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== 経歴 ==
=== プロ入り前 ===
=== アマチュア、ブレーブス傘下時代 ===
幼少期に両親が離婚し、7歳上の兄トレイとともに母親の手で育てられる。[[アトランタ・ブレーブス]]のファンで、本人曰く「あの頃は[[テレビ番組|テレビ]]と言えば『[[爆発!デューク]]』か[[ターナー・ブロードキャスティング・システム|TBS]]のブレーブス戦中継か、という感じ」<ref>Compiled by Kevin Goldstein, Chris Kline and Matt Meyers, "[http://www.baseballamerica.com/today/minors/050610dish.html Baseball America's Daily Dish]," ''[[:en:Baseball America|Baseball America]]'', June 10, 2005. 2010年11月23日閲覧。</ref>。高校で投手をしていた兄の練習につきあい[[捕手]]役を務めることもあったが、後にウェインライト自身もブレーブスの試合中継を観ているうちに投手への興味を持つようになる<ref name="pressureison">Tyler Kepner, "[http://www.nytimes.com/2006/10/19/sports/baseball/19kepner.html When Pressure Is on, So Is Wainwright]," ''[[ニューヨーク・タイムズ|New York Times]]'', October 19, 2006. 2010年11月20日閲覧。</ref>。地元の{{仮リンク|グリン・アカデミー|en|Glynn Academy}}では[[野球]]のほか、[[アメリカンフットボール]]や[[サッカー]]もプレー。フットボールでは、[[ワイドレシーバー (アメリカンフットボール)|ワイドレシーバー]]や[[プレースキッカー|キッカー]]として出場し、同校記録となる48ヤードの[[フィールドゴール (アメリカンフットボール)|フィールドゴール]]を決めたこともある<ref name="triple threat">[[:en:Jerry Crasnick|Jerry Crasnick]], "[http://sports.espn.go.com/mlb/columns/story?columnist=crasnick_jerry&id=5186934 This Card is a triple threat]," ''ESPN.com'', May 14, 2010. 2010年11月20日閲覧。</ref><ref>Jim Scavino, "[http://jacksonville.com/tu-online/stories/082299/hig_1ga7glyn.html Andrews not only weapon for Red Terrors]," ''[[:en:The Florida Times-Union|Jacksonville.com]]'', August 22, 1999. 2010年11月20日閲覧。</ref>。一方の野球では{{by|2000年}}に、投手として6勝3敗・[[防御率]]0.89、打者として[[打率]].515という成績を残した<ref>"[http://www.usatoday.com/sports/baseball/00draft/draftfs3.htm Assessing the first-round draft choices]," ''[[USAトゥデイ|USATODAY.com]]'', June 6, 2000. 2010年11月20日閲覧。</ref>。
 
=== アマチュア、プロ入りとブレーブス傘下時代 ===
{{by|2000年}}の[[2000年のMLBドラフト|同年のMLBドラフト会議]]でウェインライトは、ブレーブスから1巡目(全体29位)でブレーブスから投手として指名される。全体19位指名権を持つ[[ピッツバーグ・パイレーツ]]も[[外野手]]としてウェインライトを指名することを検討していたが、結局回避して代わりに左腕投手の[[ショーン・バーネット]]を選んだ<ref name="triple threat" />。[[代理人]]事務所で[[インターンシップ]]として勤務した経験を持つ兄トレイがブレーブスとの入団交渉に臨んだが、ウェインライトがブレーブスのファンだったこともあって契約はまとまった<ref name="childhooddream">Jorge Arangure Jr., "[http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/10/24/AR2006102401421.html The Childhood Dream, Almost]," ''[[ワシントン・ポスト|washingtonpost.com]]'', October 25, 2006. 2010年11月20日閲覧。</ref>。同年のうちに[[マイナーリーグ]]最下層のルーキー級でプロ初登板を果たし、この年は13試合で防御率2.35を記録する。
 
