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'''ジョルジュ・シムノン'''('''Georges Simenon''', [[1903年]][[2月13日]] - [[1989年]][[9月4日]])は、[[ベルギー]]出身の[[フランス語]]で書く[[小説家]]、[[推理作家]]。
 
息子の{{仮リンク|マルク・シムノン|fr|Marc Simenon}}(1939 - 1999)は映画監督で、女優[[ミレーヌ・ドモンジョ]]の夫であった
 
==人物==
103編ある、[[ジュール・メグレ]]警視(Jules Maigret, 後に警視長)が登場する一連の[[推理小説]]で有名知られる
 
世界中で最も読まれたフランスの作家は、[[ヴィクトル・ユゴー]]、[[ジュール・ヴェルヌ]]についでシムノンであるいう説があるくらい位、シムノン文学は世界各国で好評を博した(シムノンはベルギー生まれだが、ほとんどのフランス人は彼のことを同国人と考えている)。その売上のほとんどはメグレものだが、シムノン自身はメグレを主流な仕事とは考えておらず、あくまで自分を純文学の作家とみなしており、そのメグレ以外の代表作の一つ、''"La neige était sale"''(『雪は汚れていた』)は[[アンドレ・ジッド]]、[[フランソワ・モーリアック]]から絶賛された
 
その売上のほとんどはメグレものだが、シムノン自身はメグレを主流な仕事とは考えておらず、あくまで自分を純文学の作家とみなしており、そのメグレ以外の代表作の一つ、『雪は汚れていた』(''"La neige était sale"'')は[[アンドレ・ジッド]]、[[フランソワ・モーリアック]]から絶賛された。
ジッドは"Les inconnus dans La maison"(『家の中の見知らぬ者たち』)についても「驚愕した。長い間、私にはこれほど激しい興奮をよびさまされた本がなかった。」<ref>『家の中の見知らぬ者たち』(読売新聞社)解説</ref> と称賛、"La Veuve Couderc"(『片道切符』)については、たまたま同年に書かれ出版された[[アルベール・カミュ|カミュ]]の『[[異邦人 (カミュ)|異邦人]]』と比較して「それよりも優れている。芸術の絶頂まで届いた作品だ。」と賛辞を惜しまず「現代フランスの最も偉大な作家。」<ref>『片道切符』(集英社文庫)解説</ref> とまで評価した。モーリアックも"Les Anneaux De Bicetre"(『ビセートルの環』)について「シムノンが喝破している真実は、今までいかなる小説家も、これほど赤裸々に、正視に耐えないほど、あからさまに暴き出したことのない真実である。」<ref>『ベティー』(読売新聞社)解説</ref> と驚嘆し、メグレものから影響を受けた[[江戸川乱歩]]も"L'homme de Londres"(『倫敦から来た男』)を「[[ドストエフスキー]]の心理的手法を巧みに我が物としている。純粋な犯罪小説として比類なき名作である。」<ref>『倫敦から来た男』(河出書房新社)解説</ref> と評価している。その他[[ヘンリー・ミラー]]、[[アナイス・ニン]]などシムノン文学に賛辞を送った作家は多い。
 
ジッドは『家の中の見知らぬ者たち』("Les inconnus dans La maison")についても「驚愕した。長い間、私にはこれほど激しい興奮をよびさまされた本がなかった。」<ref>『家の中の見知らぬ者たち』(読売新聞社)解説</ref> と称賛、『片道切符』("La Veuve Couderc")については、たまたま同年に書かれ出版された[[アルベール・カミュ|カミュ]]の『[[異邦人 (カミュ)|異邦人]]』と比較して「それよりも優れている。芸術の絶頂まで届いた作品だ。」と賛辞を惜しまず「現代フランスの最も偉大な作家。」<ref>『片道切符』(集英社文庫)解説</ref> とまで評価した。
性豪としても知られ、十三歳半の時以来、一万人の女性と性交渉をもったという話で、そのうちの八千人は娼婦で、あとの二千人が素人の女性だったという。
 
モーリアックも『ビセートルの環』("Les Anneaux De Bicetre")について「シムノンが喝破している真実は、今までいかなる小説家も、これほど赤裸々に、正視に耐えないほど、あからさまに暴き出したことのない真実である。」<ref>『ベティー』(読売新聞社)解説</ref> と驚嘆し、メグレものから影響を受けた[[江戸川乱歩]]も『倫敦から来た男』("L'homme de Londres")を「[[ドストエフスキー]]の心理的手法を巧みに我が物としている。純粋な犯罪小説として比類なき名作である。」<ref>『倫敦から来た男』(河出書房新社)解説</ref> と評価している。その他[[ヘンリー・ミラー]]、[[アナイス・ニン]]などシムノン文学に賛辞を送った作家は多い。
 
性豪としても知られ、十三歳半以来、一万人の女性と性交渉をもったという。そのうちの八千人は[[娼婦]]で、あとの二千人が素人の女性だったという。
 
== 経歴 ==
=== 幼少期と教育 ===
ジョルジュ・シムノンは、[[ベルギー]]、[[リエージュ]]のレオパール街26番地(現在は24番地)で生まれた。
父はデジレ・シムノン、母はアンリエット・ブリュール。
デジレ・シムノンは保険会社の会計部門で働いており、[[1902年]][[4月]]にアンリエットと結婚した。
ジョルジュ・シムノンが生まれたのは[[1903年]][[2月13日]]だったが、迷信を気にして12日生まれとして登録している。
彼の誕生にまつわるこの話は、小説「[[血統書]]([[:en:Pedigree|Pedigree]])」の冒頭で詳しく述べられている。
 
シムノン家は、その先祖をリンバーグ地域に遡ることができた。彼の母方の実家はオランダ領リンバーグの出であった。
母方の先祖の中でひとりに悪名高い人物の一人にガブリエル・ブリュールがいる。彼は1720年代からをくくられ刑とな[[1743年]]までリンバーグを悩ませた犯罪者であった。
後にシムノンは、ブリュールを彼自身のさんある[[ペンネーム]]の中の一つとして使用することになった。
 
[[1905年]]4月、ジョルジュ・シムノンが生まれてから2年後、一家はパスツール街3番地に引っ越した(現在はジョルジュ・シムノン街25番地)。
リエージュの[[ウトゥルムーズ]]街区の中にあった。
弟のクリスチャンが[[1906年]][[9月]]に生まれた。母親はこの弟を一番可愛がることになり、シムノンは屈辱を味わうことになった。
その後、[[1911年]]2月に、一家はロワ街53番地に引っ越した。ここもウトゥルムーズ街区の中であった。
こちらの家は大きかったので、下宿人を置くことができた。下宿人は見習い工や様々な国から来た学生達であったが、こうした人達が若いシムノンにより広い世界への入口となる重要なきっかけを与えとなっのである
この時の経験が彼の小説を特徴付けるのだが、特に、「血統書(Pedigree)」と「下宿人(Le Locataire)」にその影響が現れている。
 
3歳の時にシムノンはサン・ジュリエン保育園で読み方を習った。それから、[[1908年]]から[[1914年]]にかけて、サン・タンドレ学院に通う。[[
1914年]]9月に[[第一次世界大戦]]が始まってまもなく、シムノンはサン・ルイ中等学校([[イエズス会]]の高校)に入学する。
 
[[1917年]]2月、シムノン一家は[[アメルカール]]街区(※ウトゥルムーズ街区のすぐ隣)の、以前郵便局だった建物に引っ越す。[[
1919年]][[6月]]、さらにもう一度転居するのだが、この時はウトゥルムーズ街区のアンセニュモン街に引っ越している。
 
シムノンの父親の心臓の容態を言い訳にして、シムノンは[[1918年]]6月に学生生活を終える決心をした。サン・ルイ中等学校の年度末試験すら受けようとはしなかった。
その後、シムノンは奇妙な職業を転々としながら働くことになった
 
=== マメロンとピーター ===
シムノン家には二つの一族がいた。ワルーンズ・マメロンズ(シムノン家)とフレミッシュ・ピーターズ(ブリュール家)である。マメロ

シムノン家は、純粋なワルーン族で、リエージュのアウトレムーズに根を下ろした労働者階級の一家であった。マメロン家は
移動するものすべてに対して疑念を抱く。マメロン系で、安定、近隣への統合、職人や熟練工からなる中産階級への統合を象徴していた。マメロン家は
シムノンの作品中で、シムノン家は重要な役割を果たしたわけではなかった。ピータ

ブリュ家はマメロシムノン家とは全く違っていて異なり、家族としてのまとまりを欠き、自己中心的な動機や嫉妬からお互いに衝突していた。ピーター家、すなわち
落ち着きがなく、苦悩に満ちており、社会に適応できないシムノンの母親の一族の人々は、飲酒や流浪の生活、権力といったものに逃避したいと願っていた。
こうした彼らの生き様が、シムノンのごつごつした小説に登場する主人公達の原型となった。
 
