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{{Otheruseslist|美術・工芸の手法のひとつ|画像・動画の処理方法|モザイク処理|その他のモザイク|モザイク (曖昧さ回避)}}
{{
'''モザイク'''(
|[[Image:Ur lyre.jpg|thumb|200px|[[シュメール]]の都市[[ウル]]から出土した「[[ウルのスタンダード]]」の一部。紀元前2600年から2400年頃の作]]▼
|[[Image:Dom dramaturga.jpg|thumb|200px|『Cave canem(犬に注意)』は[[古代ローマ]]の[[ヴィラ]]の敷地境界によくあるモチーフだった]]▼
|[[画像:Ayasofya tr 003.jpeg|200px|thumb|[[イスタンブル]]・[[アヤソフィア]]にある、[[イエス・キリスト|キリスト]]と11世紀の東ローマ皇帝[[コンスタンティノス9世モノマコス|コンスタンティノス9世]]夫妻のモザイク]]▼
|[[Image:Michael_of_salonica.jpg|thumb|200px|[[12世紀]]初期のウクライナ・[[キエフ]]で制作された聖[[デメトリオス]]のモザイク画]]▼
|[[Image:Park Guell Terrace.JPG|thumb|200px|[[バルセロナ]]、[[グエル公園]](1900年-1914年)のテラスのモザイク]]▼
▲'''モザイク'''([[英語]]:mosaic、[[フランス語]]:mosaïque)は、小片を寄せあわせ埋め込んで、[[絵]](図像)や[[模様]]を表す装飾[[美術]]の手法。[[石]]、[[陶磁器]]([[タイル]])、有色無色の[[ガラス]]、[[貝殻]]、[[木]]などが使用され、建築物の床や壁面、あるいは工芸品の装飾のために施される。この装飾方法は古くから世界的に見られ、宗教画や幾何学模様など様々なものが描かれており、歴史上、[[カテドラル]]の内部空間や[[モスク]]の外壁などの装飾手法として特に有名である。
== 歴史 ==
「モザイク」の語源は[[ギリシア神話]]の9人の女神[[ムーサイ]]({{lang|grc-latn|Mousai}})にあり、[[ラテン語]]では「オプス・ムシウム({{lang|la|opus musivum}})」という<ref name="世界のモザイク1p"/>。モザイクという手法は室内装飾のために古代から中世にかけて、おもに地中海地域を中心に発展し、世界各地で使用された<ref name="世界のモザイク1p"/>。
モザイクという手法は室内装飾のために古代の世界各地で使用されていた。[[シュメール]]で都市文明が開花した[[ウルク期]]には、コーン・モザイクと呼ばれる、円錐形の釘状の彩色土器や石(釘の頭の部分を彩色している)を使って神殿などの建築物が装飾されていた。[[ウル]]から出土した紀元前2600年から紀元前2400年頃に遡るとされる「[[ウルのスタンダード]]」は、持ち運びできるサイズの箱状の木材の各面に、[[貝殻]]や赤い[[石灰岩]]、青い[[ラピスラズリ]]を埋め込んだモザイクで、軍隊の行進や饗宴の場面が描かれている。[[マケドニア王国]]の宮殿のあったギリシアの[[アイギナ島]]では[[紀元前4世紀]]のモザイク画が発見されており、[[ヘレニズム]]様式の[[ヴィラ]](別荘)の床を飾っていた物と思われる。▼
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モザイクの技法を活用した具象的な絵画の出現は、[[ヘレニズム]]時代とみられる<ref name="世界のモザイク2p">{{Cite book|和書|author= |title=世界のモザイク |publisher=パイインターナショナル |date=2013 |page=2 |isbn=}}</ref>。白や茶色などの小石を用いて狩猟や神話を主題とした場面を表現した<ref name="世界のモザイク2p"/>。[[マケドニア王国]]の宮殿のあったギリシアの[[アイギナ島]]では[[紀元前4世紀]]のモザイク画が発見されており、[[ヘレニズム]]様式の[[ヴィラ]](別荘)の床を飾っていたものと思われる。
