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{{出典の明記|date=2019年12月29日 (日) 20:51 (UTC)}}
{{Infobox
| 作品名 = 羅小黒戦記
| 原題 =
| 画像 =
| 画像サイズ =
| 画像解説 =
| 監督 = {{仮リンク|MTJJ木頭|zh|木頭 (作者)}}
| 脚本 = MTJJ木頭<br>彭可欣<br>風息神泪
| 原案 =
| 原作 = MTJJ木頭
| 製作 =
| 製作総指揮 =
| ナレーター =
| 出演者 = '''中国語版''':<br>山新<br>郝祥海<br>劉明月<hr>'''日本語吹替版''':<br>[[花澤香菜]]<br>[[宮野真守]]<br>[[櫻井孝宏]]
| 音楽 = 孫玉鏡
| 主題歌 =
| 撮影 =
| 編集 =
| 制作会社 = 北京寒木春華動画技術有限会社
| 製作会社 = 北京寒木春華動画技術有限会社<br>北京基因映画影業有限公司<br>北京卓然影業有限公司
| 配給
| 公開
| 上映時間 = 101分
| 製作国 = {{CHN}}
| 言語 = [[普通話]]
| 製作費 =
| 興行収入 = {{flagicon|CHN}} 3.11億[[人民元|元]]<br />{{flagicon|JPN}} 4億3400万円<ref>『[[キネマ旬報]]』2021年3月下旬特別号 p.36</ref>
| 配給収入 =
| 前作 =
| 次作 =
}}
{{中華圏の事物
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|ピン音 = Luō xiǎo hēi zhàn jì
|カタカナ = ルォシャオヘイヂァンジー
|慣用読み = ロシャオヘイ
|英文 =
}}
『'''羅小黒戦記'''』(ロシャオヘイせんき、{{Lang-zh|c=罗小黑战记}}、{{拼音|Luō xiǎo hēi zhàn jì}}、英題:''The Legend of Hei'')は、[[中華人民共和国|中国]]の北京寒木春華動画技術有限会社(寒木春華スタジオ、通称HMCH)制作による2D[[アニメーション映画]]<ref name="animatetimes11176">{{Cite web|和書|url=https://www.animatetimes.com/tag/details.php?id=11176 |author= |title=羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来 - アニメ声優・映画・2022秋アニメ最新情報一覧 |website = アニメイトタイムズ|publisher = [[アニメイト]] |date = 2022-08-29|accessdate= 2023-01-08}}</ref><ref name="oricon2170419">{{Cite web|和書|url=https://www.oricon.co.jp/news/2170419/ |author= |title=中国のアニメ映画『羅小黒戦記』日本語吹替版が製作決定 出演は花澤香菜、宮野真守、櫻井孝宏 |date=2020-08-27 |accessdate= 2023-01-08|website= ORICON NEWS|publisher= [[オリコン]] }}</ref>。本作の[[監督]]でもある[[中国人]]クリエイター{{仮リンク|MTJJ|zh|木頭 (作者)}}の[[Webアニメ|WEBアニメ]]『[[羅小黒戦記]]』を原作とするアクション[[ファンタジー]][[アニメーション|アニメ]]<ref name="yahoo00156193">{{cite news |url=https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/e70c39345b2ecc7e61fcac94fb673014dfa82c0b |author=小新井涼 |title=今年下半期の密かな話題作:中国発劇場版2Dアニメ「羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)」とは |date =2019-12-25 |accessdate= 2023-01-08|publisher =[[読売新聞]]}}</ref><ref name="A0007647">{{Cite web|和書|url=https://www.cinematoday.jp/page/A0007647 |author= |title=日本でロングラン上映続く中国発のアニメ『羅小黒戦記』 映画ファンにすすめるアニメ映画|date=2021-01-30 |accessdate= 2023-01-08|website=[[シネマトゥデイ]]|publisher=株式会社シネマトゥデイ}}</ref>。
