「マイケル・モンスーア」の版間の差分

{{Infobox military person

|name= マイケル・A・モンスーア

モンスーアは死後、名誉勲章を授与され、2008年4月8日、[[ジョージ・W・ブッシュ]]大統領からモンスーアの両親に贈られた。[[ズムウォルト級ミサイル駆逐艦]]の2番艦である[[マイケル・モンスーア (ミサイル駆逐艦)|マイケル・モンスーア]] (USS Michael Monsoor DDG-1001）もまた、彼の名誉のために命名された。

 

1981年4月5日、[[カリフォルニア州]] [[ロングビーチ (カリフォルニア州)|ロングビーチ]]で、サリー・アン（ボイル）とジョージ・ポール・モンスーアの4人兄弟の3番目として生まれた<ref name=bookref1>{{cite book|author=Kathy Chellevold|title=Foley-Folan family history in the United States of America|url=https://books.google.com/books?id=l5lMAAAAMAAJ|date=January 1, 2005|publisher=Kathy Chellevold|isbn=9780977700721}}</ref>。父親も[[アメリカ海兵隊|海兵隊]]員として米軍に所属していた<ref name="Perry, Tony 2008">Perry, Tony, "Destroyer To Bear O.C. SEAL's Name", ''[[Los Angeles Times]]'', October 30, 2008, p. B2.</ref>。父親はレバノン系と[[アイルランド系アメリカ人|アイルランド系]]、母親はアイルランド系<ref name=bookref1/><ref name="muslim">{{cite news|url=https://www.nytimes.com/2009/11/09/us/09muslim.html?_r=3&pagewanted=2&th&emc=th|title=Complications Grow for Muslims Serving in U.S. Military |last=Elliott|first=Andrea|date=November 8, 2009|work=The New York Times|access-date=March 30, 2010}}</ref>。子供の頃、モンスーアは[[喘息]]に悩まされていたが、家のプールで兄弟と競争することで肺を鍛えた。カリフォルニア州[[ガーデングローブ (カリフォルニア州)|ガーデングローブ]]にあるウォルター・C・ラルストン中級学校とガーデングローブ高校に通い、同校の[[アメリカンフットボール|フットボール]]チームで[[タイトエンド]]を務め、1999年に卒業<ref name="LATimes">{{cite news |url=http://articles.latimes.com/2008/apr/01/local/me-moh1 |access-date=September 18, 2008|author=Perry, Tony|title=Sailor Killed in Iraq Awarded Medal of Honor|work=[[Los Angeles Times]]|date=April 1, 2008

|page=1}}</ref><ref name=NYT_Abruzzese>{{cite news|author=Abruzzese, Sarah|title=Bush Gives Medal of Honor To Slain Navy Seals Member|work=[[New York Times]]|date=April 9, 2008}}</ref>。

 

[[File:Endurance training -- August 2004.jpg|thumb|right|2004年8月、SEAL訓練中のモンスーア（右下隅)]]

モンスーアは2001年3月24日に[[アメリカ海軍]]に入隊し、[[イリノイ州]]グレートレイクの新兵訓練司令部で基礎訓練を受けた。基礎訓練卒業後、マスター・アット・アームズ "A "スクールに通う。基礎水中解体／特殊部隊（BUD/S）訓練に入り、2004年9月2日、クラストップの成績でクラス250を卒業<ref name=Bio>{{cite news |url=http://northshorejournal.org/medal-of-honor-winner-monsoor-bio |title=Medal of Honor Winner Monsoor Bio |date=April 1, 2008 |work=North Shore Journal}}</ref>。BUD/S訓練終了後、Basic Airborne Schoolでの[[パラシュート]]訓練、[[アラスカ州]]コディアックでの寒冷地[[戦闘]]訓練、カリフォルニア州[[コロナド (カリフォルニア州)|コロナド]]での6カ月にわたるSEAL資格訓練を含むSEAL上級訓練コースを修了し、2005年3月に卒業。翌月、クォーターマスターからマスター・アット・アームズに階級が変更され、SEALチーム3のデルタ小隊に配属された<ref name="Perry, Tony 2008"/><ref name=Bio/>。

 

[[File:Monsoor.jpg|left|thumb|alt=Michael Monsoor, a U.S. Navy SEAL, with a fellow SEAL teammate, dressed in green camouflage uniform loaded with green combat uniforms. Both are carrying firearms and wearing sunglasses. There is a white-colored building and green smoke billowing in the background|イラクでのモンスーア　(2006年).]]

