「詰み」の版間の差分
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→特殊なチェックメイト: +lk フールズ・メイト |
→特殊な「詰み」: 王将なしができない |
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'''詰み'''(つみ)とは、
本稿では、主に == 概説 ==
将棋でもチェスでも、以下の3つの事象のいずれかに当てはまった時点で勝敗が確定する。
* 詰みの形は多種多様で、複雑な物も数多く存在する。また(特に実戦では)、味方の駒だけではなく敵の駒も詰みの形に関係する場合が多い。▼
* 自らの玉将(キング)が詰みの形に陥り、対局続行不可能となる。
* [[投了]]の意思表示を行い、自らの負けを認める。
* [[持ち時間]]が設定されている対局で、持ち時間を全て消費して切れ負けとなる。
この3つの事象のいずれかによって、敵の玉将(キング)を詰めた側の勝ち(詰まされた側の負け)となり、玉将(キング)を取る行為そのものまで行われることはない。将棋においては反則手(非合法手)を指した場合も含めており、チェスでは負けとはならず直前の局面からのやり直しとなる。
== 将棋の「詰み」 ==
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* 合法手がない。つまり、反則にならずに次に動かせる(打てる)駒が一つもない。
図1は最も基本的な詰みの
:詰みは玉将以外の全ての駒の組み合わせで行うことができる<ref group="注">
▲:敵味方含めて1つの駒で玉を詰ませることは不可能であるため、この例のように詰みは2つ以上の駒が連携した形となっている。<ref>本将棋では理論上、1枚の攻め駒(飛車、角行、桂馬、香車、龍王、龍馬のいずれか)で敵の玉将を詰めることができるが、これは敵の玉将の逃げようとする場所が敵の駒に囲まれていて動けず、かつ桂馬以外の場合は合駒ができない(敵に持ち駒がないかあっても二歩などの反則で打てず、かつ移動合もできない)場合に限られるので、「敵味方含めて1つの駒で玉将を詰ませた」とはいえない(このようなケースが実戦で発生することもほとんどない)。また、[[中将棋]]、[[大将棋]]、[[天竺大将棋]]や[[大大将棋]]などの大型将棋類では[[獅子 (将棋)|獅子]]や[[火鬼]]、[[鉤行]]などの強力な駒1枚で周囲が敵の駒に囲まれていない玉将を詰める、つまり「敵味方含めて1つの駒で玉将を詰ませる」ことができるが、本将棋にはそのような駒はない。</ref>
▲:詰みは玉将以外の全ての駒で行うことができる<ref>空き王手の場合、「玉将を動かして詰み」ということはありうる。</ref>。後述の打ち歩詰めでなければ、最後に歩で詰めてもよい(突き歩詰め)。
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:図5は桂馬のみによる詰みの一例。
:図6は有名な頓死(とんし)の詰みの一例。先手が5五にあった角を、3三に動かしたところ(飛車と馬の[[両王手]]で、序盤戦ながら後手玉が詰んでいる。)
:図7は実戦での詰みの一例。敵味方の駒が複雑にからみあっているが、詰みとは無関係の駒も多く見られる。
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=== 「詰み」と類似している将棋用語 ===
;「即詰み」
:王手、王手の連続で、すぐに詰んでしまう形(局面)を指す。「即詰みがある」「即詰み手順」「以下、即詰み」といった表現で使用されている。なお、棋書などでしばしば'''即詰みのことを詰みと呼ぶ'''、あるいは'''即詰みがあることを詰んでいると言う'''ことがあるため、混同しないよう注意されたい。
;「詰める」と「詰ます」
:相手の玉を詰みの状態にもっていくことを、「詰める」あるいは「詰ます」と呼ぶ。現在では慣習上、どちらの言葉も広く使われている。
;「詰め :これは「詰み」とは意味が異なる将棋用語である<ref group="注">「詰めろ」と同じ意味の「詰めよ」もあるが、こちらは使用される事が比較的少ない。</ref>。「詰めろ!」と命令しているのではなく、(ルール上不可能であるが)'''もし1手パスをすれば「即詰み」になる
▲:これは「詰み」とは意味が異なる将棋用語である。「詰めろ!」と命令しているのではなく、'''「詰み」になる直前の状態(局面)'''を指している(上記の「即詰みがある」局面)。発音する時もアクセントを変えて、「詰める」の命令形と区別する場合が多い(→ 詳細は[[必至]]を参照)。
=== 特殊な「詰み」 ===
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| | | | | | | |pg|kg
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| | | | | | | |
