削除された内容 追加された内容
タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集
m編集の要約なし
 
(8人の利用者による、間の22版が非表示)
26行目:
 
== 名称 ==
[[和名]]は、'''チシャ'''(萵苣){{sfn|金子美登|2012|p=150}}。古名を「ちさ」といい、「乳草」(ちちくさ)の略とされる{{sfn|講談社編|2013|p=19}}。
 
一般的に言われる日本名の'''レタス'''は[[英語|英名]]「lettuce」から取られたもので{{sfn|講談社編|2013|p=19}}、その[[語源]]は[[ラテン語]]で「[[牛乳]]」という意の語 「Lac」 である。和名ともに、レタスの切り口から出る白い液体の見た目に基づき付けられた呼び名である{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=54}}{{sfn|講談社編|2013|p=19}}。
 
== 形態 ==
{{出典の明記|date=2022年12月}}
レタスは生育初期の[[茎]]が非常に短く、[[ロゼット]]を形成する。他の野菜と異なり、高温条件が続くと開花のために茎を伸張・分枝させる。この現象を[[抽苔]]と言う。レタスでは一般に日平均温度の積算が1,700〜2,500℃で芯が伸張し始める。開花時には、茎を伸張・分枝させ、直径1cm程度の黄色い[[タンポポ]]を小さくしたような花をその先に付ける。なお、開花時間は非常に短く、朝の1〜2時間程度しか咲かない。葉を食用にする際は、抽苔が起こる前に収穫しなければならない。
<gallery>
42 ⟶ 43行目:
 
== 栽培 ==
レタスは比較的栽培しやすい野菜であるが、高温を嫌う性質で、栽培適温は15 - 20度、発芽適温15 - 20度とされている{{sfn|主婦の友社編|2011|p=150}}{{sfn|藤田智監修 NHK出版編|2019|p=170}}。21度を超えるとレタスの種は休眠状態になり、発芽しにくくなる{{sfn|金子美登|2012|p=150}}。栽培期間は玉レタスが約2か月{{sfn|藤田智監修 NHK出版編|2019|p=172}}、リーフレタスは約1か月で{{sfn|藤田智監修 NHK出版編|2019|p=170}}、リーフレタスのほうが栽培期間が短く済み育てやすい{{sfn|主婦の友社編|2011|p=150}}。真夏と真冬を除いた春秋の涼しい季節で栽培することができ、「[[春まき]]」晩秋から初夏に収穫するか、秋に「[[夏まき]]」で種をまいて晩秋から初冬に収穫する{{sfn|主婦の友社編|2011|p=150}}{{sfn|金子美登|2012|p=150}}。栽培に適したレタスは[[肥料]]を多く好む性質があり{{sfn|金子美登|2012|p=150}}、土壌酸度は [[水素イオン指数|pH]] 6.0 - 6.5で、植え付け前に[[堆肥]]や化成肥料で全面施肥を行っておく{{sfn|藤田智監修 NHK出版編|2019|p=170}}。畑栽培では、[[畝]]を高くして水はけをよくして[[マルチング|根覆い]]を施す{{sfn|主婦の友社編|2011|p=150}}。[[連作]]を嫌い、同じ土地では栽培を1 - 2年あけるようにする{{sfn|藤田智監修 NHK出版編|2019|p=172}}。
 
