「コンポジット映像信号」の版間の差分

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== 概要 ==
コンポジット映像信号では、映像を構成する情報が一つの伝送信号に重畳されている。地上アナログ放送ではこれを[[振幅変調|振幅変調(AM)]](AM)することで、各家庭電波として送信している。日本国内では2011年7月24日まで、地上アナログ放送としてコンポジット信号を用いたテレビジョン放送が行われていた<ref>ただし、[[東日本大震災]]で最も甚大な被害を受けた[[福島県]]、[[宮城県]]、[[岩手県]]の3県は除く(これらの地域では2012年3月31日まで)。</ref>。伝送品質は[[標準画質映像]](SD映像)までがサポートされており、HD映像にはコンポジット信号規格はない。
 
[[テレビ|テレビジョン]]に用いられるコンポジット信号には、[[NTSC]]、[[PAL]]、[[SECAM]]の3方式がある。
 
コンポジット信号は、輝度信号の周波数特性が櫛形になる性質を利用して、その隙間に色信号を重畳している。カラーモニタに表示する際には、コンポジット信号を赤緑青の三原色信号に、映像合成処理などを行う場合は輝度と色差のコンポーネント信号に変換する必要があるが、一度重畳した各成分を完全に分離することが難しく、残留成分がノイズとなってしまう欠点がある。また、コンポジット信号を用いると伝送路の機器構成は単純になるが、[[ビデオカメラ]]や[[モニタ]]、[[映像編集#デジタル特殊効果装置|デジタル特殊効果装置]]は元来コンポーネント信号で内部処理するために相互変換装置が必要になり、画質が低下する。このため高画質化を必要とする場合には、コンポーネント信号対応機器のみ(伝送路を含む)システムを構成する。また、家庭用の映像機器では、NTSCやPAL映像信号から色信号を分離して別々に伝送する[[S端子|S映像信号]]を用いて接続する]]ものもある。
 
[[Moving Picture Experts Group|MPEG]] ([[MPEG-1]]、[[MPEG-2]]、[[MPEG-4]]) などのデジタル映像へ[[データ圧縮|圧縮]]([[高効率符号化]])を行う際にはコンポーネント信号に変換する必要があるため、コンポジット方式はデジタルビデオ機器とは相性が良くない。しかしテレビやビデオ機器にアナログコンポジット信号に対応した入出力端子が標準的に備わっているため、広く使われている上、2012年現在も殆どのBDレコーダーなどHDMI端子をもった機器でもHDMIケーブルを付属せず<ref>ただし、例外的に[[シャープ]]製のBDレコーダーに限り、2011年下期モデル以前の機種にはHDMIケーブルが最初から付属していたが、2012年上期モデル以降の機種よりHDMIケーブルは別売りとなった。 </ref>に、コンポジットAVケーブルが付属している。なお日本においては、2014年以降発売の新機種では著作権が保護されたコンテンツ(特に市販のパッケージBDソフト(BD(BDビデオ))))はアナログ出力そのものができなくなった
 
== 脚注 ==