「わたしを離さないで」の版間の差分

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=== 第三部(18章から23章) ===
キャシーがコテージを出て 7年が経った。ヘールシャムは閉鎖されていた。キャシーがコテージを出た後、ルースの性格はさらに酷くなり周りとうまくいかなくなり、トミーとも気持ちが離れた。ルースもしばらく介護人をしていたが、最初の提供を終えて2か月、キャシーが介護人としてつくことになった。湿地で船が座礁したというニュースが流れ、その近くにトミーのいる回復センターがある事から、2人は船の見物ついでにトミーに会いに行った。トミーは2回目の提供を終えた後だった。船を見物した帰り、ルースは2人に懺悔した。本当はカップルになるのはトミーとキャシーだった筈なのを分かってて自分が邪魔し続けた。許されることではないけど、マダムの住所を入手したので提供を猶予してもらい、2人の時間を取り戻して欲しいとルースは願った。ルースは2回目の提供後に死に、1年後、トミーが3回目の提供を終えてからキャシーはトミーの介護人になった。
 
2人はセックスをするようになり、トミーの描き続けた絵を持って、マダムに提供の猶予を頼みに行った。マダムと一緒に暮らしていたエミリ先生が説明をした。もともとエミリ先生とマダムは、クローン人間にも心があり、ちゃんと教育を受けさせれば普通の人間と同じに育つ事を示そうとヘールシャムの施設を作り、子供達の作品を集めて展示会を開き、寄付を集める運動をしていた。しかしモーニングデールという科学者が、能力を強化したクローン人間を作る違法な研究をしていたことが発覚した。無関係な事件であるものの、クローン人間に対する世間の嫌悪を煽る事になり、運動への支援も無くなってヘールシャムも閉鎖に追い込まれた。昔から提供の猶予などは噂でしかなく、保護官にそんな力は無かった。ルーシー先生は、生徒達に将来を正直に教えるべきだと主張したが、エミリ先生達は生徒達に嘘を吐いてでも希望を持たせ、一生懸命に生きる事を教えようとした。そのためルーシー先生は退職した。マダムは昔キャシーがカセットテープを聞きながら踊っていたのも覚えていて、残酷な世界に生きる少女に胸を打たれた事を告白した。
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2017年度ノーベル文学賞がイシグロに送られた際には、その受賞理由である「世界と繋がっているという我々の幻想に隠された深淵を偉大な感情力で明るみにした一連の小説」を体現する{{要出典|範囲=代表作として本作を紹介する解説者が多くいた。|date=2017年10月}}
 
[[豊崎由美]]は書評で「切ない恋愛小説」「残酷な[[ビルドゥングスロマン]]」と評価した。<ref> [https://allreviews.jp/review/734 『わたしを離さないで』(早川書房) - 著者:カズオ・イシグロ - 豊崎由美による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS] (ALL REVIEWS) </ref>
 
イシグロは『わたしを離さないで』は[[平行世界]]の[[イギリス]]を舞台にしているにもかかわらず、2015年までの自身の作品のうちでもっとも「日本的」な小説だと考えており、それまでに接してきた[[日本]]の映画や書籍の影響が登場人物のふるまいなどに反映されているという<ref>https://www.tbs.co.jp/never-let-me-go/original/</ref>。
 
イシグロは『わたしを離さないで』は平行世界の[[イギリス]]を舞台にしているにもかかわらず、2015年までの自身の作品のうちでもっとも「日本的」な小説だと考えており、それまでに接してきた[[日本]]の映画や書籍の影響が登場人物のふるまいなどに反映されているという<ref>https://www.tbs.co.jp/never-let-me-go/original/</ref>。
== 日本語訳書 ==
* 『わたしを離さないで』[[土屋政雄]]訳
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== 舞台 ==
[[ホリプロ]]の企画制作により[[2014年]]に舞台化され、[[彩の国さいたま芸術劇場]]、[[愛知県芸術劇場]]と[[シアター・ドラマシティ]]で上演された。演出は[[蜷川幸雄]]、脚本は[[倉持裕]]<ref>{{citeCite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20131115021543/http://www.theaterguide.co.jp/theater_news/2013/11/12.php|title=蜷川幸雄×倉持裕がカズオ・イシグロの傑作を舞台化 多部未華子&三浦涼介&木村文乃出演『わたしを離さないで』が来年春に上演|publisher=シアターガイド|date=2013-11-12|accessdate=2015-11-19}}</ref><ref name="saf">{{Cite web|和書|url= http://www.saf.or.jp/arthall/stages/detail/508 |title= 『わたしを離さないで』 |publisher= 彩の国さいたま芸術劇場|accessdate= 2015-11-19 }}</ref>。
 
=== キャスト(舞台) ===
* 八尋 - [[多部未華子]]<ref name=abcsite>{{citeCite web|和書|url=http://www.asahi.co.jp/event/watashi/|title=わたしを離さないで|朝日放送|publisher=[[朝日放送テレビ|朝日放送]]ホームページ|date=|accessdate=2015-11-19}}</ref>
* もとむ - [[三浦涼介]]<ref name=abcsite/>
* 鈴 - [[木村文乃]]<ref name=abcsite/>
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[[キャッチコピー]]は「'''運命に挑むには、愛するしかなかった。'''」。
 
原作のイギリスから、舞台を日本に移して翻案。主人公は「'''恭子'''」、ヘールシャムは「'''陽光学苑'''」などに置き換えている<ref>{{citeCite web|和書|url=https://www.oricon.co.jp/news/2062541/full/|title=綾瀬はるか×三浦春馬×水川あさみ共演『わたしを離さないで』連ドラ化|publisher=[[オリコン|ORICON STYLE]]|date=2015-11-19|accessdate=2015-11-19}}</ref>。物語は恭子が過去に遡って語る[[モノローグ]](=[[信頼できない語り手]])によって進行し、第1話 - 第3話を「'''第1章:陽光学苑編'''」、第4話 - 第6話を「'''第2章:コテージ編'''」、第7話以降を「'''最終章:希望編'''」としている。
 