「春まき」の場合はそのまま種をまき、「夏まき」の場合は1日吸水させてから2日ほど冷蔵して、種を冷やすことで休眠打破させてから種をまく{{sfn|金子美登|2012|p=150}}。種は光がないと発芽しないため、[[育苗箱]]や[[育苗ポット]]で水やりをして濡らした土に種をばらまき、あるいは[[筋まき]]にして、覆土は行わずに手で軽く押さえる程度にする{{sfn|主婦の友社編|2011|p=150}}{{sfn|金子美登|2012|p=150}}。畑に直接まくと、雨で種がながされてしまったり、[[アリ]]に持って行かれてしまうことがある{{sfn|主婦の友社編|2011|p=150}}。種まき後1週間後ほどで発芽し、水切れすると生育不良要因となるため、水やりの管理を行う{{sfn|主婦の友社編|2011|p=150}}。育苗箱で播種したものは、[[本葉]]が出るころに1、2本ずつポット上げする{{sfn|金子美登|2012|p=150}}。ばらまきしたものは葉が成長すると込み入ってくるため、[[間引き]]しながら育て、最終的に本葉4 - 5枚になったら苗を1本だけ残す{{sfn|主婦の友社編|2011|p=150}}。高くした畝に苗を植え付け、植え付け後は2週間に1回程度、定期的に肥料を与えていく{{sfn|主婦の友社編|2011|p=151}}{{sfn|藤田智監修 NHK出版編|2019|p=171}}。畝に根覆いを施すことによって、雨による泥の跳ね返りで葉が汚れたり、病気にかかることを予防する効果が出る{{sfn|藤田智監修 NHK出版編|2019|p=171}}。苗を秋植えで育てるときは、植え付け適期(8月下旬 - 9月)よりも早く植え付けてしまうと、高温長日(気温が高く日商が長い)条件により花茎を伸ばす「とう立ち」が起こってしまい、食味が落ちるばかりではなく、結球性レタスでは結球が起こらなくなる{{sfn|藤田智監修 NHK出版編|2019|p=173}}。
 
葉が10枚以上になると収穫で畑はあらかじめ元肥を施しておるよう、高くした[[畝]]なるの苗を30&nbsp;cm間隔定植し株ごと収穫する植え付け後は2週間に1回程度、定期的に肥料を与えていく{{sfn|主婦の友社編|2011|p=151}}。リーフレタスは、葉の長さ20 - 25&nbsp;cm、株の直径30&nbsp;cmくらいが収穫の目安となり、株ごと採るか外側の葉から掻き取って収穫する{{sfn|藤田智監修 NHK出版編|2019|p=171}}。玉レタスでは、結球した葉畝に[[マルチング|根覆い]]上から触ってみた施すこ、しっかり締まって適度な弾力が出ていれば収穫、雨適した状態である{{sfn|藤田智監修 NHK出版編|2019|p=173}}。半結球レタス(コスレタス)は品種にもよるが、高さ20 - 30&nbsp;cm泥の跳ね返り、中央の葉が巻き始め汚れたり、病気にかかることを予防する効果収穫時期である{{sfn|藤田智監修 NHK出版編|2019|p=173171}}。茎レタス苗を秋植えで育てるときは、株の高さが30植え付け適期(8月下旬 - 50&nbsp;cmに成長9月)よりも早く植え付けてたら地際からまうと、高温長日(気温が高く日照が長い)条件により花茎を切り取伸ばす「とう立ち」が起こって収穫すしまい、食味が落ちるばかりではなく、結球性レタスでは結球が起こらなくなる{{sfn|藤田智監修 NHK出版編|2019|p=174173}}。
 
葉が10枚以上になると収穫できるようになるので、株ごと収穫する{{sfn|主婦の友社編|2011|p=151}}。リーフレタスは、葉の長さ20 - 25&nbsp;cm、株の直径30&nbsp;cmくらいが収穫の目安となり、株ごと採るか外側の葉から掻き取って収穫する{{sfn|藤田智監修 NHK出版編|2019|p=171}}。玉レタスは、植え付けから50 - 60日後が収穫の目安で、結球した葉を上から触ってみたときに、しっかり締まって適度な弾力が出ていれば収穫に適した状態である{{sfn|藤田智監修 NHK出版編|2019|p=173}}{{sfn|金子美登|2012|p=151}}。半結球レタス(コスレタス)は品種にもよるが、高さ20 - 30&nbsp;cmで、中央の葉が巻き始めるころが収穫時期である{{sfn|藤田智監修 NHK出版編|2019|p=173}}。茎レタスは、株の高さが30 - 50&nbsp;cmに成長したら地際から茎を切り取って収穫する{{sfn|藤田智監修 NHK出版編|2019|p=174}}。
病虫害に、[[アブラムシ]]、[[ヨトウムシ]]がついたり、[[菌核病]]、[[軟腐病]]{{efn2|細菌に由来する病気で、地際から茶色に変色して軟化し、やがて腐敗する{{sfn|藤田智監修 NHK出版編|2019|p=1241}}。}}にかかる場合がある{{sfn|藤田智監修 NHK出版編|2019|p=170}}。
 