[[2019年]][[9月7日]]に中国で公開された<ref name="otapol81002">{{Cite web|和書|url=https://otapol.com/2019/10/post-81002.html |author= |title=中国アニメ『羅小黒戦記(罗小黑战记)』が大ヒット中 中国アニメが日本アニメを追い抜く日は近い【中国ニュース】 |date=2019-10-03 |accessdate= 2023-01-08 |website=おたぽる |publisher=[[サイゾー]]}}</ref>。[[日本]]でも[[ミニシアター]]での限定上映ながら、中国国内とほぼ同時期の同年9月20日に[[日本語]][[字幕]]版が公開された<ref name="itmedianews087">{{Cite web|和書|url=https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2008/27/news087.html |author=伊藤誠之介 |title=中国発のヒット映画「ロシャオヘイセンキ」の日本語吹替版が11月に公開 制作は『鬼滅の刃』を手掛けるアニプレックス|date=2020-08-27|accessdate= 2023-01-08|website= ITmedia NEWS|publisher= [[アイティメディア]]}}</ref>。[[2020年]][[11月7日]]には[[アニプレックス]]とチームジョイの共同[[映画配給|配給]]により、『'''羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来'''』(ロシャオヘイせんき ぼくがえらぶみらい)のタイトルで[[吹き替え#日本語|日本語吹替]]版が全国[[ロードショー (映画用語)|ロードショー]]された<ref name="N0118189">{{Cite web|和書|url=https://www.cinematoday.jp/news/N0118189 |author= |title=『羅小黒戦記』花澤香菜、宮野真守、櫻井孝宏が日本語吹替版に集結! 11月7日公開へ |date=2020-08-27 |accessdate= 2023-01-08|website=[[シネマトゥデイ]]|publisher=株式会社シネマトゥデイ}}</ref><ref name="natalie393772">{{Cite web|和書|url=https://natalie.mu/eiga/news/393772 |author= |title=中国アニメ「羅小黒戦記」吹替版に花澤香菜、宮野真守、櫻井孝 |date=2020-08-27 |accessdate= 2023-01-08|website= [[ナタリー (ニュースサイト)|映画ナタリー]]|publisher= 株式会社ナターシャ}}</ref>。
[[三部作]]が予定されており、2022年現在2作目が制作中とされている。
== 概要 ==
本作は、子猫の妖精・小黒(シャオヘイ)を主人公とする同名の短編連作Webアニメシリーズの前日譚として制作された劇場長編アニメ<ref name="itmedianews013">{{Cite web|和書|url=https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2005/22/news013.html |author=伊藤誠之介 |title=異例のロングランヒット、中国アニメ『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』の舞台裏に迫る中国アニメ『羅小黒戦記』ヒットの舞台裏 (1) |date=2020-05-21|accessdate= 2023-01-08|website= ITmedia NEWS|publisher= [[アイティメディア]]}}</ref>。同シリーズより4年前のシャオヘイの活躍が描かれている{{Efn2|この頃はまだ「羅」という苗字はついていない<ref>{{Cite web|和書|url=https://twitter.com/officia85728299/status/1181797199757246465 |title=小黒(シャオヘイ)はこの頃まだ「羅」という苗字がついてなく、四年後に、あの女の子に出会う |publisher=映画公式twitter |accessdate=2020-01-29}}</ref>。}}が、あくまで独立して楽しめる作品として制作されている<ref name="nw7923283">{{Cite web|和書|url=https://news.nicovideo.jp/watch/nw7923283 |author=金沢俊吾 |title=黒猫を愛でるためだけにアニメを観てもいいじゃないか! 日本でチケット売切が続出した中国発の劇場アニメ『羅小黒戦記』のことを語らせてほしい |date=2020-08-20 |accessdate= 2023-01-08|website= [[ニコニコニュース]]|publisher= [[ドワンゴ]]}}</ref>。
