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== インテリアに含まれるもの ==
前述した通り、インテリアとは室内装飾品のことで、室内を装飾するものが代表的である。具体例では内装材([[カーテン]]、[[絨毯|カーペット]]、[[壁紙]]、床材など)があり、そのほか[[窓]]、[[ブラインド]]、ロールカーテン、カーテンレール、[[家具]]や[[照明器具]]、[[ドア]]、間仕切りなどが含まれる。[[和室]]では和室の[[襖]]や[[畳]]表、[[障子]]、[[欄間]]などが当てはまる。
 もっとも、基準が曖昧で、[[家電]]や[[OA機器]]といった電化製品なども広義ではインテリアに含まれることになるが、一般的にこれらはインテリア業界ではインテリアとして含まないことが多い。なぜなら、これらは装飾性より機能性、実用性を重視するアイテム群だからである。その一方で、機能性と相俟って装飾性も重要視される[[システムキッチン]]などはインテリアに含めることが多い。ひとつの基準ともなっているのは[[購買層]]であり、システムキッチンは前述のインテリア商品群と性質が似ているからである。
 
反対に、屋外の装飾は[[外構|エクステリア]]というが、インテリアほど装飾性が重要視されず、機能性、また娯楽性を訴求した商品が多く見られるのが特徴である。
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===近世===
[[15世紀]]、[[ルネサンス|ルネッサンス]]の時代になると、[[建築家]]が一つのステータスを得るようになり、こぞってより優れた[[デザイン]]構築を研鑽した。それによって彫刻技術も飛躍的に進歩し、壁や天井には精緻な彫刻が施され、華麗さを増していった。一方、庶民の間でも住宅に[[暖炉]]を配し、家具を揃えるようになっており、インテリア文化の骨子が整ったといえる。また、この頃の家具は[[椅子]]などに[[羽毛]]などが使われ始め、インテリアにファブリック(布製品)の概念が用いられるようになった。その後[[バロック]]の時代を迎えると、家具の装飾性はさらに増していき、イタリア製の家具はステータスシンボルにもなった。一方、[[ヴェネツィア]]を中心に[[ガラス工芸]]も発達し、インテリアの一アイテムとして採り入れられるようになった。[[ロココ]]の時代になるとさらに芸術性、装飾性が増し、家具に花鳥のデザインを施したものが見られ、より艶容なものに変わっている。その後、[[ネオクラシシズム]]と呼ばれる回帰現象が起こり、[[中産階級]]にも受け入れられる堅牢、かつ端整な家具や装飾が好まれるようになる。
 
===近代===
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日本でインテリアが発達した背景には[[戦後]]の住宅政策による欧米式住宅の増加によるところが大きい。また、従来の日本建築は[[防災]]上の観点などもあり、防火・耐震に優れた機能的な欧米建築に大きく地位を追われた。
 
しかし、インテリア産業が発達した直接的な背景は、[[高度経済成長]]期を迎えて、中産階級層に生活上のゆとりが発生し、ニーズが高まった結果である。当初は、一般に言われた[[三種の神器]]や[[三種の神器 (電化製品)|3C]]などといった機能目的の[[電化製品]]、[[自動車]]などがステータスシンボルとなったが、これらが充足してくると、次は[[オーディオ]]などといった娯楽品と共にインテリアが重要性を増していく。目的は生活環境の向上のため、また個性の主張、階級の差別化などさまざまであるが、生活を豊かにするためのアイテムとして需要が高まっていったものである。そしてインテリア産業は個別のアイテムを売るのではなく、提案型(たとえば家を[[リフォーム]]するのなら、その中に家具一式を盛り込み、それを提案ししつつ、商品を販売する)の販売方法で、大きく成長を遂げた。
 
今日では木のぬくもりや和の心などといった概念もあって、日本住宅や和風のインテリアが見直され、[[和洋折衷]]ともいえるものも多い(木製[[ブラインド]]や障子紙のロールスクリーン、[[藺草]]の絨毯など)。洋風住宅の中に和室が設けられることも多い。
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== インテリアの問題 ==
===健康面の問題===
インテリアは、生活に直接結びつくため、まずとり上げられるのは健康面での問題である。特に取り沙汰されるのが壁紙とカーペットであり、前者は[[シックハウス症候群]]や[[化学物質過敏]]の原因物質を含むとして、後者は[[アレルゲン]]となるダニの温床であるとして問題が指摘されている。
 
====壁紙のケース====
[[壁紙]]が槍玉に挙がったのは[[1990年代]]以降で、特に壁紙を付着させる時に用いられた有機接着剤が[[アセトアルデヒド]]や[[ホルムアルデヒド]]を含んでいたことが問題となり、[[シックハウス症候群]]の誘発因子であると叫ばれた。そのため、近年は各メーカーとも対策を進めることで、安全な素材が使われるようになったが、壁紙が国内に広まった[[1970年代]]後半から考えると、検査もされないままの住宅が多数を占めている。もっとも、これらの溶剤は揮発性が高いため、築何年も経つ住宅では濃度も健康上問題ないレベルには落ち着いていることが多い。
 
[[中国]]では、粗悪な[[有機溶剤]]を用いた壁紙が貼り付けられている都市部マンションの子供らの、[[白血病]]罹患率が異常に高くなっているデータが発表されており、より深刻な対応を迫られている。
 
====カーペットのケース====
[[カーペット]]がダニの温床になり、アレルゲンの原因となっていることは、1990年代後半、情報バラエティ番組によって世間に広まった。これにより、カーペット業界は大打撃を受け、売上を大きく落とすことになる。メーカーは手入れの問題で解決できると反発したが、実際、ダニはカーペットの細かい[[繊維]]に足を引っかけ、[[掃除機]]でも吸い取り切れないという研究結果が報告されている。もっとも、掃除機の熱によってダニは死んでしまうのだが、ダニの死骸自体もアレルゲンとなっていることが分かっている。
 
そのため、小さな子供がいるマンションなどでカーペットの買い控えを行う傾向が高まった。しかし、今度はそれによって、子供らの足音などによる[[騒音]]被害とそれによる住民トラブル、または子供やお年寄りが転倒して大怪我を負うケースが増えている。