=== 小説家の背景 ===
[[1919年]]1月、15歳のシムノンは、リエージュ新聞に職を見つける。[[ジョセフ・デマルトー]]が編集していたリエージュ新聞であったに就職する
シムノンが担当していたのは取るに足らない[[三面記事]]だけだったが、それためにかえって街のいかがわしい面を探求することが可能になったのだった。
政治、酒場、値段のホテルといったものに加え、犯罪、警察の調査、そして警察の技術について犯罪学者である[[エドモンド・ロカール]]が話してくれる講義、こうしたものが彼の興味の対象となった。
さらにシムノンは、この新聞社での経験から、素早く編集する技術を学んだのである。実際、シムノンは、ペンネームを用いて150本以上の記事を書いている。
 
シムノンの[[デビュー|処女作]]である『[[アルシュ橋で]]』([[Au Pont des Arches]])は1919年6月に書かれたもので、[[1921年]]に「Georges Sim」のペンネームで出版された。
 
この期間に、シムノンの夜遊び、すなわち、売春婦、飲んだくれること、どんちゃん騒ぎ、こうしたことは)が増えていった。
シムノン際のあった人達の中友関係には、[[無政府主義]]者、自由奔放な生活を送る芸術家達、さらには将来殺人を犯すことになる人物二人、といった人達がいた。
この二人の殺人は、「我が友人達の三つの犯罪(Les Trois crimes de mes amis.)」の中に登場する。
またシムノンは、「ニシン樽(La Caque)」として知られる芸術家集団とも交流があった。
彼自身がこの集団グループのメンバーに実際になったわけではなかったが、この集団を通じて将来妻となるレジーヌ・ランションと出会うのであるった
 
1978年にシムノンが語った所によれば、1919年に[[ジョルジェット・ルブラン]]がベルギーで『ベルギーの詩人たち』という演奏兼講演ツアーを行った際、リエージュでの公演を観覧にシムノンも観客に加わった。
[[メーテルリンク]]の歌曲演奏に感激した彼は、パリで文学の道に進もうと考え、彼女と同じ列車に乗ろうとしたが、友人によって家に連れ戻された。
まだその時には彼女が[[モーリス・ルブラン]]の妹とは知らなかったという<ref>Georges Simenon, ''On dit que j'ai soixante-quinze ans, Destinées, (Mes dictées)'', Presses de la Cité, 1980-1981.</ref>。
 
=== フランスに移って 1922(1922 -1945 1945) ===
父デジレ・シムノンが1922年に亡くなる。
デジール・シムノンは[[1922年]]に亡くなる。その結果、ジョルジュ・シムノンはレジーヌ・ランション(以後、愛称だった「ティギー」を用いることとする)とともにパリに引っ越すことになった。最初はまず第17区に居を構えた。バティニョール通りからそれほど離れていない場所である。彼は街に馴染み、居酒屋、安宿、バー、レストランなどに精通することになった。さらに重要なことには、シムノンが普通の労働者階級のパリ市民達と知り合ったのである。様々なペンネームを用いて作品を著すことで、シムノンの創造性はいよいよ実を結び始める。
その結果、ジョルジュ・シムノンはレジーヌ・ランション(以後、愛称だった「ティギー」を用いることとする)とともにパリに引っ越すことになった。
最初はまず第17区に居を構えた。バティニョール通りからそれほど離れていない場所である。
彼は街に馴染み、居酒屋、安宿、バー、レストランなどに精通することになった。
さらに重要なことには、シムノンが普通の労働者階級のパリ市民達と知り合ったのである。
様々なペンネームを用いて作品を著すことで、シムノンの創造性はいよいよ実を結び始める。
 
シムノンとティギーは、[[1923年]][[3月]]、結婚するためごく短い期間リエージュに戻った。
シムノンは、育ちは[[カソリック]]だったにもかかわらず、信仰を保ってはいなかった。
ティギーの家は、完全に無宗教だった。
しかし、シムノンの母親は教会での結婚式にこだわり、ティギーにカソリックの教理問答集を勉強して、名目上だけでも信者になるよう強制した。
シムノンが確固とした信仰を持っていたわけではなかったのに、シムノンの子供達は全員、カソリック教徒として洗礼を受けさせられることになった。
とはいえティギーと結婚しても、シムノンが他の多くの女達とのつながりを断ち切ることにはならなかった。
その中でも一番有名だと思われた女性なのは、[[ジョセフィン・ベイカー]]だったである
 
シムノンは取材の任務を受けて、[[ため1928年]]に長期間船旅に出ることになる。この船旅で、シムノンは船の面白さを覚えた。[[
1929年]]、彼は自分の船を建造することを決心した。船はオストロゴス号である。と名付けられ、シムノン、ティギー、料理人でもあり家政婦でもあるアンリエット・リベルジュ、そして彼らの飼い犬であるオラフがオストロゴス号の住民となった。そして
彼らはフランスの運河を巡る旅をした。
アンリエット・リベルジュは、「ブール」(文字通り、という意味で、彼女の少しずんぐりした見た目にちなんだ呼び名)として知られる女性だが、シムノンとはこの後数十年の間恋愛関係にあった。
しかし、シムノン夫妻の親しい友人であり、シムノン家の一部となっていたのである。
 
[[1930年]]、初めてジョルジュ・シムノンという本名名義によって、シムノンが創り出した最も有名な登場人物、[[メグレ警視]](Commissaire Maigret)の物語『怪盗レトン』が週刊読みもの誌「リックとラック(Ric et Rac)」に登場する(書籍刊行は1931年)。
ただしメグレが初めて登場する作品はペンネーム時代に書かれたジョルジュ・シム名義の『夜の列車(Train de nuit)』(書籍刊行は1930年)であり、これはシムノンがオランダを航行している時、特にいうなら[[デルフゼイル]]近辺を航海中に書かれたものだったと考えられている。
メグレが初めて書かれた場所であることを記念してデルフゼイルにはメグレの像が建てられている。
 
[[1932年]]には、シムノンは頻繁に旅に出た。て、[[アフリカ]]、[[東ヨーロッパ]]、[[トルコ]]、[[ソビエト連邦]]などから記事を送っていた。
世界中を旅する生活は[[1934年]]になっても終わらず、[[1935年]]まで続いた。
 
1932年から[[1936年]]にかけて、シムノン、ティギー、ブールは、フランス、[[シャラント・マリティム]]県[[マルシリ]]にある、ラ・リシャルディエールという16世紀の大邸宅に住んでいた。
この邸宅は、シムノンの小説「ドナデュの遺言(Le Testament Donadieu)」の中で触れられている。[[
1938年]]の初め、シムノンはラ・ロシェルにある別荘アグネを借り、[[8月]]には(シャラント・マリティム県の中の)[[ニュル・シュル・メール]]の農家の建物を購入している。そして
1939年、ティギーとの間一人息子マークがここで[[1939年]]に誕生した。
 
[[第二次世界大戦|第二次大戦]]中、シムノンは[[ヴァンデ]]県に住んでいた。
シムノンは、[[第二次世界大戦|第二次大戦]]中は[[ヴァンデ]]県に住んでいた。戦争中の彼の行動はかなりの議論を呼ぶこととなった。学者の中には、シムノンがこれまでずっとドイツと通じていたのだという見方をするものが出てきており、その一方でこの見方を否定するものがいた。シムノンのことを、政治には関心の無い男で、本質的に[[日和見主義者]]だが、決して[[ドイツ]]の協力者などではない、と解釈していたのである。しかし、シムノンが現地の農場主達からドイツの協力者だと告発され、その一方で、[[ゲシュタポ]]からは彼が[[ユダヤ人]]ではないかと疑われて-これは「シムノン(Simenon)」という名前と「シモン(Simon)」という名前とを混同してのことだったのだが-状況はさらに混乱したものとなった。ともあれ、戦争末期にはシムノンは当局の監視下に置かれていた。というのも、ドイツの占領中に、彼は自分の著作の映画化の権利をドイツの映画スタジオと交渉して取り決めていたからである。[[1950年]]には、5年間、新作の出版を一切禁止される処分を受ける。しかし、この処分は公に告知されていなかったため、ほとんど実効のないものであった。
戦争中の彼の行動はかなりの議論を呼ぶこととなった。
学者の中には、シムノンがこれまでずっとドイツと通じていたのだというものがおり、一方でこれを否定するものもいた。
否定派はシムノンのことを、政治には関心の無い男で、本質的に[[日和見主義者]]だが、決してドイツの協力者などではない、と解釈していたのである。
しかし、シムノンは現地の農場主達からドイツの協力者だと告発され、また一方で[[ゲシュタポ]]からは[[ユダヤ人]]ではないかと疑われて -これは「シムノン(Simenon)」という名前と「シモン(Simon)」という名前とを混同してのことだったのだが- 状況はさらに混乱したものとなった。
ともあれ、戦争末期にはシムノンは当局の監視下に置かれていた。
というのも、ドイツの占領中に自分の著作の映画化権をドイツの映画スタジオと取り決めていたからである。
このため1950年には、5年間、新作の出版を一切禁止される処分を受ける。しかし、この処分は公に告知されていなかったため、ほとんど実効のないものであった。
 
