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天皇や[[天皇制]](皇室制度)に対して批判的な[[言論]]は、[[太平洋戦争]]直前から戦中にかけて[[不敬罪]]規定で取り締まられ、社会的にも強い排除圧力があった。
 
戦後は[[言論の自由]]が広く認められ、天皇や天皇制(皇室制度)に対して批判的な言論であっても、法的に禁圧されることはほぼなくなり、社会的にも批判に寛容になった。しかし、一部の[[右翼団体]]やそれに属する人物などが、[[暴力]]的な手段を用いてこれを封殺しようとする事件をたびたび起こした。そして[[1965年]]の「[[博多駅テレビフィルム提出命令事件]]」の[[最高裁判所]][[判決]]により、事実上、日本の[[マスメディア]]における「[[表現の自由]]」が決定された(この法廷闘争は直接には[[報道の自由]]に係るものであったが、判決は憲法第21条の精神解釈からであり、表現の自由にまで拡大適用されるものになった。)ことから、暴力被害に遭うことやトラブルになることを恐れてマスメディアなどは、天皇や天皇制に関する批判的言論を控えるように([[表現の自主規制|自主規制]]するように)なった。なお出版業界などにおいては天皇に係る自主規制の存在やその基準を示すものなどは特に公にはされていないが、放送業界においては、例えば日本民間放送連盟放送基準第2章の7において「国および国の機関の権威を傷つけるような取り扱いはしない。国の象徴としての天皇もここに含まれる。また、地方公共団体およびその機関についてもこの考え方を準用する。」とし、これを公にしている。ただし前述の放送基準にあるように、天皇から拡大して概ね[[皇族]]に対する批判的取り扱いまでがタブーとされているだけで、例えば[[徳仁親王妃雅子]]に対する批判は2007年頃から[[週刊誌]]・[[女性週刊誌]]を中心にしきりに行われている<ref>Leo Lewis「[http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/asia/article3307711.ece Tabloids turn against the Crown Princess Masako]」 [[タイムズ]]2008年2月5日。</ref><ref>「[http://news.livedoor.com/article/detail/3499612/ 雅子さまに同情的な英タイムズ 「日本人」から反発コメント]」 [[ジェイ・キャスト]]2008年2月6日。</ref>。この自主規制を指して、天皇や天皇制に対して批判的な言論は、マスメディアにおけるタブーの一つとされ、婉曲的に菊タブーと言われるようになった。
 
== 世相と背景 ==