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'''清水 潔'''(しみず きよし、[[1958年]] - )は[[東京都]]出身の[[ジャーナリスト]]。
== 経歴 ==
[[1958年]]、東京都生まれ。
[[1958年]]、東京都生まれ。新潮社の写真週刊誌「[[FOCUS]]」編集部を経て、週刊誌時代は事件専門記者であった<ref name=":2">「殺人犯はそこにいる」著者紹介より(新潮文庫)</ref>。[[1999年]]の「FOCUS」記者時代に、[[埼玉県]][[桶川市]]の[[桶川駅]]前で起きた『[[桶川ストーカー殺人事件]]』では事件後、遺族への報道は過熱して遺族宅にマスコミが押し掛ける状態が二ヶ月続いて被害者女性の名誉毀損報道もされた。遺族は「誰も助けてくれず、娘のデマも流される。ふざけるんじゃない」との当時の思いを語っている<ref name=":0">{{Cite web|title=娘の名誉のため、代わって話す…桶川ストーカー事件から20年、捜査怠慢や過熱取材と闘い続けた両親が思い(埼玉新聞)|url=https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191026-00000008-saitama-l11|website=Yahoo!ニュース|accessdate=2019-10-26|language=ja}}</ref>。しかし、清水は警察より先に事件の[[容疑者]]を割り出し、[[上尾警察署]]による[[被害者]]の[[告訴]]もみ消しもスクープした<ref> 朝日新聞2010年11月5日2P</ref>。[[埼玉県警察]]の捜査より先に[[実行犯]]を特定し、警察に通告。後の大量の処分者を出すことになり、埼玉県警の[[警察不祥事]]隠しも暴いた<ref> 毎日新聞2001年8月2日2P</ref>。[[写真週刊誌]]「FOCUS」で独自に容疑者を突き止め、[[調査報道]]と県警の告訴もみ消し疑惑をスクープした。[[報道被害]]にも遭った被害者遺族<ref name=":0" />の名誉も回復させた<ref> 東京新聞2004年3月26日28P</ref><ref>桶川ストーカー殺人本文(新潮文庫)</ref><ref>「報道被害」[[梓澤和幸]]著(岩波新書)</ref><ref>「調査報道がジャーナリズムを変える」花伝社</ref>。[[2000年]]、「FOCUS」で埼玉県警不正キャンペーンが行なわれ、[[鳥越俊太郎]]も参加し、埼玉県警は不正捜査を認めて謝罪することとなった。その後、遺族が埼玉県警を相手に[[国家賠償請求訴訟]]を起こすことになった。[[改竄]]に関わった上尾警察署署員3人は[[懲戒免職]]になり、後に有罪判決を受け確定した<ref>桶川ストーカー殺人本文(新潮文庫)</ref><ref>「報道被害」梓澤和幸著(岩波新書)</ref><ref>「調査報道がジャーナリズムを変える」花伝社</ref>。[[桶川ストーカー殺人事件]]の際、清水は遺族への取材交渉や被害者の友人への聞き込みからストーカーの事実を知り、その後は張り込みや聞き込みを繰り返し、ストーカーチームを割り出し、警察に情報提供をして犯人は逮捕。更に被害者の告訴状を埼玉県警が取り下げさせようとしていたことも突き止める成果を挙げた<ref name=":1" /><ref>[http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0915/ltr_150915_3002983559.html 桶川ストーカー事件、足利事件の真相を突き止めた記者が語る「警察、司法発表に依存しない取材、報道」のススメ]LITERA 2015年9月15日</ref>。事件解決後には、埼玉県警との格闘があったが、その際に[[山路徹]]や[[鳥越俊太郎]]の出演していた[[ザ・スクープ]]の協力があり、世間にこの事件を周知することに成功した<ref>[http://n-knuckles.com/serialization/yoshida/news001130.html しょこたん推薦「遺言 桶川ストーカー殺人事件の深層」を読んで...『ほぼ日刊 吉田豪』連載112]東京breakingnews 2014年1月28日</ref>。 しかし、鳥越が[[2016年東京都知事選挙]]で落選した際に「僕はペンの力なんか全然信用していません」と発言した<ref name="ok2">[http://www.huffingtonpost.jp/2016/08/10/shuntaro-torigoe_n_11422752.html?utm_hp_ref=japan 「ペンの力って今、ダメじゃん。だから選挙で訴えた」鳥越俊太郎氏、惨敗の都知事選を振り返る【独占インタビュー】]ハフィントンポスト 2016年8月11日</ref>。選挙戦でいつのまにか事件が鳥越の単独スクープ扱いのようになったこと、ペンの力発言を受けて、鳥越に失望したことを表明した<ref name=":1">[http://archive.is/wPQg4 選挙戦ではいつのまにやら氏の単独スクープとなり、次に今回のペンの力発言]</ref>。
 
