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|国章リンク=([[朝鮮民主主義人民共和国の国章|国章]])
|標語=[[強盛大国|強盛大国(강성대국)]]
|国歌=[[愛国歌 (朝鮮民主主義人民共和国)|愛国歌(애국가)]]<br/> {{center|[[File:National Anthem of North Korea.mid]]}}
|位置画像=Democratic People's Republic of Korea (orthographic projection).svg
|公用語=[[朝鮮語]]
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'''朝鮮民主主義人民共和国'''(ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく、{{lang-ko-short|조선민주주의인민공화국}}、{{lang-en-short|Democratic People's Republic of Korea, DPRK}})、通称'''北朝鮮'''(きたちょうせん、{{lang-en-short|North Korea}}){{Efn|北朝鮮での通称は'''朝鮮'''(ちょうせん、{{lang-ko-short|'''조선'''}})}}は、[[東アジア]]に位置する[[社会主義国|社会主義共和制国家]]<ref name="britanica"/>。[[首都]]は[[平壌市]]<ref name=日本国外務省>{{Cite web|和書|title=北朝鮮基礎データ |url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/n_korea/data.html |website=Ministry of Foreign Affairs of Japan |access-date=2023-09-06 |language=ja}}</ref>。
 
[[1953年]]7月に[[朝鮮戦争休戦協定]]が締結されて以来、朝鮮半島は[[北緯38度線|38度線]]を境に北側の朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)と南側の[[大韓民国]] (以下、韓国)に分断され、[[ドイツ再統一]]以後は双方が[[国際連合|国連]]に加盟している国家では唯一の[[冷戦]][[分断国家]]となった。[[朝鮮労働党]]による[[一党独裁制|一党独裁]]体制下にあり、[[軍事境界線 (朝鮮半島)|軍事境界線]]を挟み韓国と、[[豆満江]]や[[鴨緑江]]を挟んで[[中華人民共和国]]及び[[ロシア]]と接している。
 
== 概要 ==
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=== 外交 ===
外交面では常に対外的攻撃姿勢(概ね西側諸国に対して)を貫き、[[ラングーン事件]]や[[大韓航空機爆破事件]]、[[北朝鮮拉致問題|近隣諸国民拉致]]など[[国際テロリズム|国際的テロリズム]]事件を多数引き起こし、また[[20世紀]]末から[[北朝鮮核問題|核実験やミサイル発射]]を断続的に実施しているため、国際社会から憂慮非難されている<ref name="britanica"/>。外貨獲得のためには手段を選ばず、[[通貨偽造]]や[[麻薬]]製造などの犯罪行為に手を染め<ref>{{Cite news |author=三塚聖平 |url=https://www.sankei.com/world/news/180127/wor1801270024-n1.html |title=核・ミサイル開発で金正恩氏の秘密資金枯渇か 米ラジオ報道 |newspaper=[[産経新聞]] |publisher= |date=2018-01-27 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20180127171615/https://www.sankei.com/world/news/180127/wor1801270024-n1.html |archivedate=2018-01-27 }}</ref>、外国への[[サイバーテロ]]にも注力し<ref>{{Cite news |author= |url=https://jp.reuters.com/article/column-nk-cyber-war-idJPKBN1EI0AI |title=コラム:加速する北朝鮮サイバー戦争の破壊力 |newspaper=[[ロイター]] |publisher= |date=2017-12-25 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210410002056/https://jp.reuters.com/article/column-nk-cyber-war-idJPKBN1EI0AI |archivedate=2021-04-10}}</ref>、外国銀行への不正アクセスによって資金を盗んでいる<ref>{{Cite news |author= |url=https://jp.reuters.com/article/cyber-usa-north-korea-idJPKBN25M2QX |title=北朝鮮、銀行サイバー攻撃で違法に資金獲得 米が警告 |newspaper=[[ロイター]] |publisher= |date=2020-08-27 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20200906114042if_/https://jp.reuters.com/article/cyber-usa-north-korea-idJPKBN25M2QX |archivedate=2020-09-06 }}</ref><ref>{{Cite news |author= |url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63101270X20C20A8FF8000/ |title=北朝鮮が銀行サイバー攻撃 米政府、警戒呼び掛け |newspaper=[[日本経済新聞]] |publisher= |date=2020-08-27 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20200828104946/https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63101270X20C20A8FF8000/ |archivedate=2020-08-28 }}</ref>。他国からは[[ならずもの国家]]と見做されており、厳しい制裁が行われているにもかかわらず、国際社会に対する挑発的行動や犯罪行為の改善は全く見られない。[[アメリカ合衆国]]からは[[テロ支援国家]]に指定されている<ref>{{Cite news |author= |url=https://www.asahi.com/articles/ASP1D2RZFP1DUHBI008.html |title=米、キューバをテロ支援国家に再指定 影響は限定的か |newspaper=[[朝日新聞]] |publisher= |date=2021-01-12 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210215202756/https://www.asahi.com/articles/ASP1D2RZFP1DUHBI008.html |archivedate=2021-02-15 }}</ref>。
 
東西冷戦下で誕生した[[分断国家]]であり、[[朝鮮戦争]]において[[朝鮮人民軍]]、[[中国人民志願軍]]両軍と[[アメリカ軍]]を中心とした[[国連軍 (朝鮮半島)|国連軍]]の間で[[朝鮮戦争休戦協定]]が結ばれて以来、南北は現在に至るまで「[[停戦|休戦]]」中であるが、軍事的対立や小規模な衝突はその後も断続的に発生している。他方[[1972年]]の[[南北共同声明]]を画期として南北対話の流れも断続的に発生している<ref name="britanica" />。[[1991年]]には[[国際連合|国連]]に南北同時加盟した<ref name="britanica" />。
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=== 人口 ===
人口は、2020年時点で約2,578万人である<ref name="日本国外務省"/>。現在は住民の絶対多数が朝鮮民族であるが、[[よど号ハイジャック事件]]で亡命した日本人などの非常に少数の外国人居住者も存在する。北朝鮮の男女別人口構成比は外貨獲得のための出稼ぎ労働者男性の死亡や軍隊入隊中の事故による若い男性の死亡が多いことが原因で若い女性人口が少し多い傾向である<ref>https://www.recordchina.co.jp/b81128-s0-c10-d0046.html</ref>。
 
{{see also|朝鮮民主主義人民共和国の人口統計}}
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=== 国際的な名称 ===
公称の[[英語]]表記は「{{en|Democratic People's Republic of Korea}}」、略称は「{{en|D.P.R. Korea}}」、あるいは「{{en|DPRK}}」だが、一般的には「{{lang|en|North Korea}}」と表記される。[[フランス語]]での表記は「{{fr|République populaire démocratique de Corée}}」。一般的には「Corée du Nord」と表記される。[[ロシア語]]では「{{ru|Корейская Народно-Демократическая Республика}}」。
 
