「原動機付自転車」の版間の差分

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{{Otheruses|日本の法規での車両区分|原動機の付いた自転車|モペッド}}
{{Pathnav|日本の運転免許|frame=1}}
{{lawLaw}}
{{出典の明記|date=2014年12月}}
[[File:Honda TODAY 2007TMS.jpg|thumb|200px|right|二輪のスクーター([[ホンダ・トゥデイ (スクーター)|ホンダ・トゥデイ]])]]
[[File:Gyro-X.jpg|thumb|200px|right|三輪のスクーター([[ホンダ・ジャイロ|ホンダ・ジャイロX]])]]
[[File:YAMAHA Passol-L.jpg|thumb|200px|right|電動スクーター([[ヤマハ・パッソル|ヤマハ・パッソルL]])]]
'''原動機付自転車'''(げんどうきつきじてんしゃ、{{Lang-en-short|[[w:en:Motorized bicycle|Motorizedmotorized bicycle]]}})とは、日本の法規における車両区分の一つで、原動機を備えた小型の二輪車を指す。法規上の条件を満たせば三輪、あるいは四輪のものもこの区分に該当する場合がある。
 
[[道路交通法]]では排気量50cc以下 (電動機の場合は定格出力0.6kW以下)、[[道路運送車両法]]では125cc以下 (電動機の場合は定格出力1.0kW以下)の原動機を備えた側車のない二輪車([[小型自動二輪車]])が該当し、省略して'''原付'''(げんつき)と呼ばれることも多い。
 
[[道路運送車両法]]ではさらに排気量により第一種と第二種とに区分する。
 
== 概説 ==
 
=== スクータータイプのもの ===
原動機付自転車の起源は、[[自転車]]に小型の[[ガソリンエンジン]]を取り付けた[[モペッド]]と呼ばれる乗り物である。当初は自転車と同じ[[軽車両]]扱いで免許が不要であったが、[[1952年]]に14歳以上を対象とする許可制となり、[[1960年]]の道路交通法施行に伴い、16歳以上を対象とする免許制になった。
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=== 道路交通法 ===
総排気量50cc(50cc(定格出力0.60kW)60kW)以下の二輪のもの、「内閣総理大臣が指定する」50cc (0.60kW) 以下の三輪のもの<ref group="注">道路交通法施行規則には三輪「以上」のものとあるので、一見すると四輪以上でも該当しうるように思えるが、実務上は、四輪以上のものは「内閣総理大臣が指定する」範囲には含まれていない。</ref>、または前2者以外で20cc (0.25kW) 以下の三輪以上<!--「三輪以上」とする根拠が不明。条文は、「二輪のもの及び内閣総理大臣が指定する三輪以上のものにあつては」「その他のものにあつては」となっているので「その他」は一輪車も該当するはずである。-->のものを原動機付自転車とする。
 
{{quoteQuote|原動機付自転車 内閣府令で定める大きさ以下の総排気量又は定格出力を有する原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であつて、自転車、身体障害者用の車いす及び歩行補助車等以外のものをいう。|[[道路交通法]]第2条第1項第10号}}
{{quoteQuote|道路交通法第二条第一項第十号の内閣府令で定める大きさは、二輪のもの及び内閣総理大臣が指定する三輪以上のものにあつては、総排気量については〇・〇五〇リツトル、定格出力については〇・六〇キロワツトとし、その他のものにあつては、総排気量については〇・〇二〇リツトル、定格出力については〇・二五キロワツトとする。|道路交通法施行規則第1条の2}}
 
道路交通法施行規則第1条の2における「内閣総理大臣が指定する三輪以上のもの」は[[総理府]](現在の[[内閣府]])告示により次のように定められていて、これ以外は[[ミニカー (車両)|ミニカー]]という扱いになる。側車([[サイドカー]])付きは2輪の原動機付自転車と同様に扱われる。
 
{{quoteQuote|車室を備えず、かつ、輪距(二以上の輪距を有する車にあつては、その輪距のうち最大のもの)が〇・五〇メートル以下である三輪'''以上'''の車及び側面が構造上開放されている車室を備え、かつ、輪距が〇・五〇メートル以下である三輪の車|平成2年12月6日[[総理府]]告示第48号}}
 
=== 道路運送車両法 ===
'''二輪車については125cc (1.00kW) 以下のもの'''、それ以外の車両については50cc (0.60kW) 以下のものを原動機付自転車とする。このうち50cc (0.60kW) 以下のもの(道路交通法上の原動機付自転車に加えてミニカーも含むことに注意)を第一種原動機付自転車(通称は原付一種)、50ccを超え125cc以下のもの(道路交通法上の小型二輪車)を第二種原動機付自転車(通称は原付二種)という。
 