新潮社の写真週刊誌「[[FOCUS]]」編集部を経て、事件専門記者となった<ref name=":2">「殺人犯はそこにいる」著者紹介より(新潮文庫)</ref>。[[1999年]]、「FOCUS」記者時代に[[埼玉県]][[桶川市]]の[[桶川駅]]前で起きた『[[桶川ストーカー殺人事件]]』では、[[埼玉県警察]]の捜査より先に事件の[[容疑者]]を割り出し、警察に通告。さらに、[[上尾警察署]]が[[被害者]]の[[告訴]]をもみ消していたことも、スクープした<ref> 朝日新聞2010年11月5日2P</ref>。
 
具体的には、清水は、遺族への取材交渉や被害者の友人への聞き込みからストーカーの事実を知り、その後は張り込みや聞き込みを繰り返し、ストーカーチームを割り出し、警察に情報提供をしていた。更に被害者の告訴状を埼玉県警が取り下げさせようとしていたことを突き止める成果も挙げた<ref name=":1">[http://archive.is/wPQg4 選挙戦ではいつのまにやら氏の単独スクープとなり、次に今回のペンの力発言]</ref><ref>[http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0915/ltr_150915_3002983559.html 桶川ストーカー事件、足利事件の真相を突き止めた記者が語る「警察、司法発表に依存しない取材、報道」のススメ]LITERA 2015年9月15日</ref>。
 
2001年の「FOCUS」休刊後、[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]へ移籍する。その後は日本テレビ報道局記者・解説委員を歴任する<ref name=":2" />。
 
[[2005年]]、日本テレビの報道記者として清水は、日本から海外逃亡した日系ブラジル人の強盗殺人犯を追跡し、[[ブラジル]]で発見する。犯人はその後、逮捕された<ref>[[日本テレビ]]特番ACTION</ref>。
 
[[2007年]]夏より、[[足利事件]]を含む[[北関東連続幼女誘拐殺人事件]]の取材を再開する。取材過程において、確定していた無期懲役囚は[[冤罪]]ではないかと、捜査の矛盾点や謎を継続報道し、DNA再鑑定を行うべきと提起し続ける<ref>[[日本テレビ]]特番ACTION</ref><ref>冤罪足利事件「らせんの真実」を追った四〇〇日(下野新聞編集局)</ref>。[[2009年]]6月に、日本で初めて行われたDNA再鑑定により、不一致だったことが判明、受刑者は釈放された<ref>「調査報道がジャーナリズムを変える」第一部第一章(花伝社)</ref><ref>冤罪足利事件「らせんの真実」を追った四〇〇日(下野新聞編集局)</ref>。
[[2009年]]6月に、日本で初めて行われたDNA再鑑定により、不一致だったことが判明、受刑者は釈放された<ref>「調査報道がジャーナリズムを変える」第一部第一章(花伝社)</ref><ref>冤罪足利事件「らせんの真実」を追った四〇〇日(下野新聞編集局)</ref>。
 
[[2010年]]、「[[文藝春秋 (雑誌)|文藝春秋]]」10月1日号から数ヶ月にわたって『私は真犯人を知っている』と題したレポートを開始。2007年の足利事件についての取材で、真犯人と思われる男の目撃者とその目撃証言を掘り起こす。それを根拠に菅家の冤罪報道を行なっていたことを公開する一方で、足利事件の真犯人を特定し捜査当局に伝えている<ref>2010年文藝春秋年10月1日号(文藝春秋)</ref><ref>{{cite news |title=永田町ディープスロート 反省無き警察が踏みにじる 足利事件菅家利和さんの「心残り」と市民の「不安」|author= |agency=|publisher=現代ビジネス |date=2011-01-19|url=http://gendai.ismedia.jp/articles/-/1973|accessdate=2013-12-18}}</ref>。
 