もともとは中国の[[漫画家]]・MTJJが[[FLASHアニメ]]として2011年3月から制作してきた作品で、[[Bilibili|ビリビリ動画]]にて再生回数が2億回を超える人気アニメに成長を遂げた<ref name="otapol81002"/><ref name="nataliepp_1">{{Cite web|和書|url=https://natalie.mu/eiga/pp/luoxiaohei-movie |author=金子恭未子 |title= 「羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来」特集 (1)|date=2020-11-18 |accessdate= 2023-01-08|website= [[ナタリー (ニュースサイト)|映画ナタリー]]|publisher= 株式会社ナターシャ}}</ref>。2015年には漫画化され、主人公である猫のキャラクター・シャオヘイも、そのキャラクター画像が[[微博]]などの[[SNSサイト]]のアイコンに使われるなど人気になっていたことで出資者が現れ、映画が制作されることになった<ref name="otapol81002"/><ref name="nataliepp_1"/>。
[[ハリウッド]]の大作以外の外国映画が日本で本国とほぼ同時期に公開されるのは極めて異例なことである<ref name="itmedianews013_2">{{Cite web|和書|url=https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2005/22/news013_2.html |author=伊藤誠之介 |title=異例のロングランヒット、中国アニメ『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』の舞台裏に迫る中国アニメ『羅小黒戦記』ヒットの舞台裏 (2) |date=2020-05-21|accessdate= 2023-01-08|website= ITmedia NEWS|publisher= [[アイティメディア]]}}</ref>。日本語字幕の作成や映倫(映画倫理機構)の手続きがあり、吹替版を作るとなるとさらに時間がかかるので、日本ではハリウッド映画であっても、公開が数か月から半年ほど遅れるのが一般的<ref name="itmedianews013_2"/>。しかも中国映画の場合、中国国内での公開が終わった後に[[カンヌ国際映画祭|カンヌ映画祭]]や[[ベルリン国際映画祭|ベルリン映画祭]]といった海外向けのフィルムマーケットに出品されてから交渉が始まるのが普通だが、配給会社のチームジョイは本作の出資者でもある中国のジョイ・ピクチャーズ(北京卓然影業有限公司){{Efn2|中国の民間の映画配給会社の中でトップ5に入る企業。}}が設立した日本法人であるため、事前に交渉することができた<ref name="itmedianews013_2"/>。
もともとは100万人いるとも言われる日本に住む[[華人]]・[[華僑]]{{Efn2|中国からやってきたビジネスマンや留学生。}}に中国の新作映画をいち早く届けることが狙いだったという<ref name="nataliepp_1"/><ref name="itmedianews013_2"/>。現代においては、たとえ海外に在住していてもSNSで中国大陸と直接つながっているので、中国国内で公開されて盛り上がっている映画の話題もリアルタイムで入ってくる。しかし、ネット配信は劇場公開から3か月ほど後になるため、中国国内にいる人々と感動を共有したりSNSにコメントしたりすることができない。そこで日本での配給を担当したチームジョイは、テストマーケティングとしてほぼ同時期の日本公開を決めた<ref name="itmedianews013_2"/>。またこの作品なら日本人にも受けるかもしれないという直感はあったので字幕も付けたが、上手く行かなければ最初のプラン通りに中国人だけをターゲットにして2、3週間で上映を終わろうと考えていた<ref name="itmedianews013_2"/>。
最初の上映では、観客の9割が中国人だったが、その後、ほとんどが日本人となった<ref name="itmedianews013_2"/>。チームジョイが日本人の観客が大勢見に来ていると気付いたのは上映から1週間後のこと。[[Twitter]]で本作に関する話題が増えてきたため、公式のアカウントを作って情報発信を始めるなど、草の根から盛り上げていく宣伝スタイルに切り替えた<ref name="itmedianews013_4">{{Cite web|和書|url=https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2005/22/news013_4.html |author=伊藤誠之介 |title=異例のロングランヒット、中国アニメ『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』の舞台裏に迫る中国アニメ『羅小黒戦記』ヒットの舞台裏 (4) |date=2020-05-21|accessdate= 2023-01-08|website= ITmedia NEWS|publisher= [[アイティメディア]]}}</ref>。Twitterも最初は中国人が担当していたので日本語がおかしかったため{{Efn2|逆に「カタコトの日本語がかわいい」と話題にもなった。