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花火
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{{出典の明記|date=2011年6月}}
[[FileImage:Flamme.jpg|thumb|right|200px|気体分子の燃焼による炎]]
'''燃焼'''(ねんしょう)とは、[[]]([[有機化合可燃物]]やある種の)と[[元素助燃性|支燃物]]など)が[[(典型例は空気]]または[[酸素]]中で光や熱分子)と発生を伴いながら、比較的激しく酸素と反応する[[酸化還元反応]]反応のことである([[ろ。光や熱の発生を伴そく]]の燃焼、[[木炭]]の燃焼、[[マグネシウム]]の燃焼など)
 
また燃焼に必要な支燃物は、[[火薬空気]]よう燃焼であれば主酸素分子がその役割を果たすが、適切な[[酸化剤]][[硝酸塩還元剤]]の組み合わせ([[過塩素酸塩火薬]]など)から酸素供給され存在する場合は、空気酸素分子の供給が無くても燃焼は起こる<ref>松永猛裕「花火大会もこ仕組みである原理・安全・データベース」『日本燃焼学会誌』2018年 第60巻193号、p.173~180</ref>
 
燃焼反応の開始には、[[熱エネルギー]]による高温発生も必要とする。
広義には次のような反応も燃焼と呼ぶことがある。
燃料の酸化反応は通常は[[発熱反応]]として進行し、反応開始後は必要な熱エネルギーを継続的に得ることができる状態となる。
* [[生体]]内で起こる緩やかな酸化反応([[ブドウ糖]]が酸化されて[[水]]と[[二酸化炭素]]になる反応など)。
* {{要出典範囲|[[鉄]]が[[腐食|さびる]]などの、ゆっくりした酸化反応|date=2020年1月}}。
* 酸素以外の物質([[塩素]]や[[フッ素]]など)と[[可燃物]]との反応。
 
狭義には可燃物と酸素分子との反応のみを燃焼と定義する場合もあるが、この場合、上述の酸素分子の供給がなくとも進行する火薬の燃焼などは含まれないことになる。
特に[[気体]]の燃焼現象は'''[[炎]]'''または'''火炎'''と呼ばれる。'''[[火]]'''は燃焼現象(特に[[発光]]を伴う場合)を指す一般的な名称である。燃焼には炎を有する'''有炎燃焼'''と有しない'''無炎燃焼'''(燻焼)があり、[[線香]]の火や[[タバコ]]の火は無炎燃焼の例である。
より広義には、燃料の構成元素と酸素原子との化合以外に、酸素の代わりとして[[塩素]]や[[フッ素]]などと反応する酸化反応も含める場合もある<ref>Donald Jones, Myron Kaufman "Combustion of hydrocarbons in purified fluorine" Combustion and Flame, 1987, 67(3), p.217~221</ref>。
 
また、[[生体]]内で起こる穏やかな酸化反応([[ブドウ糖]]が酸化されて[[水]]と[[二酸化炭素]]になる反応など)に対して比喩的に燃焼という表現が使われる場合もあるが、定義的に区別されるものである<ref>Alexander Johnson, Julian Lewis, Martin Raff,Keith Roberts, Peter Walter 共著『細胞の分子生物学-第5版-』中村桂子, 松原謙一 監訳、Newton Press、2010年2月、p.820、ISBN 978-4-315-51867-2</ref>。
[[爆燃]]や[[爆轟]]は[[爆発]]を伴う燃焼のことであり、反応速度が[[音速]]以下の場合が爆燃、反応速度が音速を超え[[衝撃波]]を伴う場合が爆轟と定義される。TNTの爆轟波は約8,000 [[メートル毎秒|m/s]]である。爆発の際の爆轟波の衝撃に耐え切れずに[[建築物]]が[[破壊]]され、[[生物]]の[[肉体]][[強度]]を遥かに上回るゆえに、[[事故]]が発生する。
 
'''[[火]]'''は燃焼現象(特に[[発光]]を伴う場合)を指す一般的な名称である。特に[[気体]]の燃焼現象は'''[[炎]]'''または'''火炎'''と呼ばれる。
== 燃焼の3要素 ==
 
燃焼には炎を有する'''有炎燃焼'''と有しない'''無炎燃焼'''(燻焼)がある。固体・液体物質がそのままで(気体へ変質せずに)燃焼すると無炎となる。[[線香]]の火や[[タバコ]]の火は無炎燃焼の例である。[[木炭]]の燃焼も基本的に無炎燃焼だが、表面付近で生成された一酸化炭素が燃焼する際は炎を生じる。
 