[[2011年]]、「文藝春秋」4月1日号『これが真犯人の根拠だ!』で、清水が追い続けてきた男性のDNA型が、足利事件の真犯人のDNA型と一致することを明らかにしている。事件の再鑑定を行なった[[筑波大学]]の教授の鑑定結果と完全に一致していたという<ref>2011年文藝春秋年4月1日号(文藝春秋)</ref>。
 
[[2015年]]、[[日中戦争]]時の「[[南京事件 (代表的なトピック)|南京事件]]」を題材とした[[NNNドキュメント]]'15「南京事件〜兵士達の遺言」を放送した。その後同番組は「[[ギャラクシー賞]]」など合計7つの賞を受賞。翌2016年に著書「『南京事件』を調査せよ」を刊行。
[[2015年]]、[[日中戦争]]時の「[[南京事件 (代表的なトピック)|南京事件]]」を題材とした[[NNNドキュメント]]'15「南京事件〜兵士達の遺言」を放送した。その後同番組は「[[ギャラクシー賞]]」など合計7つの賞を受賞。翌2016年に著書「『南京事件』を調査せよ」を刊行。[[2016年]]に[[7月]]、文庫本に手書きのカバーを付けて中身を隠して販売された「文庫X」が出版され、全国47都道府県の650店以上の書店に拡大<ref name="jiji161203">[http://www.jiji.com/jc/article?k=2016120300172&g=soc 謎の本「文庫X」ヒット=カバーで書名隠し販売-9日タイトル公表・盛岡の書店]、時事ドットコム、2016年12月3日 14:34。</ref><ref name="mai161210">[http://mainichi.jp/articles/20161210/ddm/041/040/096000c 正体明かす 異例の18万部はノンフィクション 岩手から全国へ]、毎日新聞2016年12月10日東京朝刊。</ref>。販売開始時点では初版3万部だったのが<ref name="jiji161203" /><ref name="mai161210" />、9月から重版がかかりはじめ<ref name="sankei161210">[http://www.sankei.com/life/news/161210/lif1612100027-n1.html 【話題の本】「文庫X」覆面で60部→18万部 『殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』]、産経ニュース、2016年12月10日 11:03更新。</ref>、12月初旬現在で累計18万部<ref name="sankei161210" />のベストセラーとなった。[[12月9日]]にこれは[[盛岡市]]の[[さわや書店]][[フェザン|フェザン店]]が始めた企画でその本の中身が公開されたが清水の著書「殺人犯はそこにいる」だったと発表された。2017年入ってからも刊行部数は増え続け、同年9月の時点で30万部を超えた。2017年12月22日にAmazonプライム・ビデオで配信開始されたドラマ「チェイス」のストーリー・台詞などが、新潮社で清水が出版した著書「殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件」と酷似していたことから、清水と新潮社は、amazonジャパンと製作会社に対し、2018年1月17日に同ドラマ配信の即時中止を求めた。制作会社は謝罪して中止した。しかし、出典などを入れることで和解し、放送再開することが決まった<ref>{{Cite web|title=『殺人犯はそこにいる』との酷似指摘、Amazonドラマ「チェイス」製作会社が謝罪|url=https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1811/14/news077.html|website=ITmedia NEWS|accessdate=2019-10-26|language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|title=新潮社、Amazonドラマ『チェイス』の配信再開に「異議を唱えない」 制作会社は謝罪|url=https://www.rbbtoday.com/article/2018/11/14/165172.html|website=RBB TODAY|accessdate=2019-10-26|language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|title=本田翼主演のアマゾンオリジナル連続ドラマ「チェイス」、新潮社などが配信中止を申し入れ 「清水潔氏の著書に内容が類似」と指摘|url=https://www.sankei.com/life/news/180118/lif1801180033-n1.html|website=産経ニュース|date=2018-01-18|accessdate=2019-10-26|language=ja|first=SANKEI DIGITAL|last=INC}}</ref><ref>{{Cite web|title=新潮社と清水潔氏 アマゾンドラマ「チェイス」配信再開に異議無し…謝罪受け入れ/デイリースポーツ online|url=https://www.daily.co.jp/gossip/2018/11/13/0011817368.shtml|website=デイリースポーツ online|accessdate=2019-10-26|language=ja}}</ref>。 
 