=== 日本における呼称 ===
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上記の理由から北朝鮮を[[国家の承認|国家承認]]していない[[日本]]の[[行政機関]]([[外務省]]など)や[[マスメディア]]は、同国を'''北朝鮮'''(きたちょうせん)と呼んでいる。また、[[NHKワールド・ラジオ日本]]における朝鮮語放送においても、同様に北朝鮮({{llang|ko|북조선}}、プクチョソン)という呼称を採用している<ref>{{Cite web|title=최신뉴스 {{!}} NHK WORLD-JAPAN News|url=https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/ko/news/|website=NHK WORLD|accessdate=2021-01-05|language=ko}}</ref>。
 
これに対し、北朝鮮政府や[[在日本朝鮮人総聯合会]](朝鮮総)は、同国を朝鮮唯一の正統政府とする立場から北朝鮮と呼ばれることを嫌い、「朝鮮」や「共和国」といった表記を主張して[[報道機関]]に抗議や[[デモ活動]]を繰り返した。しかし、これらの表記は日本の報道機関に受け入れられず、最終的に北朝鮮と呼称する場合は初めに一度だけ「'''北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国'''」というふうに俗称を先に呼称し、正式後から呼称する形で併称するという呼称法が確立した<ref>[[#重村1988|重村(1988)]]、83頁。</ref>。ただし、2002年の[[日朝首脳会談]]で[[金正日]]が[[北朝鮮による日本人拉致問題|日本人拉致]]を認めて以降は北朝鮮が実質的に民主主義ではない実情も踏まえ、そうした呼称方式一斉に報道から姿を消した。
 
韓国メディアの日本語版においては、韓国における北朝鮮の呼称である「北韓」が使われる場合もある<ref>https://world.kbs.co.kr/special/kdivision/japanese/unification/future.htm</ref>。
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北朝鮮は国内の[[権力闘争]]の一方で、1953年7月27日の朝鮮戦争休戦直後より他の[[社会主義国]]から支援を受けながら[[経済]]を発展させ、1970年代までは韓国に対し国力で優位を保っていた([[朝鮮民主主義人民共和国の経済史#朝鮮戦争の影響と復興]])。そのため、東西冷戦期には北朝鮮から韓国に対して[[連邦制]]による南北朝鮮統一案が幾度か能動的に提案されている。最初の主な提案は1960年で、[[四月革命 (韓国)|四月革命]]で韓国の李承晩初代[[大統領 (大韓民国)|大統領]]が退陣した直後の8月14日に「[[連邦制統一案]]」と南北両政府合同による「[[最高民族委員会]]」の樹立を提示している。次に提案があったのは、1979年10月26日の[[朴正煕暗殺事件]]を受け、翌1980年に[[5・17非常戒厳令拡大措置]]によって韓国に[[全斗煥]]将軍による[[第五共和国 (大韓民国)|軍事政権]]が樹立された直後で、1980年の10月10日に南北両政府の[[政治体制]]の相違を乗り越えた統一案として「[[高麗民主連邦共和国]]」創設を提唱している<ref>[http://naenara.com.kp/ja/one/nation.php?1+koryo 高麗民主連邦共和国創立方案] 朝鮮民主主義人民共和国公式サイト[[ネナラ]]より{{リンク切れ|date=2017年10月}}</ref>。
 
しかし1970年代後半から1980年代になると、北朝鮮の[[社会主義経済]]は効率性・生産性の欠如が進み([[マルクス主義批判#計画経済への批判]]{{Broken anchor|date=2024-05-19|bot=利用者:Cewbot/log/20201008/configuration|target_link=マルクス主義批判#計画経済への批判|reason= このアンカー(計画経済への批判)は[[Special:Diff/95350872|他の編集者によって削除されました]]。}}参照)、[[重工業]]・[[軍事産業]]と比して[[軽工業]]が発展しなかったために民需品が不足するなど、経済発展の停滞が深刻化した。これは、経済問題に明るい甲山派が1967年に粛清されて経済政策に精通した[[テクノクラート]]が中央から姿を消したこと、唯一思想体系の導入で経済対策の中央集権化や[[官僚主義]]化が進んだことによるものといわれ、[[大安の事業体系]]や[[青山里方式]]([[主体農法]])といった中央政府の施策を[[教条主義]]的に全国へ導入したことで全国的な生産力の劣化や[[労働者]]の[[労働|勤労]]意欲の減退を招いたとされる。朝鮮労働党も[[三大革命赤旗獲得運動]]などで社会の活性化を目指したが経済状況は好転せず、本来は5年に一度の頻度で開くべき[[:ko:조선로동당 대표자회|朝鮮労働党党大会]]も1980年の[[:ko:조선로동당 제6차 대회|第6次大会]]以降は開けない状態が長く続いた。それどころか、1989年の[[東欧革命]]、及び1991年の[[ソビエト連邦の崩壊]]によって[[東側諸国]]との従来の経済交流が断絶し、特にソ連からの[[重油]]の供給停止が引き金となって、北朝鮮は1990年代に入ると今迄の社会状況を維持することすら困難となった。
 