}}、次に日本人スタッフが担当し、最後はプロのマーケティング会社に依頼するなど、プロモーションも段階的にグレードアップしていった<ref name="itmedianews004_3">{{Cite web|和書|url=https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2005/23/news004_3.html |author=伊藤誠之介 |title=『鋼の錬金術師』監督が語る、中国アニメ『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』ロングランヒットの訳 (3) |date=2020-05-22|accessdate= 2023-01-08|website= ITmedia NEWS|publisher= [[アイティメディア]]}}</ref>。当初、日本人の観客はあまり期待しておらず、最初の日本語字幕はとりあえず作ったものだったため、ファンからTwitterで「わかりにくい」と指摘され、1週間で修正した<ref name="itmedianews013_2"/><ref name="itmedianews013_3">{{Cite web|和書|url=https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2005/22/news013_3.html |author=伊藤誠之介 |title=異例のロングランヒット、中国アニメ『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』の舞台裏に迫る中国アニメ『羅小黒戦記』ヒットの舞台裏 (3) |date=2020-05-21|accessdate= 2023-01-08|website= ITmedia NEWS|publisher= [[アイティメディア]]}}</ref>。また[[パンフレット]]も中国には売る習慣がないので{{Efn2|映画パンフレットは日本独自の商習慣で、海外ではほとんど見られない。}}、公開から2、3週間経ってから作られた<ref name="itmedianews013_3"/>。
本作のテーマは現代社会の至るところで起こる争いとその解決の困難さに通底しており、善と悪という単純な対立構造ではなく、それぞれが信じる正義を闘わせるムゲンとフーシー、彼らの間で揺れるシャオヘイの心情を通して自然と人間の共存という普遍的なテーマが描かれている<ref name="nataliepp_1"/>。
[[3DCG]]アニメが主流の中国アニメ業界にあって、本作は手描きの2Dアニメとして制作されている<ref name="nataliepp_1"/><ref name="itmedianews013_3"/>{{Efn2|中国では2010年代後半以降、多くのアニメ映画が作られて国内では日本のアニメやハリウッド映画を上回るほど大ヒットしているが、その大半は3DCGアニメで、アニメーションの制作は完全にそちらにシフトしている<ref name="itmedianews013_3"/>。}}。また、それまでの中国製2Dアニメが実際は日本人[[アニメーター]]や日本の[[アニメ制作会社]]により制作されていることが多かったのに対し、本作は監督をはじめとする20代、30代の若手中国人クリエイター達が手掛けた、原作からアニメーション制作まで全てが中国で生み出された中国映画ということも特筆すべき点である<ref name="yahoo00156193"/><ref name="itmedianews013"/>。
== あらすじ ==
[[人間]]たちには知られていないが、この世界には'''[[妖精]]'''が存在し、人間から正体を隠し、あるいは人里離れて暮らしていた。しかし、人間たちの自然破壊によって彼らの多くが居場所を失っていた。
人間の森林開発により住処を奪われた黒猫の妖精・'''小黒'''(シャオヘイ)は、子どもながらにひとり居場所を探して旅に出た。ある時、人間に襲われて危険に陥った小黒に救いの手を差し伸べたのは、人間嫌いの妖精・'''風息'''(フーシー)だった。フーシーはシャオヘイを仲間に加え、隠れ家の島へと案内する。シャオヘイは故郷の森に似たその島でフーシーの仲間の妖精たちと新たな生活を始める。しかし、安息の場所を手に入れたのもつかの間、島に人間でありながら最強の執行人の'''無限'''(ムゲン)が現れる。フーシーたちの不穏な動きを察知して捕えにきたムゲンは、ひとり取り残されたシャオヘイに「館まで連行する」と告げる。
シャオヘイが捕獲対象ではなかったと気づいたムゲンは、詫びとして異能力の扱いかたを教えると申し出る。その申し出を利用し逃げようとするシャオヘイだが、幾度となく捕まり逃走は果たせない。しかし互いに誤解と不信感からはじまった両者の関係は、ふたりで旅を続け小黒が徐々に世界の広さを知るにつれて変化していく。
一方、逃れたフーシーとその仲間たちはシャオヘイの奪還を誓い、かねてから計画していた"ある作戦"を実行に移そうとしていた。
== 登場人物 ==
53 ⟶ 76行目:
=== 主要人物 ===
;シャオヘイ / 小黒
:声 - 山新 / [[花澤香菜]]<ref name=":0">{{Cite web|和書|title=映画 『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来』 公式サイト|url=https://luoxiaohei-movie.com/|website=luoxiaohei-movie.com|accessdate=2020-11-24|language=ja|first=Aniplex|last=Inc}}</ref>