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モザイクで飾られた床は[[古代ローマ]]の時代のものが有名で、[[グレート・ブリテン島]]から[[歴史的シリア|シリア地方]]の[[ドゥラ・エウロポス]]、[[アフリカ|北アフリカ]]一帯に至るまで広い範囲で発掘されており、豪華なモザイク床は贅沢なローマ時代の[[ヴィラ]]を特徴付けている。ローマ市では、皇帝[[ネロ]]が建築家たちに命じ、モザイクを使って黄金宮[[ドムス・アウレア]](西暦[[64年]]着工)の壁や床を覆わせた。
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宮殿や広い邸宅の床面を飾るモザイクは北アフリカを含む地中海沿岸部全域で流行し<ref name="世界のモザイク2p"/>、[[4世紀]]末にキリスト教徒が建築した[[バシリカ]](教会堂)では、床や壁のモザイク装飾はそのままキリスト教の目的のために流用された。キリスト教のモザイク装飾の最も偉大なものは[[東ローマ帝国]]の時代に花開き、首都[[コンスタンティノポリス]]をはじめ、イタリア支配の拠点[[ラヴェンナ]]や[[シチリア島]]の領土でもモザイクが大聖堂を飾った([[ビザンティン美術]]を参照)。特にラヴェンナは
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モザイクは[[正教会]]の伝統を受け継ぐ国、例えば[[ロシア]]などでも教会や宮殿を飾るのに用いられた。東ローマ帝国のライバル、[[ヴェネツィア]]でも、[[サン・マルコ大聖堂]]の内外装をモザイクが覆っている。西ヨーロッパでは、労力のかかる[[フレスコ]]画の技術が、労働集約的なモザイク技術にかわり建物の壁面装飾の分野で主流になった。
[[イスラム建築]]では、モザイク技法は複雑な幾何学模様、[[アラベスク]]を作るために使われる。中国から伝わった、釉薬で彩った[[タイル]]を用いた手法は[[モロッコ]]など北アフリカではゼッリージュ
近代においても多くの建築物がモザイクで飾られているが、異色のものは[[アントニ・ガウディ]]とその弟子ホセ・マリア・ジュジョールが手がけた[[バルセロナ]]の[[グエル公園]]であり、動物のオブジェや波打つベンチが色鮮やかなタイルによるモザイクで覆われている。
== 数学におけるモザイク ==
[[File:Alhambra-p3-closeup.jpg|150px|thumb|left|[[アルハンブラ宮殿]]のモザイク]]
[[平面]]を覆うときに、さまざまな形をした[[タイル]]をどのように並べるのが一番
[[数学者]][[ロジャー・ペンローズ]]はこの問題に取り組み、[[ペンローズ・タイル]]という平面充填形を考案した。
効果的なモザイクの配置には、テッセレーションを用いるのが良いとされている<ref>cite book | author-link=H.S.M. Coxeter | last=Coxeter | first=H.S.M. | title=Regular Polytopes, Section IV : Tessellations and Honeycombs | publisher=Dover | year=1973 | isbn=0-486-61480-8 | url-access=registration | url=https://archive.org/details/regularpolytopes0000coxe</ref>。
[[画家]]の[[マウリッツ・エッシャー]](MCエッシャー)は、ムーアのモザイクに影響を受け、テッセレーションの研究をはじめた<ref>cite book |last=Roza |first=Greg |title=An Optical Artist: Exploring Patterns and Symmetry |year=2005 |publisher=Rosen Classroom |isbn=978-1-4042-5117-5 |page=20</ref>。また彼は、アルハンブラ宮殿で見たムスリムのモザイク画にも影響を受け、モザイク模様の研究や平面充填の研究を始め、これを利用した作品を数多く制作した。
== モザイクの技法 ==