1990年代半ばになると従来の[[計画経済]]は完全に崩壊して国全体の経済制度が破綻状態となり([[朝鮮民主主義人民共和国の経済史#社会主義圏の崩壊と金日成の死去]])、[[食品|食糧]]などの[[生活物資]]の[[配給 (物資)|配給]]が止まったことで国内各地では食糧不足が深刻化し、各国の支援にもかかわらず、内陸の[[村落|農村]]部を中心に[[餓死]]者が出る事態となった。それに伴い、多くの人々が食料を求めて中朝国境を越えて中国へと密入国し、[[脱北者]]問題が国際的に注目されるようになった([[朝鮮民主主義人民共和国の経済史#大飢餓と深刻な経済難]])。
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2011年12月17日に[[金正日の死|金正日総書記が死去]]し、三男の金正恩を首班とする新体制が発足した。金正恩第一書記体制下では[[張成沢]]を粛清し、前代からの国防委員を解任するなど、新たな権力体制構築が行われている。同時に、金正恩体制は北朝鮮経済の改革による経済発展を目指しており、[[チャンマダン]]による[[市場経済]]拡大に伴い平壌のような都市部で[[生活水準]]の向上などの変化が見られている一方、[[貧富の差]]の拡大も指摘される<ref name="tokyo-np20161214">[http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201612/CK2016121402000179.html <北朝鮮はいま 金正恩体制5年>(中) 自給自足強いる国] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20170306133908/http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201612/CK2016121402000179.html |date=2017年3月6日 }}東京新聞2016年12月14日 朝刊</ref><ref>[https://www.jetro.go.jp/biznews/2016/08/b510c77fb7503744.html 「2015年の北朝鮮のGDP、5年ぶりマイナス成長に-韓国銀行が推計値発表-」] 独立行政法人[[日本貿易振興機構]]</ref><ref name="japanese.joins.com">[http://japanese.joins.com/article/948/209948.html 「倉庫に果物・野菜を積んで価格調節…北朝鮮の「トンジュ」は金の座布団に(1)」] 中央日報日本語版2015年12月22日</ref><ref name="「北朝鮮への経済制裁が効かない本当の理由」">[http://toyokeizai.net/articles/-/153873?page=4 「北朝鮮への経済制裁が効かない本当の理由」] 東洋経済オンライン</ref><ref>{{PDFlink|[http://www2.jiia.or.jp/pdf/resarch/H26_Korean_Peninsula/03-mimura.pdf 「北朝鮮経済の現状と今後の見通し」]}} 公益財団法人[[日本国際問題研究所]]</ref>。ただ、核開発問題を理由に採択された[[国際連合安全保障理事会決議]]([[国際連合安全保障理事会決議1718|決議1718]]など)の[[経済制裁]]が有効なこともあり、経済政策の効果は限定的とみられている。[[韓国銀行]]による2020年時点の[[国民総所得|GNI]]推計値は137.9万[[大韓民国ウォン|韓国ウォン]]<ref name="日本国外務省"/>で、経済規模は未だ1970年代の水準で停滞を続けている。
 
2024年には北朝鮮とロシアが包括的戦略パートナーシップ条約に署名した。北朝鮮またはロシアが戦争状態になったときもう一方に軍事援助などをすることを定めた<ref>{{Cite web |url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240620/k10014486581000.html |title=北朝鮮 ロシアとの新条約全文公開 “戦争状態で軍事援助”明記 |accessdate=2024-06-22}}</ref>。
 
=== 歴史観 ===
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=== 階層制度 ===
{{SeeMain|出身成分}}
北朝鮮の文書と難民の証言によると、<ref>{{Cite book|洋書 |title=Marked for Life: Songbun, North Korea's Social Classification System |date=2012-06-06 |publisher=Committee for Human Rights in North Korea |archive-url=https://web.archive.org/web/20130921212402/http://www.hrnk.org/uploads/pdfs/HRNK_Songbun_Web.pdf |archive-date=2013-09-21 |last=Collins |first=Robert |url=http://www.hrnk.org/uploads/pdfs/HRNK_Songbun_Web.pdf |access-date=2024-07-01 |url-status=live}}</ref>北朝鮮の国民は全員「'''成分'''」によってグループ分けされている。これは政府への忠誠度に基づく身分制度で、個人の行動や、3世代にわたる家族の政治的・社会的・経済的背景、さらにはその範囲内の親戚の行動に基づいて評価される。「'''成分'''」は、個人が責任を任されるかどうか、特定の機会を得るかどうかを決定するために使われるとされている。<ref>{{Cite news |title=Marked for Life: Songbun, North Korea's Social Classification System |newspaper=[[NK News]] |date=2012-06-07 |last=McGrath |first=Matthew |archive-url=https://web.archive.org/web/20130318004158/http://www.nknews.org/2012/06/marked-for-life-songbun-north-koreas-social-classification-system/ |archive-date=2013-03-18 |access-date=2024-07-01 |url=http://www.nknews.org/2012/06/marked-for-life-songbun-north-koreas-social-classification-system/}}</ref>
 
=== 人権問題 ===
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[[大韓航空機爆破事件]]から中国はソ連とともに北朝鮮と距離を置き始め、東西冷戦終結後には中ソ両国はソウルオリンピックに参加して後に韓国と国交を結んだことにより([[中韓国交正常化]])、北朝鮮の金日成主席はこの中ソの「裏切り行為」に対し、アメリカのビル・クリントン政権との対米交渉に外交目標を一本化し、1993年の北朝鮮の核拡散防止条約(NPT)脱退を経た後、1994年10月21日の米朝枠組み合意に至っている<ref>[[平岩俊司]]『北朝鮮は何を考えているのか――金体制の論理を読み解く』NHK出版、東京、2013年4月25日、初版第1刷、111-122頁。</ref>。
 
1994年7月8日の金日成主席の死後も、中国政府は中朝友好協力相互援助条約を維持して北朝鮮にとって唯一の軍事同盟国となり、金日成主席死後に政権を掌握した金正日国防委員長の訪問回数もロシアに比べれば多く、初外遊先も中国だった。また中国は北朝鮮の独裁体制を配慮し、例えば中国では北朝鮮批判の本を[[発禁]]にしており(詳細は[[中国の人権問題#報道の自由|中国の人権問題]])、[[脱北者#中国東北部の脱北者|脱北者]]を不法入国者と見なし、強制送還に積極的である。2010年には[[BRICsBRICS]]として目覚しい発展を遂げる中国が北朝鮮に対し、北朝鮮の国家予算7割分を投資する事が決定した。金正恩体制に移行する直前の金正日体制での労働党創建65周年に行われた[[北朝鮮の軍事パレード|軍事パレード]]でも中国共産党の[[周永康]]政治局常務委員が金正日・金正恩親子と肩を並べて観閲する<ref>{{cite news |title=北朝鮮・労働党創建65周年、金正日・金正恩親子が並んで壇上に |publisher=[[中央日報]] |date=2010-10-11 |url=http://japanese.joins.com/article/745/133745.html |accessdate=2017-05-04}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/2765317?pid=6313661|title=金正恩氏、北朝鮮の軍パレード観閲|work=AFPBB News|publisher=フランス通信社|date=2010-10-10|accessdate=2017-05-04|language=日本語}}</ref>など[[江沢民]]・[[胡錦濤]]体制の中国とは概ね中朝関係は安定していた。中国の主催する[[6か国協議]]に参加しつつ、国連安保理の対北制裁決議に[[国際連合安全保障理事会における拒否権|拒否権]]を行使するどころか賛成してきた伝統的な友好国の中国とロシアへの不満も他国に漏らしていた<ref>[https://web.archive.org/web/20101206082022/http://www.asahi.com/international/update/1203/TKY201012030630.html 北朝鮮「6者協議は5対1」中ロ批判、暴露の米公電に] ''asahi.com'' ニュース 国際 アジア 記事 2010.12.3 22.12(2010年12月6日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>。
 