病虫害に、[[アブラムシ]]、[[ヨトウムシ]]がついたり、[[菌核病]]、[[軟腐病]]{{efn2|細菌に由来する病気で、地際から茶色に変色して軟化し、やがて腐敗する{{sfn|藤田智監修 NHK出版編|2019|p=1241}}。}}にかかる場合がある{{sfn|藤田智監修 NHK出版編|2019|p=170}}。レタスは高温と多湿を苦手とするため、春まきレタスは梅雨の雨に当たると病気が出やすくなる{{sfn|金子美登|2012|p=150}}。夏まきレタスは、発芽がうまくいけば病気の心配は少ない{{sfn|金子美登|2012|p=150}}。
近年では[[植物工場|野菜工場]]による大規模生産も行われている<ref>{{Cite web |title=国内最大級のレタス工場、宮城に完成 「舞台ファーム」福島にも計画 |url=https://kahoku.news/articles/20211021khn000036.html |website=河北新報オンラインニュース |date=2021-10-22 |access-date=2022-06-04 |language=ja}}</ref>。
 
近年では[[植物工場|野菜工場]]による大規模生産も行われている<ref>{{Cite web |和書|title=国内最大級のレタス工場、宮城に完成 「舞台ファーム」福島にも計画 |url=https://kahoku.news/articles/20211021khn000036.html |website=河北新報オンラインニュース |date=2021-10-22 |access-date=2022-06-04 |language=ja}}</ref>。
<gallery>
Toyohama.jpg|レタス畑(香川県観音寺市豊浜町)
Iceberg_lettuce_in_SB.jpg|レタス畑(アメリカ合衆国サンタバーバラ)
</gallery>
 
=== コンパニオンプランツ ===
また、キク科のレタスは、[[キャベツ]]や[[ハクサイ]]などのアブラナ科の野菜と比べると病害虫の心配が少なく、アブラナ科野菜の[[コンパニオンプランツ]]として植えるのもよい{{sfn|金子美登|2012|p=150}}。レタスとキャベツは、ともに冷涼な生育環境を好むので混植に向いている{{sfn|金子美登|2012|p=151}}。アブラナ科の害虫を防ぐだけでなく、互いに雑草を抑制する効果にもつながる{{sfn|金子美登|2012|p=151}}。
 
== 利用 ==
67 ⟶ 73行目:
水分が95%以上と多く、瑞々しい食感が楽しめる[[サラダ]]用の野菜として定着しているが、[[炒め物]]や[[スープ]]の具にするなど加熱調理でも使われる{{sfn|主婦の友社編|2011|p=148}}。[[みそ汁]]や[[おでん]]の添え物、[[おひたし]]、蒸し煮、[[チャーハン]]の具など、諸々に調理され各家庭から料理店と広く用いられている食材である。加熱する事によって独特の苦味が弱まるとともに旨味が増す。
 
[[欧米]]では[[葉]]部分を主に[[サラダ]]、[[ハンバーガー]]、[[タコス]]などに利用し生食するが、[[フランス]]では[[ソテー]]にすることもある。[[中華人民共和国|中国]]などでは中華炒め、鍋料理、クリーム煮など加熱調理することが多く、葉だけでなく茎も重要な食材となる。[[朝鮮料理]]ではカッティングレタス(掻きぢしゃ)をサンチュと呼んで[[焼き肉]]を包んで食べる{{sfn|講談社編|2013|p=19}}
<gallery>
File:Lactuca sativa 结球莴苣 包心生菜 Iceberg lettuce.jpg|軸の切り口が白いものは新鮮
81 ⟶ 87行目:
 