戦争中、シムノンは重要な作品をいくつも生み出した。その中には、「ドナデュの遺言(Le Testament Donadieu)」、「万聖節の旅人(Le Voyageur de la Toussaint)」「マエの輪(Le Cercle des Mahé)」などである。
彼は重要な文通も行っている。おり、特に[[アンドレ・ジイド]]との文通が有名である。
 
1940年代初めには、シムノンは健康上の不安を抱えていたが、ある時、その地の医者が彼の心臓が重篤な状態にある(シムノンの父親のことを思い出させるが)と誤診したのである。余命数ヶ月という診断であった。
また、ティギーがブールのことでシムノンにとうとう不意打ちをくらわせたのも同じ頃であった。
シムノンとティギーは1949年までは夫婦でいたのだが、今では結婚といっても形だけのものになっていた。
ティギーが最初に抗議したのにもかかわらず、ブールは二人とともにとどまっていたのだった。
 
戦争中の不確かな振る舞いにもかかわらず、ラ・ロシェールの街は結局はシムノンに栄誉を与えることとなった。[[1989年]]に、彼にちなんで[[埠頭]]の名前をつけたのである。シムノンは体調が悪く、献呈の式典には出席できなかった。しかし、[[2003年]]には、彼の息子のジョニーが父親を表彰する別の行事に参加している。
 
=== 米国とカナダで 1945(1945 -1955 1955) ===
シムノンはフランスでの尋問を免れるため、[[1945年]]にティギーとマールと一緒に北米に逃れた。[[カナダ]]の[[ケベック州]][[モントリオール]]の北にあるドメイン・レステレルで最新型の家を借り、その中の丸太小屋の一つ(LC5と呼ばれ現存する)で小説を三篇(そのうちの一つは「マンハッタンの三つの寝室」である)書いている。ブールはヴィザの問題で最初から一家に合流することはできなかった。
 
アメリカで過ごす間、シムノンは定期的に[[ニューヨーク]]を訪れていた。シムノンは一家で長距離の自動車旅行に出たりもしている。[[メイン州|メーン州]]から[[フロリダ州]]に行ってみたり、西は[[カリフォルニア]]まで訪れている。シムノンは[[フロリダ]]、ブラデントンの[[アンナ・マリア島]]に短い期間住んだ後、[[アリゾナ州|アリゾナ]]州の[[ノガレス]]に家を借りている。ここに至ってようやくブールも一家に合流することができた。シムノンの小説「瓶の底(The Bottom of the Bottle)」は、アリゾナ州ノガレスでの生活から強く影響を受けたものになっている。
 
砂漠に心惹かれるものがありつつも、シムノンはアリゾナを後にすることを決める。続いてカリフォルニアに留まった後、[[コネティカット]]州[[レイクヴィル]]の大きな家、シャドウ・ロック・ファームに落ち着くことにした。この街が[[1952年]]の小説「ベルの死(La Mort de Belle)」の背景となっている。
 
米国にいる間、シムノンと息子のマールは、比較的容易に英語での会話が話せるようになった。これはブールも同じだった。しかしティギーは英語に関しては大変難儀な思いをして、[[ヨーロッパ]]に帰ることを切望するようになった。
 
その一方で、シムノンは17歳年下の女性デニーズ・ウィメ、17歳年下の女性と出会っている。デニーズはモントリオール出身で、[[1945年]]にニュー・ヨークでシムノンに出会った(彼女は秘書として雇われることになっていた)。そして、二人はすぐに波乱含みの、かつ、不幸な恋愛を始めてしまったのである。おびただしい数の法的問題を解決して、シムノンとティギーは1949年に離婚した。その後、シムノンとデニーズ・ウィメは[[レノ]]で結婚する。1950年に[[ネバダ州|ネヴァダ]]に移り、結局三人の子供が生まれた。ジョニー([[1949年]]生まれ)、マリー・ジョー([[1953年]]生まれ)、ピエール([[1959年]]生まれ)である。離婚の際の取り決めの通り、ティギーはシムノンと息子マールのすぐ近くに住んだ。こうした状況は彼ら全員が[[1955年]]にヨーロッパに戻るまで続いた。
 
[[1952年]]、シムノンはベルギーに趣き、[[ベルギー王立アカデミー]]のメンバーに選ばれる。シムノンは、[[1922年]]以降は一度もベルギーに住んだことはなかったのだが、生涯ベルギー国民であり続けた。
 
=== ヨーロッパに帰る 1955(1955 -1989 1989) ===
シムノンの一家は、[[1955年]]にヨーロッパに戻った。最初はフランスに住み(主に[[コートダジュール]]沿岸)、その後[[スイス]]に落ち着いた。[[エシャンダン]]の借家で暮らした後、[[ローザンヌ]]の北に位置する[[エパランジュ]]に物件を購入した。そしてその場所に巨大な家を建てさせたのである。
 
シムノンとデニーズは[[1964年]]には離婚することが決定的になった。テレサは[[1961年]]からシムノン家で家政婦として働いてきたのだが、この時までにシムノンと恋愛関係にあって、彼の残りの生涯を一緒に暮らすことになる。
 
長きにわたって心配の種となってきたマリー・ジョーが[[1978年]]、25歳の時にパリで自殺した。この出来事はシムノンの以後の人生を暗いものにした。
 
監督兼プロデューサーであったジョン・ゴールドシュミットが製作した記録映画「メグレの鏡」は、ローザンヌの大邸宅で撮影されたものであり、また、犯罪心理学者との間の告白調の会話に基づいた人物紹介の形式を取っている。この映画はATVのために制作され、[[1981年]]にイギリスのITVネットワークで放送された。
 
[[1984年]]、シムノンは[[脳腫瘍]]の外科手術を受け、順調に回復した。しかしその後数年にわたり、彼の健康は悪化していった。シムノンが、テレビで放送された最後の[[インタビュー]]に登場したのは[[1988年]]12月のことであった。
 
ジョルジュ・シムノンは、ローザンヌで、[[1989年]]の9月3日から4日にかけての夜中、眠ったまま亡くなった。
 
シムノンは偉大な遺産を残して亡くなった。そこで、のため彼を記念して、記念[[銀貨]]が作られることになった。り、シムノン生誕100年を記念して、の2003年にベルギーで[[2003年]]に銀貨が製作された。硬貨の表には彼の肖像画が描かれている。
 
== 日本におけるシムノン紹介 ==
[[ファイル:Georges Simenon (1963) without hat by Erling Mandelmann.jpg|thumb|ジョルジュ・シムノン(1963年)]]
戦前に著作が日本語に訳され高い評価を受けた。
戦前に著作が日本語に訳され高い評価を受けた。雑誌『[[新青年 (日本)|新青年]]』の企画で、日本の探偵小説家の海外探偵小説のベスト10を発表するものがあり、代表作の''"La Tête d'un homme"''(『[[男の首]]』)が全体の9位に入った。個人では[[大下宇陀児]]、[[木々高太郎]]、[[角田喜久雄]]、[[渡辺啓助]]らがシムノンの作品を上位に挙げた。特に角田には多大な影響を与えたらしく、『[[高木家の惨劇]]』など角田が戦後に執筆した9つの小説に登場する加賀美敬介警部の人物像はメグレをモデルとしている。
 
雑誌『[[新青年 (日本)|新青年]]』の企画で、日本の探偵小説家による海外探偵小説のベスト10を発表するものがあり、代表作の『[[男の首]]』(''"La Tête d'un homme"'')が全体の9位に入った。[[大下宇陀児]]、[[木々高太郎]]、[[角田喜久雄]]、[[渡辺啓助]]らがシムノンの作品を上位に挙げており、特に角田は多大な影響を受けたらしく、『[[高木家の惨劇]]』など角田が戦後に執筆した9つの小説に登場する加賀美敬介警部の人物像はメグレをモデルとしている。
日本に紹介された当初はSimenonという名字の正確な発音が不明であり、訳者によってはシメノンと表記していたが、1956年に木々高太郎がシムノン本人に会って'''シムノン'''が正しい発音であると確認。1958年の『死体が空から降ってくる チビ医者の犯罪診療簿1』(原千代海訳,早川書房)が最後のシメノン表記の日本語訳の著書であり、それ以降の日本語訳された著書はすべてシムノン表記である。
 
日本に紹介された当初は「Simenon」という名字の正確な発音が不明であり、訳者によってはシメノンと表記していたが、1956年に木々高太郎がシムノン本人に会って'''シムノン'''が正しい発音であると確認された。
==メグレシリーズ==
 