中国が[[習近平]]体制、北朝鮮が金正恩体制となってからも2013年2月に3回目の核実験を強行するも同年7月27日の平壌での朝鮮戦争休戦60周年記念行事では中国国家副主席の[[李源潮]]は金正恩第一書記の隣でパレードや中央報告大会を観閲<ref>{{cite news |title=“戦勝記念”と浮かれる金正恩氏 「血盟」中国では記念行事もなし 朝鮮戦争休戦60周年 |publisher=[[ZAKZAK]] |date=2013-07-27 |url=https://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130727/frn1307270940000-n1.htm |accessdate=2015-12-11}}</ref>するなど友好関係は続いたが、同年12月の張成沢の粛清は中朝関係に変化を生じさせ、2014年7月に中国の習近平国家主席は最初の訪問先として北朝鮮ではなく韓国を訪問したほか(1992年の中韓国交正常化以来初)、「[[新鴨緑江大橋]]」も運用されない状態となっている<ref>{{cite news |title=中国の習主席、7月に訪韓 北朝鮮訪問より優先|publisher=[[朝日新聞]] |date=2014-06-20 |url=http://www.asahi.com/articles/ASG6M6751G6MUHBI03C.html |accessdate=2015-04-09}}</ref>。
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国連の対北経済制裁に中国はロシアとともに賛成を投じ続けており<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3138301|title=トランプ大統領、北朝鮮制裁決議に賛成した中ロに「感謝」|work=[[フランス通信社|AFP]]|date=2017-08-06|accessdate=2017-08-17}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://jp.reuters.com/article/northkorea-missiles-un-idJPKBN18T30N|title=国連安保理、北朝鮮制裁を拡大 米中協力はトランプ政権下で初|work=ロイター|date=2017-06-03|accessdate=2017-08-17}}</ref>、北朝鮮は中露を「米国に追従した」と批判している<ref name=sputnik1789>{{Cite web|和書|url=https://sputniknews.jp/20170809/3974503.html|title=
北朝鮮が中国、ロシアを「米国におじけづいた」と非難|work=[[スプートニク (通信社)|Sputnik]]|date=2017-08-06|accessdate=2017-08-17}}</ref>。2017年に中国は北朝鮮企業との合弁や北朝鮮人の新規雇用と銀行口座などを禁止し<ref>{{cite news |title=中国 消えた北朝鮮労働者 制裁で細るカネの流れ|publisher=日本経済新聞 |date=2017-10-16 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2230405016102017SHA000/ |accessdate=2017-10-18}}</ref>、これにより貴重な外貨獲得源だった世界に約130店ある北朝鮮の食堂事業のうち世界最大の[[北朝鮮レストラン]]<ref>{{Cite web|和書|url=https://hbol.jp/154670|title=ついに世界最大の北レスも閉店! 中国人向け北朝鮮ツアーも停止|work=ハーバービジネスオンライン|date=2017-11-18|accessdate=2017-12-30}}</ref>など中国にある100店が閉鎖されることになり<ref>{{Cite web|和書|url=http://dailynk.jp/archives/97936 |title=各国で締め出される北朝鮮「美女レストラン」の寂しすぎる落日|work=デイリーNK|date=2017-10-22|accessdate=2017-12-30}}</ref>、北朝鮮は中露に派遣している労働者に帰国を命じている<ref name=join171111>{{cite news |title=「労働輸出」ふさがった北朝鮮、中露派遣労働者17万人に帰還令|publisher=中央日報 |date=2017-11-11 |url=http://japanese.joins.com/article/317/235317.html|accessdate=2017-11-11}}</ref>。また、北朝鮮の科学者は論文発表の9割近くが共同研究であり、そのうち共同研究相手は80.9%も中国人科学者が占める<ref>{{Cite web|和書|url=http://japanese.joins.com/article/815/236815.html|title=「北朝鮮、2012年ごろ中国学者の支援を受けてICBM核心技術確保」|work=中央日報|date=2017-12-22|accessdate=2017-12-22}}</ref>ことから中国は科学技術の流出を懸念して北朝鮮からの留学生の受け入れを中止して国内の北朝鮮留学生を監視して大学の研究室などへの出入りも禁止したとされる<ref>{{Cite web|和書|url=httphttps://www.news-postseven.com/archives/20171004_617725.html?DETAIL|title=中国が北朝鮮に制裁 技術流出恐れ留学生の受け入れ中止に|work=[[NEWSポストセブン]]|date=2017-10-04|accessdate=2017-12-22}}</ref>。対外的に北朝鮮の体制を擁護しているのは、韓国を基本とした統一がなされた場合、中国と陸続きの位置に[[アメリカ軍|米軍]]が進出する可能性を懸念しているためともされる。そのため、中国は北朝鮮や韓国の頭越しで朝鮮半島有事を想定した核の確保や38度線を越えた米軍の撤退などの具体的対応を米国と協議していることが2017年12月に米国政府から公表されている<ref name=chosunon171214>{{Cite web|和書|url= http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/12/14/2017121400919.html|title=米、中国に約束「有事で休戦ライン越えても必ず韓国に戻る」|work = [[朝鮮日報]]|date=2017-12-14|accessdate=2018-02-19}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url= https://mainichi.jp/articles/20171214/k00/00m/030/127000c|title=朝鮮半島有事で協議 核確保手段など詳細に|work = [[毎日新聞]]|date=2017-12-13|accessdate=2018-02-19}}</ref>。また、北朝鮮からの難民対策も米国と協議しており<ref name=chosunon171214/>、中朝国境には難民収容所の建設が進み<ref>{{Cite web|和書|url= http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/12/post-9121_1.php|title=中国が密かに難民キャンプ建設──北朝鮮の体制崩壊に備え|work = [[ニューズウィーク日本版]]|date=2017-12-14|accessdate=2018-02-19}}</ref>、放射線対策や国境統制の強化もされていた<ref>{{Cite web|和書|url= http://www.afpbb.com/articles/-/3159605l|title=治安部隊や監視カメラ、放射線対策も 朝鮮半島有事に備える国境地域 中国|work = [[フランス通信社|AFP]]|date=2018-01-24|accessdate=2018-02-19}}</ref>。
 