=== 調理 ===
生食するときは、シャキッとした食感が楽しめるようにするため、冷水に漬けてから使うのが一般的である{{sfn|主婦の友社編|2011|p=149}}。これは葉に含まれる[[ムチン]]や[[ペクチン]]が、温まるとやわらかくなり、冷えるとかたくなる性質を利用したもので、葉が水分を吸うことで瑞々しさも回復する{{sfn|主婦の友社編|2011|p=149}}。しかし、水につけすぎると水溶性の栄養分も同時に流れ出してしまうため、レタスが乾燥しないように濡らしたペーパーなどに包んで冷蔵する方法も行われる{{sfn|主婦の友社編|2011|p=149}}。葉は線切りするとき以外は、使う直前に小さく手でちぎるのが一般的で、切り口の酸化を極力減らす効果や食感やドレッシングの味馴染みをよくするための工夫でもある{{sfn|主婦の友社編|2011|p=149}}{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=54}}。レタスを炒めるときは強火で手早くすると、歯触りは損なわれない{{sfn|講談社編|2013|p=19}}。ステムレタス(茎ぢしゃ)は、茎を薄く切って生食するほか、味噌漬けにして焼きもののあしらいに使われる{{sfn|講談社編|2013|p=19}}。カッティングレタス(搔きぢしゃ)は、[[朝鮮料理]]ではサンチュと呼んで、[[焼き肉]]を包んで食べる{{sfn|講談社編|2013|p=19}}。
 
=== 保存 ===
87 ⟶ 93行目:
 
== 効果 ==
新鮮なレタスを切ると白い乳状の苦い液体が滲出するが、これは[[サポニン]]物質といい、[[ポリフェノール]]の一種、[[ラクチュシン]]など、多様な成分である{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=54}}{{sfn|講談社編|2013|p=17}}。[[夏バテ]]の食欲不振や、肝臓、腎臓の働きを助ける働きがあるといわれている{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=54}}。これが空気に触れると酸化して茶色くなるが、腐敗しているわけではない{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=54}}。リーフレタスなどの葉の紫色や赤色は、ポリフェノールの一種[[アントシアニン]]によるもので、[[抗酸化物質|抗酸化作用]]が期待されている{{sfn|藤田智監修 NHK出版編|2019|p=171}}。
 
鎮静作用のある[[セスキテルペノイド]]の[[ラクチュコピクリン]]がわずかに含まれており、レタスには「軽い鎮静作用、[[眠]]促進」の効果があると俗に言われているが{{sfn|主婦の友社編|2011|p=148}}{{sfn|藤田智監修 NHK出版編|2019|p=173}}、本種には効果を期待できるほどの量は含まれていない。多少の効果を期待するのであれば、葉の部分では無く、切ったときに白い乳状の液体が出る芯の苦い部分で、一般流通品では量は多くない。19世紀頃まで鎮静剤として利用されていたのは、本種ではなく同属のワイルドレタスである([[レタス#レタスに似ているものの生物学上において関係のない植物|レタスに似たもの]]参照)。俗説で「玉レタスを4分の1程度食べると眠くなる」と言われ、絵本『[[ピーターラビット#.E3.83.95.E3.83.AD.E3.83.97.E3.82.B7.E3.83.BC.E3.81.AE.E3.81.93.E3.81.A9.E3.82.82.E3.81.9F.E3.81.A1|フロプシーのこどもたち]]』の記述をアイデアに『[[発掘!あるある大事典]]』内で実験結果が捏造された。捏造の理由は「元々ラクチュコピクリン含有量の少ない本種を水分の多い生の状態で使用したため、どんなに大量に投与しても意図通りの結果が得られなかったから」である。韓国では仕事前の職業ドライバーが食べてはいけない食べ物として知られている。2019年の改良品種であるフッカラン黒夏朗レタスには、一般レタス(1g当たり0.03mg)に比べて124倍(1g当たり3.74mg)の[[ラクチュシン]]が多量に含まれ、[[睡眠]]と[[緊張]]緩和に効果がある。
 