{{by|2001年}}以降、先発投手として育成される。同年はA級{{仮リンク|メイコン・ブレーブス|en|Macon Braves|label=メイコン・ブレーブス}}で28試合10勝10敗・防御率3.77・[[三振|奪三振率]]10.1を記録。

{{by|2002年}}はAdv-A級[[マートルビーチ・ペリカンズ]]で28試合9勝6敗・防御率3.31という成績を残し、7月にはマイナーリーグのオールスター "[[オールスター・フューチャーズゲーム|フューチャーズゲーム]]" に選出される<ref>"[http://mlb.mlb.com/mlb/events/allstar2002/mlb_futures_2002.jsp 2002 All-Star Futures Game]," ''MLB.com''. 2010年11月20日閲覧。</ref>。シーズン開幕から4ヶ月は8勝3敗、防御率2.24だったのに対し最後の2か月は1勝3敗、防御率6.32と成績が落ち込み、シーズンを通しての体力には課題を残したものの、90-93mph(約144.8-149.7km/h)の[[速球]]と鋭く曲がる[[カーブ (球種)|カーブ]]、それに[[ストライク (野球)|ストライク]]を稼げる[[チェンジアップ]]を組み合わせた投球は高い評価を受けた<ref>Bill Ballew, "[http://www.baseballamerica.com/today/features/bravestop03.html Braves Top 10 Prospects]," ''Baseball America'', January 16, 2003. 2010年11月20日閲覧。</ref>。

{{by|2003年}}はAA級[[ミシシッピ・ブレーブス|グリーンビル・ブレーブス]]で27試合に先発し、10勝8敗、防御率3.37だった。
 
=== カージナルス時代 ===
シーズン終了後、ウェインライトは2003年オフに恋人のジェニーと結婚することを決意し、彼女の実家へ挨拶しに行く。しかしそこでウェインライトの母から電話がかかってきた。母は泣きながら、彼が[[トレード#メジャーリーグ|トレード]]でブレーブスから放出されたことを告げた<ref name="pressureison" />。12月13日、ブレーブスと[[セントルイス・カージナルス]]との間でトレードが成立し、カージナルスからは[[J.D.ドリュー]]と[[イーライ・マレーロ]]がブレーブスへ、ブレーブスからは[[ジェイソン・マーキー]]と[[レイ・キング (野球)|レイ・キング]]、そしてウェインライトの計3選手がカージナルスへ移籍することになった。ブレーブスは[[フリーエージェント (プロスポーツ)#メジャーリーグベースボール|FAフリーエージェント]](FA)で他球団へ移籍する[[ゲイリー・シェフィールド]]の穴埋めとしてドリューを狙っており、当時の[[ゼネラルマネージャー|GM]]である[[ジョン・シャーホルツ]]は「アダムはうちの投手では1番の有望株だから難しい判断を迫られたが、こうするしかなかった」とウェインライトを惜しんだ<ref>[[AP通信|Associated Press]], "[http://sports.espn.go.com/mlb/news/story?id=1685436 Braves acquire Drew in deal with Cards]," ''ESPN.com'', December 14, 2003. 2010年11月20日閲覧。</ref>。一方のカージナルスは、ウェインライトが交換相手に含まれない限りは交渉を成立させる気がなく、同球団GMの{{仮リンク|ウォルト・ジョケッティ|en|Walt Jocketty}}は「彼(ウェインライト)はこの交渉の鍵を握る存在だった」と振り返る<ref name="childhooddream" />。こうして、ウェインライトはジェニーと結婚することはできたが、子供の頃からファンだったブレーブスを離れることなった。
 
