当以上の手工具破壊耐力があるといわれているが、[[建設機械]]を使ったATMコーナーの破壊事件が相次いでおり、一層の対策を求められている。
 
その一例として、[[セブン銀行]]のATMでは、現金収納部分が不正にこじ開けられると、特殊な液体(緑色)が中の紙幣にこぼれて、収納紙幣を汚損させる<ref group="注">不正に取り出しても、使い物にならなくし、証拠品として使えるようにする。また液の付着が少量にとどまっても、[[カラーボール]]のような追跡支援効果もある</ref>といった対策が取られている。[[2006年]](平成18年)12月に発生した、同行ATM強奪事件では、早速同行より[https://web.archive.org/web/20090430121258/http://www.sevenbank.co.jp/site/info20061208.html この特殊液が付着した紙幣についての注意喚起がなされた]。
 
また、防犯上の観点から、システム基板上で動作する[[オペレーティングシステム]]や[[アプリケーションソフトウェア|アプリケーション]]には[[Microsoft Windows]]や[[Berkeley Software Distribution|BSD]]系[[UNIX]]などをベースとした[[プロプライエタリソフトウェア]]が用いられているほか、ATMの製品カタログや[[取扱説明書]]は、原則としてユーザー(金融機関)の中でも限られた担当者・[[システムエンジニア]]以外は、請求・閲覧できない。
 
=== 利用者認証 ===
== 日本のATMで入出金可能な金種について ==
[[日本]]では、機器利用者の本人認証のために、[[磁気]]情報が記録された専用のキャッシュカードまたは通帳と、通常4桁<ref group="注">[[中国銀聯|銀聯カード]]は6桁</ref>の[[暗証番号]]を用いる<!--(提携取引では4桁)-->。かつては、暗証番号そのものを平文<ref group="注">[[暗号]]化がまったくされていない状態</ref>のまま、磁気ストライプカードに記録していた('''生暗証''')が、[[スキミング|カードリーダー]]を使って容易に読み取る事が出来るため、旧[[富士銀行]]の盗難キャッシュカード事件([[1993年]]([[平成]]5年)[[7月19日]][[最高裁判所 (日本)|最高裁]][[判決 (日本法)|判決]]。「判例時報」第1489号111頁以下を参照)を契機に、現在{{いつ|date= 2020年10月15日 (木) 13:56 (UTC)}}は暗証番号はカードに記録せず、入力した暗証番号は、[[ホストコンピュータ]]上の口座登録情報と照合されるようになっている<ref group="注">カードに暗証番号を記録しない方式への変更を'''ゼロ暗証'''化と称した。</ref>。
=== 入金 ===
日本のATMで入金可能な金種は、一般に現在{{いつ|date= 2020年10月15日 (木) 13:56 (UTC)}}発行中の紙幣4金種<ref group="注">流通の少ない[[二千円紙幣]]も含む</ref>と硬貨6金種全てに対応していることが多い。ただし、一部のATMは紙幣のみで硬貨には対応していないものもある<ref group="注">コンビニや店舗外の出張所などに多い。</ref>。
 
しかし、暗証番号の詐用に加え、近時はカードの磁気ストライプ自体の複製により預金が不正に引き出される被害が相次いで問題となっており、以下の取扱が一部の銀行、信用金庫等で始まっている。
=== 出金 ===
* カードの情報を磁気ストライプに代え、複製の困難な[[集積回路|ICチップ]]に記録したICカード
日本のATMで出金可能な金種は、[[紙幣]]では一般的には[[千円紙幣]]と[[一万円紙幣]]の2種類のみである。コストを抑えるためと、故障のリスクを下げるという理由で、[[五千円紙幣]]の出金に対応しているATMの機種は現在{{いつ|date= 2020年10月15日 (木) 13:56 (UTC)}}のところ稀である<ref group="注">金融機関の店舗内にある両替機を使って、五千円紙幣を出金することは可能。</ref>。例外として、[[ゆうちょ銀行]]には五千円紙幣に対するものが設置されていることがあるが、その場合でも五千円紙幣で出金するには工夫が必要である<ref group="注">ただし最新の機種ではその機能も外されている。</ref>。また二千円紙幣の出金はごく一部の機種<ref group="注">主に[[沖縄県]]のもの</ref>に限られる。[[日本の硬貨|硬貨]]に関しては、一般に全ての金種が出金可能であるが、最小枚数になるように出金される。ただし前述の硬貨の入金に対応していないATMは硬貨の出金もできない。
* 預金者の手指や手掌の[[静脈]]叢紋様を予め登録し、利用者の当該部位を取引の都度照合して[[生体認証]]するATM
** 生体認証の対象となる部位については、現状では銀行等の個別規格と、[[全国銀行協会]]の統一規格とが並存しており、提携先のATMが異なる形式で生体認証を行う場合には、ICチップ・生体認証を用いた取引を行えない。この場合は、併せて搭載された磁気ストライプ記載の情報を用いた取引となり、取引金額や取引項目に制限が生じることもある。なお、将来的には他の生体認証情報も記録して、いずれの生体認証型ATMでも利用できるように準備が進められている([[2006年]](平成18年)8月現在)。
 