 
 
 
 
 
[[2015年]]、[[日中戦争]]時の「[[南京事件 (代表的なトピック)|南京事件]]」を題材とした[[NNNドキュメント]]'15「南京事件〜兵士達の遺言」を放送した。その後同番組は「[[ギャラクシー賞]]」など合計7つの賞を受賞。翌2016年に著書「『南京事件』を調査せよ」を刊行。[[2016年]]に[[7月]]、文庫本に手書きのカバーを付けて中身を隠して販売された「文庫X」が出版され、全国47都道府県の650店以上の書店に拡大<ref name="jiji161203">[http://www.jiji.com/jc/article?k=2016120300172&g=soc 謎の本「文庫X」ヒット=カバーで書名隠し販売-9日タイトル公表・盛岡の書店]、時事ドットコム、2016年12月3日 14:34。</ref><ref name="mai161210">[http://mainichi.jp/articles/20161210/ddm/041/040/096000c 正体明かす 異例の18万部はノンフィクション 岩手から全国へ]、毎日新聞2016年12月10日東京朝刊。</ref>。販売開始時点では初版3万部だったのが<ref name="jiji161203" /><ref name="mai161210" />、9月から重版がかかりはじめ<ref name="sankei161210">[http://www.sankei.com/life/news/161210/lif1612100027-n1.html 【話題の本】「文庫X」覆面で60部→18万部 『殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』]、産経ニュース、2016年12月10日 11:03更新。</ref>、12月初旬現在で累計18万部<ref name="sankei161210" />のベストセラーとなった。[[12月9日]]にこれは[[盛岡市]]の[[さわや書店]][[フェザン|フェザン店]]が始めた企画でその本の中身が公開されたが清水の著書「殺人犯はそこにいる」だったと発表された。2017年入ってからも刊行部数は増え続け、同年9月の時点で30万部を超えた。2017年12月22日にAmazonプライム・ビデオで配信開始されたドラマ「チェイス」のストーリー・台詞などが、新潮社で清水が出版した著書「殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件」と酷似していたことから、清水と新潮社は、amazonジャパンと製作会社に対し、2018年1月17日に同ドラマ配信の即時中止を求めた。制作会社は謝罪して中止した。しかし、出典などを入れることで和解し、放送再開することが決まった<ref>{{Cite web|title=『殺人犯はそこにいる』との酷似指摘、Amazonドラマ「チェイス」製作会社が謝罪|url=https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1811/14/news077.html|website=ITmedia NEWS|accessdate=2019-10-26|language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|title=新潮社、Amazonドラマ『チェイス』の配信再開に「異議を唱えない」 制作会社は謝罪|url=https://www.rbbtoday.com/article/2018/11/14/165172.html|website=RBB TODAY|accessdate=2019-10-26|language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|title=本田翼主演のアマゾンオリジナル連続ドラマ「チェイス」、新潮社などが配信中止を申し入れ 「清水潔氏の著書に内容が類似」と指摘|url=https://www.sankei.com/life/news/180118/lif1801180033-n1.html|website=産経ニュース|date=2018-01-18|accessdate=2019-10-26|language=ja|first=SANKEI DIGITAL|last=INC}}</ref><ref>{{Cite web|title=新潮社と清水潔氏 アマゾンドラマ「チェイス」配信再開に異議無し…謝罪受け入れ/デイリースポーツ online|url=https://www.daily.co.jp/gossip/2018/11/13/0011817368.shtml|website=デイリースポーツ online|accessdate=2019-10-26|language=ja}}</ref>。 
== 受賞歴 ==