== 分類 ==
レタスは、葉が巻いて結球するタイプの玉レタスだけではなく、結球しないタイプのリーフレタスのバリエーションが多数あり{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=54}}、その特徴により次の種類に分けられる。
=== ヘッドレタス (玉レタス品種)===
{{Anchors|ヘッドレタス}}
[[File:Iceberg1.jpg|thumb|玉レタス。一般にレタスとよばれている。]]
'''ヘッドレタス''' (''L. s.'' var. ''capitata'') は、別名'''タマヂシャ'''(玉ぢしゃ){{sfn|講談社編|2013|p=19}}ともよばれている結球性レタス。地中海沿岸から中近東あたりが原産といわれる{{sfn|藤田智監修 NHK出版編|2019|p=172}}。クリスプヘッド型とバターヘッド型に細分することができる{{sfn|講談社編|2013|p=19}}。クリスプヘッド型は一般的な結球性のレタスとして普及しているものであり、レタスといえば日本では通常これを指す{{sfn|講談社編|2013|p=19}}。クリスプ (crisp) とは、「新鮮でぱりぱりした、かりかりした」という意味であり、その名の通り歯触りがよい。バターヘッド型は、日本では一般的にサラダナ(サラダ菜)の名称で通っている{{sfn|講談社編|2013|p=19}}。[[キャベツ]]のような形のクリスプヘッド型とは違い、結球が緩い。
* '''玉レタス''' - 日本では最もポピュラーな葉が丸く巻くレタスで、単にレタスとよばれている。和名は「玉ぢしゃ」で、クリスプレタスともいう{{sfn|講談社編|2013|p=18}}。葉は淡緑色で、水分が多く歯切れが良いのが特徴{{sfn|主婦の友社編|2011|p=149}}。生食するほか炒め物やスープなどに使われる{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=54}}。
* '''サラダ菜''' - 葉がゆるく結球する品種で、緑色が濃くて厚みがあってやわらかい。歯触りがしんなりしていて玉レタスよりも風味は濃く、ビタミン・ミネラルが多い{{sfn|講談社編|2013|p=18}}。加熱調理には不向きで、料理の付け合わせやサンドイッチによく使われる{{sfn|主婦の友社編|2011|p=149}}{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=55}}。
* '''バターレタス'''(ミニレタス) - 玉レタスを小型に改良した品種。サラダ菜に似ているが、葉はやや厚く緑色で中心部のほうは黄緑色が鮮やか。外側の葉はやわらかいが、歯触りは玉レタスに近い{{sfn|講談社編|2013|p=19}}。
 
=== リーフレタス (葉レタス品種)===
{{Anchors|リーフレタス}}
[[File:AlfaceDSC7218.jpg|thumb|リーフレタスには、緑色のものやアントシアニンに由来して赤色を帯びるものがある。]]
'''リーフレタス''' (''L. s.'' var. ''crispa'') は、別名で'''ハヂシャ'''(葉ぢしゃ){{sfn|講談社編|2013|p=19}}、'''チリメンヂシャ'''ともよばれている非結球レタス。地中海沿岸が原産といわれる{{sfn|藤田智監修 NHK出版編|2019|p=170}}。欧米では、日本においての青菜のように使われる。緑色の物もあるが、[[サニーレタス]]のように[[アントシアニン]]が発現し、赤色を帯びる品種もある。色や形の違いを料理に生かす{{sfn|講談社編|2013|p=18}}。
* '''サニーレタス''' - リーフレタスの代表種で、表面が波打っていて、葉先が少し縮れて赤茶色になるのが特徴。カロテンが豊富で葉はやわらかく、食味は苦味が少なくクセがない{{sfn|主婦の友社編|2011|p=149}}{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=55}}。「[[サニーレタス]]」の名称は品種名ではなく、昭和40年代につけられた商品名である{{sfn|講談社編|2013|p=18}}。
* '''グリーンリーフ'''('''グリーンカール''') - 大きな葉が全体的にフリル状に縮れてカールしている{{sfn|主婦の友社編|2011|p=149}}{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=55}}。焼き肉を巻いてサンチュの代わりにしてもよい{{sfn|講談社編|2013|p=18}}。
* '''フリルレタス''' - 葉先がフリル状にギザギザがあるのが特徴。葉はやや厚みがあり、シャキシャキした食感がある{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=55}}。
* '''オークリーフレタス''' - フランス原産のリーフレタスの一種で、葉は切れ込み大きい特徴ある形で緑色が濃い{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=55}}。
* '''島ちしゃ菜'''(しまちしゃな) - 主に沖縄で栽培されている。葉は肉厚で緑色が濃く、サラダのほか加熱調理に向く{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=54}}。沖縄ではサラダより、味噌汁や油炒めで食べられている{{sfn|金子美登|2012|p=153}}。
* '''プリーツレタス''' - 葉に細かいひだ(プリーツ)がたくさんあるのが特徴で、葉は薄くやわらかい。切れ込みが細かいほど良質とされる{{sfn|講談社編|2013|p=19}}。
[[File:Lactuca sativa 1 2018-06-17.JPG|thumb|カッティングレタス]]
'''カッティングレタス''' (''L. s.'' var. ''crispa'') は、別名'''カキヂシャ'''(きぢしゃ){{sfn|講談社編|2013|p=19}}/'''カキチシャ'''{{sfn|金子美登|2012|p=153}}ともよばれる。分類上はリーフレタスの中に含まれるが、中国に7世紀頃に導入され、日本にも同じ頃から奈良時代にかけて導入され、もっとも古い種。成長するに従い、下葉をき(収穫)ながら食用とし、このためにきぢしゃと呼ばれる。日本でも食用としてきたが多くの場合は生食せず、茹でて[[おひたし]]、味噌和えなどにして消費してきた。山口県西部(旧[[長州藩]])では、ほぐした焼き魚または煮干しなどと酢味噌で和えた郷土料理「[[ちしゃなます]](ちしゃもみ)」がある。生食では、焼肉などを包んで食べる包み菜(朝鮮語 サンチュ{{sfn|講談社編|2013|p=19}}、チマサンチュ{{sfn|金子美登|2012|p=153}})として韓国式の焼き肉店などで見られる{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=55}}。
 