[[爆燃]]や[[爆轟]]は[[爆発]]を伴う燃焼のことであり、反応速度が[[音速]]以下の場合が爆燃、反応速度が音速を超え[[衝撃波]]を伴う場合が爆轟と定義される。TNTの爆轟波は約8,000 [[メ非常に大きなエネルギトル毎秒|m/s]]である。爆発の際の爆轟波の衝撃に耐え切れずを持つことから、土木工事や鉱業、兵器[[建築物]]が[[破壊]]利用され、[[生物]]の[[肉体]][[強度]]を遥かに上回るゆえに、[[また事故]]が発生すの原因ともなる。
 
== 燃焼の3要素 ==
[[File:Fire triangle.svg|thumb|燃焼の3要素(酸素:Oxygen、可燃物:Fuel、熱:heat)。別名:{{ill2|火の三角形|en|Fire triangle}}]]
燃焼に必要な要素として、次の3要素が挙げられる<ref>化学工学会SCE・Net、2011年『熱とエネルギーを科学する』東京電機大学、ISBN 9784501419004、47ページ目。</ref>。したがって、いずれか1つを除去すれば、消火することができる。ただし、酸素については上述の通り可燃物そのものに含まれる場合は外部からの供給を必要としない。また、支燃性物質、酸化剤としては酸素に限らない場合もある
# 可燃性物質
# 酸素
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=== 液体燃焼 ===
* [[蒸発燃焼]] - 液面から燃料が[[蒸発]]して燃焼すること。
* 灯芯燃焼 - [[]]を用いて燃料を吸い上げて燃焼する。
 
=== 固体燃料 ===
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; [[開始反応]]
* H<sub>2</sub> + M → H + H + M (水素分子の[[解離 (化学)|開裂]])
 
* O<sub>2</sub> + M → O + O + M (酸素分子の開裂)
このうち、[[結合エネルギー]]から、水素分子の開裂のほうが起こりやすい。
 
; [[連鎖分岐反応]]([[ラジカル (化学)|ラジカル]]の数が増える反応で、開始反応以外のもの)
* O<sub>2</sub> + H → OH + O
 
* H<sub>2</sub> + O → OH + H
* O H<sub>2</sub> + OHOHO<sub>2</sub>OH + O H
 
* H O<sub>2</sub> + OOHOHHO<sub>2</sub> + HO
; [[置換反応]](ラジカルの個数は変わらず、種類が変わるもの)
* H<sub>2</sub> + OH → H<sub>2</sub>O + H
* H<sub>2</sub> + HO<sub>2</sub> → H<sub>2</sub>O + OH
 
* H<sub>2</sub> + HO<sub>2</sub> → H<sub>2</sub>O + OH
; [[停止反応]](ラジカルの数が減少するもの)
* H + OH + M → H<sub>2</sub>O + M
* H + H + M → H<sub>2</sub> + M
* O + O + M → O<sub>2</sub> + M
 
* H + H + M → H<sub>2</sub> + M
 
* O + O + M → O<sub>2</sub> + M
[[高等学校]]までの[[化学]]の[[授業]]では、水素ガスが燃焼する反応は、単に
* 2H<sub>2</sub> + O<sub>2</sub> → 2H<sub>2</sub>O
と習うのであるが、これは反応前と反応後の[[物質収支]]を述べたに過ぎず、実際には上記のように複雑な過程を経て最終的には停止反応により反応が終息する。
 
また、燃焼がいったん開始すると継続して行われ、悪条件により[[暴走]]すると[[爆発]]([[爆燃]]または[[爆轟]])に至るのは、ラジカルが急速([[等比級数]]的に)に増加する連鎖分岐反応を経るからである。
<ref group="注">燃焼の化学反応機構を研究する分野では、慣習上例えば水素[[ラジカル (化学)|ラジカル]]2個を表現する場合、"2H"とは書かず、"H + H"のように表記する。また、'''M'''はここでは任意の化学種である(エネルギーだけを与えたり、持ち去ったりするもの。反応の前後で化学変化をしない)。</ref>
 
== 燃焼後の軽重 ==
物質が燃焼すると、残った物質が軽くなる場合と重くなる場合とがある。
 
=== 軽くなる場合 ===
大気中に含まれる酸素と燃える物質とが結びついて気体となれば燃える物質の分だけ軽くなる。
 
==== 例 ====
C + O<sub>2</sub> → CO<sub>2</sub>
 
H<sub>2</sub> + O → H<sub>2</sub>O
 
=== 重くなる場合 ===
大気中に含まれる酸素と燃える物質とが結びついても固体のままであれば酸素の分だけ重くなる。
 
==== 例 ====
Fe<sub>2</sub> + O<sub>3</sub> → Fe<sub>2</sub>0<sub>3</sub>
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
{{Reflist}}