:主人公。霊から生まれた[[黒猫]]の妖精。6歳。<!--この特性は本作に一貫したシャオヘイの特性とは言えないためコメントアウトします。出典からも確認できません。〔人間が嫌いで〕-->物事をまっすぐに受け止めることができる素直な性格の持ち主<ref name=":0" />。人間の
::''御霊系 / 金'':金属を操ることができる
::''空間系 / 領界''(原語:領域)<ref>{{Cite web
::''空間系 / テレポート''(原語:傳送)
;ムゲン / 無限
68 ⟶ 91行目:
::''御霊系 / 木'':植物の成長や変異をコントロールする事ができる。
::''生霊系 / 強奪'':他者の能力を奪うことができる。同様の能力の中でもっとも強力である。能力を奪われた場合再び鍛錬次第で使えるようになるが、空間系に限っては同時に霊域も失ってしまうため、死に至る。
=== 旅の仲間 ===
;ロジュ / 洛竹
:声 - 叮当 / [[松岡禎丞]]
92 ⟶ 116行目:
::''御霊系 / 火''
::''生霊系 / 幻化''
::''鎖御系 / 霊御、藕覇''<ref>{{Cite web
;シュイ / 若水
:声 - 杨凝 / [[豊崎愛生]]<ref name=":0" />
:執行人の一人。狐の妖精。人間に友好的で、ムゲンのファン<ref name=":0" />。怪力<ref>{{Cite web
;キュウ爺 / 鳩老
:声 - 陈思字 / [[チョー (俳優)|チョー]]
101 ⟶ 125行目:
;パンジン / 潘靖(館長)
:声 - 李璐 / [[大塚芳忠]]
:妖精館の龍游支部、館長。能力は心霊系の伝音など。龍游にいる執行人に情報を伝達できる。人間と妖怪の共存のために働く<ref name=":0" />。趣味は音楽を聞くこと<ref>{{Cite web
;カンセン / 冠萱
:声 - 薛成 / [[佐原誠]]
111 ⟶ 135行目:
:回復能力を持つ。
;ソウ / 大爽
:避難担当。人間。能力は空間系の「転送」。位置情報で他者を一度に任意の場所に転送できる(ただし霊力が低い生命体のみ)<ref>{{Cite web
;ジャオユエ / 兆岳
:声 - 邢子皓 / [[佐々木義人 (声優)|佐々木義人]]
140 ⟶ 164行目:
:龍游に住む花の妖精。花屋で働いている<ref>{{Cite web |url=https://www.weibo.com/3175924975/I87wChtom?from=page_1002063175924975_profile&wvr=6&mod=weibotime&type=comment |title=他认识了紫罗兰。 |publisher=映画公式微博 |accessdate=2020-01-29}}</ref>。
==
=== 能力 ===
霊域が司る能力。6つの体系に分類され、各体系からさらに各属性・能力に分かれる。
164 ⟶ 189行目:
:
=== その他の用語 ===
; 館
: 妖精によって運営される妖精のための組織。
174 ⟶ 199行目:
== スタッフ ==
* 原作・監督 - MTJJ
* プロデューサー - 叢芳氷、馬文卓
192 ⟶ 216行目:
* 配給 - [[アニプレックス]]、チームジョイ
== 制作 ==
Webアニメシリーズとして発表された原作が中国国内で高い人気を獲得したことを受け、映画が制作された<ref name="A0007647"/><ref name="itmedianews087"/>。また日本でも、限定公開された字幕版の高い人気に後押しされて、[[アニプレックス]]をパートナーとして吹替版が制作されて全国公開された<ref name="oricon2170419"/><ref name="nataliepp_1"/>。
== 音楽 ==
日本語吹替版の主題歌「'''Unity'''」をこの曲がメジャーデビューとなる[[LMYK]]が歌っている<ref name="natalie398848">{{Cite web|和書|url=https://natalie.mu/eiga/news/398848 |author= |title=中国アニメ「羅小黒戦記」吹替版の本予告公開、主題歌はLMYK |date=2020-10-09 |accessdate= 2023-01-08|website= [[ナタリー (ニュースサイト)|映画ナタリー]]|publisher= 株式会社ナターシャ}}</ref>。プロデュースは、[[ジャネット・ジャクソン]]や[[宇多田ヒカル]]を手がけたチーム、[[Jimmy Jam and Terry Lewis]]が担当<ref name="natalie398848"/>。
また中国語オリジナル版の映画プロモーション曲は、[[周深]]が歌う「'''不再流浪'''」。
*「'''不再流浪'''」
*「'''Unity'''」(作詞:[[LMYK]]、作曲:LMYK、John Jackson、編曲:[[Jimmy Jam and Terry Lewis]]、John Jackson)
== 公開 ==