=== 立ちレタス ===
120 ⟶ 126行目:
* '''コスレタス'''('''[[ロメインレタス]]''') - ギリシアのエーゲ海[[コス島]]の原産で、ヨーロッパやアメリカで広まったレタス。和名は「立ちぢしゃ」。ゆるく結球して、葉柄が太く、葉は長楕円形で葉先が平らで大きくかため。かすかな甘味と苦味があり、シーザーサラダによく使われる{{sfn|主婦の友社編|2011|p=149}}{{sfn|講談社編|2013|p=18}}{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=55}}。
 
=== ステムレタス (茎レタス)===
{{Anchors|ステムレタス}}
[[File:Celtuce.jpg|thumb|ステムレタス(茎レタス)]]
151 ⟶ 157行目:
== 参考文献 ==
* {{Cite book|和書|author =猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|title = かしこく選ぶ・おいしく食べる 野菜まるごと事典|date=2012-07-10|publisher = [[成美堂出版]]|isbn=978-4-415-30997-2|pages =54-55|ref=harv}}
* {{Cite book|和書|author =[[金子美登]]|title=有機・無農薬でできる野菜づくり大事典|date=2012-04-01|publisher = [[成美堂出版]]|isbn=978-4-415-30998-9|pages=150 - 151|ref=harv}}
* {{Cite book|和書|author =講談社編|title = からだにやさしい旬の食材 野菜の本|date=2013-05-13|publisher = [[講談社]]|isbn=978-4-06-218342-0|pages =16-19|ref=harv}}
* {{Cite book|和書|author =主婦の友社編|title = 野菜まるごと大図鑑|date=2011-02-20|publisher = [[主婦の友社]]|isbn=978-4-07-273608-1|pages =148-151|ref=harv}}
165 ⟶ 172行目:
* [http://vegetable.alic.go.jp/panfu/letuce/letuce.htm 野菜図鑑「レタス」] - 農畜産業振興機構
* [https://doi.org/10.3136/nskkk1962.34.7_432 業務用カットレタスの製造と品質保持に関する研究] - 日本食品工業学会誌 Vol.34 (1987) No.7 P432-438
* [https://www.koukouseishinbun.jp/articles/-/9432 植物から出る「白い液」に防虫効果 高校生が実験で検証、資源としての活用を提案]
** [https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=2218 レタスがアオムシなどを遠ざける理由]
 
{{normdaten}}