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『'''CLANNAD'''』(クラナド)は、[[Key (ゲームブランド)|Key]]制作による[[恋愛ゲーム (ゲームジャンル)|恋愛アドベンチャーゲーム]]。また、これを原作とする[[アニメ (日本のアニメーション作品)|アニメ]]、[[コミック]]作品。少年少女の[[恋愛]][[友情]][[家族愛]]などのテーマを描き、いわゆる「[[泣きゲー]]」として支持を集めた。本項ではこのゲームを原作として[[メディアミックス]]的展開がなされた[[アニメ (日本のアニメーション作品)|アニメ]]や[[漫画|コミック]]などの作品群についても記述する。
 
== 概要 ==
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=== プラットフォーム ===
'''; PC'''
: オリジナル版は[[Windows]]用ソフトとして[[2004年]][[4月28日]]に初回限定版が、[[8月6日]]に通常版が発売された。[[2008年]][[2月29日]]に発売された『CLANNAD FULL VOICE』では、後述の家庭用移植版に準拠したキャラクターボイスの実装に加え、画面解像度の向上とイベントCGの追加がなされた。さらに、[[2010年]][[5月28日]]には、『CLANNAD メモリアルエディション』 (全年齢対象/Windows 7対応)が発売された。
 
'''携帯; 家庭用ゲーム機'''
オリジナル版は[[Windows]]用ソフトとして[[2004年]][[4月28日]]に初回限定版が、[[8月6日]]に通常版が発売された。[[2008年]][[2月29日]]に発売された『CLANNAD FULL VOICE』では、後述の家庭用移植版に準拠したキャラクターボイスの実装に加え、画面解像度の向上とイベントCGの追加がなされた。さらに、[[2010年]][[5月28日]]には、『CLANNAD メモリアルエディション』 (全年齢対象/Windows 7対応)が発売された。
: [[PlayStation 2]]版([[コンピュータエンターテインメントレーティング機構|CERO]]レーティング[[CEROレーティング15才以上対象ソフトの一覧|15才以上対象]])は、キャラクターボイスを実装し[[インターチャネル]](現[[ガンホー・ワークス]])より[[2006年]][[2月23日]]に発売された。なお『CLANNAD』の出演声優はPS2版以降で、端役と(PS2版で音声のない)主役を除けば、テレビ・劇場版アニメを含め変更はない。以降は[[プロトタイプ (企業)|プロトタイプ]]より発売となり、[[Xbox 360]]版が[[2008年]][[8月28日]]に、[[PlayStation 3]]が[[2011年]][[4月21日]]に<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.famitsu.com/game/coming/1233423_1407.html|title=ついにPS3に移植決定!『CLANNAD -クラナド-』|work=[[エンターブレイン|ファミ通.com]]|publisher=[[エンターブレイン]]|date=2010-04-03|accessdate=2014-06-21}}</ref>発売され、PC版よりも高解像度(1280x720)となり、BGMと一部音声が[[5.1ch]]化された。また有料[[ダウンロードコンテンツ]]として『光見守る坂道で』(後述)のボイスドラマを(挿絵を含めて)鑑賞できる。[[PlayStation 4]]版は[[2018年]][[6月14日]]に発売された。シリーズ最高画質となる1920×1080ピクセルに対応し、新たに英語テキストとDangopedia(英字のみ)を収録した。[[Nintendo Switch]]版は[[2019年]][[7月4日]]に発売され、PS4版と同じ要素を備える。また[[タッチスクリーン]]操作に完全対応となり、Joy-Conを外した本体のみ状態でもプレイ可能。他にJoy-Conをセットした携帯モード、テーブルモードにも対応するほか、TVモード/テーブルモード時のみ片手プレイも可能となった。
 
'''家庭用; 携帯ゲーム機'''
: [[プロトタイプ (企業)|プロトタイプ]]より[[PlayStation Portable|PSP]]版が2008年[[5月29日]]に発売された。フルボイスに対応の他、メモリーディスク機能と画面キャプチャー機能を搭載した。[[PlayStation Vita|Playstation Vita]]版は[[2014年]][[8月14日]]に発売され、画面解像度はPSP版の4倍となる960x544ピクセルで表示できる。また色合い調整機能を搭載し、タッチスクリーン操作、[[PlayStation Vita TV|PS Vita TV]]に対応した。
 