[[ラマディ]]の戦いの最中、シールズ・チーム3は2006年4月に[[イラク]]のラマディに派遣され、[[イラク陸軍]]兵士の訓練を担当した。パトロールでは通信手兼機関銃手として、モンスーアはしばしば37[[セルシウス温度|℃]]を超える気温の中、45&nbsp;kgの装備を担いだ。彼は、正面からの攻撃から小隊を守るために先頭に立ち、チームは反乱軍の戦闘員との交戦にたびたび巻き込まれた。派遣開始から5ヶ月間、チーム3のその小隊はラマディの東側にあるキャンプ・コレヒドールに配属され、当時のセス・ストーン中尉が指揮を執った。

2006年5月9日の交戦中、モンスーアは負傷した仲間を救出するため、反乱軍の絶え間ない銃撃を受けながら通りに飛び出した。モンスーアはこの行動により[[シルバー・スター]]を授与され<ref name="LATimes"/><ref name=MT_Fuentes>{{cite news|author=Fuentes, Gidget|title=Selfless act merits 1st SEAL MoH of Iraq war|work=[[Military Times]]|date=March 25, 2008}}</ref>、イラクでの功績により[[青銅星章]]も授与された<ref name="NYT_Abruzzese"/>。

 

 

 

モンスーアは、彼を知る人々から「静かなプロフェッショナル」で「楽しいことが大好きな男」と評された。彼はサンディエゴのフォート・ローズクランズ国立墓地に埋葬されている<ref name="LATimes"/>。

 

葬儀の最中、棺が霊柩車から墓場へと移動する際、ネイビーシールズは、棺が中央を移動する中、喪主のルートの両側に二人一組の列を作って並んだ。棺が各シールズの前を通り過ぎるとき、彼らはそれぞれ自分のユニフォームから外した金の[[特殊戦章|トライデント]]を叩きつけ、木製の棺に深く埋め込んだ<ref name="Downey">{{cite news|url=http://www.foxnews.com/story/0,2933,376243,00.html|title=A Fitting Tribute to a Slain Navy SEAL Gains Attention|last=Downey|first=Elizabeth|date=July 4, 2008|publisher=[[Foxnews.com]]|access-date=October 31, 2008|archive-url=https://web.archive.org/web/20120418023426/http://www.foxnews.com/story/0,2933,376243,00.html|archive-date=April 18, 2012|url-status=dead}}</ref>。

 

 

{| style="margin:1em auto; text-align:center;"

|colspan="3"|[[File:United States Navy Special Warfare insignia.png|200px]]

|colspan="3"|[[シルバースター]]

|-

|colspan="2"|[[パープルハート章|名誉戦死傷章]]

|colspan="2"|[[戦闘行為章]]

|colspan="2"|[[海軍善行章]]

|colspan="2"|[[国土防衛従軍章]]

|-

|colspan="2"|[[世界対テロ戦遠征章]]

|colspan="2"|[[海上サービス展開リボン]]

|-

|colspan="2"|[[Navy Expert Pistol Shot Medal]]

|-

|-

|}

※賞・勲章名は、それぞれ直訳

 

[[File:George and Sally Monsoor receive Michael Monsoor's Medal of Honor with George W. Bush.jpg|thumb|ジョージ・W・ブッシュ大統領からマイケル・モンスーアの名誉勲章を授与されるサリー＆ジョージ・モンスーア夫妻]]

2008年3月31日、[[アメリカ国防総省]]は、モンスーアが死後に[[名誉勲章]]を受章することを確定した<ref>{{cite news |title = Medal of Honor for Navy Officer in Iraq |author= The Associated Press |work = New York Times |date =April 1, 2008 |url = https://www.nytimes.com/2008/04/01/world/middleeast/01briefs-MEDALOFHONOR_BRF.html?_r=1&scp=1&sq=Michael+A.+Monsoor&st=nyt&oref=slogin |access-date =April 2, 2008}}</ref>。モンスーアの両親であるサリー・モンスーアとジョージ・モンスーアは、4月8日に[[ホワイトハウス]]で行われた大統領主催の式典で、モンスーアに代わって勲章を受け取った<ref name=WhiteHouse>{{cite press release|url=https://georgewbush-whitehouse.archives.gov/news/releases/2008/04/20080408-3.html |title=President Bush Attends Medal of Honor Ceremony for Petty Officer Michael A. Monsoor, U.S. Navy |author=Office of the Press Secretary

|date=April 8, 2008|publisher=The White House, George W. Bush}}</ref>。モンスーアは、[[対テロ戦争]]中に米国最高の軍事賞を受賞した4人目の米国軍人と2人目の海軍特殊部隊員（それぞれ殉職）となった。

 

[[File:Michael A. Monsoor - Medal of Honor 080314-N-3404S-115.jpg|100px|right|thumb|upright|海軍特殊戦(SEAL)のトライデントと一緒に写るマイケル・A・モンスーアの名誉勲章]]

 

