「新宿百人町事件」の版間の差分

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== 概要 ==
=== 工作員 ===
北朝鮮の大物工作員である[[康成輝]](カン・ソンヒ)は[[在日本朝鮮人総聯合会|朝鮮総連]]の元幹部の[[在日朝鮮人]]であり、[[1979年]]頃に北朝鮮[[スパイ|工作員]]として採用され、工作員として訓練を受けた。およそ20年間に北朝鮮へ数十回渡航し、また[[万景峰号]]で北朝鮮からの指令文書などを受領していた<ref name="syouten269" />{{refnest|group="注釈"|万景峰92号を利用した指令文書のやりとりは2003年2月検挙の[[東中野事件]]でも明らかとなっている<ref name="syouten269">{{Cite web|url=https://www.npa.go.jp/archive/keibi/syouten/syouten269/sec02/sec02_0601.htm|title=第2章警備情勢の推移 北朝鮮によるテロ等|author=警察庁|date=2004-07-01|accessdate=2021-12-20|website=警備警察50年『焦点』第269号|publisher=[[警察庁]]}}</ref>。}}
 
さらに日本において巨額の工作資金集金と北朝鮮への送金、日本国内および韓国内の工作員に地下革命組織の建設指示を出す司令塔の役割を果たした<ref name="syouten269" />。また、韓国や日本の[[軍事]]、[[政界]]、[[財界]]関係者や[[在日韓国人]]、[[韓国人]]留学生に対する工作員獲得活動をおこなった<ref>[[#ワールド|『決定版! 北朝鮮ワールド』、p(2004)p.76]]</ref>。
 
康は[[1989年]]ごろ、[[キリスト教]]の[[牧師]]としても活動した。宗教活動として韓国に赴き、韓国内に拘置されていた[[辛光洙]]などの[[非転向長期囚]]の北朝鮮への送還活動を行い成功した{{refnest|group="注釈"|辛光洙は、地村保志・富貴恵のカップルを1978年8月に福井県小浜市の海岸から拉致した実行犯。1980年6月には、原敕晁を宮崎県に誘い出して拉致を行い、その後は原敕晁に成りすまして工作活動をつづけた。}}。送還活動において[[盧泰愚]][[大統領]]へ向けた韓国人政治犯釈放の要望書には、日本の[[国会議員]]多数が署名した。なお、辛光洙は[[日本人拉致事件]]に関与していたとされる(詳細は[[辛光洙]]を参照)
 
[[1997年]]、康は[[JR]][[大久保駅 (東京都)|大久保駅]]近くの[[新宿区]][[百人町]]に[[キリスト教]]系の団体『[[国際キリストセンター]]』を設立し、また、[[北朝鮮]]にある『[[朝鮮宗教人協議会]]』との間で、朝鮮半島平和を目指す合意書を作成した<ref>「[[毎日新聞』、]]」2000年12月12日</ref>。
 
=== 逮捕 ===
[[2000年]][[11月21日]]に康と[[パチンコ]]店従業員、もう一人の[[牧師]]など12人は、交通事故の[[保険金詐欺]]容疑、[[公正証書原本不実記載]]容疑、[[有印私文書偽造の罪]]容疑等で[[逮捕]]された<ref>[http://www.npa.go.jp/kouhousi/biki2/sec02/sec02_0601.htm 『北朝鮮によるテロ等、北朝鮮によるスパイ事件』]、警察庁、焦点第269号<name="syouten269" /ref><ref>[http://www.npa.go.jp/keibi/kokutero1/japanese/0404.html 『新宿百人町事件(2000年(平成12年)検挙)』]、警察庁、焦点第271号</ref>。
 
家宅捜査の結果、朝鮮労働党の[[統一戦線部]]、[[対外情報調査部]]の幹部と康が頻繁に会った旨の記述がある手帳、北朝鮮からの指示を[[乱数放送]](A-3放送)で受信するための短波受信機が発見された。康は[[2004年]][[4月]]に死亡した。
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
<references />
=== 注釈 ===
{{Reflist|group=注釈}}
=== 出典 ===
{{Reflist}}
 
== 参考文献 ==
* {{Cite book|和書|author=別冊宝島編集部編『|year=2004|month=4|title=決定版! 北朝鮮ワールド』、|publisher=[[宝島社]]|series=宝島社文庫、2004年4月、ISBN 9784796638166|isbn=978-4796638166|ref=ワールド}}
 
== 関連文献 ==
* {{Cite book|和書|author=外事事件研究会|year=2007|month=10|title=戦後の外事事件―スパイ・拉致・不正輸出|publisher=[[東京法令出版]]|isbn=978-4809011474|ref=外事}}
 
== 外部リンク ==
* {{Cite web|url=https://www.npa.go.jp/archive/keibi/syouten/syouten269/sec02/sec02_0601.htm|title=第2章警備情勢の推移 北朝鮮によるテロ等|author=警察庁|date=2004-07-01|accessdate=2021-12-20|website=警備警察50年『焦点』第269号|publisher=[[警察庁]]}}
 
 
{{北朝鮮スパイ事件}}
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