しかし、金正恩体制となってからも北朝鮮は経済的には貿易の9割超も中国に依存<ref>{{cite news |title=【安倍晋三首相記者会見】対北朝鮮「中国の建設的役割に期待」|publisher=産経新聞 |date=2017-04-29 |url=https://www.sankei.com/article/20170429-BK66MU4YT5IJZJE22SEUTNB6XQ/ |accessdate=2017-04-29}}</ref><ref>{{cite news |title=日韓への核攻撃「現実的脅威」=米長官、北朝鮮との外交凍結要求-安保理閣僚級会合|publisher=時事通信 |date=2017-04-29 |url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017042900058 |accessdate=2017-04-29}}</ref><ref>{{cite news |title=北朝鮮の昨年貿易額 中国が9割超占める|publisher=聯合ニュース |date=2017-04-06 |url=http://japanese.yonhapnews.co.kr/northkorea/2017/04/06/0300000000AJP20170406002200882.HTML |accessdate=2017-04-29}}</ref><ref>{{cite news |title=北朝鮮経済の中国への依存度は90%以上、制裁は国民の生命線にも影響―韓国紙|publisher=[[Record China]] |date=2018-02-20 |url=https://www.recordchina.co.jp/b572519-s0-c70-d0000.html |accessdate=2018-03-09}}</ref>するなど一定の関係を継続しており、[[2018年]]3月には金正恩は最高指導者就任後初の外遊として訪中して習近平と最高指導者就任後初の外国との首脳会談を行って「初外遊先に北京を選んだのは当然だ。中国との関係を重視する私の厳粛な義務だ」と述べ<ref>{{cite news |title=中国訪問は「厳粛な義務」 金正恩氏|newspaper=[[AFPBB]] |date=2018-03-28|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3169001|accessdate=2018-3-28}}</ref>、習近平は金正恩から「最も立派な友人で最も親しい同志」「偉大な領袖」「偉大な指導者」とまで呼ばれ<ref>{{Cite web|和書|date= 2018-04-18|url=https://dailynk.jp/archives/108954/3|title= 金正恩氏、中国要人と再び面談 |publisher= [[デイリーNK]]|accessdate=2018-06-19}}</ref><ref>{{Cite web|和書|date= 2018-06-21|url=https://mainichi.jp/articles/20180621/k00/00m/030/086000c|title= 北朝鮮への独自支援示唆 金正恩氏が訪中終え帰国 |publisher= [[毎日新聞]]|accessdate=2018-06-21}}</ref><ref>{{Cite web|和書|date= 2018-06-21|url=https://sputniknews.jp/20180619/5012519.html|title=
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ソビエト社会主義共和国連邦(旧ソ連)政府は北朝鮮と1961年7月6日に「[[ソ朝友好協力相互援助条約]]」を締結して[[軍事同盟]]を結んでいたが、8月宗派事件のソ連派粛清や、北朝鮮が反対した[[ソウルオリンピック]]にソ連は参加して韓国と国交正常化するなど関係が冷え込んだこともあり、1991年のソ連崩壊と冷戦終結の国際情勢の変化もあって、1990年代初頭には両国関係は[[KGB]]による[[北朝鮮クーデター陰謀事件]]でほぼ停滞し、経済支援も途絶えただけでなく、ロシアは北朝鮮より韓国を重視するようになった<ref name="李述森">{{Cite journal|和書|author=李述森, 孟達来(訳) |date=2012-03 |url=https://ushimane.repo.nii.ac.jp/records/1248 |title=ロシアの朝鮮半島政策 : 歴史的変化と未来のゆくえ |journal=北東アジア研究 |ISSN=1346-3810 |publisher=浜田 : 島根県立大学北東アジア地域研究センター |volume=22 |pages=11-18 |CRID=1050001201682308480}}</ref>。1996年に相互援助条約は期限切れを迎え、「露朝友好協力条約」の締結交渉に入ったことで両国関係は次第に改善されていった<ref name="李述森"/>。2000年に新たにロシアと「[[ロ朝友好善隣協力条約]]」を締結した。同条約では軍事同盟の条項は削除されたが親密な友好関係は維持されている。[[ウラジーミル・プーチン]]大統領は「韓国とは安定、北朝鮮には譲歩」を唱え、南北等距離外交を推進している<ref name="李述森"/>。ロシアは[[6カ国協議]]にも参加している。
 