'''; モバイルデバイス'''
[[PlayStation 2]]版([[コンピュータエンターテインメントレーティング機構|CERO]]レーティング[[CEROレーティング15才以上対象ソフトの一覧|15才以上対象]])は、キャラクターボイスを実装し[[インターチャネル]](現[[ガンホー・ワークス]])より[[2006年]][[2月23日]]に発売された。なお『CLANNAD』の出演声優はPS2版以降で、端役と(PS2版で音声のない)主役を除けば、テレビ・劇場版アニメを含め変更はない。以降は[[プロトタイプ (企業)|プロトタイプ]]より発売となり、[[Xbox 360]]版が[[2008年]][[8月28日]]に、[[PlayStation 3]]が[[2011年]][[4月21日]]に<ref>{{Cite web|url=https://www.famitsu.com/game/coming/1233423_1407.html|title=ついにPS3に移植決定!『CLANNAD -クラナド-』|work=[[エンターブレイン|ファミ通.com]]|publisher=[[エンターブレイン]]|date=2010-04-03|accessdate=2014-06-21}}</ref>発売され、PC版よりも高解像度(1280x720)となり、BGMと一部音声が[[5.1ch]]化された。また有料[[ダウンロードコンテンツ]]として『光見守る坂道で』(後述)のボイスドラマを(挿絵を含めて)鑑賞できる。[[PlayStation 4]]版は[[2018年]][[6月14日]]に発売された。シリーズ最高画質となる1920×1080ピクセルに対応し、新たに英語テキストとDangopedia(英字のみ)を収録した。[[Nintendo Switch]]版は[[2019年]][[7月4日]]に発売され、PS4版と同じ要素を備える。また[[タッチスクリーン]]操作に完全対応となり、Joy-Conを外した本体のみ状態でもプレイ可能。他にJoy-Conをセットした携帯モード、テーブルモードにも対応するほか、TVモード/テーブルモード時のみ片手プレイも可能となった。
: 携帯電話向けには、[[ソフトバンクモバイル]]の[[SoftBank 3G]]端末と[[NTTドコモ]]の[[FOMA]]向けアプリが[[2007年]][[1月16日]]に公開された。[[2012年]][[9月18日]]にはプロトタイプから[[Google Play]]にて[[Android (オペレーティングシステム)|Android]]版が配信。初期費用は100円だが、各ストーリーのルート確定につき、それ以降をプレイするのに追加購入(各250円)が必要。携帯電話向けと違い、画面解像度は800×480ピクセルで表示でき、主人公以外フルボイスである。
 
'''携帯ゲーム機'''
 
[[プロトタイプ (企業)|プロトタイプ]]より[[PlayStation Portable|PSP]]版が2008年[[5月29日]]に発売された。フルボイスに対応の他、メモリーディスク機能と画面キャプチャー機能を搭載した。[[PlayStation Vita|Playstation Vita]]版は[[2014年]][[8月14日]]に発売され、画面解像度はPSP版の4倍となる960x544ピクセルで表示できる。また色合い調整機能を搭載し、タッチスクリーン操作、[[PS Vita TV]]に対応した。
 
'''モバイルデバイス'''
 
携帯電話向けには、[[ソフトバンクモバイル]]の[[SoftBank 3G]]端末と[[NTTドコモ]]の[[FOMA]]向けアプリが[[2007年]][[1月16日]]に公開された。[[2012年]][[9月18日]]にはプロトタイプから[[Google Play]]にて[[Android (オペレーティングシステム)|Android]]版が配信。初期費用は100円だが、各ストーリーのルート確定につき、それ以降をプレイするのに追加購入(各250円)が必要。携帯電話向けと違い、画面解像度は800×480ピクセルで表示でき、主人公以外フルボイスである。
 
=== メディアミックス ===
'''コミック'''
 
[[2005年]]から[[月刊コミックラッシュ]]に[[みさき樹里]]作画の『'''CLANNAD オフィシャルコミック'''』が、[[2007年]]からは「[[電撃G's magazine]]<ref group="注">{{Efn2|その後[[電撃G's Festival! COMIC]]にて移籍連載)」において[[しゃあ]]の作画、「[[コミデジ+]]」において[[藤井理乃]]の作画(タイトル『'''CLANNAD 〜光見守る坂道で〜'''』)にてもそれぞれ連載された。</ref>}}」にてしゃあ作画の『'''CLANNAD'''』が連載され、それぞれ単行本化された。
 