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| | | | | | | | |
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|}
;[[打ち歩詰め]](うちふづめ)
:最後に持ち駒の[[歩兵 (将棋)|歩]]を打って相手を詰ますこと。将棋では'''
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|}
;都詰め(みやこづめ)
:5五の地点(将棋盤の中央)で王が詰んだ状態。右図の例では、後手玉が都詰めになっている。
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;雪隠詰め(せっちんづめ)▼
:将棋盤の片隅(1一、9一、1九、9九)<ref>通常先手玉は1九か9九の地点、後手玉は1一か9一の地点で詰まされる形になる。非常に発生しにくいケースである、[[入玉]]した後での雪隠詰めを除く。</ref>で王が詰んだ状態。実戦でもよく現れる形であり、[[穴熊囲い]]などが崩された場合こうなってしまうケースが多い。「雪隠(せっちん)」とは[[便所]]のことで、かつて便所は家の隅に配置されるのが慣習だったため。転じて「状況が行き詰ってどうにもならないさま」を指す言葉としても使われる。▼
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|-
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|▲持ち駒 なし<br/>▲2三桂まで}}
|}
▲;雪隠詰め(せっちんづめ)
▲:将棋盤の片隅(1一、9一、1九、9九)<ref group="注">通常先手玉は1九か9九の地点、後手玉は1一か9一の地点で詰まされる形になる。
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=== その他 ===
* プロの公式戦においては、完全に詰むまで指すことは極めて稀であり、自玉が即詰みの筋に入っている場合や
* 最近では玉将だけでなく、[[
* [[コンピュータ将棋]]の評価値の表現では、即詰みや必至等の理由で事実上勝敗が決している盤面を、絶対値「∞」か、表現できる最大値(例えば「9999」「99%」など)で評価するか、ソフトによっては「Mate:XX」(XXは完全に詰むまでの手数)という形式で表される。この「Mate:XX」の表示は、必ずしも即詰みや必至を表すとは限らない。
== チェスの「詰み」 ==
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| tright
|'''チェス図1'''
| | |
| | | | | | | |
| | | |kl| | | |
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|'''Qg8#''' チェックメイトの基本}}
|}
=== チェックメイトの基本 ===
* チェスの詰みは、チェックメイト(Checkmate)またはメイト(mate)と呼ばれている<ref group="注">JCA(日本チェス協会)では、「・」を入れた「チェック・メイト」という表現を使用している。</ref>。
* チェックメイトの考え方は、将棋の「詰み」の概念と重なる部分が多い。
立場を逆に考えた場合、次の3つの条件が全部そろった時が「チェックメイトされた」状態である。
* 自分の手番である。
* 相手にチェックされている。
* 合法手がない。つまり、反則にならずに次に動かせる駒<ref group="注">駒 : 厳密にはChessmen、つまりピース(pieces)およびポーン(pawns)を指す。</ref>が一つもない。{{clear}}
=== チェックメイトの詳細 ===
[[ファイル:CheckmateProper.jpg|thumb|right|170px|チェックメイトの一例 43.Qe7#]]
* チェックメイトの状態は、「'''mate'''」あるいは「'''#'''」(シャープ)で表現する。
** 例:'''43.Qe7#'''(43手目に白がクイーンをe7に動かして、黒をチェックメイトした。)
* チェックメイトは(キング以外の)すべての駒で行う事ができる<ref group="注">キングを動かす[[ディスカバードアタック|'''ディスカバードチェック''']]
* 将棋と同様、中級者・上級者同士の実戦(主に公式戦)では、チェックメイトまでゲームを続けるケースはほとんどない。適切な局面で、劣勢な側が自分から[[投了|リザイン]]([[投了]])するのが一般的である。
