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{{Redirectlist|辞表|日本の律令制度において官職を辞職するための文書|上表}}
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'''自己都合退職'''(じこつごうたいしょく)とは、[[労働契約]]解除が[[労働者]]からの申し出によるものをう。また、[[定年]][[退職]]を除くと、退職のほとんどが「自己都合退職」によるものである{{要出典|date=2016年7月}}から、会話や文脈上では単に「退職」とうこともある。他の退職の形態には、定年退職、[[会社都合退職]]がある。
 
[[雇用保険]]([[雇用保険#求職者給付|求職者給付]])の「自己都合退職」という区分において、次のような場合は自己都合退職でも正当な理由とみなされる場合があり、給付日数は同じでも「使用者に責任はないが再就職の準備をする時間的余裕がなく退職」ということで給付制限はつかない(正当な理由かどうかの判定は[[公共職業安定所]]長が行う)。
 
== 法的根拠 ==
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== 就業規則との兼ね合い ==
[[就業規則]]には退職に関する事項を定めなければならず(労働基準法第89条)、退職の申し出を14日よりも前に申し出るべきこととすることがある。
[[就業規則]]において、退職の申し出を14日前以上に申し出るべきこととされている場合、民法627条を任意規定と解して就業規則規定の予告期間を特約として効力が生じるという学説があるが、高野メリヤス事件(昭和51.10.29判時841号102頁)において、民法627条に抵触する部分については無効であるという判例があり、民法627条に従い14日経過後に退職は成立するとされる。一方では大室木工所事件において、「民法第627条第1項を排除する特約は無制限に許容するべきではなく、労働者の解約の自由を不当に制限しない限度においてはその効力を認めるべきであるから、労働者の退職には使用者の承認を要する旨の特約は、労働者の退職申し立てを承認しない合理的な理由がある場合の外は、使用者はその承認を拒否しえないという限度でその効力を認めるべき」(昭37.4.23 浦和地決熊谷支部)という裁判例があるが、本裁判例は就業規則の退職予告期間そのものを争点とした裁判ではなく、就業規則の予告期間を優先とするという内容の判例ではないため、予告期間において就業規則を優先とする判例はないが、どんな特約でも全面的に否定するという判例もない。実際には労働局のホームページでは、「なお、会社の就業規則に退職について規定されている場合は、原則として就業規則の規定が適用されます」と書かれ、特約が優先するという見解を表示している<ref>http://osaka-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/yokuaru_goshitsumon/jigyounushi/taisyoku.html</ref>。
 
[[就業規則]]において、退職の申し出を14日前以上に申し出るべきこととされている場合、民法627条を任意規定と解して就業規則規定の予告期間を特約として効力が生じるという学説があるが、高野メリヤス事件(昭和51.10.29判時841号102頁)において、民法627条に抵触する部分については無効であるという判例があり、民法627条に従い14日経過後に退職は成立するとされる。一方では大室木工所事件において、「民法第627条第1項を排除する特約は無制限に許容するべきではなく、労働者の解約の自由を不当に制限しない限度においてはその効力を認めるべきであるから、労働者の退職には使用者の承認を要する旨の特約は、労働者の退職申し立てを承認しない合理的な理由がある場合の外は、使用者はその承認を拒否しえないという限度でその効力を認めるべき」(昭37.4.23 浦和地決熊谷支部)という裁判例があるが、本裁判例は就業規則の退職予告期間そのものを争点とした裁判ではなく、就業規則の予告期間を優先とするという内容の判例ではないため、予告期間において就業規則を優先とする判例はないが、どんな特約でも全面的に否定するという判例もない。実際には労働局のホームページでは、「なお、会社の就業規則に退職について規定されている場合は、原則として就業規則の規定が適用されます」と書かれ、特約が優先するという見解を表示している<ref>http://osaka-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/yokuaru_goshitsumon/jigyounushi/taisyoku.html</ref>。
 
また、就業規則ではなく労働者が使用者と労働契約書などで個別合意して退職の申し出を14日前以上に申し出るべきこととした場合、民法627条を任意規定と解して個別合意の予告期間を特約として効力が生じるかという問題もある。
 
また、[[労働基準法]]20条の解雇予告期間との均衡から、就業規則による予告期間延長を1か月までは有効と解する極めて少数の見解もあるが、労働基準法の解雇予告期間は、労働者にとっては突然[[解雇]]されれば[[賃金]]を得られず生活ができなくなるという重要性にかんがみ必要とされているものであり、使用者の経営上の利害と労働者の生活上の重要性を同列に論じるべきではないこと、本来労働者を保護する趣旨である労働基準法20条の規定が結果的に労働者を拘束し、労働者の退職のさいに不利に作用する根拠となり、労働基準法20条がために就業規則で1か月の退職予告期間を強いられるのは問題である、労働基準法20条は使用者を拘束する規定であり、(直接的であれ間接的であれ)労働者側を拘束する規定ではない、等の問題点や矛盾が生じることから当解釈(労働基準法20条を根拠として1か月は有効という解釈)は無理があり、一般的には全く受け入れられていない。
 
== 雇用保険 ==
[[雇用保険]]における基本手当の給付において、[[離職票]]に記載する離職理由に自己都合退職がある。
 
[[雇用保険]]([[雇用保険#求者給付|求職者給付]])の「票に自己都合退職」という区分におい記載があっ次のような場合は自己都合退職でも正当な理由ありとみなされる場合があり、給付日数は同じでも「使用者に責任はないが再就職の準備をする時間的余裕がなく退職」ということで給付制限はつかない(正当な理由かどうかの判定は[[公共職業安定所]]長が行う)。なお定年退職の場合は自己都合退職と同様に扱われる。[[雇用保険#特定受給資格者・特定理由離職者]]も参照
 
== 脚注 ==
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*[[労働契約法]]
* [[労働法]]
* [[会社都合退職]] - [[リストラ]] - [[早期優遇退職]] - [[退職勧奨]] - [[定年退職]]
* [[解雇]] - [[懲戒解雇]] - [[普通解雇]] - [[整理解雇]]
* [[不当解雇]] - [[退職強要]]