{{by|2004年}}は傘下のAAA級[[メンフィス・レッドバーズ]]で過ごすが、右ひじを痛めたため6月上旬でシーズン終了。登板数は12試合にとどまり、防御率5.37、[[WHIP]] 1.51とプロ入り後最低の成績に終わった。だがその年のオフには[[アリゾナ・フォールリーグ]]で復帰すると、{{by|2005年}}はAAA級メンフィスで[[先発ローテーション]]を1年間守りきり、[[パシフィック・コーストリーグ]]最多の182イニングを消化<ref>"[http://www.baseball-reference.com/minors/leader.cgi?type=pitch&id=13450 2005 Pacific Coast League Pitching Leaders]," ''Baseball-Reference.com''. 2010年11月23日閲覧。</ref>。マイナーリーグのレギュラーシーズンが閉幕し派遣され9月上旬にメジャー昇格となり、11日の[[ニューヨーク・メッツ]]戦で初登板を果たす。この試合の9回表に3番手として登場したものの、先頭打者の[[松井稼頭央]]に中前打を許すと、二死二・三塁から[[ビクトル・ディアス (野球)|ビクター・ディアス]]に3点[[本塁打]]を浴び、1回3失点というほろ苦いデビュー戦となった<ref>"[http://www.baseball-reference.com/boxes/SLN/SLN200509110.shtml Sep 11, 2005, Mets at Cardinals Play by Play and Box Score]" ''Baseball-Reference.com''. 2010年11月23日閲覧。</ref>
 
{{by|2005年}}はAAA級メンフィスで[[先発ローテーション]]を1年間守りきり、[[パシフィック・コーストリーグ]]最多の182イニングを消化<ref>"[http://www.baseball-reference.com/minors/leader.cgi?type=pitch&id=13450 2005 Pacific Coast League Pitching Leaders]," ''Baseball-Reference.com''. 2010年11月23日閲覧。</ref>。マイナーリーグのレギュラーシーズンが閉幕した9月上旬にメジャー昇格となり、11日の[[ニューヨーク・メッツ]]戦で初登板を果たす。この試合の9回表に3番手として登場したものの、先頭打者の[[松井稼頭央]]に中前打を許すと、二死二・三塁から[[ビクトル・ディアス (野球)|ビクター・ディアス]]に3点[[本塁打]]を浴び、1回3失点というほろ苦いデビュー戦となった<ref>"[http://www.baseball-reference.com/boxes/SLN/SLN200509110.shtml Sep 11, 2005, Mets at Cardinals Play by Play and Box Score]" ''Baseball-Reference.com''. 2010年11月23日閲覧。</ref>。
{{by|2006年}}の[[スプリングトレーニング]]でウェインライトは、[[シドニー・ポンソン]]らと先発ローテーション5番手の座を争う。結果はポンソンがローテーション入りとなるが、その後のオープン戦でウェインライトは[[リリーフ]]として好投、開幕[[ロースター (MLB)|ロースター]]入りを勝ち取った<ref>Matthew Leach / MLB.com, "[http://mlb.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20060329&content_id=1369635&vkey=spt2006news&fext=.jsp&c_id=stl Notes: Cardinals trim roster by three / Cruz released, two sent down; Wainwright wins bullpen job]," ''cardinals.com'', March 29, 2006. 2010年11月23日閲覧。</ref>。4月3日のシーズン開幕戦で8点リードの8回裏に登板し1イニングを無失点に抑えると<ref>"[http://www.baseball-reference.com/boxes/PHI/PHI200604030.shtml Apr 3, 2006, Cardinals at Phillies Box Score and Play by Play]," ''Baseball-Reference.com''. 2010年11月23日閲覧。</ref>、そのままメジャーに定着し、前半戦終了時点で33試合44.2イニングを投げて9[[ホールド]]・防御率2.82という成績を残す。5月24日には[[初打席本塁打|初打席初本塁打]]も記録している。シーズン終盤の9月には、それまで抑え投手を務めていた[[ジェイソン・イズリングハウゼン]]が左[[尻|臀部]]故障のために戦線離脱し<ref>ESPN.com news services, "[http://sports.espn.go.com/mlb/news/story?id=2590653 Cards' Isringhausen done for season with hip injury]," ''ESPN.com'', September 19, 2006. 2010年10月23日閲覧。</ref>、ウェインライトが代役となってレギュラーシーズン終了までに2[[セーブ]]を挙げた。イズリングハウゼンからは「一歩下がって、気持ちを落ち着かせるように」とアドバイスをもらったという<ref>[[三尾圭]] 「セントルイス・カージナルス レッドバーズを支えた脇役たち」 『[[スラッガー (雑誌)|月刊スラッガー]]』2007年1月号、[[日本スポーツ企画出版社]]、2006年、[[雑誌コード|雑誌]]15509-1、16-18頁。</ref>。
 