{{blockquote|2006年9月29日、[[アラビア半島]] [[Navy SEALs|海軍特殊戦機動部隊]]の自動小銃手として、[[イラク]]自由作戦を支援した際、任務の範囲を超えて命を懸けた勇敢な行動に対して。シールズと[[イラク陸軍]]の[[スナイパー]]を組み合わせた監視部隊の一員として、イラクの[[ラマーディー|アル・ラマディ]]の反乱軍が掌握する区域で、屋上から早期警戒と待機防御を提供する任務を負っていたモンスーア兵曹は、重大な危機に直面した際、並外れた勇敢さで功績を挙げた。早朝、反乱軍はエレメントの陣地周辺を偵察し、組織的な攻撃を行う準備をしていた。エレメントの狙撃兵は2人の反乱軍を排除し、敵の最初の試みを阻止した。敵はエレメントを攻撃し続け、[[RPG (兵器)|RPG]]と[[小火器]]で交戦した。敵の活動が活発化する中、モンスーア兵曹は屋根の露頭にいる2人のチームメイトの間に[[機関銃]]を構えて陣取った。シールズ隊員が敵の動きを警戒している間に、反乱軍が見えない場所から[[手榴弾]]を投げ、それがモンスーア兵曹の胸で跳ね返って目の前に着弾した。爆風から逃れることができたのは自分だけだったが、モンスーア兵曹は代わりにチームメイトを守ることを選んだ。自分の身の危険を顧みず、即座に手榴弾の上に覆いかぶさり爆発の力を体で吸収し、2人のチームメイトの命を救ったのだ。確実な死に直面しながらも、臆することのない勇気、闘志、揺るぎない職務への献身によって、モンスーア兵曹は勇敢にも祖国のために命を捧げ、それによって自らの名誉を大いに高め、[[米国海軍]]の最高の伝統を守った<ref name=MoH>{{cite web | title = MA2 Michael A. Monsoor, USN | publisher = [[United States Navy]] | url = https://www.navy.mil/ah_online/moh/monsoor.html | access-date =20 February 2020 }}</ref><ref name=TheHallOfValorMoH>{{cite web | title = Michael A. Monsoor | publisher = Military Times | url = https://valor.militarytimes.com/hero/2377 | access-date =February 20, 2020 }}</ref>。}}

 

{{blockquote|2006年5月9日、イラク解放作戦を支援するアラビア半島海軍特殊戦任務群ラマディ・タスクユニットの海・空・陸チーム3（SEAL-3）の小隊機関銃手として、敵に対して行動した際、際立った勇敢さに対して。モンスーア兵曹は監視部隊の小隊機関銃手として、対反乱作戦中のイラク陸軍旅団の警備にあたった。救出に向けて移動中、イラク陸軍と海軍特殊戦の監視チームは敵の効果的な自動小銃射撃を受け、シールズ1名が負傷した。モンスーア下士官は直ちに、自らの安全を完全に無視し、制圧射撃を行うために敵の激しい砲火に身をさらし、負傷したシールズの位置まで移動した。彼は効果的な制圧射撃を続けると同時に、負傷したシールズを安全な場所まで引きずり出した。モンスーア兵曹は、負傷したシールズが脚の戦術的傷害治療を受ける間、制圧射撃を続けた。また、負傷したチームメイトを高機動多目的車に乗せて避難させるのを手伝い、戦闘に復帰した。モンスーア兵曹は、その果敢な行動力、臆することのない勇気、任務への完全な献身により、自らの名誉を大いに高め、米国海軍の最高の伝統を守った<ref name=Silver>{{cite web | title = Silver Star Citation for MA2 Monsoor | publisher = [[United States Navy]] | url = https://www.navy.mil/ah_online/moh/images/monsoor/silver.pdf | access-date =22 February 2020 }}</ref><ref>{{cite web | title = U.S. Navy Recipients of the Silver Medal for Actions Since September 11, 2001 | publisher = [[United States Department of Defense]] | url = https://valor.defense.gov/Recipients/Navy-Silver-Star/ | access-date =February 22, 2020 }}</ref>。}}

 

{{blockquote|2006年4月から9月まで、イラク・ラマディのタスクユニット、アラビア半島海軍特殊戦タスクグループのコンバット・アドバイザーとして、イラク自由作戦を支援し、敵との戦闘作戦に関連した英雄的功績に対して。11回の作戦で、モンスーア兵曹は激しい敵の砲火に身をさらしながら、制圧射撃で味方を守った。彼は集中した決意と驚異的な戦術認識で、混乱した状況を積極的に安定させた。反乱軍が小火器やロケット弾でチームを攻撃するたびに、彼は素早く状況を判断し、敵の攻撃に対抗する最善の行動方針を決定し、最善の戦術的優位を得るための計画を実行した。彼の無私、果断、英雄的な行動により、25人の敵が死亡し、チームメイト、他の連合軍、イラク軍兵士の命が救われた。並外れた指導力、熱心な率先力、職務への献身により、モンスーア兵曹は自らの名誉を大いに高め、米国海軍の最高の伝統を守った<ref name=Bronze>{{cite web | title = Bronze Star Citation for MA2 Monsoor | publisher = [[United States Navy]] | date =3 October 2006 | url = http://www.navy.mil/moh/Monsoor/bronze.pdf | access-date =10 August 2009 | url-status = dead | archive-url = https://web.archive.org/web/20090807100824/http://www.navy.mil/moh/Monsoor/bronze.pdf | archive-date =7 August 2009 }}</ref>。}}