2014年の北朝鮮の核実験で中朝関係が冷え込むなか、崔竜海・朝鮮労働党書記がロシアを訪問するなどロシアに急接近する姿勢が目立っているとされた<ref>[http://www.asahi.com/articles/DA3S11456248.html 北朝鮮、ロシアに接近 正恩氏最側近、近く訪問 中国牽制する狙い] 朝日新聞デジタル 2015年4月11日閲覧 {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20141217072501/http://www.asahi.com/articles/DA3S11456248.html |date=2014年12月17日 }}</ref>。しかし、地対空ミサイル購入交渉などでロシアとの交渉窓口だった[[玄永哲]]の粛清や[[:en:2015 Moscow Victory Day Parade|2015年モスクワ対独戦勝記念式典]]の金正恩の出席中止からロシアとの関係も再び冷え込んだとする見方もある<ref>[http://jp.rbth.com/politics/2015/05/15/52897.html 北朝鮮が人民武力相を粛清] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20150911040038/http://jp.rbth.com/politics/2015/05/15/52897.html |date=2015年9月11日 }} ロシアNOW 2015年8月19日閲覧</ref><ref>[http://japanese.joins.com/article/400/200400.html <北朝鮮恐怖統治>玄永哲の粛清…「ロシアの目に金正恩はおかしな人に映るはず」] 中央日報 2015年8月19日閲覧</ref>。2013年にはロシア漁船への北朝鮮当局の銃撃事件<ref>{{cite news |title=北朝鮮の警備艇、ロシア漁船に発砲 けが人なし|publisher=朝日新聞 |date=2013-09-21 |url=http://www.asahi.com/special/news/articles/TKY201309210175.html |accessdate=2016-06-11}}</ref>、2015年や2016年には北朝鮮漁船と[[ロシア国境軍]]の武力衝突で死傷者も出し<ref>{{cite news |title=ロシア 北朝鮮の密漁船取締りで双方の10人死傷 |publisher=[[日本放送協会|NHK]] |date=2016-10-16 |url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161016/k10010731541000.html |accessdate=2016-10-16 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20161016023844/http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161016/k10010731541000.html |archivedate=2016年10月16日 |deadlinkdate=2018年3月 }}</ref><ref>{{cite news |title=北朝鮮漁船、ロシア軍人を集団暴行…違法操業めぐり衝突|publisher=デイリーNK |date=2015-12-08 |url=http://dailynk.jp/archives/57742 |accessdate=2016-06-11}}</ref>、北朝鮮当局のロシア船拿捕が起きている<ref>{{cite news |title=ロシアのヨットを日本海で拿捕 露が説明と面会を要求|publisher=産経新聞 |date=2016-05-14 |url=http://www.sankei.com/world/news/160514/wor1605140057-n1.html |accessdate=2016-06-11}}</ref>。国際連合安全保障理事会決議1718から国連の対北制裁決議にも賛成しており、新しい制裁決議が可決された2016年には金融取引全面停止<ref>[http://www.asiapress.org/apn/author-list/ishimaru-jiro/post-43562/ 露も北朝鮮との金融取引全面停止 米メディア報道 スイスも資産凍結、口座閉鎖] [[アジアプレス・インターナショナル]]2016年5月20日</ref>、北朝鮮船入港拒否<ref>[https://www.recordchina.co.jp/b130190-s0-c30-d0052.html 中国とロシア、北朝鮮の貨物船4隻の入港を拒否=韓国ネット「北朝鮮が滅びる日も遠くない」「中国とロシアが国連決議をちゃんと守れば…」] Record China2016年3月8日</ref>、燃油輸出中止<ref>[http://dailynk.jp/archives/67134 ロシア、北朝鮮への燃油輸出を中止か?] デイリーNK2016年5月20日</ref>、協力事業中止<ref>「北制裁決議:北朝鮮の外交官、「血盟」ベトナムでも追放」 [[朝鮮日報]]2016年4月29日</ref>などの経済制裁も実施しており、北朝鮮から中国とともに「米国に追従した国」「反共和国制裁決議で共謀した国」と非難されている<ref name=sputnik1789/><ref>{{Cite news|url= https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/6b097e026b3e4ee79ced127a41e79af88fb3762d |title= 北朝鮮がまたまた中国を非難 |author= 辺真一 |newspaper= Yahoo!ニュース |date= 2017-08-25 |accessdate= 2019-08-30 }}</ref>。2017年にプーチンは北朝鮮の個人やグループが関係する医療分野以外の科学技術協力禁止や銀行口座の規制など様々な制裁を命じた大統領令を発動しており<ref>{{cite news |title=プーチン大統領、北朝鮮に制裁発動|publisher=Sputnik |date=2017-10-16 |url=https://sputniknews.jp/20171016/4191170.html |accessdate=2017-10-16}}</ref>、北朝鮮労働者の受け入れも中止し<ref>{{cite news |title=ロシアも北朝鮮労働者の受け入れ中止…労働力不足の懸念の声も|publisher=ZAKZAK |date=2017-10-25 |url=http://www.zakzak.co.jp/soc/news/171025/soc1710250014-n1.html |accessdate=2017-10-26}}</ref>、これを受けて北朝鮮は中露に派遣している労働者に帰国を命じ<ref name=join171111/>、ロシアも滞在許可を1年<ref>{{cite news |title=ロシア 北朝鮮労働者の強制退去はなし 滞在許可期間を1年に短縮|publisher=[[スプートニク (通信社)|Sputnik]] |date=2018-02-09 |url=https://sputniknews.jp/20180209/4556676.html |accessdate=2017-10-26}}</ref>に縮めて送還を始めている<ref>{{cite news |title=ロシアが北朝鮮労働者の送還を開始 国連制裁履行|publisher=[[AFPBB]] |date=2018-02-08 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3161554 |accessdate=2018-02-19}}</ref>。一定の関係は維持して[[万景峰号]]を使った[[羅先]]との定期航路も開設されたが<ref>[httphttps://www.nikkei.com/article/DGXLASGM17H9J_X10C17A5000000/ 万景峰号、第1便が出発 ロシアとの定期航路] 日本経済新聞 2017年5月18日</ref>、ロシア当局からの入港拒否もたびたび起きている<ref>{{cite news |title=万景峰、ロシアが入港拒否 制裁影響で使用料払えず…北朝鮮定期航路廃止も|publisher=[[産経デジタル|産経ニュース]] |date=2017-09-02 |url=http://www.sankei.com/world/news/170902/wor1709020014-n1.html |accessdate=2017-10-26}}</ref><ref>{{cite news |title=制裁違反の万景峰号、係留しないままウラジオ沖を出発|publisher=[[スプートニク (通信社)|Sputnik]] |date=2018-02-10 |url=https://sputniknews.jp/20180210/4564458.html |accessdate=2018-02-19}}</ref>。2018年[[5月31日]]、金正恩は訪朝した[[ロシア]]の[[セルゲイ・ラブロフ]]外相と最高指導者就任後初のロシア政府要人との会談を行い<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3176741|title=ロシア外相が訪朝、金正恩委員長と会見 ロ政府発表 |work=|newspaper=[[AFPBB]]|date=2018-05-31|accessdate=2018-06-19}}</ref>、段階的な非核化の必要性で一致した<ref>{{Cite news|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31242510R00C18A6EAF000/|title=非核化「段階的解決を」 金正恩氏、ロシア外相に |work=|newspaper=[[日本経済新聞]]|date=2018-06-01|accessdate=2018-06-01}}</ref>。この際、ロシア国営テレビでラブロフ外相と握手する無表情の金正恩が口角を上げたように映像を改竄されて注目された<ref>{{Cite news|url=https://nordot.app/376348327517750369?c=39546741839462401|title=金正恩委員長の写真改ざんか ロシア国営テレビ |work=|newspaper=[[47 NEWS]]|date=2018-06-04|accessdate=2018-06-19}}</ref>。
 
2022年ロシアのウクライナ侵攻が開始されると、ロシアが北朝鮮に対して弾薬などの提供を打診したとの報道がなされた。北朝鮮側は否定したが、2023年に入るとウクライナの前線では北朝鮮製の武器が一部で出回り始めた。2023年9月13日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と北朝鮮の金正恩総書記による首脳会談が行われ、ロシア側からは軍事協力の可能性、北朝鮮側からは人工衛星の開発支援などが提案された。翌月には、露朝国境の豆満江駅に過去に例をみない規模の貨物列車の到着が確認されたことから、武器輸出が行われたとの報道がなされた。
2024年6月、北朝鮮とロシアが包括的戦略パートナーシップ条約に署名した。この条約の第4条には北朝鮮またはロシアが戦争・紛争状態になった際に、もう一方に自国が保有する全ての手段と軍事行動を持って、相手国に軍事援助等を行う事を定めた。
 