また、公式外伝小説『'''CLANNAD 〜光見守る坂道で〜'''』が[[2005年]][[12月]]に発売された。「電撃G's magazine」に掲載されていたショートストーリーに書き下ろしを追加したオフィシャルサイドエピソード集であり、原作シナリオを担当したライターにより執筆された。[[2007年]]にはこれのドラマCDがプロトタイプよりリリースされ、[[2010年]]には[[PlayStation Portable|PSP]]用ビジュアルサウンドノベルとして発売された。
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[[東映アニメーション]]制作の[[劇場用アニメ]]と[[京都アニメーション]]制作の[[テレビアニメ|TVアニメ]]シリーズ(1期・2期)の二つがある。劇場版とTVアニメシリーズは相互にストーリーの繋がりや世界観の共有はなく、別個にストーリーが完結する。
 
* 東映アニメーション制作による<ref>過去に劇場版『AIR』を制作した。</ref>[[#劇場版|劇場版アニメ]]が2007年[[9月15日]]に公開され、東京単館(ミニシアター)公開作品の週末観客動員数ランキング([[ぴあ]]調べ)で初登場第1位を記録した<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.clannad-movie.jp/blog/index.php?itemid=54|title=ミニシアター観客動員数ランキング第1位になりました!|work=劇場版 CLANNAD ウラサイト|publisher=劇場版 CLANNAD -クラナド- OFFICIAL SITE|date=2007-09-27|accessdate=2014-06-21}}</ref>。
* 京都アニメーション制作による[[#テレビアニメ版|テレビアニメ]]<ref>過去にTVアニメ版『AIR』、『kanon』(第2作)も制作した。</ref>が[[TBSテレビ|TBS]]系列にて[[2007年]][[10月4日]]から『'''CLANNAD -クラナド-'''』(第1期)が全23回、[[2008年]][[10月2日]]から『'''CLANNAD 〜AFTER STORY〜'''』(第2期)が全24回で放送された。
 
'''その他'''
 
「CLANNAD」発売10周年を記念して、Key公式でCLANNAD 10th Anniversaryサイトが2013年に設置されている。「CLANNAD 10th Anniversary アート展」が2013年10月3 - 15日に[[中野ブロードウェイ]]で開催され、2013年4月26日 - 5月27日23:59(JST時刻、応募期間)で[[pixiv]]の場でイラストコンテストも開催された。「光の軌跡 〜CLANNAD 10th Anniversary Art Book〜」を2013年12月26日<ref group="注">{{Efn2|VA購買部出張所では2013年8月10日より先行発売。</ref>}}に発売されている<ref>{{Cite web|和書|url=https://key.visualarts.gr.jp/clannad_10th/|title=「光の軌跡 〜CLANNAD 10th Anniversary Art Book〜」|Key Official HomePage|work=CLANNAD 10th Anniversary 特設サイト|publisher=Key|date=2013-04-12|accessdate=2014-12-04}}</ref>。
 
2019年9月27日からスマホゲーム『[[セブンズストーリー]]』とのコラボレーションが開始された<ref>{{Cite web|和書|url=https://sevensstory.jp/information/detail.php?id=836|title=『CLANNAD -クラナド-』コラボキャンペーン!|accessdate=2019/09/27|publisher=}}</ref>。
 
 
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<!-- 以下の3つのパートから成る。また、メインヒロインが「藤林 杏」となったルートがもう1つの軸として存在している。これは京都アニメーション・アニメ版でも『もうひとつの世界 杏編』で構成されている。-->
 