== 「メグレ警視」シリーズ ==
執筆年を記す。
=== 長編 ===
*『怪盗レトン』(''"Pietre-le-Letton"''(1929)、[[木村庄三郎 (フランス文学者)|木村庄三郎]]訳、[[東京創元社]]、[[創元推理文庫]]) 1960、のち[[旺文社文庫]]]1978.4
*''"Pietre-le-Letton"''(1929年)
::『メグレ対怪盗』([[稲葉由紀]]訳、[[東都書房]]、世界推理小説大系20) 1963
**『怪盗レトン』([[木村庄三郎 (フランス文学者)|木村庄三郎]]訳, [[東京創元社]][[[創元推理文庫]]], 1960年 / [[旺文社]][[[旺文社文庫]]], 1978年4月)
**::メグレ対怪盗レトン』([[稲葉由紀]]明雄, [[東都角川店]]、[[角川文庫]][世界推理小説大系]20巻, 1963年 1978.1
*『死んだギャレ氏』(''"Monsieur Gallet décédé"''(1930)、[[宗左近]]訳、東京創元社、創元推理文庫) 1961
**『怪盗レトン』(稲葉明雄訳, [[角川書店]][[[角川文庫]]], 1978年1月)
*『聖フォリアン寺院の首吊男』(''"Le Pendu de Saint-Phollien"''(1930)、[[伊東鋭太郎]]訳、[[春秋社]]) 1937 - [[江戸川乱歩]]はこの作品を翻案して『[[幽鬼の塔]]』を執筆した。
*''"Monsieur Gallet décédé"''(1930年)
::『サン・フォリアン寺院の首吊り人』([[水谷準]]訳、[[雄鶏社]]、おんどり・みすてりい) 1950、のち角川文庫 1957
**『死んだギャレ氏』([[宗左近]]訳, [[東京創元社]][[[創元推理文庫]]], 1961年)
::『サン・フォリアンの首吊り男』([[三好格]]訳、[[中央公論社]]、世界推理名作全集5) 1960
*''"Le Pendu de Saint-Phollien"''(1930年)
**::サン・フォリアン寺院の首吊りの男』([[伊東鋭太郎]]訳, [[春秋中央公論]], 1937年、世界推理小説名作選 1962  
**::『サンフォリアン寺院教会の首吊り[[水谷準]新訳版](伊禮規与美, [[雄鶏社]][おんどり、ハヤカワみすてりい], 1950年 / 角川書店[角川ミステリ文庫], 1957年))2023
*『水門』(''"Le Charretier de la Providence"''(1930)、伊東鋭太郎訳、春秋社) 1937
**『サン・フォリアンの首吊り男』([[三好格]]訳, [[中央公論社]][世界推理名作全集]5巻, 1960年)
::『水門の惨劇』(伊東鋭太郎訳、[[京北書房]]) 1947
***改題『サン・フォリアンの首吊りの男』(中央公論社[世界推理小説名作選], 1962年)
::『運河の秘密』(伊東鋭太郎訳、京北書房) 1953
****[[江戸川乱歩]]はこの作品を翻案して『[[幽鬼の塔]]』を執筆した。
::『メグレと運河の殺人』([[田中梓]]訳、[[河出書房新社]]、メグレ警視シリーズ) 1980.1
*''"Le Charretier de la Providence"''(1930年)
*『男の頭 : モンパルナスの夜』(''"La Tête d'un homme"''(1930)、[[永戸俊雄]]訳、[[西東書林]]) 1935
**『水門』(伊東鋭太郎訳, 春秋社, 1937年)
::『モンパルナスの夜』(春秋社) 1937
***改題『水門の惨劇』(伊東鋭太郎訳, [[京北書房]], 1947年)
::『或る男の首』(雄鶏社、おんどり・みすてりい) 1950、のち[[ハヤカワ・ミステリ]] 1955
***改題『運河の秘密』(伊東鋭太郎訳, 京北書房, 1953年)
::『[[男の首]]』([[宮崎嶺雄]]訳、東京創元社 世界推理小説全集19) 1956、のち創元推理文庫 1959.9
**『メグレと運河の殺人』([[田中梓]]訳, [[河出書房新社]][メグレ警視シリーズ], 1980年1月)
::『モンパルナスの夜』([[堀口大學]]訳、[[新潮社]]、探偵小説文庫) 1956
*''"La Tête d'un homme"''(1930年)
::『或る男の首』(新潮社、[[新潮文庫]]) 1959
**『男の頭 : モンパルナスの夜』([[永戸俊雄]]訳, [[西東書林]], 1935年)
::『男の首』(三好格訳、中央公論社、世界推理名作全集5) 1960、中央公論社 世界推理小説名作選 1962
***改題『モンパルナスの夜』(春秋社, 1937年)
***改題::或る男の首』(雄鶏社[おんどり・みすてりい], 1950年 / [[早宗左近訳、角川書房]][[ハヤカワ・ミステリ]]角川文庫], 19551963年)
**::[[ある男の首]]』([[宮崎嶺雄石川湧]]訳,、[[講談社]] 東京創元社[世界推理小説全集]19巻, 1956年 / 東京創元社[創元推理文庫],大系7) 1959年9月11日)1972
**::モンパルナス』([[堀口大學]]木村庄三郎, [[新潮、旺文社、旺文]][探偵小説文庫], 1956年 1977.1
::『ある死刑囚の首』([[矢野浩三郎]]訳、[[文研出版]] 文研の名作ミステリー9) 1977.6
***改題『或る男の首』(新潮社[[[新潮文庫]]], 1959年)
*『黄色い犬』(''"Le Chien jaune"''(1931)、永戸俊雄訳、雄鶏社、おんどり・みすてりい) 1950、ハヤカワ・ミステリ 1955
**『男の首』(三好格訳, 中央公論社[世界推理名作全集]5巻, 1960年 / 中央公論社[世界推理小説名作選], 1962年)
::『黄色い犬』(宮崎嶺雄訳、東京創元社、世界推理小説全集19) 1956、創元推理文庫 1959.9、東京創元社 世界名作推理小説体系3 1960
**『男の首』(宗左近訳, 角川書店[角川文庫], 1963年)
::『黄色い犬』([[中島昭和]]訳、角川書店、角川文庫) 1963
**『ある男の首』([[石川湧]]訳, [[講談社]][世界推理小説大系]7巻, 1972年)
**::男の首黄色い犬』(木村庄矢野浩三郎訳, 旺文社[旺文、[[集英文庫],]] 1977年1月ジュニア版世界の推理 1972
::『黄色い犬』(木村庄三郎訳、旺文社、旺文社文庫) 1976
**『ある死刑囚の首』([[矢野浩三郎]]訳, [[文研出版]][文研の名作ミステリー]9巻, 1977年6月)
*『深夜の十字路』(''"La Nuit du carrefour"''(1931)、[[秘田余四郎]]訳、ハヤカワ・ミステリ) 1953
*''"Le Chien jaune"''(1931年)
::『メグレと深夜の十字路』([[長島良三]]訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1980.6
**『黄色い犬』(永戸俊雄訳, 雄鶏社[おんどり・みすてりい], 1950年 / 早川書房[ハヤカワ・ミステリ], 1955年)
*『オランダの犯罪』(''"Un crime en Hollande"''(1931)、宗左近訳、創元推理文庫) 1960
**『黄色い犬』(宮崎嶺雄訳, 東京創元社[世界推理小説全集]19巻, 1956年 / 東京創元社[創元推理文庫], 1959年9月11日 / 東京創元社[世界名作推理小説体系]3巻, 1960年)
*『ニュー・ファウンドランドで逢おう』(''"Au rendez-vous des terre-neuvas"''(1931)、稲葉由紀訳、[[宝石社]]『[[宝石 (雑誌)|別冊宝石]]』103号) 1960
**『黄色い犬』([[中島昭和]], 角川書店[角川文庫], 1963年)
::『港の酒場で』(木村庄三郎訳、創元推理文庫) 1961、旺文社文庫 1977.9
**『黄色い犬』(矢野浩三郎訳, [[集英社]][ジュニア版世界の推理], 1972年)
*『リェーヂユの踊子』(''"La Danseuse du Gai-Moulin"''(1931)、伊東鋭太郎訳、春秋社) 1937
**『黄色い犬』(木村庄三郎訳, 旺文社[旺文社文庫], 1976年)
::『ゲー・ムーランの踊子』([[安堂信也]]訳、創元推理文庫) 1959.11
*''"La Nuit du carrefour"''(1931年)
*『三文酒場』(''"La Guinguette à deux sous"''(1931)、安堂信也訳、創元推理文庫) 1960.8
**『深夜の十字路』([[秘田余四郎]]訳, 早川書房[ハヤカワ・ミステリ], 1953年)
*『霧の港』(''"Le Port des brumes"''(1931)、[[松村喜雄]]訳、ハヤカワ・ミステリ) 1954
**『メグレと深夜の十字路』([[長島良三]]訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1980年6月)
::『霧の港のメグレ』([[飯田浩三]]訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1980.2
*''"Un crime en Hollande"''(1931年)
*『影絵』(''"L'Ombre chinoise"''(1931)、松村喜雄訳、[[共栄社]]『[[探偵倶楽部]]』) 1954
**『オランダの犯罪』(宗左近訳, 東京創元社[創元推理文庫], 1960年)
::『影絵のように』([[望月芳郎]]訳、創元推理文庫) 1960.8
*''"Au rendez-vous des terre-neuvas"''(1931年)
::『メグレと死者の影』([[榊原晃三]]訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1980.5
**『ニュー・ファウンドランドで逢おう』(稲葉由紀訳, [[宝石社]]『[[宝石 (雑誌)|別冊宝石]]』103号, 1960年)
*『サン・フィアクル殺人事件』(''"L'Affaire Saint-Fiacre"''(1932)、三輪秀彦訳、創元推理文庫) 1986.4
**『港の酒場で』(木村庄三郎訳, 東京創元社[創元推理文庫], 1961年 / 旺文社[旺文社文庫], 1977年9月)
*『メグレ警部と国境の町』(''"Chez les Flamands"''(1932)、三輪秀彦訳、創元推理文庫) 1961
*''"La Danseuse du Gai-Moulin"''(1931年)
*『メグレを射った男』(''"Le Fou de Bergerac"''(1932)、[[鈴木豊 (フランス文学者)|鈴木豊]]訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1979.9
**『リェーヂユの踊子』(伊東鋭太郎訳, 春秋社, 1937年)
*『自由酒場』(''"Liberty bar"''(1932)、伊東鋭太郎訳、[[アドア社]]) 1936
**『ゲー・ムーランの踊子』([[安堂信也]]訳, 東京創元社[創元推理文庫], 1959年11月27日)
::『紺碧海岸のメグレ』([[佐藤絵里]]訳、論創社、論創海外ミステリ) 2015.1
*''"La Guinguette à deux sous"''(1931年)
*『第1号水門』(''"L'Écluse numeros 1"''(1933))
**『三文酒場』(安堂信也訳, 東京創元社[創元推理文庫], 1960年8月5日)
*『幕をとじてから』(''"Maigret"''(1933)、松村喜雄訳、共栄社『探偵倶楽部』) 1954
*''"Le Port des brumes"''(1931年)
**::霧の港メグレ再出馬』([[松村喜雄野中雁]]訳, 早川、河出書房[ハヤカワ・ミステ新社、メグレ警視シ],ーズ) 1954年)1980.3
*『メグレと死んだセシール』(''"Cécile est morte"''(1939)、長島良三訳、[[光文社]]『[[エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン|EQ]]』) 1991.11
**『霧の港のメグレ』([[飯田浩三]]訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1980年2月)
*『メグレと超高級ホテルの地階』(''"Les Caves du Majestic"''、長島良三訳、光文社『EQ』) 1995.5
*''"L'Ombre chinoise"''(1931年)
 『メグレとマジェスティック・ホテルの地階』[新訳版](高野優訳、ハヤカワ・ミステリ文庫)2023
**『影絵』(松村喜雄訳, [[共栄社]]『[[探偵倶楽部]]』, 1954年)
*『メグレと判事の家の死体』(''"La Maison du juge"''、長島良三訳、光文社『EQ』) 1988.3
**『影絵のように』([[望月芳郎]]訳, 東京創元社[創元推理文庫], 1960年8月5日)
**『メグレと死者ピクピュス』([[榊原晃''"Signé Picpus"''、長島良]], 河出書房新、光文[メグレ警視シリーズ],『EQ』) 1980年5月)1983.7
*『メグレと死体刑事』(''"L'Inspecteur Cadavre"''(1941)、長島良三訳、[[読売新聞社]]、[[フランス長編ミステリー傑作集]]3) 1981.9
*''"L'Affaire Saint-Fiacre"''(1932年)
*『メグレと奇妙な女中の謎』(''"Féliche est là"''、長島良三訳、光文社『EQ』) 1986.5
**『サン・フィアクル殺人事件』
*『メグレ激怒する』("Maigret se fâche"(1945)、長島良三訳、[[河出文庫]]) 1988.8
*''"Chez les Flamands"''(1932年)
*『メグレ氏ニューヨークへ行く』(''"Maigret à New York"''(1946)、長島良三訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1977.4
**『メグレ警部と国境の町』
*『メグレの休暇』(''"Les Vacances de Maigret"''(1947)、永戸俊雄訳、ハヤカワ・ミステリ) 1955
*''"Le Fou de Bergerac"''(1932年)
**::『メグレを射った男のバカンス』([[鈴木豊 (フランス文学者)|鈴木豊]]矢野浩三郎, 河出書房新社メグレ警視シリーズ], 1979年9月 1980.8
*『メグレと殺人者たち』(''"Maigret et son mort"''(1947)、長島良三訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1976.4
*''"Liberty bar"''(1932年)
*『メグレの初捜査』(''"La Première Enquête de Maigret"''(1948)、[[萩野弘巳]]訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1977.5
**『自由酒場』(伊東鋭太郎訳, [[アドア社]], 1936年)
**『紺碧海岸のメグレ式捜査法』(''"Mon ami Maigret"''(1949)、[[佐藤絵里谷亀利一]]訳, 論創、河出書房新[論創海外ミステ、メグレ警視シ], 2015年1月ーズ 1977.7
*『メグレ保安官になる』(''"Maigret chez le coroner"''(1949)、鈴木豊訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1979.7
*''"L'Écluse numeros 1"''(1933年)
*『メグレ夫人と公園の女』(''"L'Amie de Madame Maigret"''(1949)、[[佐宗鈴夫]]訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1977.6
**『第1号水門』
*『メグレの回想録』(''"Les Mémories de Maigret"''(1950)、長島良三訳、早川書房 世界ミステリ全集9) 1973.4
*''"Maigret"''(1933年)
*『メグレと老婦人』(''"Maigret et la vieille dame"''(1950)、[[日影丈吉]]訳、ハヤカワ・ミステリ) 1961、[[ハヤカワ・ミステリ文庫]] 1976
**『幕をとじてから』(松村喜雄訳, 共栄社『探偵倶楽部』, 1954年)
**『モンマルトルのメグレ再出馬』([[''"Maigret au Picratt's"''(1950年)、矢中雁]]浩三郎, 河出書房新社メグレ警視シリーズ], 1980年3月)1977.1
*『メグレ夫人のいない夜』(''"Maigret en meublé"''(1951)、佐宗鈴夫訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1978.4
*''"Cécile est morte"''(1939年)
*『メグレと消えた死体』(''"Maigret et la Grande Perche"''(1951)、榊原晃三訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1977.8
**『メグレと死んだセシール』(長島良三訳, [[光文社]]『[[エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン|EQ]]』, 1991年11月)
*『メグレの拳銃』(''"Le Revolver de Maigret"''(1952)、佐宗鈴夫訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1979.6
*''"Les Caves du Majestic"''
**『メグレと超高級ホテルベンチ地階』(長島良''"Maigret et l'homme du banc"''(1952)、矢野浩, 光文、河出書房新『EQ』, 1995年5月、メグレ警視シリーズ 1977.12
*『メグレ警視と生死不明の男』(''"Maigret,Lognon et gangstars "''(1952)、長島良三訳、[[河出文庫|講談社文庫]]) 1971.1
*''"La Maison du juge"''
**『メグレと判事家の死体途中下車』(長島良''"Maigret a peur"''(1953)、榊原晃三訳, 光文、河出書房新『EQ』, 1988年3月、メグレ警視シリーズ 1976
*『メグレ間違う』(''"Maigret se trompe"''(1953)、萩野弘巳訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1976
*''"Signé Picpus"''
*『メグレと田舎教師』(''"Maigret à l'école"''(1953)、[[佐伯岩夫]]訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1978.5