{{quote|この法律で「原動機付自転車」とは、国土交通省令で定める総排気量又は定格出力を有する原動機により陸上を移動させることを目的として製作した用具で軌条若しくは架線を用いないもの又はこれにより牽引して陸上を移動させることを目的として製作した用具をいう|[[道路運送車両法]]第2条第3項}}
{{quoteQuote|この法律で「原動機付自転車」とは、国土交通省令で定める総排気量又は定格出力を有する原動機により陸上を移動させることを目的として製作した用具で軌条若しくは架線を用いないもの又はこれにより牽引して陸上を移動させることを目的として製作した用具をいう|[[道路運送車両法]]第2条第3項}}
{{Quote|道路運送車両法第二条第三項の総排気量又は定格出力は、左のとおりとする。一 内燃機関を原動機とするものであつて、二輪を有するもの(側車付のものを除く。)にあつては、その総排気量は〇・一二五リツトル以下、その他のものにあつては〇・〇五〇リツトル以下。二 内燃機関以外のものを原動機とするものであつて、二輪を有するもの(側車付のものを除く。)にあつては、その定格出力は一・〇〇キロワツト以下、その他のものにあつては〇・六〇キロワツト以下。|道路車両運送法施行規則第1条}}
{{quoteQuote|前項に規定する総排気量又は定格出力を有する原動機付自転車のうち、総排気量が〇・〇五〇リツトル以下又は定格出力が〇・六〇キロワツト以下のものを第一種原動機付自転車とし、その他のものを第二種原動機付自転車とする。|道路運送車両法施行規則第1条第2項}}
 
== 法規制 ==
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[[ヘルメット (オートバイ)|ヘルメット]]着用は、1986年(昭和61年)より義務づけられた。[[1970年代]]後半から、ヘルメット着用義務のない手軽な乗り物として[[スクーター]]を中心に急速に普及したが、それに伴い交通事故が増えたことにより、ヘルメット着用が義務づけられることとなった。
 
=== 保安基準 ===
[[日本における自動車|自動車]]に準じて[[道路運送車両の保安基準]]が定められている。タイヤ、ブレーキ、エンジン装置、[[マフラー (原動機)|消音器]]等は[[自動二輪車]]のミニチュア版の性能が求められているほか、保安基準に適合する[[前照灯]]、[[番号灯]]、[[後部反射器]]、[[警笛|警音器]]、[[ドアミラー|後写鏡]]を備えなければならない。なお、[[最高速度]]<ref group="注">保安基準における「最高速度」は、法規制速度の事ではなく、車両の性能上の最高速度の事である</ref>が20km/h以上の原動機付自転車については、[[尾灯]]、[[制動灯]]、[[方向指示器]]、[[速度計]]を備えなければならない<ref>道路運送車両法第四四条、および道路運送車両の保安基準第六十二条の三より。</ref>また、輸入車を含めて排気ガス規制をクリアしなければならない<ref>{{Cite web |date=2012-10-101 |url=https://www.mlit.go.jp/kisha/kisha05/09/090829_.html |title= 道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 |publisher=[[自動車交通局 技術安全部環境課]] |accessdate=2020-01-19 }}</ref>
 
=== 電動の小型車両等に対する規制 ===
<!--この見出しは多数の項目からリンクされているので安易に変更しないでください-->
 
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* 通常の自動車等と同様に、[[歩道]]や[[路側帯]]、[[自転車道]]は一切通行できない<ref group="注">道路外出入りのための横断や、駐停車のために規定の路側帯に入る場合を除く</ref>。
* ヘルメットの着用義務もある(ただし[[ミニカー]]や[[トライク]]など、[[普通自動車]]([[道路交通法|交通法]])等の扱いとなる場合を除く)
* [[運転免許証]]の携帯義務、自賠責保険証書の携帯義務<ref group="注">それぞれ罰則あり</ref>
* [[放置違反金]]制度を含む[[駐車|駐停車違反]]の取締対象になる。
* 交通事故や道路交通法等の違反行為に対し、運転免許の行政処分の対象となる。
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=== 法規に対する意見 ===
{{独自研究|date=2017年11月|section=1}}
[[スクーター]]タイプのものに関して、幹線道路において30km/hの[[最高速度#法定最高速度|法定速度]]を守って走ると、かえって危険であるとして、原動機付自転車の法定速度を引き上げる要請や<ref>{{PDFlink|[https://www8.cao.go.jp/kisei/siryo/030801/1-01.pdf 規制改革集中受付期間/全国規模での規制改革要望に対する回答への再検討要請[https://www8.cao.go.jp/kisei/siryo/030801/1-0.pdf (PDF-P(様式1)]}}(p.4「原動機付自転車の最高速度制限の緩和」管理コードZ0100070]z0100070)</ref>、小型二輪免許を現行よりも簡略化して、原付二種(50㏄(50ccを超え125㏄125cc以下のオートバイ。ただし、[[側車]]のない場合)の普及を促進する提案がある<ref>{{PDFlink|[http://www.jama.or.jp/motorcycle/environment/pdf/environmentdesign2009.pdf 二輪車特別委員会の調査提言書「二輪車の利用環境デザイン」](PDF)}}</ref>。
 