; 学園編<!-- <ref group="注">{{Efn2|[https://www.ichijinsha.co.jp/special/clannad/ CLANNAD ビジュアルファンブック]、原作に批准しているためにこちらを参考とした</ref>}} この書籍はアニメ版のファンブックでは? -->
: 怪我でバスケットボールを断念し不良となっていた主人公の'''岡崎 朋也'''は、ある日学園前の坂道で女子生徒の'''古河 渚'''と出会う。渚は演劇部の復活を目指しており、朋也が教師幸村俊夫の働きかけで出会った友人の'''春原 陽平'''、その他ヒロインらが演劇部の再建に協力していく経緯を軸に、各キャラクターのルートに分岐して物語が進められる(演劇部が関与しないルートもある)。
: <!-- まず、「岡崎 朋也」は父親との怪我でバスケットボール部を存続出来なくなり、「春原 陽平」はサッカー部の喧嘩の不祥事により退部となる。そして、双方はそれぞれのスポーツ推薦入学であるのにも関わらず、運動部が維持出来ない経緯で不良傾向となっていくのだが、退学寸前だった状態を「幸村 俊夫」の働き掛けから引き合わせを成し、留年を続けていて友達とも離れていった渚と出会う事となる。それから演劇部の再興に関わっていく様になっていく。
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: 作中で一昔前に流行していた「だんご大家族」というキャラクターには並々ならぬこだわりを見せる。
: 経験は全くないが[[演劇]]に興味を持っており、廃部状態にある[[演劇部]]の再興を当面の目標としているが、[[スポーツ]]は苦手。
: テーマ曲<ref {{Efn2|name="dorori group="注">|主にキャラクターの登場シーン等で再生される。</ref>}}は「渚」。
; 藤林 杏(ふじばやし きょう)
: 声 - [[広橋涼]]
: [[9月9日]]生まれ。身長160cm、体重46kg。血液型はO型。スリーサイズはB82/W56/H82。Dカップ。
: ヒロインの一人。初登場時17歳。2年の時は主人公と同じクラスで、本年度はE組の委員長。椋の[[双生児|双子]]の姉。
: 勝ち気で男勝りな性格。スポーツが得意で面倒見の良いところから女子に人気があり、大量の[[恋文|ラブレター]]をもらっており、全てに返事を書く。しかし男子からは1通ももらったことがない。[[料理]]が得意だが、字は下手。
: かなりのおせっかい焼きで、不良生徒である主人公や春原を下の名前で呼んで気兼ねなく話しかけるなど、何かと交流がある。歯に衣着せぬ物言いをし、怒ると遠距離から[[辞典]]を投げつける。妹想いであり椋に危害を加える者には容赦をしない。
: 椋が主人公に想いを寄せているのを知っており後押しすることがあるが、自身も彼のことが気になっている。ウソをつくのは苦手。
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: 外見が小柄で一見大人しそうだが独特の感性を持っており、言葉は丁寧だが珍妙な言動が多く、毒舌家で相当の頑固者。会話を重ねるうち言動が矛盾し、特に主人公とは会話が成立しないばかりか失礼な物言いをすることもしばしば。自分のヒトデの彫刻のことを考えるだけで自己陶酔して無防備になり、その間は何をされても気付かない。この時悪戯をする選択肢が出て、回数を重ねる毎に悪戯のレベルが上がっていく。全て極めると「風子マスター」の称号が得られる。
: 「最悪です」が口癖で、ことあるごとに大人の女性であると主張しているが、小学生か中学生並みの外見と同様に性格、嗜好も子供っぽい。[[スポーツ]]が苦手。
: 実は本人は高校入学前に交通事故で意識不明になり、今も入院している。学校に出没しているのは上述の理由から学校に現れた生き霊とでも言うべき存在。そのため、目的が果たされていくと関係の薄かった人間から順に認識されなくなっていき、関わった記憶も消えていく。また、入院している風子本体を知っている人間には全く認識されない。そのため、公子には最初から認識されず、正体を確かめるために病院にいった春原はその瞬間に記憶が消えた。最終的に全ての人間から風子と関わった記憶は消滅したが、完全には消えず、公子の結婚式には多くの生徒が参列し、結婚式後も風子の話題でもちきりとなる。アニメ版1期条件を満たせば別ルートは消滅後も時々脈絡もなく現れては意味不明な行動を取って去っていくと言コミカル役割を果たする。アニメ第1期でも同様。生き霊ではない風子本人はAFTER STORYで汐が生まれてから5年後に意識が戻り、汐と友達になる。
: テーマ曲は「は〜りぃすたーふぃっしゅ」。
; 宮沢 有紀寧(みやざわ ゆきね)
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: 寮で猫を飼育しているが、命名していない。
; 志麻 賀津紀(しま かつき)
: 声 - [[朴璐美]] / 広橋涼([[かぎなど]]・猫の姿<ref group="注">{{Efn2|エンディングクレジットでは「シマ猫」と表記。</ref>}}
: 美佐枝が高校時代に出会った年下の少年。
: 病院で入院している時に美佐枝に優しくしてもらったお礼に、願いを何でも1つ叶えると言ってきた。美佐枝の当時の友人である「サキ」と「ユキ」にからかわれたり、女装をさせられたこともある。
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評論家の更科修一郎は、本作のシナリオライターである[[麻枝准]]の傾向として「テーマに対して真正面から向き合うがゆえに、物語上の落とし穴に落ちると、そのミスを引きずって歪んだまま物語が終わってしまう」「ただ、いままではその歪みがカルトな魅力になっていた」ということを指摘しつつ、その傾向が薄くなった本作はそれによって評価がわかれるのだと説明している<ref>{{Cite book|和書|title=[[#collectionD|批評の精神分析 東浩紀コレクションD]]|page=269}}</ref>。
 