{{by|2006年}}の[[スプリングトレーニング]]でウェインライトは、[[シドニー・ポンソン]]らと先発ローテーション5番手の座を争う。結果はポンソンがローテーション入りとなるが、その後のオープン戦でウェインライトは[[リリーフ]]として好投、開幕[[ロースター (MLB)|ロースター]]入りを勝ち取った<ref>Matthew Leach / MLB.com, "[http://mlb.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20060329&content_id=1369635&vkey=spt2006news&fext=.jsp&c_id=stl Notes: Cardinals trim roster by three / Cruz released, two sent down; Wainwright wins bullpen job]," ''cardinals.com'', March 29, 2006. 2010年11月23日閲覧。</ref>。4月3日のシーズン開幕戦で8点リードの8回裏に登板し1イニングを無失点に抑えると<ref>"[http://www.baseball-reference.com/boxes/PHI/PHI200604030.shtml Apr 3, 2006, Cardinals at Phillies Box Score and Play by Play]," ''Baseball-Reference.com''. 2010年11月23日閲覧。</ref>、そのままメジャーに定着し、前半戦終了時点で33試合44.2イニングを投げて9[[ホールド]]・防御率2.82という成績を残す。5月24日には[[初打席本塁打|初打席初本塁打]]も記録している。シーズン終盤の9月には、それまで抑え投手を務めていた[[ジェイソン・イズリングハウゼン]]が左[[尻|臀部]]故障のために戦線離脱し<ref>ESPN.com news services, "[http://sports.espn.go.com/mlb/news/story?id=2590653 Cards' Isringhausen done for season with hip injury]," ''ESPN.com'', September 19, 2006. 2010年10月23日閲覧。</ref>、ウェインライトが代役となっ抑えを務め、レギュラーシーズン終了までに2[[セーブ]]を挙げた。イズリングハウゼンからは「一歩下がって、気持ちを落ち着かせるように」とアドバイスをもらったという<ref>[[三尾圭]] 「セントルイス・カージナルス レッドバーズを支えた脇役たち」 『[[スラッガー (雑誌)|月刊スラッガー]]』2007年1月号、[[日本スポーツ企画出版社]]、2006年、[[雑誌コード|雑誌]]15509-1、16-18頁。</ref>。
カージナルスは83勝78敗で[[ナショナルリーグ中地区]]優勝。ウェインライトは引き続き抑え投手として[[ポストシーズン]]に突入する。まず[[サンディエゴ・パドレス]]との[[2006年のナショナルリーグディビジョンシリーズ|地区シリーズ]]はカージナルスが3勝1敗で勝利。ウェインライトは勝った3試合全てで最後を締めた。続くメッツとの[[2006年のナショナルリーグチャンピオンシップシリーズ|リーグ優勝決定戦]]は、両チームとも譲らず3勝3敗となり、勝負の行方は最終第7戦へもつれ込む。この試合、1-1の同点で迎えた9回表に[[ヤディアー・モリーナ]]が2点本塁打を放ちカージナルスが勝ち越し。そして9回裏にウェインライトが登場するが、この日は[[球種 (野球)|変化球]]の制球に苦しみ、二死満塁と一打[[サヨナラゲーム|逆転サヨナラ負け]]のピンチを招いて、打席にこのシリーズ3本塁打の[[カルロス・ベルトラン]]を迎える<ref>[[杉浦大介]] 「NLCS ナ・リーグ・チャンピオンシップシリーズ メッツが最終戦でカージナルスに苦杯」 『月刊スラッガー』2007年1月号、日本スポーツ企画出版社、2006年、雑誌15509-1、26-27頁。</ref>。だがここでウェインライトは初球から2球続けて変化球で[[ストライク (野球)|ストライク]]を取ると、最後は外角に落ちるカーブで見逃し三振に仕留め、カージナルスに2年ぶりのリーグ優勝をもたらした。
 