あるいは原動機付自転車免許を、簡略化した普通自動二輪車免許([[小型自動二輪車#運転免許|小型限定]])と統合して、小型の二輪車の売り上げの回復を計る提言もある<ref>八重洲出版 雑誌 モーターサイクリスト 2009年5月-11月号の集中連載記事「50ccはいらない?」第1回~第7回。二輪販売業関係者の提言は第5回と第6回、二輪車特別委員会委員長の免許制度の技能講習案の詳しい説明は第7回</ref>。さらに別の意見として、原付一種も原付二種も運転としては変わらないので、原動機付自転車免許と普通自動二輪車免許(小型限定)を統合した上で、普通自動車・準中型自動車・中型自動車・大型自動車・大型特殊自動車の付帯免許として、売上の回復を図る提言もある<ref>[http://bylines.news.yahoo.co.jp/sagawakentaro/20161003-00062819 「クルマの免許で125ccバイクまで」の是非を問う]</ref>。
 
== 税区分 ==
125cc以下の原動機付自転車は市区町村へ届け出がなされ、[[軽自動車税]]が課せられる。課税額は排気量または定格出力によって区分されて、排気量50cc(出力0.6kW)以下を一種、90cc(090cc (0.8kW)8kW) 以下を二種乙、125cc(1kW)125cc (1kW) 以下を二種甲として扱われる。それぞれの区分に応じた課税標識(ナンバープレート)が交付され、別表に示すように地色で区別される。課税標識のデザインは市町村が条例で定めることができ、2007年以降は[[デザインナンバープレート|独自のデザインのナンバープレート]]を導入する市町村が増えている。
 
{| class="wikitable" style="font-size:small ;"
|+課税標識の色
! 区分 !! ナンバープレートの色<br />(異なる市区町村もある)
|-
|第1種原動機付自転車 50cc以下または定格出力600W以下
| style="text-align: center; background-color: #fff;" | 白色
|-
|第2種原動機付自転車(乙)90cc以下または定格出力600W超800W以下
| style="text-align: center; background-color: #ff0;" | 黄色
|-
|第2種原動機付自転車(甲)125cc以下または定格出力800W超1000W以下
| style="text-align: center; background-color: #f99;" | 桃色
|-
|ミニカー
| style="text-align: center; background-color: #afdfe4;" | 水色
|}
 
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== 原動機付自転車を題材とした作品 ==
* [[佐野榮太郎#原付萌奈美|原付萌奈美]]
* [[宗田豪|げんcha!]] - 宗田豪著(Comic REX、2006年、REXコミックス全1巻)
* げんつき 相模大野女子高校原付部 - アキヨシ カズタカ著<ref>{{Cite book|和書|author=アキヨシ カズタカ|title=げんつき 相模大野女子高校原付部|publisher=株式会社KADOKAWA|date=2013-01|isbn=484014785X}}</ref>
* とりわけ[[ホンダ・カブ|ホンダ・スーパーカブ]]を扱ったもの
** [[スーパーカブ (小説)]] - トネ・コーケン著<ref>{{Cite book|和書|author=トネ・コーケン|title=スーパーカブ|publisher=株式会社KADOKAWA|date=2015-05|isbn=4041056632}}</ref>
** [[スーパーカブ (映画)]]
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=== 注釈 ===
<references group="注" />
 
=== 出典 ===
{{reflistReflist}}
 
== 関連項目 ==
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== 外部リンク ==
{{Commonscat|Motorized_bicycles|原動機付自転車}}
* [https://web.archive.org/web/20070812001452/http://www.nifukyo.or.jp/ 免許取得に関する情報(社団法人 全国二輪車安全普及協会)]
 
{{オートバイの形態}}