**『メグレと謎のピクピュス』(長島良三訳, 光文社『EQ』, 1983年7月)
*『メグレと若い女の死』(''"Maigret et la jeune morte"''(1954)、[[北村良三]]訳、ハヤカワ・ミステリ) 1972
*''"L'Inspecteur Cadavre"''(1941年)
**『メグレと若い女の体刑事(長島良三訳, [[読売聞社訳版]][フランス長編(平岡敦訳、ハヤカワ・ミステリー傑作集]3巻, 1981年9月文庫 2023
*『メグレと政府高官』(''"Maigret chez le ministre"''(1954)、長島良三訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1977.9
*''"Féliche est là"''
*『メグレ罠を張る』(''"Maigret tend un piège"''(1955)、[[峯岸久]]訳、ハヤカワ・ミステリ) 1958
**『メグレと奇妙な女中の謎』(長島良三訳, 光文社『EQ』, 1986年5月)
*『メグレと首無し死体』(''"Maigret et le corps sans tête"''(1955)、長島良三訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1977.2
*"Maigret se fâche"(1945年)
**『メグレ激怒するの失態』(長島良三訳,''"Un échec de Maigret"''(1956)、[[大友徳明]]訳、河出書房新社[[[河出文庫]]], 1988年8月、メグレ警視シリーズ 1979.11
*『メグレ推理を楽しむ』(''"Maigret s'amuse"''(1956)、[[仁科祐]]訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1979.10
*''"Maigret à New York"''(1946年)
**『メグレ氏ニューヨークへ行くとかわいい伯爵夫人』(長島良三''"Maigret voyage"''(1957)、[[江口旦]], 河出書房新社メグレ警視シリーズ], 1977年4月 1979.8
*『メグレと火曜の朝の訪問者』(''"Les Scruples de Maigret"''(1957)、谷亀利一訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1976
*''"Les Vacances de Maigret"''(1947年)
*『メグレと口の固い証人たち』(''"Maigret et les témoins récalcitrants"''(1958)、長島良三訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1976.12
**『メグレの休暇』(永戸俊雄訳, 早川書房[ハヤカワ・ミステリ], 1955年)
**『メグレのバカンス打明け話』(矢野浩''"Une Confidence de Maigret"''(1959)、長島良, 河出書房新社メグレ警視シリーズ], 1980年8月 1978.4
*『重罪裁判所のメグレ』(''"Maigret aux assises"''(1959)、[[小佐井伸二]]訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1977.10
*''"Maigret et son mort"''(1947年)
**『メグレと殺人者たち老外交官の死』(''"Maigret et les vieillards"'' (1960)、長島良三訳, 河出書房新社メグレ警視シリーズ], 1976年4月 1980.1
*『メグレと優雅な泥棒』(''"Maigret et le vouleur paresseux"''(1961)、榊原晃三訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1977.12
*''"La Première Enquête de Maigret"''(1948年)
**『メグレの初捜査と善良な人たち』([[萩野弘巳]]訳,''"Maigret et les braves gens"''(1961)、小佐井伸二訳、河出書房新社メグレ警視シリーズ], 1977年5月 1978.8
*『メグレと妻を寝とられた男』(''"Maigret et le client du samedi"''(1962)、大友徳明訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1978.3
*''"Mon ami Maigret"''(1949年)
**『メグレ式捜査法とルンペン』([[谷亀利一]]訳,''"Maigret et le clochard"''(1962)、野中雁訳、河出書房新社メグレ警視シリーズ], 1977年7月 1979.5
*『メグレと殺された容疑者』(''"La Colère de Maigret"''(1962)、佐宗鈴夫訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1978.1
*''"Maigret chez le coroner"''(1949年)
**『メグレ保安官になると幽霊』(''"Maigret et le fantôme"''(1963)、佐宗木豊, 河出書房新社メグレ警視シリーズ], 1979年7月 1976
*『メグレたてつく』(''"Maigret se defénd"''(1964)、榊原晃三訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1977.3
*''"L'Amie de Madame Maigret"''(1949年)
**『メグレ夫人公園の女宝石泥棒』([[佐宗鈴夫]]訳,''"La Patience de Maigret"''(1965)、長島良三訳、河出書房新社メグレ警視シリーズ], 1977年6月 1978.2
*『メグレと賭博師の死』(''"Maigret et l'affaire Nahour"''(1966)、矢野浩三郎訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1979
*''"Les Mémories de Maigret"''(1950年)
*『メグレの財布を掏った男』(''"Le Voleur de Maigret"''(1966)、[[伊東守男]]訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1978.5
**『メグレの回想録』(長島良三訳, 早川書房[世界ミステリ全集]9巻, 1973年4月30日)
*『メグレとリラの女』(''"Maigret à Vichy"''(1967)、伊東守男訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1978.7
*''"Maigret et la vieille dame"''(1950年)
*『メグレと殺人予告状』(''"Maigret hésite"''(1968)、榊原晃三訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1978.8
**『メグレと老婦人』([[日影丈吉]]訳, 早川書房[ハヤカワ・ミステリ], 1961年 / 早川書房[[[ハヤカワ・ミステリ文庫]]], 1976年)
*『メグレの幼な友達』(''"L'Ami d'enfance de Maigret"''(1968)、田中梓訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1978.10
*''"Maigret au Picratt's"''(1950年)
**『モンマルトルのメグレと録音マニア』(矢野浩三郎訳,''"Maigret et le tueur"''(1969)、佐宗鈴夫訳、河出書房新社メグレ警視シリーズ], 1977年1月 1978.6
*『メグレとワイン商』(''"Maigret et le marchand de vin"''(1969)、飯田浩三訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1978.11
*''"Maigret en meublé"''(1951年)
**『メグレと老婦人のいない夜』(佐宗鈴夫訳,''"La Folle de Maigret"''(1970)、長島良三訳、河出書房新社メグレ警視シリーズ], 1978年4月).7
*『メグレとひとりぼっちの男』(''"Maigret et l'homme tout seul"''(1971)、野中雁訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1978.9
*''"Maigret et la Grande Perche"''(1951年)
**『メグレと消えた死体匿名の密告者』(榊原晃三訳,''"Maigret et l'indicateur"''(1971)、野中雁訳、河出書房新社メグレ警視シリーズ], 1977年8月 1978.6
*『メグレ最後の事件』(''"Maigret et Monsieur Charles"''(1972)、長島良三訳、河出書房新社、メグレ警視シリーズ) 1978.9
*''"Le Revolver de Maigret"''(1952年)
**『メグレの拳銃』(佐宗鈴夫訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1979年6月)
*''"Maigret et l'homme du banc"''(1952年)
**『メグレとベンチの男』(矢野浩三郎訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1977年12月)
*''"Maigret,Lognon et gangstars "''(1952年)
**『メグレ警視と生死不明の男』(長島良三訳, 講談社[[[河出文庫|講談社文庫]]], 1971年1月)
*''"Maigret a peur"''(1953年)
**『メグレの途中下車』(榊原晃三訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1976年)
*''"Maigret se trompe"''(1953年)
**『メグレ間違う』(萩野弘巳訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1976年)
*''"Maigret à l'école"''(1953年)
**『メグレと田舎教師』([[佐伯岩夫]]訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1978年5月)
*''"Maigret et la jeune morte"''(1954年)
**『メグレと若い女の死』([[北村良三]]訳, 早川書房[ハヤカワ・ミステリ], 1972年)
*''"Maigret chez le ministre"''(1954年)
**『メグレと政府高官』(長島良三訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1977年9月)
*''"Maigret tend un piège"''(1955年)
**『メグレ罠を張る』([[峯岸久]]訳, 早川書房[ハヤカワ・ミステリ], 1958年)
*''"Maigret et le corps sans tête"''(1955年)
**『メグレと首無し死体』(長島良三訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1977年2月)
*''"Un échec de Maigret"''(1956年)
**『メグレの失態』([[大友徳明]]訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1979年11月)
*''"Maigret s'amuse"''(1956年)
**『メグレ推理を楽しむ』([[仁科祐]]訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1979年10月)
*''"Maigret voyage"''(1957年)
**『メグレとかわいい伯爵夫人』([[江口旦]]訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1979年8月)
*''"Les Scruples de Maigret"''(1957年)
**『メグレと火曜の朝の訪問者』(谷亀利一訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1976年)
*''"Maigret et les témoins récalcitrants"''(1958年)
**『メグレと口の固い証人たち』(長島良三訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1976年12月)
*''"Une Confidence de Maigret"''(1959年)
**『メグレの打明け話』(長島良三訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1978年4月)
*''"Maigret aux assises"''(1959年)
**『重罪裁判所のメグレ』([[小佐井伸二]]訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1977年10月)
*''"Maigret et les vieillards"'' (1960年)
**『メグレと老外交官の死』(長島良三訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1980年1月)
*''"Maigret et le vouleur paresseux"''(1961年)
**『メグレと優雅な泥棒』(榊原晃三訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1977年12月)
*''"Maigret et les braves gens"''(1961年)
**『メグレと善良な人たち』(小佐井伸二訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1978年8月)
*''"Maigret et le client du samedi"''(1962年)
**『メグレと妻を寝とられた男』(大友徳明訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1978年3月)
*''"Maigret et le clochard"''(1962年)
**『メグレとルンペン』(野中雁訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1979年5月)
*''"La Colère de Maigret"''(1962年)
**『メグレと殺された容疑者』(佐宗鈴夫訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1978年1月)
*''"Maigret et le fantôme"''(1963年)
**『メグレと幽霊』(佐宗鈴夫訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1976年)
*''"Maigret se defénd"''(1964年)
**『メグレたてつく』(榊原晃三訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1977年3月)
*''"La Patience de Maigret"''(1965年)
**『メグレと宝石泥棒』(長島良三訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1978年2月)
*''"Maigret et l'affaire Nahour"''(1966年)
**『メグレと賭博師の死』(矢野浩三郎訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1979年4月)
*''"Le Voleur de Maigret"''(1966年)
**『メグレの財布を掏った男』([[伊東守男]]訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1978年5月)
*''"Maigret à Vichy"''(1967年)
**『メグレとリラの女』(伊東守男訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1978年7月)
*''"Maigret hésite"''(1968年)
**『メグレと殺人予告状』(榊原晃三訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1978年8月)
*''"L'Ami d'enfance de Maigret"''(1968年)
**『メグレの幼な友達』(田中梓訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1978年10月)
*''"Maigret et le tueur"''(1969年)
**『メグレと録音マニア』(佐宗鈴夫訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1978年6月)
*''"Maigret et le marchand de vin"''(1969年)
**『メグレとワイン商』(飯田浩三訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1978年11月)
*''"La Folle de Maigret"''(1970年)
**『メグレと老婦人の謎』(長島良三訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1978年7月)
*''"Maigret et l'homme tout seul"''(1971年)
**『メグレとひとりぼっちの男』(野中雁訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1978年9月)
*''"Maigret et l'indicateur"''(1971年)
**『メグレと匿名の密告者』(野中雁訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1978年6月)
*''"Maigret et Monsieur Charles"''(1972年)
**『メグレ最後の事件』(長島良三訳, 河出書房新社[メグレ警視シリーズ], 1978年9月)
 