[[批評家]]の[[東浩紀]]によると、本作と前作の『[[AIR (ゲーム)|AIR]]』はともに「[[家族]]の再生」をテーマとしているがその描き方は正反対であるという。『AIR』の場合、主人公が(あるいはプレイヤーが)ヒロインの悲劇を傍観するほかないという構造を持っており<ref group="注">{{Efn2|[[AIR (ゲーム)#批評]]も参照。</ref>}}、それがプレイヤーであるオタク層に対して「父にはなれない」というラディカルなメッセージとして機能したのに対し(「父になる」とは異性からの承認を受けて社会化するということの比喩)、本作では主人公の岡崎朋也がヒロインの古河渚と結婚するなど「父になれる」という正反対の保守的なメッセージを帯びている。そのため、『AIR』がオタクの解離的な態度に対する批判的な側面を持っていたにもかかわらずヒットしたのに比べると、オタクの欲望を再強化する形のメッセージを帯びた本作がヒットするのはごく自然なことだという<ref>{{Cite book|和書|title=[[#collectionL|文学環境論集 東浩紀コレクションL]]|pages=666-673}}</ref>。
 
アダルトゲーム雑誌[[BugBug]]の2022年のアンケート「あなたが美少女ゲームにハマるきっかけになったタイトルは?」において、「CLANNAD」が8位となった。<ref>{{Cite web|和書|title=【BugBug】「あなたが美少女ゲームにハマるきっかけになったタイトルは?」 3月号掲載の美少女ゲーム売上げランキング&1月号で募集した読者アンケート結果を大発表!! |url=https://bugbug.news/b_game/70693/|date=2022-03-02|accessdate=2022-03-09|publisher=[[BugBug]]}}</ref>
 
== 劇場版 ==
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東京単館(ミニシアター)公開作品の週末観客動員数ランキング(ぴあ調べ)で初登場第1位を記録。その後もロングランや公開拡大等が行われた。
 
2008年[[3月7日]]に当作品のDVD版が3種類(通常版、コレクターズエディション、スペシャルエディション)発売された<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.clannad-movie.jp/DVD_info.html|title=2008年3月7日 DVD(2バージョン)同時発売!! |work=劇場版 CLANNAD −クラナド− OFFICIAL SITE|publisher=VisualArt's/Key/東映アニメーション/フロンティアワークス|accessdate=2013-11-08|archiveurl=https://web.archive.org/web/20101003223226/http://www.clannad-movie.jp/DVD_info.html|archivedate=2010-10-03}}</ref>。後者2つは付属特典が異なる。
 
=== 制作スタッフ ===
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第1期は原作の「学園編」をベースとして制作された。渚ルートを主軸に、本来は[[パラレルワールド]]扱いで時系列が連続しないヒロイン5人の個別ルートを統合し、終盤にクライマックスを置くため、原作を踏襲しつつもストーリー展開に大胆なアレンジがなされた。
 