 

2011年、[[アメリカ合衆国退役軍人省]]は、ミラマー国立墓地にある最初の3つの通りの1つに彼の名を冠し、モンスーアを称えた<ref>{{cite news |title=Monsoor Avenue, Krulak Way at new vets cemetery |author=Jeanette Steele |url=http://www.utsandiego.com/news/2011/mar/01/monsoor-avenue-krulak-way-new-vets-cemetery/ |newspaper=[[San Diego Union Tribune]] |date=March 1, 2011 |access-date=February 24, 2012}}</ref>。

 

2008年10月、ドナルド・ウィンター[[アメリカ合衆国海軍長官|海軍長官]]は、[[ズムウォルト級ミサイル駆逐艦]]の2番艦を、モンスーア兵曹に敬意を表して[[マイケル・モンスーア (ミサイル駆逐艦)|マイケル・モンスーア]]（DDG-1001）と命名すると発表した<ref>{{cite press release | title = SECNAV Names New Zumwalt-Class Destroyer USS Michael Monsoor | publisher = [[United States Department of Defense]] | date =October 30, 2008 | url = http://www.defenselink.mil/releases/release.aspx?releaseid=12320 | access-date =October 31, 2008}}</ref>。

 

[[サンディエゴ]]の東約50マイル（80キロ）に位置するシールズ訓練施設は、"山岳戦訓練キャンプ マイケル・モンスーア"と改名された<ref>{{cite web |title=Department of the Navy Fiscal Year (FY) 2019 Budget Estimates – Justification of Estimates February 2018 |url=https://www.secnav.navy.mil/fmc/fmb/Documents/19pres/MCON_Book.pdf |access-date=February 22, 2020}}</ref>。

 

[[カリフォルニア州]] [[キャンプ・ペンドルトン]]を拠点とする「マイケル・A・モンスーア大隊」という名の米海軍士官候補生部隊もある。部隊のシンボルマークは、モンスーア兵曹の名誉勲章、シールズのトライデント、マスター・アット・アームズの盾で構成されている。部隊の全員がマイケル・A・モンスーア兵曹の経歴を知っており、すべての新入士官候補生と共有している<ref>{{cite news |title=Military briefs, Friday, Aug. 12, 2011 |url=https://www.sandiegouniontribune.com/sdut-military-briefs-friday-aug-12-2011-2011aug12-story.html |newspaper=[[The San Diego Union-Tribune]] |date=August 12, 2011 |access-date=February 22, 2020}}</ref>。

 

近代化の一環として、マイケル・モンスーアが通っていたガーデン・グローブ高校は、新設されたスタジアムを彼に捧げ、「マイケル・モンスーア メモリアルスタジアム」と命名した<ref>{{cite news |title=Dedication event for Monsoor Stadium set |author=SOFREP |url=https://sofrep.com/news/dedication-event-monsoor-stadium-set/ |newspaper=SOFREP |date=August 30, 2017 |access-date=February 22, 2020}}</ref><ref>{{cite news |title=Garden Grove High School dedicates new stadium in honor of fallen war hero |author=Ian Hanigan |url=https://newsroom.ocde.us/garden-grove-high-school-dedicates-new-stadium-in-honor-of-fallen-war-hero/ |newspaper=OCDE Newsroom |date=September 12, 2017 |access-date=February 22, 2020}}</ref><ref>{{cite news |title=Navy SEAL who sacrificed life for team honored at school in Southern California |author=Jory Rand |url=https://abc7news.com/2404977/ |newspaper=ABC7News |date=September 12, 2017 |access-date=February 22, 2020}}</ref>。

 

マイケル・モンスーアはローク・デンバーの著書『Damn Few：現代のSEAL戦士をつくる』で言及されている<ref>{{Cite book|url=https://play.google.com/books/reader?id=JEBj33zlzxsC&printsec=frontcover&pg=GBS.PA190.w.3.0.88|isbn = 9781448169962|title = Damn Few: Making the Modern SEAL Warrior|date = April 11, 2013|publisher = Transworld}}</ref>。

 

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