削除された内容 追加された内容
Point136 (会話 | 投稿記録)
m ロボットによる: 表をHTMLからウィキ文法に更新
真空の誘電率の値を無難な値に変更、および、少々の補足。
1行目:
'''誘電率'''(ゆうでんりつ、permittivity)は物質内で[[電荷]]とそれによって与えられる力との関係を示す係数である。電媒定数ともいう。各物質は固有の誘電率をもち、この値は外部から[[電場]]を与えたとき物質中の[[原子]](あるいは[[分子]])がどのように応答するか(誘電分極の仕方)によって定まる。
 
ところで、真空中での[[電荷密度]] ρ とそれによって与えられる[[電場]] E との関係は次の[[マクスウェルの方程式|マクスウェル=ガウスの式]]
: <math>\nabla \cdot \mathbf{E} = \frac{\rho} {\varepsilon_0}</math>
与えら定義される。ここで係数 &epsilon;<sub>0</sub> 真空の誘電率とよばれ値は&epsilon;<sub>0</sub> = 8.854 1085418782<sup>-12</sup>F/m ([[国際単位系]](SI)では A<sup>2</sup>·s<sup>2</sup>·N<sup>-1</sup>·m<sup>-2</sup>) である。これは真空の[[透磁率]]を &mu;<sub>0</sub>、[[光速度|光速]]を c としてすると次の関係がある。
: <math> \varepsilon_0 = \frac{1}{\mu_0 c^2} </math>
なお、真空の誘電率 &epsilon;<sub>0</sub> というと、真空も[[誘電体]]であるかのような錯覚をしがちだが、 &epsilon;<sub>0</sub> は[[MKSA単位系]]のつじつまを合わせるために必要な人工的な値であって、[[ガウス単位系]]などでは必要とされないものである。真空は誘電体ではない。
で計算する。
 
さて、[[自由電子]]を持たない物質([[誘電体]])中に[[電荷]]Q をおいた場合、Q の電場によって物質中の原子(あるいは分子)プラス電荷に偏った部分マイナス電荷が互い反対方向へわずかに移動して偏った部分状態分かれなる(これを[[誘電分極]]とよぶ)。この状態が Q の電場を遮蔽打ち消す方向に働き、物質の誘電率を&epsilon;とするため、真空中に比べ、実効的な Q の電場は[[重ね合わせの原理]]によりうまい具合に &epsilon;<sub>0</sub> / &epsilon; 倍に小さくなる。そこで、真空の誘電率 &epsilon;<sub>0</sub> の代わりに誘電率&epsilon; を導入し、さらに D=&epsilon;E とおけば、誘電体の中のマクスウェル=ガウスの式はより簡単な式
 
誘電分極の影響を取り入れるため、真空の誘電率 &epsilon;<sub>0</sub> に代わりに誘電率&epsilon; を導入する。D=&epsilon;E とすると、マクスウェル=ガウスの式は
: <math>\nabla \cdot \mathbf{D} = \rho</math>
で表わすことができる。なお、D は[[電束密度]]と呼ばれる。
と書き換えられる。D を電束密度と呼ぶ。[[等方的]]な物質中で電場があまり大きくない限り &epsilon; は定数であり、その物質固有の値をとる。
 
電場があた。り大きくない限り、誘電率は[[方的]]な物質では定数([[スカラー]])だが誘電率[[異方的]]な物質では[[テンソル]]であらわされになる。
 
== 主な物質の比誘電率 ==