=== 視覚障害者への配慮 ===
[[ファイル:Japanese ATM Palm Scanner.jpg|thumb|250px|[[タッチパネル]]式のATM([[三菱UFJ銀行]]の店舗外ATM)<br/>キャッシュカード挿入口の横に背後を確認できるミラーを備える。タッチパネル右側の装置は[[生体認証|掌静脈認証]]用のスキャナー。]]
[[視覚障害者]]への対応として、タッチパネル以外に物理ボタンでも数字を入力できるようにしている機種もあり、また、[[点字]]による表示および音声案内機能を持たせたものもある。
 
[[ゆうちょ銀行]]のATMは、視覚障害者の操作性確保のために、全ての稼働機に[[テンキー]]・点字・音声案内機能を備えるほか、[[富士通]]の民間事業者向け汎用(はんよう)ATM「ファクト・ブイ」(FACT-V)及び後継のFACT-Xには、案内音声を聴取できる受話器が標準装備<!--貸金業向けなど搭載されていない機体もあるが、レスオプションに位置付けられる-->となっており、この受話器に暗証番号、金額等を入力できるテンキーを備えているが、稼働中の機種については、タッチパネルのみでテンキーを省略した機種が多く、[[バリアフリー]]の障害となることが多い。
 
なおこれとは別に[[コンビニATM]]は、筐体(きょうたい)を小型化するためタッチパネルが垂直配置であり、狭隘(きょうあい)な店内において入力が盗み見られる事を防ぐため、[[テンキー]]が周囲を囲われた形状で、右下方に独立した機種への置き換えが進んでいる。また設置者によっては、画面の上に左右からの視野角を意図的に狭くする偏光フィルター膜や衝立を設置したり、バックミラーを設けて、背後に不審者がいないか確かめられるようにしたりするなど、上記のような入力を盗み見られる事件を防いでいるところもある。
 
;音声案内
前述の音声案内は、視覚障害者だけでなく[[健常者]]にとっても操作をサポートする役割を果たしているが、[[日本語]]の他に[[英語]]での案内も可能となっている機種を設置している金融機関もある。[[三菱UFJ銀行]]<ref group="注">[[日立オムロンターミナルソリューションズ|Leadus]]・[[日立製作所]]製の機械のみ</ref>と[[知多信用金庫]]([[愛知県]])、[[三井住友銀行]]のATMでは[[英語]]のみならず、[[ポルトガル語]]・[[中国語]]・[[朝鮮語]]の表示も可能となっている<ref group="注">三菱UFJ銀行[旧・[[東京三菱銀行]]の支店設置分]のATMJ製のATMは英語のみ</ref>。
 
=== 日本のATMの主要メーカー ===
* [[富士通フロンテック]](FUJITSU):[[富士通]]が金融端末部門を切り離し、その製造部門と旧富士通機電が統合した会社。販売は富士通が継続して行っている。
* [[沖電気工業]](OKI)
** [[イオン銀行]]向けのATMは、上記の[[富士通フロンテック]]のOEMではなく[[沖電気工業]]のOEMが導入されている。
* [[日立チャネルソリューションズ]](Leadus):[[日立製作所]]と[[オムロン]]が[[2004年]](平成16年)10月に合弁で設立し、両社の金融・現金処理業務向け端末部門を統合。後に、日立の完全子会社化。
* [[日本電気]](NEC)
 
かつては、[[東芝]]や[[ジェトロニクス]]日本法人、[[日本ATM]]等もATMを提供していた。
 
=== その他、雑学 ===
金融機関の窓口の代用として設置されたことが始まりであることから、日本のATMの脇には、金融機関窓口と同じように、紙幣袋(現金を持ち帰るための封筒)が設置されていることが多い。
なお、2020年現在、紙幣袋(現金袋)の据え置きを廃止する金融機関も現れている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/715182 |title=京銀と京信、現金封筒の設置終了へ 1月末、京都中信や滋賀銀はすでに終了 |publisher=京都新聞 |date=2022-01-20 |accessdate=2022-01-20}}</ref>。
 
日本では、経費削減を口実に、窓口業務をなるべくATMに移したり、[[インターネットバンキング]]の利用を促し、通帳を廃止するようもっていく動きがある。ATMそのものの設置台数や店舗の数を減らすことも行われている。
 
== 脚注 ==
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* [[入金機]]
* [[自動入出金機]]
* [[磁気カードシステム]] - 現金自動預け払い機の必須機能である磁気カードの誕生史実
* [[キャッシュアウト]]
* [[ATMの硬貨入出金口に使えない硬貨を誤って入れてしまった場合の挙動]] - 日本のATMにおいて、硬貨入出金口に使えない硬貨を誤って入れてしまった場合の挙動
 
== 外部リンク ==
* [http://100ginkou.jp/atms/ 全国銀行のATM - 最寄りのATMを探すサービス]
 
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[[Category:ATMネットワーク|*]]