「勧善懲悪委員会」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
m編集の要約なし
28行目:
{{Islam}}
 
'''勧善懲悪委員会'''(かんぜんちょうあくいいんかい、[[アラビア語]]:هيئة:هيئة الأمر بالمعروف والنهي عن المنكر‎、[[英語]]:Committee:Committee for the Promotion of Virtue and the Prevention of Vice<ref>サウジアラビア政府公式の英語訳</ref>、略称CPVPV):CPVPV)は、[[サウジアラビア]]の[[宗教警察]]。別名は[[ムタワ]]。
 
==概要==
正式名称は「徳の奨励と悪徳の禁止の省」となる。サウジアラビアの[[国教]]である[[イスラム教]][[ワッハーブ派]]の三大教義の一つである「[[勧善懲悪 (イスラーム)|勧善懲悪]]の実施」を行う政府機関として[[宗教警察]]の役割を持ち、国内の思想統制に大きな力を発揮している。一般にはイスラム社会における宗教警察を表す「[[ムタワ]]」の略称で呼ばれている。
 
代表者は長年にわたり[[シャイフ]]・イブラヒム・ビン・アブダラ・アルガイス ([[:en:Sheikh Ibrahim Bin Abdullah Al-Ghaith]]) が務めていたが、2009年に解雇され、穏健派指導者へと代えられている。
41行目:
 
元々は地域住民への生活指導などを行うボランティア組織的なものであり、懲罰といっても小さな[[鞭]]で軽く叩く程度であったが、[[湾岸戦争]]以降、[[西洋文化]]の流入が進むと態度を硬化させるようになり、取締りの過激化が進み、違反者の[[逮捕]]・[[処刑]]まで行うようになった。
 
 
== 組織と活動 ==
48 ⟶ 47行目:
サウジアラビアでは3,500人の職員と多数の[[ボランティア]]によって運営されており、総人数は4,000人から5,000人と言われている。委員には王族に知事や副知事、宗教指導者まで幅広い権力者が在籍しており、サウジアラビア国内における影響力は非常に大きく、イスラムにおける倫理委員会の役目を果たしている。
 
勧善懲悪委員会自体は[[司法警察権]]や[[裁判権]]は持っていないため、正規の[[警察官]]と二人一組で活動している。実際に逮捕を行うのは警察官である。逮捕した相手に対する[[告発]]を行うだけで[[裁判]]そのものは[[裁判官]]が執り行うが、実質的に警察も裁判所も勧善懲悪委員会の威光には逆らえない
逮捕した相手に対する[[告発]]を行うだけで[[裁判]]そのものは[[裁判官]]が執り行うが、実質的に警察も裁判所も勧善懲悪委員会の威光には逆らえない。
 
湾岸戦争以降に流入するようになった西洋文化に対して非常に強い拒否反応を示しており、彼らの考える「イスラムの教義」に合わない欧米文化の排除に積極的に活動している。
67 ⟶ 65行目:
[[2008年]]には逆に一般市民が勧善懲悪委員会メンバーに集団暴行を行うという事件まで起きている。
 
2008年に聖地巡礼に来ていた[[レバノン]]の霊能力者を魔法を使った罪で逮捕告発し、死刑判決が出されている。死刑判決を受けた人物はレバノンではテレビに出演し、霊能力と称して人生相談などを行う番組を持っていた有名なタレントであるが、もちろん本当に魔法使いだったわけではない。
 
2008年には聖地巡礼に来ていた[[レバノン]]の霊能力者を魔法を使った罪で逮捕告発し、死刑判決が出されている。死刑判決を受けた人物はレバノンではテレビに出演し、霊能力と称して人生相談などを行う番組を持っていた有名なタレントであるが、本当に魔法使いだったわけではない。
 
== 関連項目 ==