カージナルスは83勝78敗で[[ナショナルリーグ中地区]]優勝を果たした。ウェインライトは引き続き抑え投手として[[ポストシーズン]]に突入する。まず[[サンディエゴ・パドレス]]との[[2006年のナショナルリーグディビジョンシリーズ|地区シリーズ]]はカージナルスが3勝1敗で勝利。ウェインライトは勝った3試合全てで最後を締めた。続くメッツとの[[2006年のナショナルリーグチャンピオンシップシリーズ|リーグ優勝決定戦]]は、両チームとも譲らず3勝3敗となり、勝負の行方は最終第7戦へもつれ込む。この試合、1-1の同点で迎えた9回表に[[ヤディアー・モリーナ]]が2点本塁打を放ちカージナルスが勝ち越し。そして9回裏にウェインライトが登場するが、この日は[[球種 (野球)|変化球]]の制球に苦しみ、二死満塁と一打[[サヨナラゲーム|逆転サヨナラ負け]]のピンチを招いて、打席にこのシリーズ3本塁打の[[カルロス・ベルトラン]]を迎える<ref>[[杉浦大介]] 「NLCS ナ・リーグ・チャンピオンシップシリーズ メッツが最終戦でカージナルスに苦杯」 『月刊スラッガー』2007年1月号、日本スポーツ企画出版社、2006年、雑誌15509-1、26-27頁。</ref>。だがここでウェインライトは初球から2球続けて変化球で[[ストライク (野球)|ストライク]]を取ると、最後は外角に落ちるカーブで見逃し三振に仕留め、カージナルスに2年ぶりのリーグ優勝をもたらした。
かつてブレーブスの一員として[[ワールドシリーズ]]出場を夢見ていたウェインライトだったが、ブレーブスではなくカージナルスの一員としてシリーズ進出を果たすことになった<ref name="childhooddream" />。[[デトロイト・タイガース]]との[[2006年のワールドシリーズ|ワールドシリーズ]]でも、ウェインライトは3試合3イニングで被安打2の無失点とほぼ完璧な投球。カージナルスが3勝1敗とシリーズ制覇に王手をかけて臨んだ第5戦では、2点リードの9回表に登板して二死一・三塁のピンチを迎えるが、最後は[[ブランドン・インジ]]から空振り三振を奪い、この瞬間カージナルスの24年ぶり10回目のワールドシリーズ制覇が決まっ優勝を果たした<ref>"[http://www.baseball-reference.com/boxes/SLN/SLN200610270.shtml Oct 27, 2006, Tigers at Cardinals Box Score and Play by Play]," ''Baseball-Reference.com''. 2010年11月23日閲覧。</ref>。
 
[[File:100 0351 St. Louis Cardinals World Champions 2006.jpg|300px|thumb|ワールドシリーズ優勝を決め、喜ぶカージナルスの選手たち]]
かつてブレーブスの一員として[[ワールドシリーズ]]出場を夢見ていたウェインライトだったが、ブレーブスではなくカージナルスの一員としてシリーズ進出を果たすことに<ref name="childhooddream" />。[[デトロイト・タイガース]]との[[2006年のワールドシリーズ|ワールドシリーズ]]でも、ウェインライトは3試合3イニングで被安打2の無失点とほぼ完璧な投球。カージナルスが3勝1敗とシリーズ制覇に王手をかけて臨んだ第5戦では、2点リードの9回表に登板して二死一・三塁のピンチを迎えるが、最後は[[ブランドン・インジ]]から空振り三振を奪い、この瞬間カージナルスの24年ぶり10回目のシリーズ制覇が決まった<ref>"[http://www.baseball-reference.com/boxes/SLN/SLN200610270.shtml Oct 27, 2006, Tigers at Cardinals Box Score and Play by Play]," ''Baseball-Reference.com''. 2010年11月23日閲覧。</ref>。
 