=== 短編 ===
*''"Les Nouvelles Enquetes de Maigret"''(1944年,) - 中短編集
**「首吊り船」(''"La Péniche aux deux pendus"''(1938年)(1938))
**「ボーマルシェ大通りの事件」(''"L'Affaire du boulevard Beaumrchais"''(1938))
***「首吊り船」
**「開いた窓」(''"La Fenêtre ouverte"''(1938))
**''"L'Affaire du boulevard Beaumrchais"''(1938年)
**「月曜日の男」(''"Monsieur Lundi"''(1938))
***「ボーマルシェ大通りの事件」
**「停車 - 51分間」(''"Jeumont, 51 minutes d'arrêt"''(1938))
**''"La Fenêtre ouverte"''(1938年)
**「死刑」(''"Peine de mort"''(1938))
***「開いた窓」
**「蝋のしずく」(''"Les Larmes de bougie"''(1938))
**''"Monsieur Lundi"''(1938年)
**「ピガール通り」(''"Rue Pigalle"''(1938))
***「月曜日の男」
**「メグレの失敗」(''"Une erreur de Maigret"''(1938))
**''"Jeumont, 51 minutes d'arrêt"''(1938年)
**「メグレ夫人の恋人」(''"L'Amoureux de Madame Maigret"''(1938))
***「停車―51分間」
**「バイユーの老婦人」(''"La vieille Dame de Bayeux"''(1938))
**''"Peine de mort"''(1938年)
**「水死人の宿」(''"L'Auberge aux noyés"''(1938))
***「死刑」
**''"Les Larmes de bougie"''(1938年)
***「蝋のしずく」
**''"Rue Pigalle"''(1938年)
***「ピガール通り」
**''"Une erreur de Maigret"''(1938年)
***「メグレの失敗」
**''"L'Amoureux de Madame Maigret"''(1938年)
***「メグレ夫人の恋人」
**''"La vieille Dame de Bayeux"''(1938年)
***「バイユーの老婦人」
**''"L'Auberge aux noyés"''(1938年)
***「水死人の宿」
***「メグレと溺死人の家」
**「殺し屋スタン」(''"Stan le tueur"''(1938年)(1938))
**「北の星」(''"L'Etoile du nord"''(1938))
***「殺し屋スタン」
**''"L'Etoile du nord"''(1938年)
***「北の星」
***「ホテル<北極星>」
**「メグレの退職旅行」(''"Tempête sur la Manche"''(1938年)(1938))
**「メグレとおびえるお針娘」(''"Mademoiselle Berthe et son amant"''(1938))
***「メグレの退職旅行」
**「メグレと消えたミニチュア」(''"Le Notaire de Châteauneuf"''(1938))
**''"Mademoiselle Berthe et son amant"''(1938年)
***「メグレとおびるお針娘たオーエン氏(''"L'Improbable Monsieur Owen"''(1938))
**「メグレとグラン・カフェの常連」(''"Ceux du Grand Café"''(1938))
**''"Le Notaire de Châteauneuf"''(1938年)
*「メグレ警視のクリスマス」(''"Un Noël de Maigret"''(1950))
***「メグレと消えたミニチュア」
**''"L'Improbable Monsieur Owen"''(1938年)
***「メグレと消えたオーエン氏」
**''"Ceux du Grand Café"''(1938年)
***「メグレとグラン・カフェの常連」
*''"Un Noël de Maigret"''(1950年)
:「メグレ警視のクリスマス」
 
