削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
3行目:
[[ファイル:MiniCycle FoldingType.jpg|right|thumb|折り畳み機構付きミニサイクル]]
[[ファイル:Japanese MiniCycle 5speed ISO-TyreSize47-501T 70's.jpg|right|thumb|22型(23.5型)のミニサイクル 外装5段変速機付き(1970年代)前カゴは後の時代のもので補修されている]]
'''ミニサイクル'''とは、主に大人が乗車する一般用途向け[[自転車]]のうち、通常より小さな径の車輪をもつものを指す。[[日本]]でいうミニサイクルは、[[1960年代]]後半に登場し、それまでの[[軽快車]]を[[小径車|小径]]化し女性向けに大幅な改良を施したものであり、一般的な小径車・軽快車のいずれからも独立した形式と言える。
== 定義 ==
[[日本工業規格]]JIS D 9101-1991(自転車用語)では「日常の交通手段に用いる短距離低速走行用の一般用自転車で、高さの調節範囲が、シートポスト100mm以上、ハンドルステム35mm以上、サドル最大高さが750mmを超え1 100mm以下で、車輪の径の呼び24以下のもの」と規定し、同じ用途に使われる軽快車とは車輪径により区別されている。後の[[シティサイクル]]の原形の一つであり、近年の市場占有率の縮小にともない、[[1995年]]改正以降のJIS D 9111(自転車 - 分類及び諸元)では、車輪径による区別を廃して従来の軽快車と統合され「シティ車」に区分される。
 
折り畳み機構の有無は問わないが、現在一般的にはこれを備えないものについていう場合が多い。ただし1960年代から[[1980年代]]にかけては、折り畳み機構をもつものもミニサイクルと表記するケースが多かった事実に留意しなければならない。これは当時の[[折り畳み自転車]]の市場占有率が低かったために、小径の車輪という共通の特徴をもつミニサイクルと同一の枠で扱われたためである。しかし[[1990年代]]半ば頃からの折り畳み自転車の流行によってその市場規模が拡大し、軽快車的用途のミニサイクルとは別に扱われることが多くなった。現行のJIS D 9111:2010(自転車 - 分類及び諸元)では、多くの折り畳み自転車は「コンパクト車」に区分される。
 
なお折り畳み機構をもたない小径車であっても、主としてスポーツ用途が想定されているものについては、ミニサイクルの名を用いることは稀である。
13行目:
== 歴史 ==
=== 誕生からブーム終焉まで ===
[[大量生産]]されたミニサイクルの始祖というべきものに、1960年代に[[イギリス|英国]]で流行を巻き起こした[[アレックス・モールトン]]の考案によるFフレーム各型がある。これをきっかけに欧州市場では、多様な小径車輪の自転車が発表された。いっぽう1960年代中期に生まれた日本型ミニサイクルは、それらとはかなり異なる独自の様式を備えて市場に現われた。これには、当時まだ自転車に馴染みの薄かった主婦を中心とする女性を新規ユーザーとして取り込むことを狙って、従来の[[軽快車]]の常識を打ち破る新機軸が幾つも盛り込まれており、それは技術者の自己満足に終わることなく劇的な売れ行きを示して、街角の風景を塗り替えて行った。[[1968年]]ごろから急速に生産量を増やしたミニサイクルは、最盛期には国内自転車生産量の三分の一近くを占めるほどであった。
 
ミニサイクルは、右肩上がりに生産量を増やしたが、[[1973年]]をピークに減少に転じ、1980年代を迎える頃には、市場における存在感は大きく失われてしまった。ミニサイクル失速には、諸説あるが、以下の要因はなどが挙げられる。
# 急速な普及により新奇性が失われ飽きられたこと。
# 小径車輪の走行特性の不利。
24行目:
1980年代になると、シンプルでありながら個性的なデザインを備えたカマキリ型自転車などのファッションサイクルの需要が生じてくる。その中で、ありふれた自転車に対する差別化の手段のひとつとして小径の車輪を採用するものが有り、フレームの形状にも意匠を凝らしやすい小径車輪のミニサイクルは、この分野で一定の地位を得ることになる。しかし、個性的であることは普遍性に反することでもあり、もとより自転車界の傍流であるファッションサイクルの、さらに支流であるフッションミニサイクルとでもいうべき車種の存在は、無視できるものではないものの、決して大きくはない。一方1990年代以降、本来の乗り降りの容易さなどの利点をさらに伸ばした[[バリアフリー]]タイプの製品が、少数ながら一定の市場を得ている。
 
そのほか広義のミニサイクルに含まれ得る小径[[折り畳み自転車]]の流行が、1990年代の後半ごろから目立つようになり、[[2000年代]]を迎えても続いている。
 
== 初期ミニサイクルの特徴 ==