「田中新兵衛」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし |
編集の要約なし |
||
(28人の利用者による、間の35版が非表示) | |||
1行目:
{{基礎情報 武士
| 画像 =
| 画像サイズ =
| 画像説明 =
| 時代 = [[江戸時代]]後期
| 生誕 = [[天保]]3年([[1832年]])
| 死没 = [[文久]]3年[[5月26日 (旧暦)|5月26日]]([[1863年]][[7月11日]])
| 改名 =
| 別名 = 雄平
| 諡号 =
| 戒名 =
| 墓所 = [[京都府]][[京都市]][[東山区]][[東福寺]]即宗院(薩摩藩士の菩提所)
| 官位 =
| 幕府 =
| 主君 = [[島津忠義]]
| 藩 = [[ファイル:Maru ni Jū-monji (Kutsuwa) inverted.svg|23px]][[薩摩藩]]
| 氏族 =
| 父母 =
| 兄弟 =
| 妻 =
| 子 =
| 特記事項 =刀:薩州鍛冶奥和泉守忠重、丈二尺三寸、幅一寸一分。柄は鮫の黒塗り。鉄製柄で表に「鎮守」、裏に「英」の彫文字
}}
'''田中 新兵衛'''(たなか しんべえ)は、[[幕末]]の[[薩摩藩|薩摩]][[藩士]]。[[諱]]は雄平。[[尊王攘夷]]派で、[[幕末の四大人斬り]]の一人。
== 人物 ==
新兵衛は幼少期より武芸に励み、剣術に優れていた。流派は厳密には不明である<ref>伊藤政夫 編 「野太刀自顕流-薬丸流-」は、門弟の名に田中の名は見えないが、森山新蔵に[[薬丸自顕流]]を学んだ可能性があると推測する。</ref>が、城下で育っていることから、一般的には[[示現流]]の分派のなかのどれかと考えられている。
文久2年(1862年)5-6月<ref>寺田屋騒動後。</ref>に上京。[[海江田信義]]や[[藤井良節]](藤井良蔵)の元に身を寄せた。そこに[[小河一敏|小河弥右衛門]]が[[安政の大獄]]で[[長野主膳]]に協力した[[島田正辰|島田左近]]が伏見にいると知らせてきたので、これを6名で暗殺しようとしたが失敗。新兵衛はその後1ヵ月間、左近を付け回し、7月21日、京都[[木屋町]]で襲撃。逃げる左近を加茂川の河原まで執拗に追いかけて斬首し、[[先斗町]]で[[獄門|さらし首]]とした。
[[ファイル:本間精一郎2898.JPG|thumb|200px|本間精一郎遭難の地(京都三条木屋町下ル)]]
8月、小河の仲介で、[[土佐勤王党]]の[[武市瑞山]]と引き合わされ、武市と[[義兄弟]]の契りを結んだ。以後、新兵衛は[[岡田以蔵]]などと徒党を組み、暗殺を示唆された相手を次々と手にかけるようになった。[[本間精一郎]]、[[渡辺金三郎]]、[[大河原重蔵]]、[[森孫六]]、[[上田助之丞]]などを集団で襲って暗殺したと言われている([[江州石部事件]])。
文久3年5月20日(1863年7月5日)、[[朔平門外の変]]で[[姉小路公知]]が複数名に襲撃されて暗殺された。この事件の現場で投げつけられ、残されていた刀が新兵衛の愛刀であり、薩摩下駄も残されていたことによって、新兵衛が犯人と断定されて[[仁礼景範|仁礼源之丞]]等と共に捕縛されたが、通説では刀は数日前に盗まれたものというが信憑性は不明。新兵衛が負っていた傷も生き残りの証言と一致していた。{{see also|朔平門外の変}}
町奉行の[[永井尚志|永井主水正]]は、新兵衛を尋問しようとしたが、新兵衛は一言も発せず、隙をついて脇差を抜いて割腹、返す刀で喉の頸動脈を突いて即死した<ref>「人間臨終図巻 上巻」、[[山田風太郎]]、徳間書店、1986年、P7。</ref>。そのため[[供述]]は得られず、襲撃の手際の悪さ、絶命させられずに逃がしてしまったこと、公知と武市との良好な関係など、不審な点が幾つかあり、新兵衛が実行犯だったのかどうか真相に疑問が持たれている事件である。しかし死体を検分した事件の生き残りも新兵衛に間違いないと証言したことなどから、近年の研究ではやはり新兵衛が実行犯であったという説の方が有力である<ref>町田明広『幕末中央政局における朔平門外の変-その背景と影響について-』(「日本歴史」第713号所収)等</ref>。
== 脚注 ==▼
== 評価 ==
{{reflist}}▼
*[[田中光顕]] 「田中とは私も同志として往来した間柄であった。何でも薬屋の次男だと聞いていたが、余程、気象が烈しかった。情が激してくると、涙を流して話をすすめた」<ref name="kaiko">『維新風雲回顧録』</ref>
*[[平井収二郎]] 「新兵衛、性、淡泊にして、感慨多し」<ref name="kaiko" />
== 関連作品 ==
; 映画
; テレビドラマ
* 『[[勝海舟 (NHK大河ドラマ)|勝海舟』]]1974年 NHK大河ドラマ 出演:田中新兵衛/[[渡瀬恒彦]]
; 漫画
; 小説
▲== 脚注・出典 ==
{{脚注ヘルプ}}
▲{{reflist}}
== 参考文献 ==
* [[松浦玲]]『暗殺 : 明治維新の思想と行動』辺境社、1979年。ISBN 9784326950119。
*{{Citation |和書| last=泉|first=秀樹 |author-link=泉秀樹 |year =2003| title =幕末維新なるほど人物事典 : 100人のエピソードで激動の時代がよくわかる|publisher =PHP研究所|ISBN=4569660207}}
{{DEFAULTSORT:たなか しんへえ}}
[[Category:幕末薩摩藩の人物]]
[[Category:日本の暗殺者]]
[[Category:自殺した日本の人物]]
[[Category:1832年生]]
[[Category:1863年没]]
▲[[zh:田中新兵衛]]
|