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旋光の由来は[[原子核|核]]や結合に存在する電子の[[電場]]への干渉である。そのため物質の構造に旋光度は影響を受け、事実旋光度は試料セル<ref>実験対象である光学活性物質を溶媒に混ぜて、その混合物に平面偏光を照射して旋光度の測定を行う(もちろん純物質で扱うこともある)。試料セルはその混合物の入れ物であり、偏光子を通った平面偏光以外の光を遮断している。</ref>の長さ <math>\,l</math> <ref>要するに、試料セル内での光の進行経路の距離</ref>と溶媒とその濃度 <math>\,c</math>、入射光<ref>旋光度の測定実験において、光源の発した光は偏光子を通ってから試料セルに入射するので試料セルを通ろうとする平面偏光を入射光とも言える。</ref>の波長 <math>\,\lambda </math> 及び温度 <math>\,t</math> を一定にして物質ごとに測定すると、そのときの''実測旋光度''({{en|observed optical rotation}})<math>\,\alpha </math> は各物質ごとに定められていることが分かる。とはいえ実測旋光度は上で述べた種々の要素に依存するため、混乱を避けるために標準の旋光度すなわち'''比旋光度'''({{en|specific rotation}})<math>[\alpha]</math> は下のように定義されている。
:<math>\,[\alpha]_\lambda^t=\frac{\alpha}{l \cdot c}</math>
比旋光度の[[量の次元|次元]]は L<sup>2</sup>/M で、単位は(''l'' = 0.1 m = 1dm = 10 cm, ''c'' = 1 g/cm<sup>3</sup> なので) 10<sup>-1</sup> deg cm<sup>2</sup>/g である。実測旋光度は度単位で表すのに対し、比旋光度の単位は長ったらしいくて複雑なので、通常 <math>[\alpha ]</math> を無単位で表すことが多い。また、溶解度に関する実際的な理由により <math>\,c</math> を 100 mL 中の溶質のグラム数で記載している文献もある。その場合、実測旋光度は100倍されている。
 
なお、比旋光度を記述する際には、溶媒の種類と濃度を明記する必要がある。例えば
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のように記述する。ところが上に書いたように、試料濃度を表す <math>\,c</math> の単位に g/mL ではなく g/dL を用いる習慣もあるので、比旋光度の式は
:<math>\,[\alpha]_\lambda^t=\frac{100\alpha}{l \cdot c'}</math>
と表されることもある。このとき <math>\,c'</math> の単位は g/dL である。また、試料セルの中身が純液体の場合は試料の密度長さを表す <math>\,\rhol</math> [g/cm<sup>3</sup>]の単位に dm ではなく mm を用いる習慣もあるので、比旋光度の式は
:<math>\,[\alpha]_\lambda^t=\frac{100\alpha}{l' \cdot c}</math>
と表されることもあり、式の形としては、上記の式と似ている。このとき <math>\,l'</math> の単位は mm である。試料セルの中身が純液体の場合は試料の密度<math>\,\rho</math> [g/cm<sup>3</sup>] を用いて
:<math>\,[\alpha]_\lambda^t=\frac{\alpha}{l \cdot \rho}</math>
で表す。