世界一となったチームからシーズン終了後、レギュラーシーズンで{{by|2007年}}は前年に190イニング以上投げた[[ジェイソン・マーキー]]と[[ジェフ・スーパン]]に、ワールドシリーズの第2戦と第5戦に先発した[[ジェフ・ウィーバー]]、合わせて3人の先発投手が[[フリーエージェント (プロスポーツ)|FA]]でとなり他球団へ移籍した。これに加えてイズリングハウゼンが復帰する見込みだったこともあり、ウェインライトは{{by|2007年}}、救援から先発へ配置転換されることになる<ref>Jim Molony / MLB.com, "[http://mlb.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20070315&content_id=1844140&vkey=spt2007news&fext=.jsp Trio of former closers adapts to rotation / Wainwright, Looper and Papelbon move back to starting roles]," ''MLB.com'', March 15, 2007. 2011年2月20日閲覧。</ref>。[[クリス・カーペンター]]や[[マーク・マルダー]]も故障でほとんど投げることができないなど先発投手陣が手薄な中で、ウェインライトは先発転向1年目からシーズンを通してローテーションを守り、投球回数・勝利数・防御率・奪三振数のいずれもチームトップという成績を残した。続く

{{by|2008年}}3月、カージナルスはウェインライトと4年総額1,500万ドル(5年目と6年目は球団オプション)で契約を延長する<ref>Associated Press, "[http://sports.espn.go.com/mlb/news/story?id=3303562 Cardinals give Wainwright new four-year, $15M deal]," ''ESPN.com'', March 20, 2008. 2011年2月20日閲覧。</ref>。この年は6月上旬に右手中指を痛め[[故障者リスト]]入りとなり<ref>"[http://stlouis.cardinals.mlb.com/news/press_releases/press_release.jsp?ymd=20080609&content_id=2879273&vkey=pr_stl&fext=.jsp&c_id=stl Cardinals to disable Adam Wainwright / Joel Pinero and Todd Wellemeyer cleared to return, as is Rick Ankiel]," ''cardinals.com'', June 9, 2008. 2011年2月20日閲覧。</ref>、2か月半にわたって欠場することになるが、2年連続の二桁勝利を挙げるとともに防御率も0.50改善させた。
 
{{by|2009年}}は自身めて[[開幕投手]]を務めた{{by|2009年}}、4月16日から8月30日にかけて26試合連続で6イニング以上を投げ、6月26日から8月30日にかけて13試合連続で2自責点以下を記録。球団史上の過去55年間の先発投手で[[ジョン・テューダー]]の15試合に次ぐ記録となった<ref>{{Cite web|author=[[AP通信|Associated Press]]|date=August 30, 2009|url=http://espn.go.com/mlb/recap?gameId=290830124|title=Wainwright's MLB-best 16th win helps Cards complete sweep of Nats|work=[[ESPN|ESPN.com]]|language=英語 |accessdate=2010年7月3日 }}</ref>。リーグ最多タイとなる34先発・19勝・233イニングを記録。[[サイ・ヤング賞]]の投票では1位票が最も多かったが、[[ティム・リンスカム]]、カーペンターに次ぐ3位に終わった<ref>{{Cite web|url=http://www.baseball-reference.com/awards/awards_2009.shtml#NLcya|title=Baseball Awards Voting for 2009|work=Baseball-Reference.com|language=英語 |accessdate=2010年7月3日 }}</ref>。しかし、選手投票によって選出される[[プレイヤーズ・チョイス・アワード]]の最優秀投手や、[[ゴールドグラブ賞]]に選出された。
 
{{by|2010年}}はさらに好調で、自身初となる20勝を皮切りに213奪三振、防御率2.42、BB/9が2.2、K/9が8.3、K/BB3.80が全てキャリアハイとなった。サイ・ヤング賞の投票では[[ロイ・ハラデー]]が好成績を残したため2位に甘んじとなった。
 