中国では2019年9月4日に公開され、中国国内だけで3.1億元(約48億円)の興行収入を記録した<ref name="itmedianews010">{{Cite web|和書|url=https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2005/25/news010.html |author=伊藤誠之介 |title=中国産CGアニメがディズニーやピクサーを駆逐する―市場規模1兆円「中国映画ビジネス」の帰趨 (1) |date=2020-05-26|accessdate= 2023-01-08|website= ITmedia NEWS|publisher= [[アイティメディア]]}}</ref>。
日本では、中国から2週間遅れの同年9月20日に上映がスタート<ref name="itmedianews087"/>。公開当初は[[池袋HUMAXシネマズ]]単館での10日間限定上映であったが、日本のアニメ業界の関係者がSNSで話題にしたことをきっかけに口コミで人気が広がり、連日チケットが完売<ref name="yahoo00156193"/><ref name="itmedianews087"/>。上映延長を経て、公開終了後も[[首都圏 (日本)|首都圏]]から[[大阪]]、[[名古屋市|名古屋]]、[[札幌市|札幌]]など日本各地のミニシアターに公開劇場を拡大<ref name="yahoo00156193"/><ref name="itmedianews013"/>。2020年4月に[[新型コロナウイルス感染症 (2019年)|新型コロナウイルス]]による映画館の営業自粛で1か月の中断があったものの、約1年間のロングランヒットを記録した<ref name="itmedianews087"/><ref name="natalie454580">{{Cite web|和書|url=https://natalie.mu/eiga/news/454580 |author= |title=羅小黒戦記フェアが新宿で開催、オリジナルグッズ多数販売 |date=2021-11-22 |accessdate= 2023-01-08|website= [[ナタリー (ニュースサイト)|映画ナタリー]]|publisher= 株式会社ナターシャ}}</ref>。
日本での人気に後押しされる形で制作された日本語吹替版は2020年11月7日に全国公開され、公開から86日となる2021年1月31日までに観客動員数約32万人、興行収入約5億円を記録した<ref name="N0121479">{{Cite web|和書|url=https://www.cinematoday.jp/news/N0121479 |author= |title=『羅小黒戦記』吹替版が興収5億円を突破! 口コミでロングランヒット |date=2021-02-03 |accessdate= 2023-01-08|website=[[シネマトゥデイ]]|publisher=株式会社シネマトゥデイ}}</ref>。
== 評価 ==
キャラクターなどから受ける印象はほのぼのとしたファミリー向け作品の雰囲気だが、スピーディーなアクションによるバトルシーンなども盛り込まれ、エンターテインメントとしてハイレベルな作りになっている<ref name="itmedianews013"/>。
日本でも、物語に絶妙に編み込まれた大迫力のアクションシーンと小気味よいギャグ、作品の繊細な表現、日常のしぐさなどの丁寧なアニメーションの演出、水や炎などのエフェクト作画に、[[入江泰浩]]、[[亀田祥倫]]、[[井上俊之]]などの日本のアニメ界を代表するクリエイターたちから称賛の声が上がった<ref name="nataliepp_1"/><ref>{{Cite web|和書|url= https://wp-manage.tbsradio.jp/534291|author= |title=花澤香菜も登場! 中国アニメ大作「羅小黒戦記」のここがスゴい【神アニメーター・井上俊之の分析も】|date= 2020-11-03|accessdate= 2023-01-08|website=|publisher=[[TBSラジオ]]}}</ref><ref>{{cite web |url=http://j.people.com.cn/n3/2020/0904/c206603-9753405.html|author= |title=「羅小黒戦記〜ぼくが選ぶ未来〜」が11月に日本で公開|date=2020-09-04|accessdate= 2023-01-08|website= |publisher=[[人民網]]日本語版}}</ref>。入江は「とてもシンプルな線のキャラクターデザインで、存分に動かすという方向に舵を大きく切ったタイプ。比較的線の多い日本のアニメーションや、中国で最近作られるようになった日本的なアニメーションとは違う、むしろ欧米の美術学校の学生たちが作った映像に近いという印象を覚えた」と評している<ref name="itmedianews004">{{Cite web|和書|url=https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2005/23/news004.html |author=伊藤誠之介 |title=『鋼の錬金術師』監督が語る、中国アニメ『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』ロングランヒットの訳 (1) |date=2020-05-22|accessdate= 2023-01-08|website= ITmedia NEWS|publisher= [[アイティメディア]]}}</ref>。