[[File:Reopening of 23 St on F, M Lines (45480728154).jpg|thumb|right|150px|[[23丁目駅 (IND6番街線)]]{{ill2|ウィリアム・ウェグマン|en|William Wegman (photographer)}}の[[ワイマラナー]]の11枚のガラスタイルモザイク壁画「ステーショナリー・フィギュア」の一枚(2018年)]]
モザイクの主な技法は3つある。直接技法
モザイク構成の技法のうち、直接技法は、'''[[テッセラ
直接技法は、壁画などの絵画的表現に大変向いている。その他の優れた点は、モザイクが出来上がるプロセスを管理しながら作品を完成出来ることにある。特に、ズマルトや他のガラス素材の大画面で重要な、視点の位置や視点の移動に伴う画面を構成するテッセラの位置や角度、そして色彩を自由にコントロール
しかし欠点は、作業する壁面の前で直接作業しなければならないことで、長期間にわたる作業には不向きなことである。それゆえ大規模な作業には向いていない。また、大きくなればなるほど完成したモザイクの平らさをコントロールすることが困難になる。これは特に、テーブルや床などのモザイクの制作ではきわめて重要になる。
現代の直接技法は、二重直接技法
間接技法は、模様を何度も反復するような大規模なプロジェクトの際に用いられる。テッセラは裏が粘着性の紙に上下さかさまに置かれ、最後にこれを壁、床、工芸品などの表面に移す。この技法は単純な模様や幾何学的な模様、一様な色のモザイク制作や巨大な制作の際に効果を発揮する。モザイクでできたテーブルの天板は通常この技法で作られ、表面を滑らかに、平らに仕上げることができる。
二重間接技法は、完成時の姿を制作途中に確認しながら作業を進めたいときによく用いられる。テッセラはメディウム(粘着性の紙か粘着質のプラスチックなど)の上に表面を表にして貼られ、このため設置時の見え方を確認できる。モザイクが完成すれば、同じメディウムをその上からかぶせる。モザイクは表裏反転され、最初の下敷きにしたメディウムははがされて、あとは間接技法と同じように現地に設置される。
間接技法と二重間接技法は、両方とも部分ごとに作ることができ、非常に巨大な壁画などを現地以外の比較的小さなスタジオで制作でき、さらに細かく分けた部分を現地に運ぶ際に巨大なトラックは必要としない利点がある。
==
{{Reflist}}
{{commons|Category:Mosaic}}▼
* [http://www.bamm.org.uk British Association for Modern Mosaic]▼
* [http://www.thejoyofshards.co.uk The Mosaics Resource]▼
* [http://www.mosaicschool.com Mosaic Art School, Ravenna - Italy]▼
* [http://www.icon-art.info/location.php?lng=en&loc_id=148&mode=mos&sort=time Mosaics of St. Sophia Cathedral (Kiev, Ukraine)]▼
== 関連項目 ==
*[[寄木細工]]▼
*[[螺鈿]]▼
*[[ちぎり絵]]
*[[ビザンティン美術]]▼
*[[モザイク処理]]
*[[モザイク集合]]
▲*[[螺鈿]](らでん)
▲*[[寄木細工]]
*[[モロッコ]]
*[[シュメール]]
*[[オプス・セクティレ]]
== 外部リンク ==
▲* [http://www.thejoyofshards.co.uk The Mosaics Resource]
▲* [
{{Normdaten}}
[[Category:美術の技法|もさいく]]▼
[[Category:美術のジャンル|もさいく]]▼
[[Category:工芸|もさいく]]▼
[[Category:美術史|もさいく]]▼
[[Category:模様|もさいく]]▼
{{DEFAULTSORT:もさいく}}
[[Category:モザイク|*]]
[[Category:英語の語句]]
[[Category:フランス語の語句]]
[[Category:中世ヨーロッパの芸術]]
[[Category:装飾美術]]
[[Category:インテリアデザイン]]
[[Category:画材]]
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