削除された内容 追加された内容
→‎書誌情報: 書誌情報を追加。
22行目:
 
ただし世界政治における行為者として文明を位置づけているわけではない。文明は文化的なまとまりであって、政治的なまとまりではない。あくまで文明はさまざまな行為主体の政治行動を方向付けるものである。近代世界以後の日本を除く全ての主要文明が2か国以上の国家主体を含んでいる。文明の総数については歴史研究において学説が分裂している。16個、21個、8個、9個などと文明の数え方にはいくつかの基準がある。しかしハンティントンの分析は、歴史的には最低限でも主要文明は12個存在し、そのうち7つは現存せず、新たに2個または3個の文明が加わったと考えれば、現在の主要文明は7個または8個であるとした。
[[ファイル:Clash of Civilizations mapn2.png|center|400px|thumb|主要文明が有する文明圏の分布を示す世界地図<ref>{{cite web |url=http://s02.middlebury.edu/FS056A/Herb_war/clash3.htm |title=アーカイブされたコピーThe World of Civilization |accessdate=2008-12-15 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20070312101415/http://s02.middlebury.edu/FS056A/Herb_war/clash3.htm |archivedate=2007年3月-03-12日 |deadlinkdate=2017年10月 }}</ref>]]
*; [[中華文明]] -: [[紀元前15世紀]]頃に発生し、[[儒教]]に基づいた文明圏であり儒教文明とも呼ぶ。その中核を[[中国]]として、[[台湾]]、[[朝鮮]]、[[韓国]]、[[ベトナム]]、[[シンガポール]]から成る。経済成長と軍備の拡大、および国外在住の華人社会の影響力を含め、その勢力を拡大しつつある。
*; [[ヒンドゥー文明]] -: [[紀元前20世紀]]以降にインド亜大陸において発生した[[ヒンドゥー教]]を基盤とする文明圏である。
*; [[イスラム文明]] -: [[7世紀]]から現れた[[イスラム教]]を基礎とする文明圏であり、その戦略的位置や人口増加の傾向、石油資源で影響力を拡大している。([[トルコ]]は文化や歴史的に西に近い。)
*; [[日本文明]] -: [[2世紀]]から[[5世紀]]において[[中華文明]]から独立して成立した文明圏であり、日本一国のみで成立する孤立文明。
*; [[東方正教会文明]] -: [[16世紀]]に[[ビザンティン文明]]を母体として発生し、[[正教会|正教]]に立脚した文明圏である。
*; [[西洋文化|西欧文明]] -: [[8世紀]]に発生し、[[西方教会]]に依拠した文明圏である。[[19世紀]]から[[20世紀]]は世界の中心だったが、今後、中華、イスラム圏に対して守勢に立たされるため団結する必要がある。
*; [[ラテンアメリカ文明]] -: 西欧文明と土着の文化が融合した文明、主に[[カトリック教会|カトリック]]に根ざしている文明圏である。
*; [[アフリカ文明]] -: アフリカ世界における多様な文化状況に配慮すれば、文明の存在は疑わしいものであるため、主要文明に分類できないかもしれない。
; その他 : [[エチオピア]]や[[ハイチ]]と[[イスラエル]]はどの主要文明にも属さない孤立国である。[[モンゴル]]、[[チベット]]、[[タイ王国|タイ]]、[[ミャンマー]]などは[[仏教]]文化として括られているが積極的な行為主体とは考えていない。
 
=== 変容する文明 ===