==名探偵エミールの冒険シリーズ==
 
== 「名探偵エミールの冒険」シリーズ ==
メグレ警視の元部下で探偵所長のトランスと、相棒の探偵エミールの物語。全14編の連作短編として発表され、その後単行本としてまとめられた。<!--長島氏によるあとがきでアメリカからの帰国後に執筆したとあるため出版年を除去--> 邦訳は四分冊。
メグレ警視の元部下で探偵所長のトランスと、相棒の探偵エミールの物語。全14編の連作中編として発表され、その後単行本としてまとめられた。<!--長島氏によるあとがきでアメリカからの帰国後に執筆したとあるため出版年を除去-->邦訳は四分冊。
*''Les Dossiers de l'agence O''
:*『名探偵エミールの冒険1 - 4』(4(''Les Dossiers de l'agence O''、[[長島良三]]訳, [[読売新聞社]],1998年 1998
 
== 「G7(G-7)(G-7)」もの ==
*''Les Treize Énigmes'' (1932年) - 短編集。:『ダンケルクの悲劇』(''Les Treize Énigmes'' (1932)、[[芹南冬夫]]訳, 春秋社,1937年 1937 - 短編集
**''《G7》'' (1928年) - G-7最初の短編「タクシーの中の男」。HMM(''《G7》''(1928)、HMM '70.11掲載。HPB255「、ハヤカワミステリ255『名探偵登場6」('63)6』(1963)に収録。(早川書房) - G-7最初の短編
**「エトュルタの無名婦人」(''L'Inconnue d'Etretat'' (1928年) - G-7最後の短編「エトュルタの無名婦人」。(1928)、「月刊探偵」'361936.6掲載 - G-7最後の短編
 
== 青年探偵ジョゼフ・ルボルニュ ==
*『13の秘密』(''Les 13 mystères'' (1932)、[[大久保輝臣]]訳、東京創元新社) 1963 - 探偵を趣味とする青年ルボルニュを主役にした連作
*''Les 13 mystères'' (1932年)
:『13の秘密』([[大久保輝臣]]訳, 東京創元新社,1963年) - 探偵を趣味とする青年ルボルニュを主役にした連作。
 
== チビ医者の犯罪診療簿 ==
*『死体が空から降ってくる』(''Le Petit Docteur'' (1938)、[[原千代海]]訳、ハヤカワポケットミステリ414) 1958
*''Le Petit Docteur'' (1938年)
:*死体が空から降ってくる上靴にほれた男』([[''L'amoureux aux pantoufles'' (1943)、原千代海]], ハヤカワポケットミステリ414438) ,1958年)
*''L'amoureux aux pantoufles'' (1943年)
:『上靴にほれた男』([[原千代海]]訳, ハヤカワポケットミステリ438 ,1958年)
 