井上は「そのアクションのアイデア、圧巻のカメラワーク、[[宮崎駿|宮崎]]アニメに通じる気持ち良い動きのリズム、痺れるほどにかっこいい」とコメントを寄せている<ref name="N0114247">{{Cite web|和書|url=https://www.cinematoday.jp/news/N0114247 |author= |title=中国発アニメ『羅小黒戦記』が熱い! 口コミで人気広がる |date=2020-02-20 |accessdate= 2023-01-08|website=[[シネマトゥデイ]]|publisher=株式会社シネマトゥデイ}}</ref>。
監督のMTJJは日本のアニメから受けた影響を公言しており、日本のアニメ作品を思わせるシーンが数多く見受けられるが、同時に[[中国神話]]や[[武侠小説|武侠]]作品などの影響も大きい<ref name="nataliepp_1"/>。日本のアニメだけでなく、欧米の[[カートゥーン]]、ゲームのモーションやカメラワークなど、世界各国の様々なコンテンツの影響を随所に感じさせる一方で、それらの影響が模倣やモザイクアート的に見えず、オリジナリティを強烈に感じさせる作品となっている<ref name="yahoo00156193"/>。アクションシーンは日本のアニメ『[[NARUTO -ナルト- (アニメ)|NARUTO -ナルト-]]』の影響を感じさせるが、日本のアニメ同様、スタッフが幼い頃から見てきたであろう中国の[[アクション映画]]の系譜の上にもあり、それらをミックスしたものとなっている<ref name="itmedianews004_2">{{Cite web|和書|url=https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2005/23/news004_2.html |author=伊藤誠之介 |title=『鋼の錬金術師』監督が語る、中国アニメ『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』ロングランヒットの訳 (2) |date=2020-05-22|accessdate= 2023-01-08|website= ITmedia NEWS|publisher= [[アイティメディア]]}}</ref>。
ストーリーに関しては、日本のアニメーションよりもアメリカの[[マーベル・シネマティック・ユニバース|マーベル]]のヒーロー映画の[[プロット (物語)|プロット]]の立て方を参考にしているところがあり、観客に対してどういうタイミングで情報を開示していくのかなど、しっかりした[[メソッド]]に沿って作られている<ref name="itmedianews004_2"/>。
== 映像ソフト ==
{| class="wikitable" style="font-size:small"
|-
! style="width:15em;"| タイトル
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! 規格
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! 備考
|-
| '''羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来''' (通常版)
| rowspan=2|2021年7月9日
| [[DVD]]<br>[[Blu-ray Disc|BD]]
| ANSB-14025<br>ANZB-14025
|日本語吹替版と中国語オリジナル音声を収録<ref name="natalie425128">{{cite web|url=https://natalie.mu/eiga/news/425128 |author= |title=中国アニメ「羅小黒戦記」ソフト化、日本語吹替版と中国語オリジナル音声をW収録 |date=2021-04-20 |accessdate= 2023-01-08|website= [[ナタリー (ニュースサイト)|映画ナタリー]]|publisher= 株式会社ナターシャ}}</ref>。
|-
| '''羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来''' (完全生産限定版)
| DVD+CD<br>BD+CD
| ANZB-14025<br>ANZX-14025
|中国語オリジナル音声版(日本語字幕)の劇場公開時に使用された全3種類の字幕を再現収録<ref name="natalie425128"/>{{Efn2|一部の環境依存文字を除く。}}。
|}
== テレビ放送 ==