=== 日本との関係 ===
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=== ボツワナとの関係 ===
{{main|ボツワナと北朝鮮の関係}}
1974年より北朝鮮はボツワナとの間で国交が結ばれていたが<ref>{{cite book |last=Yonhap News Agency |authorlink=Yonhap |date=2002 |title=North Korea Handbook |location=[[Seoul]] |publisher=[[M. E. Sharpe]] |page=967 |isbn=076-563-523-2}} {{en icon}}</ref>、2014年に公表された[[朝鮮民主主義人民共和国における人権に関する国連調査委員会の報告書]]を受けて、北朝鮮はボツワナから人権を蹂躙しているとの非難を受けると同時に国交の断絶を通告させられた。その後は、両国間においていかなる形態の外交関係も持たれていない<ref name="suspension of diplomatic relations">{{citeCite web |url=http://www.gov.bw/en/Ministries--Authorities/Ministries/Ministry-of-Foreign-Affairs-and-International-Cooperation/News/BOTSWANA-CUT-TIES-WITH-NORTH-KOREA/ |title=Botswana Cuts Ties with North Korea |author=<!--Staff writer(s);no by-line.--> |date=20 February 2014-02-20 |website=www.gov.bw |publisher=[[Politics of Botswana|Ministry of Foreign Affairs and International Cooperation]] |accessdate=5 January 2015-01-05 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20150106001946/http://www.gov.bw/en/Ministries--Authorities/Ministries/Ministry-of-Foreign-Affairs-and-International-Cooperation/News/BOTSWANA-CUT-TIES-WITH-NORTH-KOREA/ |archivedate=2015年1月6日-01-06 |deadlinkdateurl-status=dead|url-status-date=2018年3月 -03}} {{en icon}}</ref>。
 
=== ポルトガルとの関係 ===
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|[[海州市]]
|-
|[[江原道 (朝鮮民主主義人民共和国)|江原道]]||{{lang|kr|강원도}}||カンウォン=ド||KP-07
|align=right|1,477,582||align=right|11,091||align=right|133.2
|[[元山市]]
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[[商用電源]]電圧は220V、周波数は60Hzである。通貨は[[ユーロ]]やUSドル、さらに[[円 (通貨)|日本円]]を利用することが可能であり、首都平壌市内のホテルや観光地、中華人民共和国との国境付近の新義州や羅先では中国の人民元もよく通用する。
 
入国には[[平壌国際空港]]、または[[北京駅|北京]] - [[平壌駅|平壌]]間で運行される[[K27/28次列車]]や[[モスクワ市|モスクワ]]([[ヤロスラフスキー駅|ヤロスラフスキー]]) - 平壌間の[[寝台列車|寝台]][[国際列車]]を利用する。入国の際の持ち込み品は、武器や麻薬・爆発物類はもちろん、[[グローバル・ポジショニング・システム|GPS]]などの航法装置、通信装置、ラジオ、望遠レンズ(220mm以上)、撮影済みのフィルム、外国の出版物全てが禁止されている<ref>[[ナショナルジオグラフィックチャンネル]]「デンジャーゾーン!潜入マル秘ルポ『独裁国家 北朝鮮』」より</ref>。携帯電話は入国時に税関に預ける事が決められていたが、2013年1月20日、中華人民共和国の[[中国中央電視台]]は、北朝鮮で1月から外国人の携帯電話の持ち込みが可能になったと伝えた。[[全地球測位システム]] ([[GPS]]) や[[FMラジオ]]機能を持つスマートフォンも持ち込める。これまでは入国者に[[税関]]で携帯電話を預けさせ、出国時に返していた。平壌国際空港では外国人向けに北朝鮮の携帯電話会社の[[SIMカード]]の販売も開始され、北朝鮮内で自由に携帯電話サービスを利用できるようになった<ref>[httphttps://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2001Q_Q3A120C1FF2000/ 北朝鮮、外国人の携帯電話持ち込み解禁 平壌空港でSIMカード販売も] [[日本経済新聞社]]</ref>。ただし、北朝鮮国内向けのSIMカードとは別回線となっており、国際電話や他の外国人への通話は可能であるが、国内契約者(北朝鮮人)との通話はできない(逆に、国内向けSIMカードでは、国内契約者同士の通話が可能であるが、外国人との通話や国際電話が不可能)<ref>[http://www.cnn.co.jp/travel/35036863.html/ 平壌訪問前に知っておくべき10のこと] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20131031202808/http://www.cnn.co.jp/travel/35036863.html |date=2013年10月31日 }} [[CNN]]</ref>。
 