* チェックメイトの語源は、[[ペルシア語]]の「Shah Mat」と言われている。意味は「待ち伏せにあった王、打ち負かされた王」。決して「死んだ王」という意味ではない<ref>https://web.archive.org/web/20040413080219/http://www.goddesschess.com/chessays/shahmatjan.html "The King Isn't Dead After All! The Real Meaning of Shah Mat or the Lesson of the Commode"], Jan Newton, GoddessChess.com, September 2003</ref>。{{clear}}
=== チェックメイトの例 ===
次のチェス図2~4は、すべて白に黒がチェックメイトされた局面。実戦のチェックメイトは、将棋同様に敵味方の
;チェス図2: クイーンとルークを使ったメイト
:白のg7のクイーンがルークであっても、やはり黒はチェックメイトされている。
;チェス図3: クイーンとポーンを使ったメイト
:将棋の頭金(あたまきん)に似ており、俗に「頭クイーン」と
;チェス図4: 2つのビショップを使ったメイト
:あまり実戦では見られないが、エンディングの基本形の一つである。
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=== チェックメイトとステイルメイト ===
チェックメイトとは別の状況として、[[ステイルメイト]]と呼ばれる状況が発生する事がある。これは「自分の手番」で「合法手がない」が、相手に'''「チェックはされていない」'''状況である。これが発生してもゲームは終了となるが、今日のチェスにおいてはチェックメイトとは区別
チェスにおいて 尚、ステイルメイトは将棋でも理論上は発生しうるが、公式戦ではステイルメイトに相当する規定はなく、慣習的に詰みと同様にステイルメイト === 特殊なチェックメイト ===
361 ⟶ 374行目:
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==== スマザード・メイト ====
Smothered mate (窒息メイト
:自陣の駒と端に
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==== バックランク・メイト ====
Back rank mate
:味方のポーン等が障害となり、自陣の最下部(白なら1ランク、黒なら8ランク)で詰まされる
:(バックランクの定義については、「[[チェスボード#チェスボード内の名称|チェスボード内の名称]]」の図5を参照。)
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==== エポレット・メイト ====
Epaulette mate (肩章メイト
:自陣の駒と端によって一方向にしか逃げ道
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== その他のチャトランガ系ゲームの「詰み」 ==
* [[中華人民共和国|中国]]・[[ベトナム]]の将棋(象棋、コートゥオン)の「詰み」 → [[シャンチー]]を参照。(シャンチーにおける詰みは「将死(ジャンスー)」と呼ばれる)
* [[大韓民国|韓国]]・[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]の将棋の「詰み」 →[[チャンギ]]を参照。
* [[タイ王国|タイ]]・[[カンボジア]]の将棋の「詰み」 →[[マークルック]]を参照。(マークルックにおける詰みは「ジョン」と呼ばれる)
* [[ミャンマー]]の将棋の「詰み」 →[[シットゥイン]]を参照。
== 比喩・例え ==
* 上述の状態から[[転義法|転義]]して、物事において
== 注釈 ==▼
例:「テストで公式を忘れた。詰んだ!」
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
▲=== 注釈 ===
{{Notelist2}}
=== 出典 ===
<references />
== 参考文献 ==
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== 関連項目 ==
* [[必至]]▼
* [[王手]](チェック)
▲* [[必至]]
* [[打ち歩詰め]]
* [[ステイルメイト]]
457 ⟶ 476行目:
{{Wikibooks|将棋|将棋}}
{{commonscat|Shogi}}
* [
* [
{{将棋}}
465 ⟶ 484行目:
{{chess-stub}}
{{Normdaten}}
{{デフォルトソート:つみ}}
[[Category:将棋用語]]
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