2022年10月7日から11月4日まで、劇場版を[[ディレクターズ・カット]]版として全5話に分割し、新規描き下ろしも追加したテレビ放送版がテレビ放送された<ref name="natalie491297">{{Cite web|和書|url=https://natalie.mu/comic/news/491297 |author= |title=アニメ「万聖街」11月11月に放送開始、「羅小黒戦記」TV放送版の放送も決定 |date=2022-08-27 |accessdate= 2023-01-08|website= [[ナタリー (ニュースサイト)|コミックナタリー]]|publisher= 株式会社ナターシャ}}</ref>。[[ローカル局]]により関東の一部地域で[[地上波放送]]されたほか、[[BS放送]]の[[日本BS放送|BS11]]では[[全国放送]]された<ref name="natalie491297"/>。
また同年12月31日には、BS11において劇場版も放送された<ref>{{Cite web|和書|url=https://natalie.mu/eiga/news/507298 |author= |title=「羅小黒戦記」劇場版「うた☆プリ」「映画大好きポンポさん」がBS11で放送 |date=2022-12-30 |accessdate= 2023-01-08|website= [[ナタリー (ニュースサイト)|映画ナタリー]]|publisher= 株式会社ナターシャ}}</ref>。
{{放送期間
| 放送期間 | 放送時間 | 分類 | 放送局 | 対象地域
| 2022年10月7日 - 11月4日| 土曜 0:00 - 0:30(金曜深夜) | [[東京メトロポリタンテレビジョン|TOKYO MX]] | [[東京都]] |
| | | [[とちぎテレビ]] | [[栃木県]] |
| | | [[群馬テレビ]] | [[群馬県]] |
| | | [[日本BS放送|BS11]] | [[全国放送|日本全域]] | [[日本における衛星放送#BSデジタル放送|BS放送]]
| ref={{Cite web|和書|url=https://luoxiaohei-movie.com/onair/|title=オンエア|website=映画 『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来』 公式サイト|accessdate=2022-12-04}}
| refname=onair
}}
== 脚注 ==
=== 注釈 ===
{{Reflist|group="注"|2}}
=== 出典 ===
{{Reflist|2}}
== 外部リンク ==
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*
* {{Twitter|heicat_movie_jp|劇場アニメ『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』}}
*
* {{Facebook|heicatjapan|劇場アニメ『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』}}
* {{Bilibili account|5632230|罗小黑战记}}
* {{YouTube|handle = luoxiaohei|羅小黑戰記}}{{Zh icon}}
* {{Official|https://www.weibo.com/luoxiaohei|公式微博:罗小黑CAT (「羅小黒戦記」シリーズ公式Weibo)}}{{Zh icon}}
* {{Official|https://www.weibo.com/luoxiaoheimen|公式微博:电影罗小黑战记 (劇場版「羅小黒戦記」公式Weibo)}}{{Zh icon}}
* {{Twitter|lxhcat|羅小黑CAT}}{{Zh icon}}
* {{IMDb title|tt10734928|The Legend of Hei}}
{{前後番組
| 放送局 = [[東京メトロポリタンテレビジョン|TOKYO MX]]
| 放送枠 = 土曜 0:00 - 0:30(金曜深夜)枠
| 番組名 = TV放送版「羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来」<br>(2022年10月7日 - 11月4日)
| 前番組 = [[シャドーハウス|シャドーハウス 2nd season]]<br>(2022年7月9日 - 9月24日)
| 次番組 = TVアニメ「[[万聖街]]」日本語吹替版<br>(2022年11月11日 - 12月16日)
}}
{{デフォルトソート:ろしやおへいせんきえいか}}<!--[[羅小黒戦記]]立項に備え「えいか」を追加-->
[[category:アニメ作品 ろ|しやおへいせんきえいか]]
[[Category:中国のアニメ映画]]
[[Category:2019年のアニメ映画]]
[[Category:
[[Category:中国を舞台とした映画作品]]
[[Category:ファンタジーアニメ映画]]
[[Category:冒険アニメ映画]]
[[Category:アクションアニメ]]
[[Category:ネコを主人公としたアニメ映画]]
[[Category:化け猫を題材にした作品]]
[[Category:妖精を題材としたアニメ作品]]
[[Category:妖怪を題材としたアニメ映画]]
[[Category:アニプレックスのアニメ映画]]
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