削除された内容 追加された内容
タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集
83行目:
==== サフェージュ式 ====
[[ファイル:Shonanmonorail5000.jpg|right|250 px|thumb|サフェージュ式の湘南モノレール]]
''{{main|SAFEGE}}''
サフェージュ ([[SAFEGE]]) 式は、フランスのリュシアン・シャーデンソン (Lucien Chadenson) を中心とする設計チームが[[1957年]]に開発した方式である。サフェージュ式という名称は、この方式を開発するためフランス国内の25の企業が集まって結成された企業連合である{{lang-fr|'''S'''ociété '''A'''nonyme '''F'''rançaise d''''É'''tude de '''G'''estion et d''''E'''ntreprises}}(「フランス経営経済研究株式会社」の意)の[[頭字語]]である。
 
軌道桁を下面中央部が開いた鋼板製の箱型とし、下面中央部にある[[鉄道車両の台車|台車]]に車両上部からの懸垂リンクを連結して車両を懸垂している。軌道桁の開口部両側に設けた対称形の走行桁を、台車に装備された走行輪のゴムタイヤ車輪で車両を支持・駆動し、軌道桁の内部両側面に設けたH鋼による案内軌条を、台車に装備されている水平案内車輪が両側で走行することで車両を案内する方式である。車両上部の懸垂リンクにより、カーブを通過する際には速度に見合う[[遠心力]]が車両に発生して、それにより自然に[[振り子]]のように傾くため、速度を下げずに通過できる。台車にはゴムタイヤ車輪を駆動させるための主電動機が搭載されており、電車線は[[剛体架線]]式を採用して箱型の軌道桁の上部に設置され、台車上部に取付けられた[[集電装置]]により電力が供給される。また、乗り心地を良くするため、懸垂リンクの水平方向に[[ショックアブソーバー|ダンパー]]を取付けて、強い横風やカーブを曲がる際の遠心力による車両の[[ローリング|ロール]]スピードを穏やかにする、台車に[[空気ばね]]を装備して車両の上下振動を緩和する、走行路に[[エポキシ樹脂]]などの[[舗装]]を行う場合がある。
 
軌道桁を支持する支柱はT型鋼製で、支柱間隔は30 - 40 mとしている。この方法は走行装置や走行路が雨水・積雪にさらされることがないため、天候にかかわらず安定した運行が可能、台車からの[[騒音]]を軌道桁に封じ込めることによる走行音の低下、[[メンテナンス]]が容易、走行系メカニズムが前後対称であることから逆方向へも同じ速度での走行が可能で[[単線]]構成が可能などの大きなメリットがある。
 
サフェージュ式は、[[1960年]]から7年にわたって[[オルレアン]]近郊に実験線を作りテストを行なった。この時期のものの動画は映画『[[華氏451]]』の冒頭部で見ることができる。日本ではサフェージュ式の技術導入に際し、三菱重工業が[[日本エアウェイ開発]]を設立し、[[名古屋市交通局協力会東山公園モノレール|東山公園モノレール]]で行われた実用試験を基に[[湘南モノレール江の島線|湘南モノレール]]が開業した。
 
サフェージュ式の派生形としていくつかのものが存在する。[[シーメンス]]が提案する運行管理システムなどを含めた[[SIPEM]]システムは、[[ドイツ]]で2か所、「Hバーン(H-Bahn: [[ドルトムント]])」「スカイトレイン(Skytrain: [[デュッセルドルフ空港]])」で実用化されている。アメリカ合衆国では、[[ダラス]]や[[シアトル]]にサフェージュ式をベースに高速化を目指して[[軌条|鉄軌]]・[[輪軸 (鉄道車両)|鉄輪]]に変更した「[http://www.monorails.org/tMspages/TPAero.html エアロレール (Aerorail)]」が、フロリダ州[[タンパ]]で鉄レール・鉄輪と箱桁内にボギー台車と台車をつなぐ床板構造をおさめた「[http://www.skytraincorp.com/ スカイトレイン]」が、それぞれ提案されているが、現状では提案のみにとどまっている。
 
日本の懸垂式モノレールは運転台のある車両のみの編成で構成されていることが多い。ただし、サフェージュ式の[[湘南モノレール]]は、開業当初は中間車はなく2両編成だったものの、現在では懸垂式モノレールとしては日本で唯一、中間車が存在する。また、サフェージュ式の[[千葉都市モノレール]]は懸垂式モノレールとしては世界最長の営業距離(15.2 km)で、[[ギネス世界記録]]に認定されている。
 
==== Iビーム式 ====