一方で渚ルートを主軸にした関係上、統合困難な杏ルートと智代ルートのストーリーが簡略化された。この補完として本編と異なる『'''もうひとつの世界 智代編'''』が制作された。これは智代ルートを完結まで描いたものでテレビ放送はされなかったが、2008年[[5月31日]]に上映会が開催され、DVD第8巻に収録された<ref{{Efn2|なおその後、[[2010年]][[1月9日]]25時30分([[1月10日]]1時30分)に[[TBSチャンネル]]においてテレビ初放送されている。}}。また、杏ルートは後に制作される(詳細は[[#第2期「CLANNAD group="注"〜AFTER STORY〜」|後述]])。
>なおその後、[[2010年]][[1月9日]]25時30分([[1月10日]]1時30分)に[[TBSチャンネル]]においてテレビ初放送されている。</ref>。また、杏ルートは後に制作される(詳細は[[#第2期「CLANNAD 〜AFTER STORY〜」|後述]])。
<!-- ※信頼できる出典が無い情報のためコメントアウト
制作スタッフによる明確な舞台設定の発表はないが、テレビアニメ版の校舎等の背景には[[筑波大学附属駒場中学校・高等学校|筑波大学附属駒場中・高等学校]]とほぼ同一のロケーションとおぼしき物が使われていることを、同校のOBである[[東浩紀]]が言及しており<ref>{{Cite web|date=2007-10-14|url=http://www.hirokiazuma.com/archives/000332.html|title=CLANNADと筑駒|work=|author=[[東浩紀]]|publisher=東浩紀の渦状言論|accessdate=2014-06-21|deadlink=2014-06-21|archiveurl=https://web.archive.org/web/20080720092523/http://www.hirokiazuma.com/archives/000332.html|archivedate=2008-07-20}}</ref>、[[ザ☆ネットスター!]]第9回放送分の企画で実証ロケも行った。
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:* 放送開始とほぼ同時にTVアニメ『CLANNAD』プロモーションの一環として2007年10月に約1か月間限定で次のイベントが行われた。
:** [[10月7日]]から[[11月3日]]まで[[東日本旅客鉄道|JR東日本]][[中央・総武緩行線]]の[[JR東日本E231系電車|E231系]]0番台1編成([[三鷹車両センター]]所属・ミツ1編成)に[[ラッピング車両|広告電車]]を運行していた。この「広告電車」は戸袋部分に1両当たり合計8枚の広告が貼られたが、ヘッドマークや車内の中吊り広告の類は設置されなかった。また、この編成を模した[[Bトレインショーティー]]が2009年3月に発売された。
:** JR[[秋葉原駅]]の中央・総武緩行線ホームにある[[保存パン|パンの缶詰]]自動販売機では各ヒロインを缶詰に描いた「CLANNADパン缶」というタイアップ製品を[[10月1日]]から[[10月31日]]までの期間限定(売り切れ次第終了)で発売していた。しかし販売期間中は自動販売機前に常に行列が出来て補充後にすぐ売り切れる状態が続き、予定期間の半分である[[10月15日]]をもって完売した<ref group="注">{{Efn2|[[10月16日|翌日]]にアニメ公式サイトで完売が発表された。</ref>}}
<gallery>
File:CLANNADパン自動販売機での完売。.jpg|CLANNADパン缶詰自動販売機の完売の貼り紙(2007年11月3日撮影)
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; 第2期
:* 前作と同様にJR[[秋葉原駅]]の中央・総武緩行線ホームにある[[保存パン|パンの缶詰]]自動販売機で各ヒロインを缶詰に描いた「CLANNAD AFTER STORY パン缶」というタイアップ製品を[[10月1日]]からの期間限定(売り切れ次第終了)で発売していた。しかし昨年同様に売れ行きは好調で期間中は売り切れが続いた。自販機だけでは無く駅構内のキヨスクでも販売された。[[10月6日]]にアニメ公式サイトで完売が発表された<ref>{{Cite web|和書|url=https://akiba-souken.com/article/4156/|title=「CLANNAD AFTER STORY」パン缶発売!! 昨年以上の売れ行きで秋葉原駅は祭り状態に|work=アキバ総研|publisher=カカクコム|date=2008-10-01|accessdate=2015-09-10}}</ref>。
:* 第1話が全国で最も早く放送された日の翌日である[[10月4日]]に、ゲーマーズ本店とアニメイト秋葉原店前などで、放送内容に合わせた号外新聞が配布されるというサプライズイベントが開催された。
:* [[ロンドンブーツ1号2号]]の[[田村淳]]は[[2019年]][[3月25日]]に自身のTwitterで「ヤバイくらいに泣きました…」「CLANNADは人生」とツイートした。<ref>{{Cite web|和書|url=https://news.careerconnection.jp/?p=entame/69115/|title=田村淳、CLANNADに感動「ヤバイくらいに泣きました…」「CLANNADは人生」 最初は「絵が苦手だなぁと思ってた」|publisher=キャリコネニュース|accessdate=2019-06-09}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1903/26/news083.html|title=ロンブー田村淳、ついにアニメ「CLANNAD」を完走 「ヤバイくらいに泣きました」と人生を学ぶ|publisher=ねとらぼ|accessdate=2019-06-09}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://news.nicovideo.jp/watch/nw5076084|title=『CLANNAD』田村淳以外も!山本彩にハライチ岩井…有名人ガチオタエピソード6選|publisher=ニコニコニュース|accessdate=2019-06-09}}</ref>
 
