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ロケットエンジンでは燃料を[[大気圏]]外でも燃焼させるため、[[液体水素]]やケロシンなどの燃料のほかに[[酸化剤]]を搭載する必要がある。酸化剤として用いられる物質は、第二次世界大戦中のヴァルターロケットでは[[過酸化水素]]、同じく[[V2ロケット]]では[[液体酸素]]、戦後のミサイルでは[[赤煙硝酸]]や[[過塩素酸アンモニウム]]などである。ケロシンを燃料とするロケットの場合、酸化剤としては液体酸素が多く用いられる。
 
ロケット燃料としての性能([[比推力]])は噴射速度が高いほど、言い換えると燃焼温度が高く燃焼ガスの分子量が軽いものほど、最終飛翔体と燃料の重量比である(単に質量比を緩和すと呼ぶ)がよくなる。したがって理想的には液体水素と液体酸素の組み合わせがロケット燃料に最適である。しかしながら、液体水素は密度が低いためタンクが巨大になり、また液体酸素との[[沸点]]の違いからタンクの断熱構造が複雑になるなどの課題がある。すなわち、実際には燃料タンクなどロケットの構造材の重量も含めて考慮されるべきで、サイズが巨大になる多段式ロケットの1段目にはロケット構造材の装置が簡単になり軽量化が図れるケロシンがロケット燃料として採用されることが多い。
 
==== ケロシン系ロケット燃料 ====
; RP-1
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==== ケロシンを燃料とするロケットエンジンの例 ====
; [[F-1 (ロケットエンジン)|F-1]]
: [[アポロ計画]]で用いられた[[サターンV 型ロケット|サターンV]]の一段目用の巨大エンジン。
; [[RD-170]]/RD-171
: ロシアの大型ロケット[[アンガラ・ロケット|アンガラ]][[ウクライナ]]の[[ゼニット_(ロケット)|ゼニト]]用のエンジンでF-1に匹敵する。
; [[RD-107]]/RD-108
: ロシアの[[ソユーズ]]の一段目用と二段目用エンジン(RD-108にRD-107を4本束ねて使うのが特徴)。液体酸素とケロシン系のT-1またはRG-1燃料を使用する。
; RS-27/RS-27A/RS-27C
: [[デルタロケット|デルタII]]の一段目用エンジン。