{{by|2011年}}2月、肘の側副じん帯が断裂していることが発覚。[[トミー・ジョン手術]]を受け、シーズン絶望となった。10月には肘から遊離物を除去する手術を受けている。
 
{{by|2012年}}トミー・ジョン手術から復帰。開幕からの7登板の防御率は6.16と不振に陥る。「あれほどマウンドで途方に暮れたことは人生初めて」と言うほどだったが、その後は3.42と持ち直した。手術明けながらシーズンを通してローテーションを守り200投球回近くを投げた。
 
{{by|2013年}}3月28日にカージナルスの投手としては過去最高額となる、総額9750万ドルの5年契約に合意した<ref>{{cite web|url=http://stlouis.cardinals.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20130328&content_id=43433322&vkey=pr_stl&c_id=stl|title=Cardinals & Wainwright agree on new five-year deal|work=MLB.com Cardinals Press Release|author=|date=March 28, 2013|accessdate=July 27, 2014}}</ref><ref>{{cite web|url=http://stlouis.cardinals.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20130327&content_id=43406304&vkey=news_stl&c_id=stl|title=Wainwright, Cardinals agree on five-year extension|work=MLB.com|author=Jenifer Langosch|date=March 28, 2013|accessdate=July 27, 2014}}</ref>。7月には3年ぶりに[[2013年のMLBオールスターゲーム|オールスターゲーム]]に選出された。この年はリーグ最多の34試合に先発し、4年ぶりの最多勝となる19勝(9敗)、防御率は2.94だった。投球回数241.2回、5試合の完投、2試合の完封はリーグ1位を記録した。オフには3年ぶりにゴールドグラブ賞を受賞した。
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{{by|2017年}}は投打ともに好調なシーズンを送っていたが、右肘の故障の影響もあり成績は悪化、7月25日に故障者リスト入り。8月上旬に復帰するもすぐに故障者リストに戻り、PRP療法を受けた。9月中旬に復帰した。最終成績は12勝5敗、防御率は5.11だった。打撃では打率.262、2本塁打、11打点、[[OPS (野球)|OPS]].731を記録し、初の[[シルバースラッガー賞受賞者一覧 (投手)|シルバースラッガー賞]]を授賞。
 
{{by|2018年}}は様々な箇所の故障に苦しみ、8登板に留まった。オフの10月29日に[[フリーエージェント (プロスポーツ)#メジャーリーグベースボール|FA]]となったが、翌30日に球団と単年200万ドルの契約延長を結んだ。基本年俸は抑えられているが、多くの出来高が設定されている<ref>{{Cite web|title=Breaking down Adam Wainwright’s contract|url=https://www.vivaelbirdos.com/2018/10/30/18041126/breaking-down-adam-wainwrights-contract|website=Viva El Birdos|date=|accessdate=2018-10-30|language=|last=|publisher=}}</ref>。
 
{{by|2019年}}は14勝を挙げるなど復活した。オフの10月31日に再びFAとなったが、11月12日に1年の再契約を結んだ<ref>{{Cite web|url=https://www.mlb.com/news/adam-wainwright-signs-new-deal-with-cardinals |title=Wainwright signs with Cards for another year|author=Anne Rogers|website=MLB.com|language=英語|date=2019年11月12日|accessdate=2019年11月13日}}</ref>。
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{{セントルイス・カージナルス}}
{{Navboxes|title=業績
|list1=
{{セントルイス・カージナルス開幕投手}}
{{2006 セントルイス・カージナルス}}
{{ナショナルリーグ最多勝投手}}
{{ナショナルリーグ ゴールドグラブ賞 (投手)}}
{{ナショナルリーグ シルバースラッガー賞 (投手)}}
}}
 
{{2006 セントルイス・カージナルス}}
{{Baseball-biography-stub}}
{{DEFAULTSORT:うえいんらいと あたむ}}
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[[Category:ナショナルリーグ最多勝投手]]
[[Category:MLBオールスターゲーム選出選手]]
[[Category:ワールドシリーズ優勝選手]]
[[Category:ジョージア州グリン郡出身の人物]]
[[Category:1981年生]]