== その他のジョルジュ・シムノン名義の作品 ==
=== 長編 ===
*『アルザスの宿』(''"Le relais d'Alsace"''(1931年(1931)、原千代海訳、創元推理文庫 1960
*『北氷洋逃避行』(''"Le Passager du 'Polarys'"''(1932)、伊東鍈太郎訳、京北書房) 1946
:『アルザスの宿』(原千代海訳,創元推理文庫,1960年)
*『仕立て屋の恋』(''"Les fiançailles de M. Hire"''(1933)、[[高橋啓]]訳、早川書房) 1992
*''"Le Passager du 'Polarys'"''(1932年)
*「運河の家」(''"La Maison du canal"''(1933)、森井良訳、[[瀬名秀明]]解説、『運河の家 人殺し』([[幻戯書房]]) 2022に収録)
:『北氷洋逃避行』(伊東鍈太郎訳,京北書房,1946年)
*『倫敦から来た男』(''"L'homme de Londres"''(1934)、長島良三訳、河出書房新社) 2009
*''"Les fiançailles de M. Hire"''(1933年)
*「人殺し」(''"L'Assassin"''(1937)、森井良訳、[[瀬名秀明]]解説、『運河の家 人殺し』(幻戯書房) 2022に収録)
:『仕立て屋の恋』([[高橋啓]]訳, 早川書房,1992年)
*『ドナデュの遺言』(''"Le Testament Donadieu"''(1937)、[[手塚伸一 (仏文学者)|手塚伸一]]訳、集英社、シムノン選集11) 1970
*''"La Maison du canal"''(1933年)
::のち改題『ドナデュの遺書』(集英社、世界文学全集42) 1975、集英社文庫 1979.1
:『運河の家』(森井良訳, [[瀬名秀明]]解説『運河の家/人殺し』([[幻戯書房]], 2022年)に収録)
*『汽車を見送る男』(''"L'homme qui regardait passer les trains"''(1938)、菊池武一訳、新潮社) 1954
*''"L'homme de Londres"''(1934年)
:*倫敦か家の中の見知ぬ者』(''"Les inconnus dans La maison"''(1941)、長島良三訳,河出書房、読売,2009年 1993
*『片道切符』(''"La Veuve Couderc"''(1942)、[[安東次男]]訳、集英社文庫) 1977
*''"L'Assassin"''(1937年)
*『フェルショー家の兄』(''"L'aine des Ferchaux"''(1943)、伊藤晃訳、筑摩書房) 1978
:『人殺し』(森井良訳, [[瀬名秀明]]解説『運河の家/人殺し』(幻戯書房, 2022年)に収録)
*『モンド氏の失踪』(''"La Fuite de monsieur Monde"''(1945)、長島良三訳、河出書房新社) 1945
*''"Le Testament Donadieu"''(1937年)
*『マンハッタンの哀愁』(''"Trois chambres a Manhattan"''(1946)、長島良三訳、河出書房新社) 2010
:『ドナデュの遺言』([[手塚伸一]]訳, 集英社[シムノン選集]11巻,1970年)
*『判事への手紙』(''"Lettre a mon juge"''(1947)、那須辰造訳、早川書房) 1956
:改題『ドナデュの遺書』(集英社[世界文学全集]42巻,1975年/集英社[集英社文庫]1979年1月)
*『雪は汚れていた』(''"La neige était sale"''(1948)、永戸俊雄訳、早川書房、シメノン選集1) 1955
*''"L'homme qui regardait passer les trains"''(1938年)
::『雪は汚れていた』([[三輪秀彦]]訳、集英社、シムノン選集1) 1969、ハヤカワ文庫 1977.4、[[主婦の友社]] キリスト教文学の世界4) 1978.8
:『汽車を見送る男』(菊池武一訳,新潮社,1954年)
*『帽子屋の幻影』(''"Le fantomes de chaplier"''(1949)、秘田余四郎訳、早川書房) 1956
*''"Les inconnus dans La maison"''(1941年)
:*ブーベ氏中の見知らぬ者たち埋葬』(''"L'enterrement de Monsieur Bouvet"''(1950)、長島良三訳,読売、河出書房,1993年 2010
*『新しい人生』(''"Une Vie comme neuve"''(1951)、粟津則雄, 今田裕共訳、集英社、シムノン選集5) 1969
*''"La Veuve Couderc"''(1942年)
*『アナイスのために』(''"Le temps d'anais"''(1951)、[[小佐井伸二]]訳、集英社、シムノン選集3) 1969
:『片道切符』([[安東次男]]訳,集英社文庫,1977年)
::のち改題『娼婦の時』(日影丈吉訳、早川書房) 1981
*''"L'aine des Ferchaux"''(1943年)
*『リコ兄弟』(''"Les Freres Rico"''(1952)、[[山崎庸一郎]]訳、集英社文庫) 1980
:『フェルショー家の兄』(伊藤晃訳,筑摩書房,1978年)
*『ベルの死』(''"La mort de Belle"''(1952)、峯岸久訳、早川書房) 1957
*''"La Fuite de monsieur Monde"''(1945年)
:*モンド氏の失踪証人たち』(長島良三''"Les T'emoins"''(1955)、野口雄司,河出書房新社,1945年 2008
*『可愛い悪魔』(''"En cas de malheur"''(1956)、秘田余四郎訳、早川書房) 1958
*''"Trois chambres a Manhattan"''(1946年)
*『ストリップ ティーズ』(''"Strip Tease"''(1958)、[[大久保和郎]]訳、集英社文庫) 1978
:『マンハッタンの哀愁』(長島良三訳,河出書房新社,2010年)
*『日曜日』(''"Dimanche"''(1959)、生田耕作訳、集英社、シムノン選集7) 1970
*''"Lettre a mon juge"''(1947年)
*『闇のオディッセー』(''"L'ours en peluche"''(1960)、長島良三訳、河出書房新社) 2008
:『判事への手紙』(那須辰造訳,早川書房,1956年)
*『離愁』(''"Le Train"''(1961)、谷亀利一訳、ハヤカワ文庫) 1975
*''"La neige était sale"''(1948年)
*『ベティー』(''"Betty"''(1961)、長島良三訳、読売新聞社) 1992
:『雪は汚れていた』(永戸俊雄訳, 早川書房[シメノン選集]1巻,1955年)
*『ビセートルの環』(''"Les Anneaux De Bicetre"''(1963)、三輪秀彦訳、集英社文庫) 1979
:『雪は汚れていた』([[三輪秀彦]]訳, 集英社[シムノン選集]1巻,1969年/早川書房[ハヤカワ文庫],1977年4月/[[主婦の友社]][キリスト教文学の世界]4巻,1978年8月)
*『青の寝室』(''"La Chambre Bleue"''(1964)、長島良三訳、河出書房新社) 2011
*''"Le fantomes de chaplier"''(1949年)
:*帽子屋ちび幻影聖者』(秘田余四郎''"Le petit saint"''(1965)、長島良三,早川、河出書房,1956年新社 2008
*''"Pedigree"''(1948)
*''"L'enterrement de Monsieur Bouvet"''(1950年)
*『猫』(''"Le Chat"''(1967)、三輪秀彦訳、創元推理文庫) 1985
:『ブーベ氏の埋葬』(長島良三訳,河出書房新社,2010年)
*『小犬を連れた男』(''"L'homme au petit chien"''、長島良三訳、河出書房新社) 2012
*''"Une Vie comme neuve"''(1951年)
*『妻は二度死ぬ』(''"Les innocents"''(1972)、中井多津夫訳、晶文社) 1985
:『新しい人生』(粟津則雄・今田裕訳 集英社 [シムノン選集]5巻,1969年)
*''"Le temps d'anais"''(1951年)
:『アナイスのために』([[小佐井伸二]]訳,集英社[シムノン選集]3巻,1969年)
:『娼婦の時』(日影丈吉訳,早川書房,1981年)
*''"Les Freres Rico"''(1952年)
:『リコ兄弟』([[山崎庸一郎]]訳,集英社文庫,1980年)
*''"La mort de Belle"''(1952年)
:『ベルの死』(峯岸久訳,早川書房,1957年)
*''"Les T'emoins"''(1955年)
:『証人たち』(野口雄司訳,河出書房新社,2008年)
*''"En cas de malheur"''(1956年)
:『可愛い悪魔』(秘田余四郎訳,早川書房,1958年)
*''"Strip Tease"''(1958年)
:『ストリップ ティーズ』([[大久保和郎]]訳,集英社文庫,1978年)
*''"Dimanche"''(1959年)
:『日曜日』(生田耕作訳,集英社[シムノン選集]7巻,1970年)
*''"L'ours en peluche"''(1960年)
:『闇のオディッセー』(長島良三訳,河出書房新社,2008年)
*''"Le Train"''(1961年)
:『離愁』(谷亀利一訳,ハヤカワ文庫,1975年)
*''"Betty"''(1961年)
:『ベティー』(長島良三訳,読売新聞社,1992年)
*''"Les Anneaux De Bicetre"''(1963年)
:『ビセートルの環』(三輪秀彦訳,集英社文庫,1979年)
*''"La Chambre Bleue"''(1964年)
:『青の寝室』(長島良三訳,河出書房新社,2011年)
*''"Le petit saint"''(1965年)
:『ちびの聖者』(長島良三訳,河出書房新社,2008年)
*''"Pedigree"''(1948年)
*''"Le Chat"''(1967年)
:『猫』(三輪秀彦訳,創元推理文庫,1985年)
*''"L'homme au petit chien"''
:『小犬を連れた男』(長島良三訳,河出書房新社 ,2012年)
*''"Les innocents"''(1972年)
:『妻は二度死ぬ』(中井多津夫訳,晶文社,1985年)
 
=== 短編===
*''"Les『猶太人ジリウク』(Les Treize Coupables"''(1932年(1932)、山野晃夫訳、春秋社 1937
:短編集
:『猶太人ジリウク』(山野晃夫訳, 春秋社,1937年)
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== 参考文献 ==
*[[ジル・アンリ]]『シムノンとメグレ警視』([[ジル・アンリ]]、[[桶谷繁雄]]訳, [[河出書房新社]],1980.9月25日) ISBN 4-309-20032-X
*『名探偵エミールメグレ警視冒険4パリ フランス推理小説ガイド』([[長島良三]]訳, [[読売新聞社]],1998年 1984
*『名探偵エミールの冒険 4』(長島良三訳、読売新聞社) 1998
*[[長島良三]]『メグレ警視のパリ フランス推理小説ガイド』読売新聞社、1984年
 
== 脚注 ==