「計算複雑性理論」の版間の差分

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多くの複雑性クラスは、それを表現するのに必要となる[[形式体系|論理体系]]によって特徴付けられる。これは、[[記述計算量]]の概念と関係がある。
 
各クラスに対し、そのクラスの'''完全問題'''を考えることがある。クラス''C''の完全問題とは''C''に属する問題のうちで最も計算するのが難しい問題のことである。具体的な定義は以下のようになる。
クラス''C''の完全問題とは''C''に属する問題のうちで最も計算するのが難しい問題のことである。
具体的な定義は以下のようになる。
 
; 困難 ({{lang-en-short|~hard— hard}})
:クラス''C''に対して、問題''P''が''C'''''困難'''であるとは、''C''に属する任意の問題を''P''に帰着(多くの場合[[多項式時間変換|多項式時間帰着]]を考えるが、そうでない場合もある<!--NP完全問題の定義としてlog space帰着を採用する場合もある-->)できるということである。すなわち''P''は''C''に属するいかなる問題よりも、同等かそれ以上に難しいということである。ただし、''C'''''完全'''と異なり、''P''自身は''C''に属するとは限らない。
; 完全 ({{lang-en-short|~complete— complete}})
:クラス''C''に対して、問題''P''が''C'''''完全'''であるとは、''P''が''C''に属しかつ''C''困難ということである。すなわち''P''は''C''に属する問題の中で、本質的に最も難しい問題であるということである。
 
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* [[NC (計算複雑性理論)|NC]]
* [[P (計算複雑性理論)|P]]
* [[NP]] ([[NP困難]], [[NP完全]])
* [[co-NP]]
* [[PSPACE]]
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==イントラクタブル==
{{see also|組合せ爆発}}
理論上計算可能な問題であっても、実際に解くことができない問題を'''イントラクタブル'''<ref> ({{lang-en-short|intractable}}, 手に負えない、処理しにくい。</ref>) であるという。「実際に」解けるとはどういうことかという問題もあるが、多項式時間の解法がある問題が一般に(小さな入力だけでなく)解けるとされている。イントラクタブルな問題として知られているものとしては、'''[[EXPTIME]]'''完全な問題がある。NP が P と同じでなかった場合、NP完全な問題もイントラクタブルだということになる。
 
[[指数関数時間]]の解法がなぜ実際には使えないかを考えるため、2<mathsup>2^''n''</mathsup> 回の操作を必要とする問題を考える(<math>''n</math>'' は入力のサイズである)。比較的小さな入力数 <math>''n'' = 100</math> のときについて、1秒間に 10<mathsup>10^{10}</mathsup> (10 [[ギガ]])回命令を実行できる計算機を想定すると、その問題を解くには約 <math>4\ &times{}; 10^{<sup>12}</mathsup> 年かかる。これは現在の[[宇宙#宇宙の年齢・大きさ|宇宙の年齢]]よりも長い。
 
== 主な研究者 ==
* [[マヌエル・ブラム]]: [[ブラムの公理]]に基づいた公理的複雑性理論を構築した
* [[スティーブン・クック]]
* [[ユリス・ハルトマニス]]
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* [[アンドリュー・チーチー・ヤオ]]
* [[レスリー・ヴァリアント]]
* [[:en:{{ill2|Leonid Levin|en|Leonid Levin]]}}
 
== 脚注 ==