出国時の持ち出し禁止品は、現地通貨(朝鮮民主主義人民共和国ウォン)、入国時に申告した額を超過する外貨、重要文化財などである<ref>[http://www.jtb.co.jp/kaigai/Country.aspx?CountryCD=A24 北朝鮮の基本情報 海外旅行 JTB]</ref>。
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[[北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会|救う会]]事務局長の[[平田隆太郎]]は、[[2009年]][[2月13日]]に[[国際連合人口基金|UNFPA]]が報告した北朝鮮の人口統計について、「北朝鮮では1994年に飢餓が発生し、1996年、1997年、1998年の3年間で大量の餓死が発生し、1999年まで続き、その数は300万人と言われる。餓死者が大量に出たことは脱北者の証言で明らかであるが、北朝鮮は、この期間も人口が増加したと報告」しており、[[国際連合人口基金|UNFPA]]が報告した北朝鮮の人口統計には、1996年から1999年までの餓死者300万人がカウントされていないとして、少なくとも300万人は水増しと推計しており、「北朝鮮の統計はもともと信頼できないものであるが、人口統計はその典型」と述べており、人口を多めに公表すれば、一人当たりの配給量が少なくみえるため、[[国際社会]]から支援を受ける際に有利に働き、危機をアピールしやすいことを指摘している<ref name="救う会1208"/>。[[平田隆太郎]]は、北朝鮮の人口の水増しの根拠として以下をあげている。
# [[2009年]][[2月13日]]に[[国際連合人口基金|UNFPA]]が発表した北朝鮮の[[2008年]]の人口2405万人は、[[2004年]]の{{仮リンク|朝鮮中央年鑑|ko|조선중앙년감}}の人口2361万人と比べると、年平均11万人増となる。北朝鮮は、[[1990年代]]後半に300万人の餓死者が発生したにもかかわらず、[[1990年代]]後半の人口は、年平均15万人増えており、[[2004年]]から[[2008年]]は餓死者が発生していないにもかかわらず、年平均11万人増であり、300万人の餓死者が発生した[[1990年代]]後半よりも人口増が少ないため、[[国際連合人口基金|UNFPA]]の調査結果は疑わしい<ref name="救う会1208"/>。
# 北朝鮮は[[苦難の行軍]]が始まった[[1994年]]に徴兵検査基準を変更し、「身長150cm以上、体重48kg以上」を「身長148cm以上、体重43kg以上」に引き下げ、さらに、苦難の行軍期に年少期を過ごした子供が、徴兵年令である17歳に達した[[2008年]]からは、その徴兵検査基準も撤廃され、健康であればすべての若者を徴兵対象者にすると変更した<ref name="救う会04183"/>。徴兵検査基準が変更されたのは若者の成長不足のためであり、大量の餓死者が発生した苦難の行軍により、著しく人口が減少し、兵士充足率が急減していることが分かり、北朝鮮の人口統計が虚偽であることを裏付ける傍証の一つである<ref name="救う会04183"/>。
# [[2008年]]の北朝鮮の人口について、{{仮リンク|韓国農村経済研究院|ko|한국농촌경제연구원}}は2370万6000人、[[統一部]]は2267万人と推計しており、同じ[[大韓民国|韓国]]の推計でも約100万人もの差がある<ref name="救う会04183">{{Cite news|author=[[平田隆太郎]]|url=http://www.sukuukai.jp/report/20120418/2-3.html |title=II.北朝鮮の人口統計 3.人口は300万人水増し |newspaper=|publisher=[[北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会|救う会]] |date=2012-04-18 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20160311115925/http://www.sukuukai.jp/report/20120418/2-3.html |archivedate=2016-03-11 |deadlinkdate=}}</ref>。
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=== 飢餓・食糧問題 ===
{{main|苦難の行軍}}
1980年代以降、ソビエト連邦など共産圏からの援助が激減し[[エネルギー]]不足に陥ったのが契機となり、国内の[[食糧]]事情が極度に悪化し、数百万人以上の[[国民]]が餓死したと言われる。北朝鮮政府は、食糧危機の原因を水害や[[旱魃|旱害]]などの[[災害|天災]]としているが、それは主たる原因ではない。真の原因は、エネルギー不足により肥料生産が減り、肥料や食料の運搬が困難になったことと、各地域の[[天気|天候]]や現状は無視して、首都から各地方へ画一的な主体農法を押しつけた、北朝鮮政府の非現実的な食糧生産政策が原因とされる。また、生産された食糧のかなりの部分を、各地の労働党幹部が確保し、一般国民へ食糧が届かないことも、餓死の大きな原因とされる<ref name="WFP">{{Cite web|和書|author=|date=2005-07-15|url=http://www.wfp.or.jp/country/408.html|title=WFP 国連世界食糧計画|{{!}}5=WFPの活動|{{!}}6=国別概要|{{!}}7=朝鮮民主主義人民共和国|publisher=[[国際連合世界食糧計画]]|language=日本語|archiveurl=https://web.archive.org/web/20090321083632/http://www.wfp.or.jp/country/408.html|archivedate=2009年3月-03-21|accessdate=2012-03-13|deadlinkdateurl-status=dead|url-status-date=2017-10}}</ref>。
 
大飢餓を招いたのは北朝鮮当局の責任とする批判があり、経済史学者の[[李栄薫]]は「[[金日成]]主席の死亡([[1994年]])から[[1997年]]までに金日成の[[錦繍山太陽宮殿|墓]]のために使われた資金は9億ドル(約970億円)にのぼる。その金があれば、[[1995年]]から[[1998年]]にかけ300万人が死んだとされる大飢餓の人々を救えたはずだ」と述べている<ref>{{Cite news |url= http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080907/kor0809071542000-n4.htm|author=久保田るり子|title=【グローバルインタビュー】韓国の歴史教育に一石を…代案教科書の李榮薫教授 (4/4ページ)|publisher=[[産経新聞]]|date=2008-09-07|archiveurl= https://web.archive.org/web/20080910025821/http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080907/kor0809071542000-n4.htm|archivedate=2008-09-10 }}</ref>。また、韓国から北朝鮮に向けて[[風船]]で散布している[[北朝鮮向けビラ]]には、「300万人が飢えて死んだ『[[苦難の行軍]]』の時、3年間も北朝鮮人民らを養うことのできる8億9千万ドルを投じて自分の父の[[金日成]]の死体を飾るのに費やしました。このお金で食糧を買い、飢える人民に食べさせたら、数百万人が餓死はしなかったはずです。これがまさに人民の父母、人民の指導者と騒ぎ立てる[[金正日]]の正体です」と書かれている<ref name="救う会1208" />。[[1999年]][[4月30日]]『[[朝鮮日報]]』によると、[[北朝鮮によるミサイル発射実験 (1998年)|テポドン1号発射]]には最低3億ドルかかり、3億ドルで国際市場の[[トウモロコシ]]を買えば約350万トンになり、それだけで北朝鮮全国民の1年分の食糧となる<ref name="西岡力2" />。[[1999年]][[4月22日]]『[[労働新聞 (朝鮮労働党)|労働新聞]]』は、金正日の「([[北朝鮮によるミサイル発射実験 (1998年)|1998年8月のテポドン1号発射について]])敵は何億ドルもかかっただろうと言っているが、それは事実だ」「私は、わが人民がまともに食べることができず、他人のようによい生活ができないということを知りつつも、国と民族の尊厳と運命を守り抜いて明日の富強祖国を建設するため、資金をその部門に振り向けることを承諾した」という発言を報じている<ref name="西岡力2" />。[[安明進]]によると、[[1990年代]]後半に金正日は「反乱が起きたら全部殺せ。餓死者は死なせておけばいい。私には2千百万全部の朝鮮人民が必要なのではなく、百万の党員がいればいいんだ」と発言した<ref name="西岡力2">{{Cite news |author=[[西岡力]] |url=https://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2004/00302/contents/0022.htm |title=金正日政権下の大量餓死について-餓死者300万人の根拠 |newspaper=東京財団研究報告書2004-16 |publisher=[[東京財団政策研究所]] |date= |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210809144246/https://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2004/00302/contents/0022.htm |archivedate=2021-08-09 }}</ref>。
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北朝鮮では[[映画]]も盛んに製作、上映されており、平壌市には「[[朝鮮芸術映画撮影所]]」が存在する。北朝鮮の映画は政治色の強い[[プロパガンダ]]映画が大半であるが、[[1985年]]には[[怪獣映画]]『[[プルガサリ 伝説の大怪獣]]』が製作、上映されている。また、[[1987年]]より非同盟および「発展途上国の平壌映画祭」が開催されている。
 
第2代最高指導者であった[[金正日]]総書記は映画に造詣が深かったとされ、日本でも[[2000年]]10月に[[同朋舎]]から『人間の証し――『映画芸術論』抄』なる書題で著書が日本語訳刊行されている。金正恩は実は日本が好き
 
===世界遺産===