== 関連商品 ==
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; CLANNAD/Tomoyo After Piano Arrange Album “ピアノの森”
: 本作(と「智代アフター」)のゲームBGMのピアノアレンジを収録。
; 劇場版CLANNAD SOUNDTRACK<ref group="注">{{Efn2|規格品番:[http://www.fwinc.co.jp/package/FCCM-0198.php FCCM-0198]、発売元:[[フロンティアワークス]]。</ref>}}
: 劇場版BGMとボーカル曲を収録。
; [[メグメル 〜cuckool mix 2007〜/だんご大家族]]
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==== CLANNAD 光見守る坂道で ====
2005年に発売されたオフィシャル外伝エピソード集『Official Another Story CLANNAD 〜光見守る坂道で〜』を本編ゲームと同じ声優陣によりドラマCD化したもの。2007年に全4巻で発売。第1巻は[[7月25日]]、第2巻は[[8月22日]]、第3巻は[[9月19日]]、第4巻は[[10月24日]]に発売<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.prot.co.jp/similarities/clannad_doramacd/index.html|title=ドラマCD「CLANNAD 光見守る坂道で」|publisher=[[プロトタイプ (企業)|Prototype]]|accessdate=2013-04-23}}</ref>(販売は[[アニメイト]]店頭および通販、[[アニメイトTV]]通販、[[Amazon.co.jp]]など少数)。
* 原作 - Key/ビジュアルアーツ
* 脚本 - 麻枝准、涼元悠一、魁、丘野塔也([[メディアワークス]]発行の『Official Another Story CLANNAD 〜光見守る坂道で〜』と同様)
1,036 ⟶ 1,028行目:
* 『記録全集 CLANNAD memorial』 (ロマンアルバム) [[徳間書店]]、2009年5月2日、{{ISBN2|978-4-19-720267-6}}
* 『TVアニメーション CLANNAD AFTERSTORY コンプリートブック』[[ジャイブ]]、2009年8月12日、{{ISBN2|978-4-86176-705-0}}
* 『光の軌跡 〜CLANNAD 10th Anniversary Art Book〜<ref name="clannad10th">{{Cite web|和書|url=https://key.visualarts.gr.jp/clannad_10th/|title=光の軌跡 〜CLANNAD 10th Anniversary Art Book〜 |work=CLANNAD 10th Anniversary 特設サイト |publisher=Key|accessdate=2014-12-04}}</ref>』(英語、日本語)[[パラダイム (出版社)|パラダイム]]、2013年12月26日<ref group="注">{{Efn2|発行日(出版年月日)が[https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I025082465-00 国会図書館サーチ]では2013年8月と先行発売における日付になっている。</ref>}}、{{ISBN2|978-4-89490-323-4}}
 
=== Webラジオ ===
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== 英語/簡体中国語版 ==
CLANNAD Official English Releaseにより公式で[[Kickstarter]]を介して[[2014年]][[11月11日]]から開始された企画であり<ref>{{Cite web|author=馬場隆博(@vavasyatyou)|date=2014-11-11|url=https://twitter.com/vavasyatyou/status/531992594041950209/|title=『CLANNAD』の英語化について...|publisher=twitter|accessdate=2014-11-20}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://key.visualarts.gr.jp/info/2014/11/clannad_3.html|title=『CLANNAD』英語版のクラウドファンディングが開始されました|work=Key Official HomePage|publisher=Key|date=2014-11-11|accessdate=2014-11-26}}</ref>、11月11日の出資開始から数時間足らずで目標金額である140,000ドルに達し、13日の時点で2000万円以上が集まった。ビジュアルアーツ社長の馬場隆博は、本人のTwitter上で感謝を述べている<ref>{{Cite web|和書|author=馬場隆博(@vavasyatyou)|date=2014-11-11|url=https://twitter.com/vavasyatyou/status/532109122036981761|title=おかげさまをもちまして...|publisher=twitter|accessdate=2014-11-30}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://gigazine.net/news/20141113-clannad-english/|title=「CLANNAD」が公式英語版製作のために出資募集、わずか数日で2000万円以上が集まり海外ファンからは「夢が叶ったよ!」「智代アフターも翻訳して欲しいな」の声|work=GIGAZINE|publisher=OSA|date=2014-11-13|accessdate=2014-11-20}}</ref>。11月27日にはチャレンジ目標の追加が発表され、PayPal対応ページが加わり、更に出資額に基づく特典が加わった<ref>{{Cite web |url=https://key.visualarts.gr.jp/info/2014/11/clannad_4.html |title=CLANNAD英語化 チャレンジ目標追加のお知らせ |work=Key Official HomePage |publisher=Key |date=2014-12-19 |accessdate=2014-12-20}}</ref>。12月19日には30万ドルを達成<ref>{{Cite web |和書|url=https://key.visualarts.gr.jp/info/2014/12/steamplanetarian.html |title=Steam『planetarian』がセール開始!(後半部分) |work=Key Official HomePage |publisher=Key |date=2014-11-27 |accessdate=2014-12-20}}</ref>し、12月22日に32万ドル達成しPC初移植となる『光見守る坂道で』を特典として企画が決まった<ref>{{Cite web |url=https://key.visualarts.gr.jp/info/2014/12/clannad2.html |title=『CLANNAD』英語化 チャレンジ目標2達成のお知らせ |work=Key Official HomePage |publisher=Key |date=2014-12-22 |accessdate=2014-12-22}}</ref>。
 