[[鈴木梨央]]は[[2013年]]の[[日本放送協会|NHK]][[大河ドラマ]]『[[八重の桜]]』に続き、綾瀬演じる主人公の幼少期を演じる<ref>{{Cite news|url= https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2016/01/15/kiji/K20160115011856020.html |title= 鈴木梨央 再び綾瀬の幼少期役「わたしを離さないで」序盤牽引 |newspaper= スポニチアネックス |date= 2016-01-15 |accessdate= 2016-02-07}}</ref>。
 
ドラマに先駆け、綾瀬はイギリスにて原作者のイシグロと4時間以上にわたる対談に臨んだ<ref>{{Cite web|和書|url= https://www.tbs.co.jp/never-let-me-go/report/2.html |title= 撮影レポート |work= わたしを離さないで|publisher= TBSテレビ |date= 2015-12-23 |accessdate= 2016-02-07}}</ref><ref>{{Cite news|url= https://www.oricon.co.jp/news/2064306/full/ |title= 綾瀬はるか、主演ドラマ『わたしを離さないで』原作者と4時間超えの対談 |newspaper= ORICON STYLE |publisher= 株式会社oricon ME |date= 2015-12-23 |accessdate= 2016-02-07}}</ref>。
 
=== キャスト(テレビドラマ) ===
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: 原作でのトミーに相当。
: あだ名は「トモ」。やや押しに弱く優柔不断なところがある。感情が高ぶった時に[[屁|オナラ]]が出る体質。
: 幼少期は絵が苦手かつ[[癇癪]]持ちである事で、からかいの対象にされていたが、恭子や龍子の心遣いから[[サッカー]]選手への夢を持つ。
: 「提供者」となった後、恭子とは疎遠になっていたが、美和の「提供」を前に三人で陽光学苑跡地を見に行く約束をし、再会する。
; 酒井 美和(さかい みわ)
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* 脚本 - [[森下佳子]]
* 音楽 - [[やまだ豊]]
* 劇中歌 - 「Never Let Me Go」(作曲 : [[やまだ豊]]、歌 : [[Julia Shortreed]])<ref>{{Cite web|和書|url= https://www.tbs.co.jp/never-let-me-go/news/#n3 |title= 挿入歌情報 |work= わたしを離さないで |publisher= TBSテレビ |date= 2016-01-29 |accessdate= 2016-02-07}}</ref><ref> {{Cite news|url= https://www.oricon.co.jp/news/2066116/full/ |title= ドラマ『わたしを離さないで』話題の劇中歌を配信 |newspaper= ORICON STYLE |publisher= 株式会社oricon ME |date= 2016-01-29 |accessdate= 2016-01-29 }}</ref>
** 劇中ではCDアルバム『Songs after Dark / JUDY BRIDGWATER』の1曲という設定。
* 演出 - [[吉田健]]、山本剛義、[[平川雄一朗]]
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<!-- 視聴率を書く方へ。最高・最低視聴率に色を使う時はfontタグを使わないでください。[[プロジェクト:テレビドラマ]]参照 -->
{| class="wikitable" style="text-align:center"
!各話!!放送日!!サブタイトル!!演出!!視聴率<ref>{{citeCite web|和書|url=https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2016/03/22/kiji/K20160322012247350.html|title=綾瀬はるか主演「わたしを離さないで」最終回視聴率は6.7% |publisher=スポニチアネックス|date=2016-3-22|accessdate=2016-3-23}}</ref>
|-
|第1話||1月15日||ドラマ史上最も哀しい運命…衝撃の結末へ愛しく儚い命の果ての希望とは||rowspan="2"|吉田健||<span style="color:blue">6.2%</span>
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|最終話||3月18日||愛と希望の結末は…生きること愛することそして生まれてきた意味とは?||吉田健||6.7%
|-
!colspan="5"|平均視聴率 6.8%<ref>{{citeCite web|和書|url=https://www.cyzowoman.com/2016/03/post_19389_1.html|title=綾瀬はるか、『わたしを離さないで』今期最低も……「入浴シーン披露」で新ドラマ2ケタ突破! |publisher=サイゾーウーマン|date=2016-3-23|accessdate=2016-3-23}}</ref>(視聴率は[[ビデオリサーチ]]調べ、[[関東地方|関東地区]]・世帯)
|}<!--視聴率を書くときは出典を付けること。-->
 
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** [https://www.tbs.co.jp/never-let-me-go/ 金曜ドラマ わたしを離さないで] - TBS
** [https://www.tbs.co.jp/tbs-ch/item/d2816/ 金曜ドラマ わたしを離さないで] - TBSチャンネル
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[[Category:イギリスのSF小説]]
[[Category:ディストピア小説]]
[[Category:クローンを題材としたフィクション作品小説]]
[[Category:信頼できない語り手の作品]]
[[Category:イギリスを舞台とした小説]]
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[[Category:小説を原作とする舞台作品]]
[[Category:2016年のテレビドラマ]]
[[Category:クローンを題材としたテレビドラマ]]
[[Category:TBS金曜ドラマ]]
[[Category:日本のSFテレビドラマ]]
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[[Category:小説を原作とするテレビドラマ]]
[[Category:イギリスを舞台としたテレビドラマ]]
[[Category:1970年代を舞台とした作品]]
[[Category:1990年代を舞台とした作品]]