2015年1月1日には38万ドルを達成<ref>{{Cite web |author=馬場隆博(@vavasyatyou) |date=2014-01-03 |url=https://twitter.com/vavasyatyou/status/551230393219682304|title=【自動配信】『CLANNAD』の英語化ついに目標38万ドル達成し... |publisher=twitter|accessdate=2014-01-04}}</ref>してオリジナルのアンソロコミックが確定<ref>{{Cite web |url=https://www.kickstarter.com/projects/sekaiproject/clannad-official-english-release/posts/1096787 |title=CLANNAD Anthology Manga Stretch Goal Achieved! |language=英語 |work=CLANNAD Official English Release by sekaiproject |publisher=Kickstarter |date=2015-01-01 |accessdate=2015-01-03}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://key.visualarts.gr.jp/info/2015/01/clannad3.html |title=『CLANNAD』英語化 チャレンジ目標3達成のお知らせ |work=Key Official HomePage |publisher=Key |date=2015-01-05 |accessdate=2015-01-06}}</ref>し、1月2日には40万ドルを達成している<ref>{{Cite web |url=https://www.kickstarter.com/projects/sekaiproject/clannad-official-english-release/posts/1097691 |title=$400,000 in funding reached! |language=英語 |work=CLANNAD Official English Release by sekaiproject |publisher=Kickstarter |date=2015-01-02 |accessdate=2015-01-03}}</ref>。そして、出資期限は1月10日の午前3時48分(This project will be funded on Sat, Jan 10 2015 3:48 AM +09:00.)<ref>{{Cite web |url=https://key.visualarts.gr.jp/info/2015/01/clannad_5.html |title=『CLANNAD』英語版のクラウドファンディング 明日早朝終了! |work=Key Official HomePage |publisher=Key |date=2015-01-09 |accessdate=2015-01-10}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://www.kickstarter.com/projects/sekaiproject/clannad-official-english-release/posts/1102739 |title=Final 24 hours and message from Shinji Orito + Jun Maeda + Itaru Hinoue! |language=英語 |work=CLANNAD Official English Release by sekaiproject |publisher=Kickstarter |date=2015-01-09 |accessdate=2015-01-10}}</ref>にて終了した<ref>{{Cite web |url=https://www.kickstarter.com/projects/sekaiproject/clannad-official-english-release/posts/1103545 |title=Thank you backers! |language=英語 |work=CLANNAD Official English Release by sekaiproject |publisher=Kickstarter |date=2015-01-10 |accessdate=2015-01-10}}</ref>。
 
投資結果(『CLANNAD』のクラウドファンディング)は、支援総額kickstarter $541,161(5819名)、PayPal $10,820(180名)、合計$551,981(5999名) となった<ref>{{Cite web |和書|author=馬場隆博(@vavasyatyou) |date=2015-01-10 |url=https://twitter.com/vavasyatyou/status/553723640303194112 |title=『CLANNAD』のクラウドファンディングは無事終了いたしました |publisher=twitter|accessdate=2015-01-13}}</ref>。
 
2014年の英語版によるKickstarterのファンディングは本作のほか、『[[グリザイアの果実#英語版|グリザイア三部作とスピンオフ作品(果実・迷宮・楽園・アイドル魔法少女 ちるちる☆みちる)]]』がある<ref>{{Cite web |url=https://www.kickstarter.com/projects/sekaiproject/the-grisaia-trilogy-three-huge-visual-novels-for-p |title=The Grisaia Trilogy: Three Huge Visual Novels for PC |language=英語 |publisher=[[kickstarter]] |accessdate=2015-05-04}}</ref>。
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=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
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{{京都アニメーション}}
{{TBSテレビの深夜アニメ枠}}
{{Normdaten}}
 
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